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続編のない短編達。

俺には二人の幼馴染がいる。

作者: 池中織奈

 俺の住んでいるこの国、エルガー王国には有名な二人の最強がいる。

 それは、最強の魔法師・エリアスカイ・ルージュと最強の剣士・マラダ・ヤガキヒ。その二人はこの国で最も有名だ。

 方やすべての属性を網羅している最強の魔法師。片や剣でドラゴンさえも切り裂く最強の剣士。

 犬猿の仲であるという話は、国内、いや、国外にまで響くほど有名である。顔を合わせれば殺し合いともいえるような戦いを始めてしまう。そんな二人は、いつか本気でどちらかが死んでしまうのではないかという心配場されている。

 だがしかし、俺は、そんなことにならないことを知っている。

 なぜなら―――、

「ジドゼ! 聞いてよ。またあいつと喧嘩しちゃったんだけど!!」

 エリアスカイ・ルージュは俺の錬金工房に入ってくると大きな声を出す。

 俺がエリアと呼ぶ彼女は、美しい見た目をしている。水色の透き通るような髪を、肩まで伸ばしている。瞳の色は、綺麗な黄色。背は低い。この国の平均よりも大分低くて、百四十五センチと小柄だ。子供に間違えることも多いと聞く。

 エリアは、俺に向かって声を上げる。

「――知ってる。噂で散々聞かされたし」

「もー、あいつってば私に散々なこというのよ!! これでも私がちょっと化粧したのが似合わないとかさ」

「大丈夫、エリアはちゃんと可愛いから」

「ふふ、ありがとう、ジドゼ! あいつもそれくらいいってくれたらいいのに」

「素直じゃないだけだから放っておけ。そしてエリアもちゃんと素直になろうな」

「な、何よ、恥ずかしいから無理に決まってるじゃない!!」

「お前ら、そんなんだから殺し合いをしているとか言われるんだぞ?」

「だ、だだだって、そもそも私がそんな風になったら気色悪がられるに決まってるでしょ!!」

「いや、それはない」

 エリアは、マラダの事を好いている。昔はもう少し素直だったと思うのだが、年を取るごとに素直に好いているとか言えなくなってしまったらしい。


 エリアはその後、散々俺にマラダのことを相談して帰っていった。


 で、その一時間後ぐらいに、今度は、

「ジドゼ! 聞いてくれよ! 俺あいつにまた似合わないとかいってしまった!」

 マラダ・ヤガキヒが錬金工房に入ってきて声を上げた。

 マラダは俺と違って絶世の美形である。作り物のような美しい顔立ちをしていて炎のような赤い髪を持っている。瞳の色も赤く、その瞳は基本的に冷たい光を灯している。というか、マラダの場合親しい者以外には塩対応だからな。

 背は俺よりも高い。平均よりも高いから、エリアと並ぶと四十センチ近く違う。

「知ってる。さっき、エリアが来てたからな」

「またあいつも来てたのか……。というか、どうしよう、ジドゼ! あいつが化粧なんかしてたら可愛すぎて駄目だろ!」

「あー、だろうな」

「他の男があいつの良さに気付きだすだろうが! そんなのこまる!」

「なら、それを本人にいってやれ」

「そんな恥ずかしいことはできるか!」

「そんなんだから犬猿の仲とか言われてるんだぞ? 素直になればいいだけだろうが。あいつも喜ぶぞ?」

「いえねーよ!!」

 正直、興味ない人に対しては冷徹とか言われてる人間が、こんな本性だしていると冷徹ってなんだっけ? という気分になる。つか二人ともさっさと言えよ。それで全部まるくおさまるのだが……。

 そう思って仕方がない。


 そして、マラダも俺に散々エリアのことを相談して帰っていった。




 二人が帰ったあと、俺は改めて思う。あの二人はどうしてこうも素直じゃないのかと。殺し合いを始めているとか噂されているし、というか、実際に殺し合いレベルでやりあって、地形変えたりとかやらかしてるしな。いい加減、素直になればいいのに。

 というか、俺に対してあいつら何でもかんでも話すからなぁ……と遠い目になる。

「ただいまジドゼ

「おかえり」

「また、エリアさんとマラダさん来ていたの?」

「ああ」

 帰ってきたのは、俺の妻であるノノである。俺の表情を見て、エリアとマラダが来ていたことが分かったのだろう。それにしてもあいつら同じ日にいつも飛び込んでくるからな。同じ時間ではないけど。

「あの二人、さっさと素直になったらいいのにね」

「ああ、本当だよ。あいつら俺に何でも話して、俺のこと母親かなんかと勘違いしているんじゃないだろうか……」

「ジドゼ、なんだかんだいって面倒いいもんね。ちゃんと二人の長話にも付き合うし」

「……無視するのもあれだしなぁ」

 本当、俺の事母親かなんかと勘違いしているんじゃないだろうかと思うぐらい俺に何でもいってくる。互いのこと気になる! とかも真っ先に俺にいってきたし。てかその時期もあいつら大体一緒だったぞ。それだけ気が合うのだからさっさとくっつけ。どちらかが素直にいったらそれで全て上手くいくと思う。

「というか、あいつらもしくっついたとしても何でも俺にいってきそうだな……」

 思わず俺はつぶやいてしまった。



 その言葉通り、数か月後二人が付き合った後も二人は俺の元へ何でも話しにくるのであった。



 ――――俺には二人の幼馴染がいる。

 (最強の魔法師と最強の剣士は、俺の幼馴染。その二人は何でも俺に話に来る)



 

ジドゼ

実は凄腕の錬金術師。

最強の魔法師と最強の剣士とは幼馴染。何でもかんでも二人が話してくるので何でも二人の事は知ってる。


ノノ

ジドゼの奥さん。


エリアスカイ・ルージュ

最強の魔法師。小柄、だけど強烈。

ジドゼのことはお母さんみたいに思っていて女性特有のことまで報告する。


マラダ・ヤガキヒ

最強の剣士。背が高い。基本的に冷徹だけど、気を許した人には凄い喋る。

ジドゼのことはお母さんみたいに思っていて何でも報告する。


エリアとマラダはしょっちゅう、喧嘩をしている。でも本人たちはじゃれてるだけみたいな感覚。でも周りから見たら殺し合いにしか見えない。



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― 新着の感想 ―
[一言] キャラ紹介のところで「マラダ・ヤガヒキ」は 「最強の魔法師」ではなく「最強の剣士」ではないでしょうか
[良い点] リア充爆発し…てますねw [気になる点] ジドゼ(セ?)、男ですよね?
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