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賊・逢魔倶楽部(完結済み)  作者: オルタ
二話「明るい復讐計画」
59/488

ふたりもカリギュラ! さあべいじ♪

 西欧歴10×6年 4月22日(月)

 木立天(逢魔梓、あるいはコヨーテ)



 木立天は、上京して独り暮らしをしている。

 木立天は、マメに各ポイントカードを持ち歩き、律儀に点数を溜めている。

 木立天は、金銭面と栄養面を考えて、毎日豚バラ肉入りの野菜炒めを食べてる。

 木立天は、オーバーオールが好き。

 木立天は、日曜の朝にアニメ「ふたりもカリギュラ~ローマ帝国マジピンチ!?~」を観る

 木立天は、煙草を吸わない。(辛い)

 木立天は、ナプキン派。

 木立天は――



 放課後、マドカ線から私鉄に乗り換えて、芹沢駅の無人改札機を出る。ここは比較的地価も家賃も安い地域。その分、このローカルに名所らしい名所もない。トドメに、低所得者向けの外資チェーン店が乱立しているので、なおさらパッとしない。立ち飲み屋ですら、チェーン店。風情はあまりない。サラリーマン同士が、何を血迷ったのか言い争いをしている。野良猫が、呆れたように彼らの傍らを通り過ぎていく。


 駅から一〇分ほど歩いた先に、私達のセーフハウスはある。首都中央圏外にもなると、流石に監視カメラである見守り地蔵の設置数は減る。やっぱ色々と動きやすいし、何より気楽だね。スーパーで必需品を買い足して、それからセーフハウスへ。


 八畳ワンルームのアパート。簡単なキッチンとユニットバス付き。ねぐらには充分。隠しカメラや盗聴器が仕組まれていないかチェック。テレビを点け、インスタント珈琲を淹れる。テレビ番組なんて見るに堪えないモンばかり。有名人がなんか食ってるか、クイズしてるか『美国スゲー、ホーエツ』と異口同音に叫ぶ番組ばかり。でも変に世間ズレするのもマズい。コントローラー付のビデオゲーム本体が置いてあるのは、銃を握ることによる、指の骨格の変形を誤魔化すため。私は全然ゲームできない。あんな所構わずボタンを一〇個も二〇個も張り巡らされたコントローラーで、よくみんな遊べるな。


 扇子マートフォンで転生者チャンネルをチェック。ネットを観るときは、サーバーに検索履歴が残らない検索エンジンをハブにしている。仮にサーバーに履歴が残ったとしても、転生者チャンネルは色んな人間が見ているからね。木立天として、この端末でチェックする分にはリスクは低い。むしろ適当にサーフィンしていた方が、自然(サーフェイス)に振舞える。コヨーテとして活動する時は、電子機器自体使わない。電源切ったパソコンからでも、内部データは『覗き見』される可能性がある。おちおちメモ帳に日記も書けやしない。


 ボディの足りない珈琲すすり、テレビ付ければコメントショー。専門家による画一的な分析よりも、多角的な視点からのコメントを重視するというコンセプトが主流になり、ワイドショーから、コメントショーに番組は変わっている。三人寄れば文殊の知恵? 門外漢のド素人に何語らせようが、感情的で的外れな結論しか出てこない。ネット掲示板の人となりも知らない連中の書き込みに、動画が付いたようなモン。もっとも『御用学者』なんて言葉ロールもあるけどね。


 画面上に現れたテロップに、目を見開いた。


 転生者、大池鈍一郎。第七六代首相。


 『神詰パワープラント安全管理法改正案』を可決へ導き、プラント内の安全装置を解除させた男。



 あとがき

 日曜の朝っぱらから、ローマ帝国の爛れた政治劇とか、マジで誰が観るんだよ。二人のカリギュラが、玉座をかけて国政そっちのけで陰謀を張り巡らしたりすんのか。

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