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超番外編 かなり危険な現代生活16

今回は短めで新武器とさらっと流す大冒険回

夏も近づいたある夜、恭夜用に新しい武器が出来たとにとりが興奮しながら説明をしていた。


恭夜邸で食後のお茶を飲んでいた紫はその話を聞いてよくわからない顔で使用を了承し、恭夜が食後のあんみつを持ってくる頃にはその事はすっかり頭から抜けていた。

そして翌日の晩……



「ちょっと、これあれだろ。ルガーラ……」


『射撃可能な槍だそうです』


「いや、でもこれどう見てもルガー……」


『ガンランスとでも呼ぶといいと思いますよ?』


「だけどこれ……」


『はい?』


「何でもないです。いやー、今日も大ちゃんの声は癒されるなぁ!」

有無を言わせぬ可愛い声に思わず何も言えなくなっていた。



そしていつもの戦闘が始まり、恭夜は言われた通りに機械槍を振り回しながら次々に消滅させている。

機械剣よりも切れ味等がよく、払い・薙ぎ・突くだけで雑魚は一撃で消えていく。


「何これ凄い。突きに特化してるから使いにくいと思ったけど、流した霊力が刃の代わりになるから斬れるし」


『先輩の機械剣に蓄積されたデータ等で作ったみたいです』


「ぐっ! 何だこれかなり持っていかれる……」

射撃はどうすればいいんだろうと考えると急に機械槍が真ん中から上下にスライドして割れ、恭夜の霊力を大量に吸い始めた。


バチバチと吸った霊力が割れた真ん中に集まり射撃の準備は万端になっている。

恭夜の意思とリンクしているらしく、両手で柄の部分を掴むと大量の雑魚に向けてそのまま発射していた。



「俺の言う事を、聞け! ……こ、のォォォォッ!!」

まだ欠陥があるらしく吸われ続けて砲撃が収まらず、爆発しそうなくらいバチバチと音を立てながら蒼い霊力を放出し続けている。


どうにか止めようと機械槍を横に薙ぐと砲撃したまま広範囲の異形を一撃で葬り、止まれと強く念じ続けるとようやく止まり上下に割れた槍が元に戻った。



「確かに強いけど欠陥品じゃないかこれ……」

半分以上の霊力を一気に持っていかれ、機械槍を地面に突き刺し荒くなった呼吸を整えながら呟いている。


『目標、全て沈黙しました』


「旦那様!」


「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」

皆あの光景に唖然としていたがハッとして駆け寄ってきた。


「大丈夫。かりん刀も持ってたけど、今日は遮蔽物がない場所担当でよかっ」

突き刺していた機械槍を引き抜きながら答えていたが、いきなり姿が消えていた。


「……え?」


「……ただいま」

次の瞬間には戻ってきたが手にした機械剣は半ばから折れ、背負った機械槍も射撃形態のまま固定され所々がボロボロになっている。


「旦那様、今の一瞬で何が……」


「年取ってないけど、俺の中では五年くらい経ってるからみんなに会えて本気で泣きそう」

流行りの異世界召喚的な目に遭ったらしい。


「と、とりあえず報告が終わったら家に帰りましょう」


………

……


「……っていう冒険をね。最後は某魔砲少女やらを参考にして、ランスの砲撃でどうにかした。残留魔力と霊力と神気を吸収して放ったからとんでもない威力だったよ」

そのせいでぶっ壊れて砲撃出来なくなり、ただの機械槍になっていた。


「旦那様はあの一瞬でかなりの大冒険をしてきたんですね」


「いや、そこじゃないわよ咲夜。魔王が抜群のスタイルの美人だったから倒すのをやめたり、神々に喧嘩を売って討ったり、太陽の子まで出てきたり、他にもツッコミ所がたくさんあったわよ!?」

鈴仙は頭を抱えそうな事を吐き出していた。


「抜群じゃなくてグンバツって」


「同じ意味でしょ! あー、もう……まぁ、でも中身は変わってなくてよかったわ」


「そりゃな。俺に称号とかあったら、異界の神殺しとか異界の救世主とかついててもおかしくないレベル。てか一ヶ月くらいして同郷だからって仲間になってくれた太陽の子が最強過ぎてベリーイージーだった」

勇者として喚ばれた訳でもなく、特に何かをしてもらった訳でもないから心置きなく滅ぼしたらしい。


「実際付いたら嫌がるわよね」


「絶対嫌だわ、字面だけでも痛い。途中の町まででいいからって旅の仲間に入れてもらったんだけど、それが全員女の子っていうガッカリ感が凄かった」


「あー……こっちと変わらないから?」


「こう、渋い中年のおっさん戦士とかチャラい青年盗賊とか居るんじゃないかってワクワク感が台無しだったんだ……しかも全員女子力低かったから、料理やら魔物の解体やらは俺がやってたし。それが勇者御一行様なのに気がついたのは近くの城下町で別れようとした時で、もう手遅れだった」

どうやって到ったかの細かい部分を補足し始めていた。


「勇者も人の子なんですね」


「そりゃそうでしょうよ。とにかくそのせいで魔王の所まで行く羽目になったんだよなぁ……本来ならそこでこっちに帰る手段を探すつもりだったのに」

前衛で指示も速く的確、攻撃と回復魔法が使え、炊事洗濯も出来ると手放したくない存在だったらしい。


「でもデータがたくさんある!ってにとりさん大喜びだったし、結果オーライよ」

トラブルに巻き込まれやすいのよねー、と鈴仙は考えながら慰めていた。


「もう忘れて現代を楽しむわ。明日は一日ごろごろする」




それから二週間楽しい学園生活を謳歌し、遂に新しい機械槍と機械剣が恭夜の元に戻ってきていた。


「これが新しくなったかりん刀とルガー……」


『こんぺい刀と新機械槍ですね』


「えっ、また名前それ系なの……? そしてこっちは愛着のある機械槍だな。まさか新しく作る以外に修理までしてくれるなんて、流石河城先輩」

機械剣は邪魔にならないよう腰のラックに付け、二本の機械槍を手にしている。


『機械槍改は大火力に特化、新機械槍は威力を抑え目にして連発可能な砲撃が可能らしいですよ』


「いや、なんでそっち強化したし。カートリッジつけて霊力消費しなくても撃てるようにとかあったと思うの」


『……その手があったかー!だそうです』


「気づけよ河城先輩!」


『それでは時間ですので始めますよ。あっ、機械槍改は危険との事で回収しますから置いて行ってくださいね』


「ですよね」

ただでさえ火力が凄かったのに、バ火力になったそれを扱うのは難しいと考えていたらしい。



展開して砲撃、近づいてきたら斬り払いと色々試してからいつも通りに指示を出し始めた。


「射撃は使いやすいけど、これなら鈴仙達に任せた方がいいな。変形はスムーズだし、かっこいいから見映えはいい」

カシャンカシャンとスムーズに変形させている。


飛びかかってきた異形を突き刺し、そのまま変形させてミチミチと身体を裂くという行為に出ていた。

試してみたら出来てしまい、ドン引きしながら砲撃して核の部分を消し飛ばしている。



「やばい、やらなきゃよかった……」


「お兄様ぁ……」

近くにいたフランも気持ち悪くなったらしく、ジト目で恭夜を見ていた。


『にとりさんが今のを見て後ろで大笑いしてます』


「でしょうね。さてと」

機械槍を地面に突き刺すと機械剣を手に取り、改めて接近してくる異形達を斬り裂いていく。


………

……


テレビから流れてくるミスティアの歌を聞きながらコーヒーを飲み、こちら側の者専用に作られている新聞に目を通している。


「いつまで経っても俺の記事が載ってる事に慣れないなぁ……てか爺ちゃんと婆ちゃん達の事まで調べられてるのが凄い」


「旦那様の母方のお爺様がこちら側で既に途絶えた有名な武器の制作者の血筋で、お婆様が弓の名手だったみたいですね」


「幼馴染みで弓の製作をしてフォロー、そのまま恋仲になって結婚……素敵ですね」

咲夜と美鈴が両サイドに座りながら新聞を覗き込んでいた。


「これだとどっかに婆ちゃんの弓あるかもな」

探す気はないようだが、記事を見る限り残っていそうだった。


「父方のお爺様もこちら側で途絶えた道具製作の血筋だったみたいですね。お婆様はその力を存分に活用して多くの異形を地に沈めた近接特化の方で、幼馴染みだからって半ば強引に結婚をしたと」


「今で言う草食系男子と肉食系女子だったんですね」


「父さんと母さんも幼馴染みだったんだ。色々書かれてるけど、いつもイチャついてたイメージしかないなぁ……」

恭夜についてもかなり書かれていて、プライバシーなんてあってないようなものである。


「あ、面倒になったのか旦那様の好きな物が女性ってなってますよ」


「どちらかと言えば女体のがあってますね」


「間違ってないけど否定したくて仕方ないわ」

諏訪子の加護のお陰で毎日元気であり、何人相手にしても平気になっていたりする。


「後は庭いじりと料理って書いてありますね」


「誰が調べてるのか分からないけど凄い詳しく書かれてて逆に引くわ。俺の携帯の待ち受けが大ちゃんなのも知られてる」


「あの子は結構貪欲ですよね、隙あらば旦那様を独占していますし。この一ヶ月で旦那様の部屋に何度も訪れているのもわかってますし」


「見た目のほんわか具合から考えられないくらい強かですからねー。自身の武器を最大限活用してますし」


「実際青娥さんの次に多いのが彼女だからなぁ」

どちらもほぼ毎日誘いに来たり、忍び込んでくるから回数が他の追随を許さなかった。


「学園長の指示で旦那様が二人に勉強を教えていましたけど、その目的が新一年生になるはずだった二人を私達と同じクラスに入れる為だったんですよね」


「二人とも頭良いから教えるの楽しかったよ。でもフランと大ちゃんは一年生のがいいと思うって進言したけど、当の本人達が大喜びだったからなぁ……」

一年分無くしたようなもので悪い事をしたと思っている。


恭夜の指導力の確認+いざという時に固まっていてもらいたいという打算+二人からの要望でこうなっており、二人は恭夜や皆と一緒に過ごせる二年間のが嬉しいらしい。



「今年からは正式に上白沢先生が担任になりましたし、去年までより気が引き締まりますね」


「最近は妙に上白沢先生のスキンシップが多くて困る。距離を離すと更に近づいてくるし……用務員の藤原さんも最近やたら絡んでくるんだよなぁ」

何かしらイベントが起きる前兆なのでは?と恭夜は毎日ビクビクしている。

全距離対応型に進化。



明日は雪が積もるかもしれないとか困る。

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