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特別編 少し重かった世界の後は

「今回は外の世界に近い異世界で鬼械神使ったり大変だったなー。異世界の土産を期待する紫さんが完全にニャルちゃん側で全俺が泣いた」


「あぁ、あの絶望が少女を魔女に変える世界の話か。汝が張り切る姿は珍しかったが」


「マスターが無双するという珍しい世界でしたね。いつもなら逃げたり隠れたり、戦う時も闇討ちするはずですが」


「……下心が見え見えだった」

魔導書三人娘はそれぞれ言いたい事を言っている。


「いや、だって普通にあれ弱かったし。最後のは超でかかったからデモンベイン使ったけどさ」

どうやら必滅の奥義も使ってきたようで、ちょっとしたクレーターが出来て慌ててド・マリニーの時計で戻していた。


「確かに叫ぶのは気持ちよかったが……あの金髪ロールの小娘とイチャついていた件は後日ゆっくりと追求させてもらうとしよう」


「いや、それはその、可愛かったし俺に懐いてくれたから……」


「マスターはあのおっぱいにやられたんですよね? あの小娘も自分の武器にデレデレするマスターに気がついてましたし、私達の胸を見て勝ち誇った顔していたのが腹立たしかったです」


「いや、違うよ? 本当本当マジでマジで。長い事部屋に泊めてもらってたからお兄ちゃん的な感じになってただけで」

言い訳の仕方のせいで間違いない事が証明されている。


「……中学生に手を出すのは流石に犯罪」


「いや、マジで出してないからね。お前達には手を出したけど、他所の世界では誰にも手を出してないからね?」

幻想郷ではあちこちで手を出していると自白しているようなものだった。


「汝は大妖精に手を出しているからな」


「ルルイエ異本にもやっぱり手を出しましたし」


「……」

ポッと頬を朱に染めて照れている。


「大ちゃんは仕方ないよ、うん。夜這いされて手を出さないのは男じゃないぜ」

大妖精には夜這いされて手を出したらしく、それ以後は毎日訪ねてきては甲斐甲斐しく恭夜の世話を焼いている。


「英雄色を好むというやつですね。まぁ、私がダントツでしょうけど」

恭夜の首に腕を回して密着しながら勝ち誇っていた。


「話をしながら自然にイチャイチャするな!」


「ふっ、嫉妬は見苦しいわよ?」


「煽ると俺に被害が来るからやめて! あぁ、エセルからいい匂いがして頭がボーッと……」

密着されてデレデレしながらエセルの背に手を回して支えている。


「汝もデレデレしながらクンカクンカするんじゃない!」




あれから数時間が経ちアル以外の二人は永遠亭と紅魔館に行き、家で二人きりになっている。

アルと二人きりになると唐突に質問をしてきた。


「この前、永遠亭で汝が輝夜に出した難題の件だが」


「ん? 何かやたら上から目線で嫁になってやるって言ってきたから、かぐや姫に習って俺も難題を出してみたんだよな」

五つの難題をあっさりクリアしてみせたら予想外の事を言われたので、逆に難題を出してみたらしい。


「コンボイの謎をクリア、人修羅を撃破、デスレーベルの二週目で真・緋蜂-改を突破、ダイアモンドドレイクを倒す、クライブイベントを見る……だったか。汝は鬼か何かかと妾は思ったぞ」


「三番目と四番目は本気でクリア出来るか怪しい。俺には絶対無理だわ」


「だから難題か」


「うん。それに俺にはアルがいるし」

エセルドレーダが居ないからここぞとばかりに胡座の上に座るアルを抱き締め、ちょっと恥ずかしい事を口に出していた。


「ストレートに言われると嬉しい……が、恭夜は誰にでも同じような事を言うから嬉しさ三割減だな」


「それならちょっと布団で減った三割分の愛を与えようか。あいつらまだまだ帰ってこないし」

そう囁くと耳を甘噛みし始めた。


「ひゃっ……う、うむ、そうだな。たまには妾が独占しても罰は当たらないはずだ」


「それじゃあ、早速」

お姫様抱っこでアルを運び……


………

……


珍しく一人で暇をしており、妖怪の山を散策していた。

何度か哨戒中の天狗に止められそうになったが、首に掛けられた天魔が直々に書いたフリーパスを見て納得して去っていく。


「会った事はないけど偉い天狗のトップからの報酬だもんなこれ。『どう考えても妖怪寄りだし、天狗からの依頼をたくさん受けてるし、いちいち許可出すの面倒だからあげる☆』とか手紙に星とかハートが凄くてみんなで見て引いた。どんな方か分からないから余計に怖い」

ただの弱い人間の内の一人が敵に回したくない存在になってしまい、手紙やフリーパスは友好的な関係を築く為でもあった。


一度事故を装い天狗の一人を差し向けて恭夜に致命傷を与えたがアルがド・マリニーの時計を使って巻き戻し、明らかにワザとだと気がついてキレたエセルドレーダにその天狗は始末されている。

何が起きたのかわからない内に全てが終わっていて、二人を宥めながら帰っていったのが救いだった。



「……」


「……ヒッ!」

いつのまにかルルイエ異本と手を繋いで歩いていて、妙に暖かい左手をチラッと見てビビっていた。


「デート」


「あー、ビックリした。自然に手を繋いでる俺もあれだけど、隠密性ありすぎるだろお前」

山の中を歩く少女と成人男性の図は怪しさ爆発である。


アルとエセルドレーダとお揃いのデザインで色が青いワンピースを着ており、よく毒を吐くがマスター大好きっ娘で二人を出し抜こうと虎視眈々と狙っている。

好好爺と化したクトゥルーの腕だけを呼び出して殴ったりと敵に対してはなかなかにアグレッシブ。



「……」

二人きりで歩くのは貴重だからか、嬉しそうにしているのが伝わってくる。


「こんな可愛い少女とデートが出来る俺はきっと特別な存在なんだと思ってます」

割と本気で隔離した方がいいと思える男だった。


三人娘には手を出しても合法で堂々としており、その姿からロリコン達からは神扱いされて拝めばロリっ娘とお近づきになれるというデマまで流れている。



「……バカ」

可愛い少女扱いをされたのがとても嬉しくて照れ隠しをしていた。


「そんなに照れちゃって可愛いんだから。そう言えばストーカー始末するのにクトゥルー爺ちゃんの腕使ってたよな」

オッドアイで無口な少女だからか変質者にストーキングされ、里外れで恭夜と合流した時に血走った目で襲いかかってきたらしい。


恭夜がどう始末しようか考えているとルルイエ異本が手をかざし、そこに魔方陣が現れて巨大な腕がその変質者を叩き潰していた。

ぺっちゃんこになったのを魔法で焼き尽くし、家に帰ってからイチャイチャしたのは言うまでもない。



「相性がいいから」


「俺と喧嘩になっても使わないでね? マジで土下座するから」

死にはしないが痛くてのたうち回る事になると考えてお願いしている。


「さぁ?」

珍しくクスクス笑いながら恭夜の手を引いて歩き始めた。


「ちょっ、そっちは天狗達の連れ込み宿が……!」

天狗三人娘に連れ込まれているから常連さんだったりする。


………

……


珍しくないエセルドレーダと二人きりのある日、いつも以上にべたべたくっついてきて理性がグラグラと揺れている。


「マスター! マスター! マスター! マスターぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー! あぁああああああ!!! マスターマスターマスターぁぁああああ!!!」


「お前はあれをリアルでやって俺を困らせる気かよ」

いきなり某コピペの真似をし始めてビックリしていた。


「二日ぶりに二人きりになれましたから私の想いがマスターに届くように、と」


「毎日キスをせがんでくるくらいに愛されてるのはわかってる。お前くらい愛してくれてるのは他には居ないだろうよ」


「はい!」

自分が一番だと言われて嬉しくなり、抱きついたままスリスリし始めている。


「でも何だかんだで鬼械神はデモンベインが一番安定するよね。アイオーン、リベル・レギスは強力すぎるから加減が難しいし」

腰に手を回して抱き締めながら少し真面目な話をし始めた。


「ルルイエ異本をマスターと一緒にデモンベインに乗せて、私とアルがリベル・レギスとアイオーンを使うという事も出来ます。ただどちらにもマスターが居ないのでパワーダウンはしますから」


「鬼械神は数の暴力もかなり強いけど、四人乗りになると一騎当千なんだよな」

某スーパーな世界で怪獣的なのを大量に倒してそれを実感している。


「普通は一人で魔導書の精霊との契約を三冊分もしませんから、マスターは異常としか言い様がありません」


「でしょうね」


「それにマスターの体液はかなりの魔力を秘めてますから、その手の者なら喉から手が出るほど欲しいと思います。涙、唾液、血、小水に精液と」

アル、エセルドレーダ、ルルイエ異本の魔力が身体を巡り続けた副作用だった。


「最後だけは分かってるから言わないでよろしい」


「そろそろ子作りしましょう?」


「昼間っから何言ってるんだこのエロ本娘め」

何日か前にアルと昼間っからニャンニャンしていた男が言っていい台詞ではない。


「マスター『でも何だかんだ〜』の辺りから私のお尻撫でてますし」

それを嫌がるどころか頬を赤らめながら嬉しそうにしている。


「シッ! 言わなきゃわからないんだから言っちゃダメ」

エセルドレーダにだけはセクハラ行為を堂々と行っているが、相手もマスター大好きすぎてセクハラすらも嬉しい状態で何の問題もなかった。


「今夜が楽しみですね」


「多分それまで俺が我慢できないと思う」

一度手を出してから理性が弱くなっていて、ホイホイ付いていってしまうようになっている。




そんな楽しい毎日を過ごしつつ、紫や映姫に頼まれた害になる外来人を始末する作業もしっかり行っていた。


「神様達の相手をするのが普通になってるって間違いなくおかしい。高天原から天照様とか護衛たくさん連れて来るし、海外の神々も来るし……」

今までは守矢神社で会っていたが、最近は平気で里外れの恭夜の屋敷に遊びに来て大変らしい。


「妾達の家が妖怪屋敷から混沌屋敷へと呼び方が変わり始めていたな」


「私はロリコンの神様の住む場所と」


「ハーレム御殿」

散々な言われようだがどれも間違っていなかった。


「どの呼ばれ方もあながち間違ってないから文句言えない……」

そのどれもが的確で反論する事も出来ない。


「大妖精が慧音に惚気ていたから汝の命は後僅かかもしれないな」


「マスターが亡くなっても時間を巻き戻しますのでご安心ください」


「……骨は拾う」

三人娘はとりあえず見捨てる気満々だった。


「えっ、ちょっ……何て日だ! ここ数日は天国みたいな日々だったのに!」

毎日イチャイチャするだけのお仕事しかしておらず、本当に幸せだったようだ。



そうこうしている内に玄関が凄い勢いで開けられ、こちらに向かって走ってくる音が聞こえてくる。


「恭夜ぁぁぁぁぁ!!」


「うわぁぁぁぁっ! 満月じゃないのに角生えてるぅぅぅぅっ!!!」

ワーハクタク化した慧音が凄い声を出しながら突入してきて、それを見てマジビビりして腰を抜かしていた。

無双した世界でとある桃色の髪の少女を見た時の感想がタブンネさんみたい、だったのはみんなには秘密らしい。

そして相変わらず安定のガチペドロリコンで大妖精にも手を出す始末。

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