2、気がついたら雲の上でした
2話目です。前回より文字数も増えました。
それでは、どうぞ。
気がつくと、僕はうつ伏せで倒れていた。どうやらあの穴に飛び込んだあと、気絶していたようだ。
重い体を起こしてあたり見回そうとして、固まってしまった。どうしてかって?
起きていきなり目の前に、雲海が広がってたりしたら誰だって驚くでしょ。
「は、はは…。ここはきっととても標高の高いところなんだろう。ちゃんと足元には地面があr」
そう言いながら、足元をみて絶句した。
そこには地面ではなく、雲がひろがっていた…
「うそ…でしょ…」
まわりは雲海。足元にも雲がひろがっている。このことからわかること、それは、
「僕、死んだんだ…」
「ちょっとストップストップ!」
「!」
急に声をかけないでよ。びっくりしちゃうじゃないか。一体誰だ?
声の聞こえてきたほうへ向き直る。
そこには、淡い水色の髪をたなびかせる一人の女性が立っていた。
「勝手に自分を殺すんじゃないわよ。確かにあなたのいた世界では消えてしまったけどさ。」
「???」
意味のわからないことを言われ、僕の頭は疑問符を浮かべていた。
とりあえず
「うん、まずは病院にいこうか」
「どうしてそうなるのよ!?」
きっとこの人は頭の大事なところが抜けてしまったにちがいない。ショック療法だとさらにダメになってしまいそうだから、まずは精神科かな?それとも…
「まったく、あなたはいきなり何をいいだすのよ。…あなたは向こうの世界から私に召喚されたの。別の世界に送り込むためにね」
別の世界?それはつまり、
「異世界召喚?」
「まぁ、あなたからしたらそういうことね」
「マジで?」
「マジよ」
あの漫画やアニメでしか無いと思っていたことを自分が体験することになるとは。
ん、まてよ。異世界召喚ってことは、
「ねぇ、もしかして僕が呼ばれた理由って…」
「そう、魔王討伐のためよ。異世界の勇者さん」
ですよね~。そんな事だろうと思ったよ。なんで異世界召喚される人って魔王討伐をさせられるんだろうか…
でも、こういうときってだいたい、
「ステータスを最強にできたりするの?」
「ええ、もちろん」
異世界チートきたー!やっぱり異世界っていったらこれでしょ。
というわけでさっそく、
「ステータスいじらして」
「無理♪」
なんで!?あの流れでどうして「無理♪」っていう回答になるのさ。やっぱり頭の大事な何かが抜け落ちてるんじゃないのか?
「こら。なにがバカよ」
「え、なんで僕の考えてることわかったの?エスパー?」
「ちゃんと、あなたの口で言っていたじゃない」
うそ。僕、無意識に喋っちゃってたのか。そんな感じ全然しなかったのに。
そういえば前にも似たような経験が何度かあったっけ。あの時もテレパシーか何かと勘違いしていただけで、本当は自分で言っていただけだったのだろうか?
うわぁ、考えたら恥ずかしくなってきた…
「無理っていったのは、ステータスをいじれるのが私しかいないからよ」
「あ、そういうこと」
「かわりに、あなたの望む願いを6つかなえてあげる」
「え、3つじゃないの?」
「サービスよ、サービス。ほら、この紙に願い事を書いて」
そういって彼女は、ポケットから紙とペンをだして僕に渡してくれた。
「じゃあ、しばらくしたらまた来るからそれまでに書いておいてね」
そういって彼女はフッと消えてしまった。
さてどうしたものか。
~3時間後~
「よし、完璧だ」
「あら、もうできたの?私はてっきり丸1日くらいかかるんじゃないかって思ってたのに」
「さすがにそこまでかからないよ」
「まあいいわ。それじゃあどういった願いなのか確認させてもらうわね。」
そういって彼女は僕から紙をとりあげ、項目の書かれているところに目をおとした。
1、最強武器生成能力
2、隠密スキルの開放
3、武器適正能力強化
4、状態異常の無効化
5、スキル&パッシブスキルの生成能力
6、愛され体質の無効化
「………」
「どう、できそう?」
そういった彼女は少し躊躇いながら、
「…えっと…愛され体質って、何?」
「僕が知りたいくらいだよ」
愛され体質とは、僕が勝手にそう呼んでいるだけで正確なことはわからなかったりする。
「で、愛され体質って具体的にはどういったものなの?」
「僕と目をあわせたり会話したりした人は、それだけで僕に好意をよせてしまうんだ。しかもそれが男女問わず効いちゃうから、なおさら性質が悪い。」
「なるほどね。…だから私もあなたに…」
最後の言葉は聞かなかったことにしたい。うん、心の底からそう思うよ。
「で、その願いは叶えられそう?」
「たぶん大丈夫よ。いまやってみるから」
そう言った彼女は、空中に手をかざす。するとステータス画面のようなものが彼女の目の前に浮かび上がった。
「ねえ、それって僕にもできるようになる?」
「ええ、もちろんできるようになるわよ。」
やったね。これでいつでも自分の能力を確認できるぞ。
なんだかゲームっぽくなってきたから、わくわくしてきた!
「さて、5つまでできたからあとは…」
そういった彼女の手が急にとまった。
額に汗を浮かばせ、焦っているのが目に見えてわかる。
「…え、うそでしょ。な、なんで!?」
「ど、どうしたの?」
「あなたの望みは5つまでは叶えられたんだけど、愛され体質だけなぜか消せないのよ!」
「うそ!?」
チート補正でもだめなのか。どんだけ強力なんだろうこれ。
「まあ、この際あきらめたら?」
「それしかないのかな…」
「かわりと言っちゃなんだけど、あなたのステータスも軽く強化しといたから確認してみて」
「確認って…どうやったらできんの?」
「頭のなかでステータスという言葉を思い浮かべながら、空中に手をかざして。」
「こうかな…うわっ!」
言われたとおりにやったら、目の前に半透明の画面がうかびあがった。
おお、これがステータス画面なのか!ゲームでよく見るものとそっくりだ!!
よし、それじゃあさっそく確認してみよう。
名前:カイト・アライ
Lv:1 男 16歳
職業:なし
称号:異世界召喚の被害者 生徒会副会長
HP:150000/150000
MP:130000/130000
STR:11200
DEF:12600
VIT:10060
INT:10900
MND:12620
DEX:13200
AGI:63000
スキル:
刀:Lv10
錬金術:Lv1
隠密:LV1
パッシブスキル:
状態異常無効化
愛され体質
女神の加護
自動翻訳
ユニークスキル:
最強武器生成
スキル&パッシブスキル生成
異世界召喚術
「………」
「どうしたの、そんな顔しちゃって。」
「チ…」
「ち?」
「チートにもほどがあるでしょー!!」
「きゃあ!?きゅ、急になによ」
「なんだよ、HP15万って。普通9999が上限じゃないの?あと、俊敏力が63000ってどんだけ回避率高いのさ!他のステータスも全部1万超えてるし!」
「いいじゃない、強いんだし」
「まあ、そうだけどさ」
それにしたって強すぎない?
「あ、そうそう。異世界召喚術で、あなたの世界からあなたの知り合いを呼ぶ事ができるから。寂しくなったら使ってみてね。」
この能力は頼んでいなかったが正直助かる。さすがに一人は心細かったからね。
でもその友人から逃げてきた僕は、この能力を使うことがあるのだろうか?
「さて、それじゃあそろそろあっちの世界へ送り込むから準備して。」
あっちの世界っていうは、たぶん異世界のことだろう。
ついに僕もファンタジー世界の住人に…なんだか気持ちが昂ぶってきたような…
「了解。て言っても準備することなんてこれといってないけどね。」
「そう。それじゃあとっととやっちゃいましょうか。」
いよいよ異世界にいくのか。一体どんなところなんだろう。
あ、そういえば。
「結局、君は何者なの?」
「あら、言ってなかったかしら。それじゃあ自己紹介。私は創造神アルティナ、気軽にアルって呼んでね」
え、創造神って?
「いまサラッとすごいこといってなかった!?」
「それじゃあ、まったねー」
「人の話を聞けー!」
僕の声はアルには届かず、僕はそのままいつの間にか足元に浮かんでいた魔法陣に飲み込まれた。
この小説は、その場その場で考えた文章で書かれているので、誤字・脱字も多いとおもいますが、読んでくれるととてもうれしいです。
コメントお待ちしております。