ムシャブルイ「強」
西欧歴1046年 5月2日(木)
逢魔梓(コヨーテ、あるいは木立天)
放課後、採角先生に傷を見てもらい、カグツチにあるセーフハウスに帰宅。テレビを付けた途端に、栄舞強座首相の緊急会を見だ。ただでさえ薄い珈琲が、やけに水っぽく感じた。
『転生者ギルド』を、政府が直々に立ち上げる。元々は労働組合を指していた『ギルド』を、今度は政府が作り上げる――世も末な。
流石に、核武装強化なんて素っ頓狂をするとは思わなかったけど。大方、栄舞首相の関係者にロビー活動した武器メーカー関係者がいたんだろう。明日、株価が急騰した武器会社が出てくるハズだ。
いずれ、転生者達が連携を取る形になることは、予想がついていた。
これからは、転生者狩りはより難しくなる。
多分、今後は複数の転生者を相手にする機会も増えてくるだろう。それも、今まで以上に重武装した連中と。手から脂が滲み出てくる。
「ハッ、なかなか面白い事になってきましたね?」
「やせ我慢はよせ」
童子様は見透かしていた。
「だが、やめるつもりは無いんだろう?」
「ええ。
せっかく、復讐に人生棒に振ってしまったんですよ?
楽しまなきゃ」
畢竟、そういうこと。
今更お利口に立ち止まったとしても、いつかはコヨーテの正体はバレる。
後戻りなんて選択肢は、とっくに失ってしまっている。
過去を足枷にしたとしても、後ろ歩きだとしても、それでも前に進むほかない。
そして、いつかは――
あとがき
念のため書いておきますが、美国にゴールデンウィークはありません。
日本じゃないからね! ラノベだからね!
さりとて、現実社会のゴールデンウィークも、誰もが平等に享受できるワケではありません。




