グレー
前回のあらすじ
姫と会った。
学校に着くと周りの生徒が落ち着いていなかった。ホームルームについても全く落ち着く気配がなかったので、適当なところにいたクラスメイトに話を聞いた。
――それで、聞いた話によると終了式当日に転校生が来るということだ。転校は大抵こういう時期にはない……はずだ。あったとしても珍しいわけで、必然的に注目を浴びる。それに加えて、誰が言い始めたのかはわからないが、その転校生はかなりの美人らしい。おかげで僕の通っている学校の至るところで男子がソワソワしているのだった。誰が転校して来ても最初は赤の他人なので、気にはしていないかった。
オラオラオラオラァ!
なにか叫びながら廊下を走る音がする。かと思うと、唐突にうちのホームルームの扉がいきなり開いた。
「掛石あすかはおるかぁ!!」
何故か僕の名前を呼ぶ声がする。多分さっき走っていたやつと同じやつの声だ。
「はよ出てこんかい! この学校を支配している番長が呼んでいるんやぞ!」
迷惑だ。関わりたくない……と、逃げの姿勢をとった時、僕はクラスメイトに売られた。
「あ、あすかはこ、こに……居ますので、ど、どうか、お、お命だけは……」
相手がこの学校を牛耳っている番長だからか、怯えてろくに喋れない口でクラスメートに売られた。
「おうおう……まあ、お前は見逃してやるが、掛石あすか。おまえだけは許さねぇ!」
厄介だ。喧嘩を売った覚えはないから逃げたいが、怒っている理由が相手から聞こえたとき、僕は別の意味で戦慄した。
「お前、今度の転校生と仲がえらいよろしいようやな……この俺を差し置いて……何かってやっとんじゃボケ!」
周りが一瞬で殺気立った。逃げろ。
だが、人はなかなか協力しないくせに、こういう時だけは協力して囲んでくる。
「さあ、どういうことか話してもらおうか」
ちょっと忙しいので更新が遅いなあ......まあ、それも僕の醍醐味ということで