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割と楽しく過ごす日々

ある春の暖かな日の紅魔館。


「部屋で小悪魔とイチャつきながらキスしてるのを見られてから、お嬢様以外が普通にキスしてくるように……役得すぎるだろJK」


「むー……咲夜さんと美鈴さんはずるいですよ。私は勇気を出してこうなったのに」

便乗される形になって小悪魔はムスッとしていた。


「まぁ、そこは鍵をかけ忘れた小悪魔が悪いな。そしてアリスは毎回タイミングが悪い」


「納得できないなぁ……アリスさん、チルノちゃんにキスされたタイミングで来たんですよね」


「背後からの上海の一撃で気絶したわ。何か言いたそうなチルノにしゃがんで目線を合わせたのが災いした」

そしてそのままチルノの方に倒れ込み、押し倒される形になったチルノも恥ずかしさやら何やらで気絶していたようだが。


「追い討ちでゲシゲシ蹴られてましたね」


「起きたら何か俺の腹にパチュリーとアリスが座ってお茶してたな。起きたのに気がついてるはずなのに、おしゃべりしながら三十分くらい無視されてさ……イラッとしたからパチュリーの脇腹をそっとつまんでみたり、やらしく尻を撫でてみたりしたんだよな。パチュリーが艶かしい声を上げたせいでアリスに気がつかれて、俺の両手が魔力の糸で床に固定されたけど」

更に周囲を人形で囲み悪戯できない用にされたらしい。


「あれはリアルガリバーでしたねー。パチュリー様へのセクハラもアリスさんに見えるか見えないかの絶妙なラインでしてましたし」

助けもせず一部始終を見ていたらしい。


「見てたなら助けてよ。だけどパチュリーも小悪魔も変態だし、セクハラしても喜ぶから俺としては凄く嬉しい」


「三人合わせて変態トリオですね。私は恭夜さん以外には絶対に身体を触らせたくないですけど」

幸せになる為と恭夜への圧倒的な好意で他の男に興味がなく、それで触り触られあう関係になっている。


「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」


「それは私もだけどね、失礼するわ」

聞き耳をたてていたのか咲夜が当たり前のように部屋に入ってきて、ベッドに腰かける小悪魔と恭夜の間に無理矢理身体を捩じ込んでいた。


「ちょっ、咲夜さん!」


「普段もめっちゃ可愛いけどメイド服ってだけで何でこうも俺の心は乱れるのか」

メイド萌えで匂いフェチのおっぱいマイスターという変態三連コンボで、全裸には萌えがないという言葉も残している。


あの宴会の日以降、レミリアとフランを紅魔館組四人のアプローチは激しくなっていた。

部屋でなら何をやっても合法と四人が曲解したからでもあり、キスや互いの身体に触れるのは普通になりつつある。



「……やっぱり恭夜はいい匂いがするわ」

小悪魔を完全にスルーでスンスンと恭夜の胸元に顔を埋めて匂いを嗅いでいた。


「積極的にセクハラしてるのにみんなが好意を持ってくれる理由がわからん。しかも何か気の使い方の向上、魔法のレパートリーと威力の増加、時を停止させる時間の増大、本の整理整頓が得意になったりしてるし」

縁が深まった事でデメリットなしで八秒までなら時も止められるようになっていた。


心が通じあっていて一線を越えてしまえば完全にリンクするようになり、全く同じ能力を行使出来るようになる。

ぶっちゃけ超チートマンになれるチャンスがごろごろ転がっているが、刺されて死ぬ恐怖が先行していて手を出せずどっちつかずの微妙な状態になっていた。


「私達の劣化能力だけど凄いわよね。フランドール様の能力は劣化していても恐ろしいわ」


「でも俺が使えるのは俺より弱い存在限定で、その相手の身体に見える眼を直接叩き潰さないといけないから使い勝手が悪いよ。幽香さんの能力は劣化してても使い勝手いいから最高だけど」

庭師としても働いているからか、幽香の能力は劣化していても最高らしい。


恭夜が漫画を見て真似た、傷口に種を植え付け生命力を吸わせて花を咲かせる技は初見の幽香がドン引きするくらい残酷だった。

今は慣れたらしく自分でもやっているようで、どの花の種が綺麗に咲くか二人でよく話し合っている。


「侵入者が干からびて身体から花を咲かせているのはそれが理由なのね」


「お嬢様、最近外来人の血は不味いって言って全く飲まないし……」

レミリアは癖になったのか限界まで我慢して恭夜の血を吸うのを楽しみにしているらしく、折角取った血も無駄になるようだった。


「恭夜の血以外はイヤっていいだしてるものね」


「フランも便乗してくるから首の両サイドが牙の痕だらけになっちゃうからなぁ……あと何か凄い快感が走るから困っちゃう」

満月の夜に嫌々血を飲む恭夜には二人の血が美味しいという感覚が理解出来ない。


「里だと妖精遣いって呼ばれていたりするわよね。恭夜をよく知らない外来人の女からの評価は地の底みたいだけど」


「お菓子の人って認識されてるからだろうな。チルノとか力のある妖精を率いて、霊夢と弾幕ごっこしたのを見られたのも関係してるかもしれないけど」

ちょっとしたイベントにと慧音に頼まれ、ノーマル霊夢を相手に弾幕ごっこをしたらしい。


「それは私も見てたわよ。霊夢が手加減するって言って、恭夜が嬉々として受け入れたのよね」

咲夜は危ない事をしないようにしっかりと見守っている。


「追い詰めたら本気出してきたから困る。手加減するんじゃなかったのか!?って聞いたら」


「『サービスタイムは終わったのよ』って言って、瞬く間に恭夜以外の妖精逹は落とされてたわね」


「あれは怖かったなぁ……」


「全力で逃げに走った恭夜と本気になった霊夢の一騎討ちはかなり盛り上がっていたけど」


「恭夜さん、よく無事に帰ってこれましたね……」

霊夢相手に怪我なく帰ってきた事に小悪魔は驚きを隠せなかった。


「あの日に俺は異変を絶対に起こさないと誓った。まさかのスペルカードまで使ってきた霊夢が怖すぎて夢に見たし」


「私が割って入らなかったら、また永遠亭コースだったわね」

直撃寸前で時を止めて恭夜に避けるように言い、避けたのを見てから時を動かしていたらしい。


「その後に即降参したけどさ。慧音は博麗の巫女の凄さを見せられてよかったって言ってたね」


「あのハクタクに抱き締められて恭夜は鼻の下を伸ばしてたけどね」

思い出すと嫉妬心でイラッとくるからか、忘れるようにしていたようだ。


「いや、あれは女の人って何であんな柔らかくていい香りがするんだろうなって考えてただけで……」

デレデレと鼻の下を伸ばしていた事は間違いなかった。


「それなら私も?」


「私もですか?」


「まぁ、そりゃね」

キスしたり抱き合ったりするようになってから、余計に皆を意識するようになっている。




そんな雑談を楽しんでからそれぞれの仕事を再開し、恭夜は里に買い出しに向かっていた。


「相変わらず外来人の女性からは女の敵を見るような目で見られてるんだが?」


「いや、実際そう思われても仕方ないだろ? 俺達は七夜月の兄ちゃんがどれだけ凄い事をしているか分かってるが、外の常識に囚われたままのやつらには分からないだろうからな」

買い物が終わると米屋のおっさんの元でダラダラしながら愚痴っていた。


「里の人達マジ愛してる。幻想郷縁起に最弱って書かれてからやたら突っかかってきたりするんだよなぁ」


「そこらにいる妖怪を軽く蹴散らす兄ちゃん相手にそれをやる外来人は逆に凄いと思ってる。有名所の妖怪、英雄の中で最弱ってだけで俺達じゃまず勝てないのに」

数の暴力で挑もうとしても、一般人じゃ避ける事が難しい弾幕で蹴散らせて終わる。


「幽香が怒るから突っかかってくるのやめてもらいたいんだよなぁ」

恭夜の目の一件以来、幽香は極度の外来人嫌いになっていて態度もとても冷たい。


「あの風見幽香が兄ちゃんの前だと乙女だって言うんだから驚きだ。妖怪の山が個人と友好関係を結ぶって言うのも信じられなかったな」


「色々あったんだよ……」

そう言う恭夜の姿はどこか哀愁を漂わせていた。


「そ、そうか」


「千里眼、念写、最速と詰んでるぜ……」

椛に見られ、はたてに写され、文に追いつかれるという詰んでる状態だった。


「あんな美女、美少女に囲まれているのに全く羨ましくないから不思議だな」


「大体が人間じゃないからじゃね? 向こうはこっちを簡単に殺せるくらいの力があるし、正直そんな気持ちになれるのは最初だけだと思う」


「あー、それかー」


「文のトップスピードでのタックルを受けて生きてる俺も人間辞めてるかもしれない」

他にも幽香の砲撃、美鈴の格闘等の常人なら致死の攻撃を受けても平気になっている。


「あの吸血鬼のお屋敷で働いてる時点で辞めてるようなもんだろ」


「ひでぇ」


………

……


しばらく米屋で話をして、そのまま帰らず霖之助の所に向かっていった。

そしてとんでもない物を見つけて買いたいと交渉をしている。


「いいよ、この前は見事に典型的なラッキースケベを見せてもらったし」

あれは見事だった、と思い出して頷いていた。


休みの日に霖之助とボードゲームで遊んでいると藍が恭夜を呼びに来て、仕方ないと切り上げて藍の元に向かった時に起こった。

商品に躓き転びそうになり、何かに掴まろうとした所に助けようとした藍が来て胸を鷲掴みにしつつ押し倒していたらしい。



「わーい、あんまり嬉しくはないけど。あれから二人きりになると隣に座って身体を預けてくるからドキドキしちゃうんだよな……」


「よかったじゃないか。僕は恭夜が結婚するならしっかりした人がいいと思ってるから、彼女なら応援するよ。他には恭夜の所のメイド、里の守護者、寺の住職、天人のお目付け役くらいかな」


「藍、咲夜、慧音、白蓮さん、衣玖さんか……誰と結婚しても幸せな家庭が築けそう。ただ藍に関しては紫がなぁ」

互いに支え合って生きていける面々が挙げられたが、藍だけはネックな存在が居た。


「あぁ……ところで恭夜は好感度次第で相手の呼び方が変わるね。かなり前は八雲さん、この前は紫さん、今回は紫って呼び捨てにしてる」


「毎朝スキマに落とされて髪を梳いたり、リボン付けてるの俺なんだよ。マッサージ、耳掃除もしてるから名前で呼ぶようにした」

レミリアは紫にちょくちょく頼み事をするからか裏取引をしていて、恭夜を朝に拉致する件は見逃されている。


「なるほど」


「だけど幽々子さんが呼び捨てにされる紫を見て、俺に期待の眼差しを向けてきて辛い。俺には幽々子さんを呼び捨てには出来んよ……」

恭夜が毎回さんを付けて呼ぶ度に頬を膨らませる姿はとても可愛らしい。


「まぁ、今後その結果を聞くのを楽しみにしておくよ。色々聞かせてもらったし、それはプレゼントするから」


「いつもありがとう、霖之助。このムンクさんはずっと大切にするから」


………

……


そんな日から数日が経ち、美鈴の一撃を受けて永遠亭へ運び込まれていた。


「あれを耐えるとか無理」

運び込まれてすぐに絶対安静と言われ、永遠亭にある恭夜の部屋に寝かされている。


「普通の人間なら爆散していたわよ」


「美鈴さん、格闘になると強いですからね」

永琳と鈴仙は部屋まで付いてきて布団の側で腰を下ろしていた。


「お陰で発勁の極意が強制的に身に付いたわ。体内で美鈴の練った螺旋状の気が暴れまわってマジで死ぬかと思った……」

その暴れまわる気を手の捻りを加えて外へと放出し、目の前にいた美鈴を吹き飛ばしてから気絶したらしい。


「恭夜の一撃は素晴らしかったって美鈴さん言ってたよ?」


「お陰で螺旋状の気の練り方が嫌でもわかったよ。あれで手加減とか妖怪ってやっぱり凄い」

満月の夜だけは本気を出した美鈴と互角に戦えるが、それ以外はどうしようもないくらい手も足も出ない。


「あ、そうだった。後で姫様が遊びに来るって言ってたわ」


「あいつは入院している怪我人を何だと思っているのか」

基本的に入院すると暇を持て余す輝夜が入り浸る事になり、言われた通りに大人しく寝ている事は出来なくなる。


「何か対戦するんだって携帯ゲーム機持って息巻いてたけど」


「本来なら可愛い女の子とゲームとかご褒美だろうけど、ゆっくり寝たい今の俺には罰ゲームすぎる」


「恭夜が入院すると姫様が部屋に入り浸るものね」


「俺の弱点のツインテールとかになって入ってくるから拒否できないし」

ちなみにポニーテールや三つ編み等にも弱いが、大体普段していない髪型をする女性に弱いと言った方が正しい。


「とにかく姫様の相手をお願いするわね。ちょっと閻魔様に頼まれている薬の仕上げがあって、私達は忙しくなるから」


「ごめんね、恭夜」


「俺が延々ルームランナーで全力疾走させられる動画をアップした輝夜の相手か……」

毎回来る度に何かしらをやらされ、それを撮影してコミュ限定で公開するという暴挙に出ているようだった。


「それ私と師匠も見たけど恭夜三十分くらい延々走ってたよね」


「人間をやめた残念なイケメンタグが付いてたわね」

色々とスペックが高い事は知られているのにやっている事は残念で、動画を見ている者達にはそう言われる有り様。


「残念ついでに女装してくれとか言われて困る」

要求が出るという事は需要が少しはあるのかもしれない。


対決系のゲームで輝夜に負け、ウィッグと永琳協力の元でメイクを施された顔は結構美しかったらしい。

メイクの力って凄い。



「そうなると筋肉を隠せるような服とか用意しないとダメね」


「師匠、長袖とロングスカートをベースにすればある程度はいけますよ」


「この二人絶対変態だよ。引くわぁ……」

ノリノリで女装させようとしてくる二人に恭夜はドン引きしていた。


「あら、胸に関して熱く語ってた恭夜には言われたくないわね」


「脚に関して熱く語ってる恭夜も仲間だよね」

最近になってまた輝夜にやられたらしく、今度は脚について熱く語っていた。


「ですよね」


恭夜が貰ったムンクさんは部屋に飾ってあります。




めざ炎フシギダネの厳選やらで一ヶ月近くちまちま書いてました。

まだめざ炎フシギダネは生まれてません。

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