表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賊・逢魔倶楽部(完結済み)  作者: オルタ
一話 オウマクラブ
7/488

黒ギャルメモタルフォーゼ

 西欧歴1046年 4月8日

 肇ことのは



 区立鶴声高等学校――私達が通う高校の玄関先で、東雲先輩と私は別れた。のぼせたようにうわの空。魂が頭から染み出ているみたい。そんな心持ちで慣れない校舎内を進もうとすると、いきなり後ろから肩を叩かれた。


 びっくりして振り向くと、そこには小麦色の肌に、ショートカットの女子生徒がニヤニヤしている。一足早くきた初夏のように陽気を帯びた女の子。さっそく少し着崩した制服の学年章を見るに同じ年代。すっぴんで、天真爛漫さが際立っている。


 あれ、どこかで見たような……。


「ことのん! 私だよ私!」


「その声……え、もしかしてリンダ?」


 リンダ――林田幸子は「イメージ変わったっしょ?」とウインクした。


「なんで? どうしたのそのカッコ?」


 中学生までのリンダはというと、今どき珍しい黒ギャルファッション。髪を金色に染めるのは勿論、着崩した、というか、適用に体にひっかけたような着こなしの服からブラジャーやショーツがチラチラ見えて、スカートの丈は短くて太ももをでんと出し、たわんだダクトみたいなルーズソックスを履く。


 でも、今は髪の色を戻してカットし、今は肌の色も大分『抜けて』、ケバケバしさは無くなっていた。相変わらずスカートの丈は短いけど――ああ、周りを見る限り私以外みんなそうか。私は、怖い人に絡まれるのが怖いから、説明書みたいな学生証の指定通り、制服は着ている。


「いや~、リンダ達もいよいよ高校生じゃん? でも悲しいかな、あと三年で成人じゃん? 学校生活楽しみつつ、しっかりしなきゃ、と思ってさ!」


 リンダは、オーバーに私の両肩を叩いた。


 リンダ―林田幸子は、中学の頃から活発で「幸子って名前、なんかダサいから」と、なんとも親泣かせな理由で、苗字の林田はやしだをりんだ――リンダを自称するような子。自己主張が結構強いけど、悪い人じゃないよ。私の事を気にかけてくれる、ドン臭い私とは違って、気が回るし、優しい友達。


 ……それでも、彼女の急な変貌ぶりに、私は口を半開きにしてしまっていた。


「なんだよ~、なに寝ぼけてんだよ~」


 リンダは私の肩を掴んでグラグラ首を左右に揺らした。


「いや、寝ぼけて無いけど」


 今朝から色々なことが起こりすぎて、私の脳は処理落ち中。


「この、爽やかなウチの良さを分かってないな?」


「……リンダ、だれか好きな人が出来たの?」


 驚いた時の猫のような顔をするリンダ。私もつい彼女の目を見る。


「まっさか! ハッハッハ!


 将来のことも考えてこの恰好になった、ってさっき言ったじゃん!

 ことのん、やっぱまだ寝ぼけてんでしょ! ダメだよ、夜更かしてアニメ見ちゃ!」

 リンダは、ばしばしと私の背中をたたいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ