[一話]見知らぬ少女になりました。
[ジリジリ!ジリジリ!]
「あー。うるさいな。。。」
[ガチャッ]
朝になったらしい。
外では鳥が鳴いている。
「さぁて、学校に行く準備でもするか。」
俺は普段通りベットから起き上がり、廊下を歩いて洗面所へ向かう。
俺は寝癖がいつもひどいので朝一に確認するのだ。
いままでで一番ひどかったのはパッと見ほとんどアフロだった。
そんなことを考えながら鏡をのぞきこんだ俺。
俺は鏡に映る自分を見て、目を疑った。
「いやっ!!誰だよ!?」
映っているのは黒髪。身長185cm。顔は普通。な俺ではなく、茶髪の長い髪。身長は150cmくらいだろうか?胸はほとんどない少女だ。
俺はそれから数分その状況が理解できないままボーッと立っていた。
そんなときだった。
頭に何か高い音が響いてくる。
「あ···きこ·····」
これは···なんだ?
俺はその音に集中してみることにした。
「あの、聞こえますか!?」
これは誰かの声のようだ。
俺にたいして必死で叫んでいるようだ。
俺のなかに誰かいる···!?
とりあえず、この状況がなんなのか知りたい。
俺は伝わるかどうかは分からなかったが心で言いたいことを念じてみた。
「どうしたんですか?あと、あなたは誰ですか?」
少し待つとまた声が聞こえてきた。
「や、やっと伝わった!えーっと名前でしたよね?私は、マイ·ステアーって言います!!ちなみに魔法使いです····」
ん?魔法使い?
魔法なんていう非現実的なものが実在するわけがないw
俺は馬鹿にされてるのかと思い、少し強い気持ちで念じてやった。
「魔法使い?馬鹿にしてるのか!?」
「ち···違います!ホントなんです!」
「なら、それを証明する証拠をだしてみろよっ!!」
いきなり声が聞こえなくなった。
やっぱり嘘かよw
少し信じようかと思った俺が馬鹿らしくてたまらない。
そんなことを考えてたか、そのとき。
目の前に強い光が現れた。
俺は目がくらんで少しの間なにも見えなかった。
目が慣れてくると、さっきと同じ通り目の前に少女がたっている。何が変わったんだろうか。
突然、さっきまで聞いていた声が聞こえる。
「これで信じてくれる?」
俺はまた念じてみた。
「これでって、なんにも変わってないじゃないか!!」
返答がない。
なぜだ?
「なんで黙ってるの?」
俺は気づいた。
さっきまで脳に直接入ってきてた声が、自分の耳から入ってくることに。
おれははっとして顔を上げた。
先ほどと同じ、目の前には少女がいるがニコニコしている。
「もしかして、まだあなたのなかにいると思ってた?」
「····」
「そうなの?」
「あぁ、その通りだよ。」
俺は頬は赤くしながら答えた。
俺は勘違いしていたことが恥ずかしく、さっきまでの勢いが完全になくなった。
この時の俺は知らなかった。
これからいろんなことに巻き込まれることに。