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賊・逢魔倶楽部(完結済み)  作者: オルタ
二話「明るい復讐計画」
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それでも信じりゃ救われる

 西欧歴1046年 4月27日(土)

 大池鈍一郎


 ときに、嘘は罪なり得るのかね!?


 私はそうは思わない!


 誰とて、本当ははは言うべきこと、言いたいことを隠すこともあろう。それゆえに縁が保たれることも往々にある。


 だからして、他者に対しての至誠の反語がウソだとすすすうるならば、人は、嘘を吐かずに生きていくことなど叶わぬ!



 嘘とは、他者への、自身への慈しみみみなのだよ!



 ホテルで身支度を揃える。そろそろそそろ会見の時間である。


 秘書が沢山のDMを抱えてやってきた。


「大池様、反神詰パワープラント派から、今日もDMが届いておりますよ」


 かつて私は、神詰パワープラントの安全装置を解除させる法案を可決させた。


 結果、暴走事故が起こり、ナイアル・ルシフェラートも消息を絶った。反神詰派は猛反発したが、彼らにはカリスマが足りなかった。同時にフラグシップも求めていた。改心した私が彼らの琴線に触れること

など、雑作もないことよ! 間隙への楔は、感激への導火線なののののだ。


 彼らは騙されていると思うかね?


 いいや、違う! 幸せなのだ! 嘘を受けることで得られる幸福だってあるということなのだよ! これはリーダーに必要な資質だ!


 秘書は、ゴミ箱にDMの山を捨てた。


「フフ、期待には応えねばなるまい」


 私の人の子だ、我が息子聖一郎を、ゆくゆくゆくゆくゆは首相の座につかせたい。私の認知度が高まれば、あやつの追い風にもなろう! もっとも、他のののの缶詰パワープラントは未だに稼働しているがね。


 大衆というものは『正義』というものが――自身が正義に属するという認識が、三度の飯より好きなのだ。ゆえに、正義を実行せずとも正義を語るだけで、誰そ(だそかれ)に支持される。


「護衛の警察官は手配できそうかね?」


 秘書が重い面持ちで「それが……」と呟く。


 さもありなん。私が総理大臣であったのも、もはや昔の話。警護が請けられるワケもなし。まして与党は神詰パワープラント推進派が多い。そもそも与党内とて、一枚岩ではない。その中でも派閥争いは絶えない。


「うむ、ならば念のため、賞金稼ぎを雇うとしよう」


 賞金稼ぎ。このような鬻ぎをしている者は、確かに居るのだ。


「かしこまりました。すぐに雇えるものを手配します」


「うむ! 『コヨーテ』の準備はできたのかね?」


「はい。万端です」


 よし。これで必要な材料はそろった。


 ならば、ショーが始まるのを待つばかりだ!



 あとがき

 政治家って、陳情書とか電話での意見や内容を偉く気にするらしいが、今はどーなんだかね。

 この手のDMやFAX、メールによる陳情が俄かに盛んになったのが、2008年の共謀罪争議や2010年の都条例の一件でオタクが俄かに結託した時だと記憶してんだけど、あれ以来、変に陳情を送っても嫌がられる風潮があるとも聞く。少なくとも、もう俺は知らない。


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