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近くて遠い場所

残暑は厳しいが秋も近くなり、博麗神社で宴会が行われている。


「流石に危なかったな。みんな自信があったみたいで全賭けに乗ってくれて助かったよ」

永琳、幽々子、紫を相手にポーカーで遊んでいて、劣勢だったようだが最後の最後に全てのチップを手に入れて勝っていた。


「いや、これは全員何らかのイカサマをしたようにしか思えないわよ……」

楽しそうに見ていたレミリアの提案でカードを配り、イカサマがない事をしっかり確認していた文が呟いている。


「師匠達のハート、ダイヤ、クローバーのロイヤルストレートフラッシュですら奇跡にしか思えなかったのに」


「幽々子様があんなに驚いた顔をしたのを見たのは初めてかもしれません」


「紫様も開いた口が塞がっていないな。私も信じられない光景を目にしているが」

それぞれの弟子や従者が見ていても異常な光景だったらしい。



「スートの強さで決めるって事前に決めておいて正解だったよ」

珍しく唖然とする三人の前には恭夜の手札、スペードのロイヤルストレートフラッシュが揃っていた。


「『ツキの女神は待っている』って呟いて配られた手札を一切見ないで、チップを全て賭ける提案をした恭夜にはゾッとしたぜ」


「でもスキマ妖怪達も善戦した方だ。私達を相手にした時は必ず誰よりも一つ上の役を作り、一切の被害もなく圧勝したのだからな」

恭夜の勝利で鼻高々になり、ちょっとだけカリスマ増し増しなレミリアがドヤ顔で決めている。




華麗なる逆転を決めご機嫌で歩いていると早苗に手招きされて着席。

そのまま早苗と一緒に呑んでいると輝夜がふらりと現れ、三人であーでもないこーでもないと話をしていた。

すると……


「こ……これはさっきの仕返しだとでも……」

下半身がスキマに飲み込まれ、上半身だけで必死に身体を支えている。


「わー!」


「ちょ、ちょっと!」

早苗と輝夜は慌てて恭夜の腕を掴んで引っ張り、スキマに落ちないよう必死。


「いや、お前達それは今一番取ってはいけない悪手……うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「え……きゃあぁぁぁぁ!!」


「えっ、待って、タイム……きゃあぁぁぁぁ!!」

二人が支えていた腕を掴んで引っ張ってしまい、バランスが取れなくなり二人も一緒にスキマに飲まれてしまった。


隅の方で呑んでいたのが仇となり、三人が居なくなった事に誰も気がつかず……


………

……


「……っ!」

スキマを抜けると石畳が見え、身体を回転させて衝撃を殺して上手く着地している。


「あっ!」


「クッション!」

周囲を見回そうとした所に早苗がぶつかり安全に着地し、次に降ってきた輝夜が倒れた恭夜の背中に思いっきり着地してクッション代わりにしていた。


「踏んだり蹴ったりとはこの事か……」

立ち上がると早苗が汚れを払ってくれている。


「恭夜……私がここにいる」


「いや、俺もここにいるけど。ファフナーか何か?」

クイクイと服の裾を引かれ、思わず素で答えている。


「あの、恭夜さん……私もここにいます」


「まるで意味が分からんぞ……桜?」

花びらがひらりと目の前を通りすぎ、早苗や輝夜が向いている方に目を向けた。



突然現れた三人に驚き静まり返った、恭夜を除いた先程までの面々が宴会をしている姿がある。

だが問題は……


「「わ、私がいます!」」


「「とんでもない美少女がいると思ったら私じゃない」」


「……は?」

どうやらとんでもない事になってしまっていた。




場が騒然となったが冷静になり、話し合いがしたいと紫と霊夢に申し出て一時宴会を止めてもらっていた。

そしてこちらに来た経緯を話始め、早苗と輝夜も側に控えている。


「って訳なんです」


「紫、あんたがさっき確かに開けたはずなのにって騒いでたスキマ……」


「ま、まさかー……」

心当たりがあったらしく、冷や汗を流しながら扇子で口許を隠している。


「多分俺達の世界の諏訪子さんと紫が気がつけば、這い寄る混沌経由で探しに来てくれると思います」

特定に時間がかかるが確実であり、それまでどうするべきか頭を悩ませていた。


「それまでどうするつもり? 流石に私の所に三人は厳しいわよ」


「もし出来るなら里の外れにある小屋を貸していただければ、迎えが来るまで俺達はそこで生活させてもらいます」

食物は種さえあれば三人分を賄うくらいは余裕であり、肉も熊や猪を狩る事でどうにでもなりそうだった。


「……生活必需品や食べ物は私が用意させてもらいます。里外れの件も交渉しますので」


「八雲さん、ありがとうございます」

頭を下げて礼を言い、とりあえずの衣食住が確保できてホッとしている。


「……輝夜さん、恭夜さんが真面目に話してる姿って見た事ありました?」


「……ないわね。基本的に心を許した相手には敬語とか使わないし」

真面目モードが珍しいらしく、二人はヒソヒソと話し合っていた。



そしてその日は博麗神社に泊まる事になり、そのまま宴会に参加しないかと誘われて喜んで参加していた。


「なるほど……ここは俺が居なかった場合の世界なんだな」

改めて紳士で真摯に自己紹介をし、既に宴会に溶け込んでいる。


「居ない所を見ると、そうみたいね。物珍しそうにみんな見てるわよ」


「もう一人の私が何故か頬を赤くしてチラチラ恭夜さんを見てます」

早苗と輝夜が混ざると訳が分からなくなると言い、恭夜は二人の髪を持っていたヘアゴムでツインテールにしていた。


しばらく三人で今後の事を相談しながら呑んでいると、この世界の早苗と輝夜がそれぞれ酒瓶やおつまみを持って訪れてきた。


「あ、あの!」


「一緒に呑みましょ」


「東風谷さんに蓬莱山さんか」

流石に名前で呼ぶと訳が分からなくなるので、名字で呼ぶことで呼び訳をしている。


「やっぱり私なんですよね」


「あの、ちょっと聞きたい事が……」

早苗は早苗に話しかけていた。



「輝夜と蓬莱山さんに挟まれて嫌な予感しかしない」


「こんな美少女二人に挟まれるなんて普通の人間ならありえないわよ?」


「そうね。……あ、でも恭夜は普通じゃないし、ほぼ毎日レベル高い女の子に挟まれてる」

紅魔館では小悪魔と咲夜、外出途中は幽香と八尺様、その他行く先々で挟まれていたりする。


「普通の人間にしか見えないけど……」


「こっちのはどうかわからないけど、風見幽香の加減していない砲撃を生身で耐えるって言えばわかる?」

こちらより性能が数段上だから、こちらの幽香の攻撃は余裕で耐える。


「理解したわ」


「最近本気出してきてるし、あれ耐えるのはいいけど凄く痛いんだよなぁ……」

普通の人間なら跡形もなく消し飛ぶレベルを耐え、凄く痛いだけで済ますからおかしかった。


「悪用されたら困るだろって言いながら、私が昔に出した難題のあれを全部持ってきたり普通じゃないのは確かなのよね」

全部香霖堂にあったようで回収してきたらしい。


「アイスの実の枝は後で譲ってもらったけど。……あ、早苗それ取って」

少しお腹が減り早苗に頼んで料理を貰おうとしている。


「「はい」」

同時に二人が全く同じ動作で箸で掴み、手を添えて差し出していた。


「あー……ありがとう」

二人から差し出された料理をどちらも食べ、礼を言っている。


「いえいえ」


「あ……間接……」

こちらの世界の早苗は何かに気がついて赤くなり、箸をジーッと見つめていた。


「機会と場所と材料があれば俺も本気出してお菓子作れるんだけどなー」

お菓子作りと耳掃除に関してだけは幻想郷でトップを名乗っても許されるレベル。


「美味しすぎるのも考えものだって永琳が言ってたわね。てゐの誕生日とかにニンジンのケーキをたくさん作って持ってきてくれるけど、切り分けて余ったら争奪戦になるくらいだし」


「諏訪子様と神奈子様も太る太ると言いながらも、恭夜さんの作るケーキやタルトはしっかり二つは食べてますね」

人里のカフェにも安価で稀にワンホールだけ卸したり、恭夜と接点のない者達が食べるにはそれくらいしかなかったりする。


「みんなもうちょい肉付けてもいいと思うんだけどなぁ……」


………

……


それからしばらくして少々トラブルがあり……


「俺はこのままでいい」

何かを感じたらしく配られたトランプを一切見ず、そう呟いて目の前のレミリアを見ていた。


「……面白い、貴様が私に勝てたのならフランは預けてやる」


「素直に正直に話せば彼女だって貴女の想いに気がつくのに」


「……ハートのロイヤルストレートフラッシュ。これで私の勝ちだな、貴様程度ではフランの運命を変える事は出来ない」

おぉっ!と一騎討ちを観戦していた者達が声を上げ、二人に配って余ったトランプを持っているフランが悲しそうな目で見ていた。


「そりゃ俺はフランちゃんじゃないからねぇ。さてと、何故か起きる奇跡を見せてやろうじゃないか……スペードのロイヤルストレートフラッシュ」

パラララと伏せて並べられたトランプを表にし、スートの強さで上回るスペードのロイヤルストレートフラッシュを見せつけている。


「なっ……!?」


「イカサマじゃないぜ。フランちゃんに配られてから俺は一切手を触れてないからな」


「こんな馬鹿な事が……!」


「俺が何の勝算もなく挑むと思った?」

静まり返っていた者達があまりの展開にざわざわと騒ぎ、フランも驚いて目をぱちぱちさせていた。


「くっ……!」


「あ、それとさっきのペナルティでレミリアさんにも俺達が居る間は週二くらいで泊まりに来てもらうから」


「え……?」


「そこのメイドさんがよかれと思ったのかイカサマしようとしたからな」

申し訳なさそうにする咲夜を指差しながらそう答えていた。


「さ、咲夜……?」


「申し訳ありません。時を止めてすり替えようとしたのですが……トランプに触れようとした瞬間に腕を掴まれまして」

まさか動くとは思わなかったらしく、腕を掴まれた瞬間に可愛らしい悲鳴を上げてへたりこんでいたようだが。


「それでもイカサマはイカサマだからね、仕方ないね」


「う……うー」


「誇り高い吸血鬼だもんね、イカサマしたらちゃんと罰を受けないとね」

カリスマが霧消した途端にガンガン追い込んでいくスタイル。


「うー!」


「最近のお嬢様はいつもそんな感じだから、さっきのビリビリ来るカリスマ全開具合は懐かしかった」


「羽をぱたぱたさせながら恭夜さんの後ろを付いて回ってるイメージが強いですしね」

暇だからと仕事ぶりを見るといつも付いて回っているらしく、早苗はそれをよく目撃している。


「あの、その……お兄様って呼んでいい?」

フランは早苗に連れられて来たらしく、そわそわチラチラと恭夜を見ていた。


「……今凄いキュンって来た。いいよ、寧ろ呼んでほしいまである」


「フラン、ダメよ! この手の人間をそう呼んだら最後、撫で撫でとかされちゃうのよ!」


「お兄様にされるなら嬉しいなって」


「何か急にほんわかしてきた。義妹フラン……そういうのもあるのか」

元の世界だと天真爛漫おてんば吸血鬼だったからか、このフランがとても新鮮だった。


「それに貴方! 何で運命が見えないのよ!」

もう色々とあってレミリアは逆ギレし始めている。


「うん? 原理は分からないけど強力な能力は一切効かないらしいんだよね」


「……は?」


「あ、直接作用した場合ね。実際スキマにはよく飲まれてるし」

その真価は咲夜とのペアで発揮される。


「な……な……」


「フランちゃんのも効かないから、もし何かあった時でも俺なら大丈夫だし」

狼狽えるレミリアを相手にドヤ顔で決めていた。


「う……うー!」


「ふふふ」

先程まで一触即発な空気だったのにレミリアを手玉に取り、愉悦に浸る恭夜への認識を皆が『こいつは敵に回すとヤバイタイプの奴だと』改めている。



それから巧みな話術と口先の魔術でこの世界のレミリアとフランの溝を少し埋め、まだぎこちないが姉妹仲の改善をさせていた。


「これで少しは改善されたのかな」

少し離れた場所でレミリアが甲斐甲斐しくフランの小皿に料理を取り、フランがレミリアのグラスにワインを注ぐ姿を見ながら呟いている。


「私達の世界じゃないのに、あの姉妹に関してがんばるわよねー」


「どこに行こうと最終的に恭夜さんはあのお二人の元に帰りますからね」


「一応言っておくけど、お前達が俺を頻繁に拉致するからお茶の時間に凄い愚痴られるんだからね?」




夜になっても宴会は終わらず、相変わらず早苗×2と輝夜×2と呑んでいた。

先程レミリアを手玉に取った事で各勢力のトップから呑みのお誘いが来て、嫌だったが早苗と輝夜達を連れて混ざる事になっている。


「俺以外女の子で王様ゲームをやるとか、キマシタワーが建つかと思ったのに……」

今は3と書かれた割り箸を見えないように持っていた。


「うーん……三番が逆立ちして、そのまま腕立てを20回でいいから王様の前でやりなさい」

幽香はニヤニヤしながらチラッと恭夜を見て、三番が誰か分かっているのかとても大変な要求をし始めている。


「うぐっ……俺っす……」


「ほら、早くしないと次に行けないでしょ」


「何でピンポイントで……よっと。早苗、カウントは任せるから」

幽香の前で綺麗に逆立ちをし、仕方なく腕立ての態勢に入っていた。


「私が途中邪魔するけど、倒れたら一からよ?」


「ふっ……ふっ……」

もう無視してハイペースで腕立てを始め、綺麗な逆立ちを維持しており文句は言わせないとばかりの気迫を感じる。


「……なっ!」

日傘で腕を払って転ばせようとしたらしいが、腕の力だけで跳ねて日傘を避け再び腕立てを始めていた。


「はい、二十回です」


「……よっと!」

また腕をバネのようにして跳ね、自分が座っていた場所に着地している。


「侮ってたわ」

不完全燃焼だったらしく、完全に幽香に目をつけられてしまった。




「それじゃあ……二番が王様に丁寧に耳掃除をする」


「また俺かよ……」

あれから何度もピンポイントに狙われ、流石に謀られているのは分かっているが原理がわからず従うしかなかった。


「八雲紫、警告するわ。耳掃除だけはやめておきなさい、貴女が今後苦しむ事になるわよ」


「本当にやめた方がいいと思いますよ。絶対に後悔しますから」

面白そうに見ていた輝夜と早苗だが、王様になった紫の命令に難色を示している。


「ふふ、後悔なんてあるわけないわ」


「そう……恭夜、ほら永遠亭で預かっていた予備のセット」


「えっ……今どうやってどこから出したの? これ大きいケースだよ?」

耳掃除用の様々な道具が納められるケースで、少々値は張るが安全だという事で予備を揃えて永遠亭に預けてあった。


「乙女には秘密がたくさんあるのよ」


「……まぁ、いいや。とりあえず本気出して、徹底的に耳掃除をするから」

既に様々な神々すら常連になる程の腕であり、スタンプカードを導入してからは何故か頻繁に来る者も出た模様。



楽しげな紫が膝に頭を乗せ、下から覗き込むようにして見てくるが無視。

輝夜から渡されたケースを開き、耳栓を装着してから向こうの紫用に調整された耳掻きを手にしている。

そして


「……ふー。これでどっちもおしまい」

最後にふーっと耳に息を吹き掛け、ビクッ!と身体を震わせた紫の頭を軽く撫でてから耳栓を外した。


「だから言ったのに。可愛らしい声を上げちゃって」


「おかしくなりそうなくらい気持ちよくて、一度止めてもらいたいんですけど耳栓してて聞いてくれないんですよね」

二人は慣れているから平然としているが、他の者達は紫の乱れる姿を見てどんな耳掃除なのかと思わず生唾を飲み込んでいた。


「服の裾を噛んだり涎を垂らされて冷たい」

裾と太ももの部分が濡れてしまい少し不快だった。


耳掻きを手入れして綺麗に片付け、自分の側に置いてから皆に向き直っている。

紫はまだ膝に頭を乗せ、キュッと服を握っていて離そうとしない。



「続きはしばらく出来そうもないっすね」

いつも紫にやっているように無意識に優しく頭を撫でながら言っている。


「ゆ、紫が落ち着いてからになるわねー」

食い入るように見ていた幽々子は急に話しかけられて焦りながら答えていた。


「……」

細工されていないか割り箸を確認しているが特に何もなく、どう対処すればいいか悩んでいる。


「……はっ!? んんっ! さ、さぁ、続きをやりましょうか」

ようやく意識がはっきりしたらしく、だらしない惚けた顔からキリッとした顔に変わった。




それから酒やつまみを呑んだり食べたりしながら進行して……


「死屍累々じゃねーか」

王様ゲームをしていた面々は荒い息で横たわっていた。


「あの八雲紫の痴態を見てるのに、何でこいつらは自ら突っ込んでるのよ。もう一人の私は面白がって永琳にやらせていたし」


「みんな『耳掃除なんかでああなる訳がない』って言っておいてこれですからね」


「八雲さんは二回目だったら全力マッサージだったけどな」


………

……


別世界の宴会に参加して数日が経過し、三人は里ではなく各勢力を泊まり歩かされている。

フランはレミリアと一緒に過ごしたいとの事で紅魔館に帰っており、初日は紅魔館に招かれていた。

この世界では小悪魔が小悪魔妹だったり、立場や経緯が違うからか美鈴が敬語だったりとかなり新鮮だったらしい。


「今日は白玉楼かー」


「それよりも永遠亭で見た夢っていうのが気になるわ」


「夢の中で輝夜さんと永琳さんに会ったって言ってましたね」

二人はそれよりもそっちが気になっていた。


「冥界にお泊まりなんてレアなのに……何か月に居そうな人達から二人で逃げてる所に出会した夢だったよ。追われてるみたいだったし、落ち着いて話がしたいからさっさと俺が一掃したけど」


「えっ」


「夢でも過激ですねー」


「それで華麗に終わらせてから話しかけたんだけど、めっちゃ警戒してるわ俺の事を知らないわで大変だったよ。何とか話は聞いてもらえてそのまましばらく一緒に行動して、夢が覚めるなって時には格好つけて『いつか遠い未来でまた会おう』って決めたわ」

夢の中でちょっと主人公になれたように感じていたらしく、唐突な目覚めの時も格好つけていたようだった。


「うわぁ……でもその話を聞いてたこっちの私と永琳の様子がおかしかったわよね」


「恭夜さんの夢に引いていたとか?」


「やめろよ、早苗……次泊まりに行く時に俺が凄く気まずいだろ……」

その可能性に気がついて恭夜のションテンがガリサーだった。



これ書き出す前に没案にした、もう一個の世界の再利用。

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