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・分岐 妖夢エンド

前回投稿したある場面から分岐したIFのお話。

あれから数日が経っても妖夢は目覚めず、幽々子の了承を得て永遠亭に運び永琳達に全てを任せている。

意識が戻らない理由は不明で、しばらくは楽観していた幽々子も全く目覚める様子のない妖夢を見て少しずつ憔悴していっていた。

そんな幽々子と目覚めない妖夢を見た恭夜は責任を感じてレミリア達と袂を分かち、妖夢が目覚めるまで変わりに白玉楼に関しての事や幽々子の世話をする事に決めていた。


そして長いこと死後の世界に触れ続ける生活をしていたせいもあり、ある朝に目覚めると種族が人間ではなくなっていた。

一方的だが妖夢との縁で満たされていたからか、後天的に半人半霊になっている。

そうなってから永遠亭に見舞いに行くと妖夢の半霊と恭夜の半霊がぎこちない動きをしていたが、見舞いに行った回数が二桁を越えると仲良く寄り添うようになっていた。


ある日ふらりと帰ってきた妖夢の祖父である妖忌は妖夢が倒れたまま意識が戻らないと恭夜から聞き、様子を見る為に永遠亭に向かっていった。

そして見舞いから帰ってくるなり恭夜を庭に呼び出し、妖夢が居ない間の幽々子を守る為に剣術の基礎を叩き込むと告げていた。

仕事や食事等の生活に必要な時間以外は厳しくも厳しい特訓に充てられ、一月程で基礎の基礎が出来るようになったのを確認すると翌日には旅立ってしまい以後は一人で技術を磨いている。

妖忌の使っていた部屋の掃除に入ると置き手紙と共に何故か楼観剣が置かれており、手紙を読んでみると妖夢が目覚めるまではそれを使って幽々子を守るようにと書かれていた。


それから妖夢が目覚めないまま数年が経ち、彼は今……


「幽々子様、もう朝ですよ。朝ご飯の用意が出来ましたから顔を洗って来てください」

お寝坊さんな幽々子を起こしに来ていた。


「んぅ……恭夜、起こしてー」

長く一緒に暮らし全身全霊を込めて尽くしてきた事で名前も呼び捨てになり、誰も来ないプライベートな時間は甘えてくるようになっている。


「毎朝飽きませんね……」

布団からにょきっと差し出された幽々子の手を掴み、優しく引っ張り立ち上がらせている。


「はい、おはよう」


「おはようございます」

楼観剣と持つと首が斬りたくなるかもしれないと霖之助に言われた長尺の野太刀を帯刀しているが、基本的に外敵を排除する時は野太刀の方しか使わない。


楼観剣は預かり物であるから使わず、鞘から抜くのは白楼剣と共に手入れをする時のみ。



「様になってきたわねー。当初は刀の重さに四苦八苦してたのに」


「あはは……慣れるまでは重かったですから」

今じゃすっかり慣れて様になり、たまに訪れる紫や藍も思わず見惚れる程。


「うふふ、今の恭夜を妖夢が見たら絶対に驚くわね」


「ええ、その妖夢を見るのが楽しみです。……でも俺の姿よりも半霊同士が好き合う予想外の事態の方のが驚きそうですよ」

二人の半霊はいつのまにか互いを好き合い、見舞いに行く度に部屋の隅でイチャついていたりする。


「その日が楽しみねー」


「はい」


………

……


庶務を終えてから幽々子に許可を貰い、見舞いの品を見繕ってから永遠亭に向かっていた。

到着すると挨拶もそこそこに妖夢の元に向かい、いつものように数日の間にあった出来事を報告している。

半霊達は部屋をイチャつきながら部屋を出ていってしまい、半人二人だけが部屋に残されていた。


「……妖夢」

寝ている妖夢の頬に手を当てている。


「……」

目を閉じて一定のリズムで呼吸をしている。


「目を覚ましても君はあの日のままなんだよな。……好きになった事を隠し通せる自信がない」

妖夢の事ばかり考えている内に好きになってしまい、見舞いに行く日が一番落ち着ける日になっていた。


本人は隠していると思っているようだが周囲にはバレバレであり、特に鈴仙は妖夢が羨ましくて仕方がなくなっている。



「……」

一度妖夢から離れて見舞いの品をごそごそしている。


「……」

するとその背後で顔を赤くした妖夢が上半身を起こし、頬に手をあてて照れていた。


「今日はこれ……を……?」

振り向いたら妖夢が身を起こしているのを見て、開いた口が塞がらなくなっている。


「お、おはようございます……」


「……」

夢かと思い頬をつねっている。


実は数ヵ月前に妖夢は目覚めていて、幽々子や紫といった者達だけはそれを知っていた。

何度も見舞いに来てくれていた恭夜の事、人である事を辞めてしまった事、その他様々な事を含めて妖夢も恭夜に惹かれていたらしい。

そして今回恭夜がポロッと溢した本心に我慢が出来なくなり、リハビリが終わってから起きる予定も吹っ飛ばしてしまっていた。



「あの、さっきの聞こえちゃって。私も恭夜さんの事が……」


「妖夢……!」

夢にまで見た妖夢の目覚めに見舞いの品を置くと思いきり抱き締めていた。


「く、苦しいですよ」


「あ、ご、ごめん」

力を少し緩めたが抱き締めるのは止めず、夢ではない事をしっかりと確認している。



そのまま妖夢はここ数ヵ月の事をバラしたが恭夜は怒らず、逆にリハビリは平気なのか必要な物はあるかと物凄く穏やかに対応していた。

預かっていた楼観剣を枕元に置き、剣の腕も少しは成長した事などを話している。


「だけど妖夢のお爺さんは半端ない方だった。太刀筋全く見えなかったし、翌日に響かない指導が特に凄かったなぁ」

妖夢にされた以上にフルボッコにされたのに翌日も普通に動けていたようだ。


「質問して怒られませんでしたか?」


「基礎の基礎だから聞かないと無理だろうってしっかり教えてくれたよ。……今は基礎くらいなら出来てると思う」

これから何百年と時間を掛け妖夢と切磋琢磨していく事になる。




妖夢が目覚めてリハビリを終えてから数ヵ月が経った。

白玉楼に帰ってきた日に改めて妖夢に告白をして結婚を前提にお付き合いを始め、程良い距離感で日々を過ごしている。

半霊達は自重せずに過激にイチャついて?いるが、妖夢と恭夜は初々しく幽々子がちょっかいを出してくる事以外は極めて平和だった。


「……」


「……」

縁側に腰かけて手を繋ぎ、お互い頬を桜色に染めている。



「……」

今までは自分が妖夢の位置に居たのにと若干嫉妬しつつ、幽々子は二人を見守っていた。



「これが幸せって事なんだろうな」


「はい」

離れないようにギュッと手を握り返していた。



これから二人が歩むのは長い長い幸せな一生。

首を狙う夫に辻斬りな妻、やはりお似合いなのかもしれない。

こんな終わり方。

この後は今まで独占出来ていた幽々子が嫉妬して、二人の間に割って入って色々修羅場ったりするんだろうなー。

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