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生々しいフラグも立ってる

博麗神社の一室で布団に横になる男が一人。

現在フリー活動中だからと霊夢にいいように使われた結果がこれ。

数日間霊夢と魔理沙に巻き込まれ、一緒に寝ずの番をさせられて煙々羅を追っていた。

無事退治出来たが限界が来て神社で酒を飲んでいる途中で寝てしまい、そのまま霊夢と魔理沙に布団に寝かされている。


「……」

すーすーと気持ち良さそうな寝息をたてている。


「私も限界……」


「私は帰ってベッドで惰眠を貪るぜ……」

魔理沙はふらふらしながら帰っていった。


「あー、無理自分の分まで敷いてられない。ちょっと詰めて……」

眠気が限界に来て羞恥やらを越えたようで、恭夜を少し押して布団に潜り込んですぐに眠りに落ちた。



昼過ぎに目を覚ますと何故か霊夢が腕の中ですやすや眠っていて、何が起きたのかわからず固まっていた。

リボン等が外された姿を間近で見るのは初めてであり、艶のいい黒髪をそっと撫でてみている。


「んぅ……」


「こうやって静かにしてると可愛いんだけど」

寒いのかぎゅっとくっついてくる霊夢の仕草を見て柔らかく微笑んでいた。


「くぅ……」


「……イタズラし放題とか素晴らしいな。まずは結構気になってた部分を」

冬用の巫女服でも腋は出しており、どうにもそこがずっと気になっていたらしくそっと触り始めた。


「んっ……」


「おお、すべすべで触り心地がいい。……やばい、何か凄い変態っぽい」

寝ている少女の腋を無断で触っている時点で変態以外の何者でもない。


「……」


「……今度早苗にも頼んで触らせてもらおう」

腋の触り心地にハマったらしく、同じように腋を出している早苗にお願いしてみる事にしたらしい。



そのまま一時間程霊夢の寝顔を観察したり、さらに密着してくる霊夢に動揺したりしながら過ごしていた。


「ん……おはよう」


「おはよう霊夢」


「あー、何日かぶりによく寝たわー! ……ひゃあぁぁぁっ!!」

元気になった所で目の前の人物に気づき、さらに密着していた事にも気がついて一気に耳まで真っ赤になっている。


「可愛い悲鳴が」


「なんで? え? どうして?」

寝る直前の事は覚えていないようで、潜り込んだ事も忘れているようだった。


………

……


「解せぬ」

遅めの昼食が並んだ卓袱台を前にした恭夜の頬には綺麗な紅葉がついている。


「ご、ごめんなさい。私から潜り込んだの忘れてて……」

あの後すぐに冷静になった霊夢に強くビンタされたらしく、まだ赤くなったままだった。


「すっごい大きい悲鳴と強烈なビンタでしたね」


「うー」

腕の中で眠っていた恥ずかしさとその他の想像もしてパニックになり、とりあえず悲鳴を上げて思いっきりビンタしたらしい。


「まぁ、普通にビンタされるのはいいけど……霊力込めたビンタとかやめてよね。通り道に霊夢の霊力が流れて俺の霊力と反発、それが原因で普通のビンタじゃ味わえない頬から全身に走る激痛にのたうち回ったし」


「ビクンビクンしてたわね」

白目でビクンビクンする姿に少し引いたが、それを引き起こしたのが自分だと理解して介抱はしたらしい。


「現役の巫女さんの漲る霊力が乗った強烈な一撃をくらえば誰だってああなるわ。てか一般人だったら間違いなく死ぬわ」


「あー……」


「とりあえず飯食ったら依頼来てるかもしれないし帰るわ……」

ポストを設置して、居ない時はそこに依頼の内容を書いて入れてもらうようにしている。


「大変ね」


「今回無報酬だもの。飲食店で客寄せパンダにでもなる依頼があれば楽なんだが」

貧乏暇なしとは言った物で毎日忙しいのに、今回霊夢と魔理沙に付き合ったのは長い付き合いだから仕方なくだった。


「……」

さっと目を逸らしている。


「誰かが家にいるかもしれないから怖いわ。しかも勝手に依頼引き受けてて、報酬がアレすぎて俺が苦労するパターンが一番辛い」

最近入り浸るメンバーが増えてお昼も大所帯になり、それぞれが食材を持ってきてくれるからか夕飯分も賄えていたりする。


「うーん……例えば誰?」


「俺からは強く言えない筆頭の白蓮さんとか。あの笑顔で『依頼を受けておきました』とか言われると何も言えない」

終わった後には屈むように言われ、ハグからの頭撫で撫でまでされているからうらやまけしからん。


「あー、確かに恭夜は自称チョロい男だから弱いでしょうね。超デレた文に強気に出れなくなったみたいだし」


「文はまぁ、うん……」

完全にデレた文は恭夜への態度も柔らかくなり、一緒にいるとスキンシップをこれでもかと言うくらいに取ってくる。


「文が恭夜の腕に自分の腕を絡めて歩いてた時は異変が起きたのかと思ったわ」


「ツンが一切なくなったせいで扱いにくいったらないわ。……まぁ、今は飯食おうか。いただきます」

手を合わせて挨拶をして食べ始めた。


「そうね、いただきます」




食べ終わって食休みをしてから霊夢に別れを告げ、里の外れにある自宅に飛んで帰っている。

すれ違う天狗が警戒したような目で見てくるが気にせず、ただひたすらに自宅に急いでいる。

文やはたての惚気話を聞かされ続けた天狗の女性と一部の男性は警戒とは別のベクトルで気になっているようだが。



「……ただいまー」

鍵を開けて誰も居ないのに帰宅の挨拶をしていた。


「あ、おかえりなさい。お昼はどうする?」

エプロン姿でポニーテールにした鈴仙が掃除の手を止めて出迎えている。


「霊夢のとこで食べてきたからいいや。とりあえずポストを」


「それならテーブルに置いておいたよ。出来そうな依頼と無理そうな依頼で分けておいたから確認してね」

そう言うと鈴仙は何事もなかったかのように再び掃除をし始めた。


「はーい」

帰ったら誰かしら居るのには慣れたようで、何をしていようが平常心である。


「それと」


「ん?」

鈴仙とすれ違い様に声をかけられて振り向いた。


「あの本は…… 処 分 しておいたからね?」

とても素敵な笑顔と笑っていない赤い瞳にビクッ!としながら恭夜はコクコクと頷いていた。


「ダメだよ、あんな本持ってたら」


「あれはこう、俺の探求心と知識欲が女体の神秘を暴こうと……」


「それなら師匠から医学の本借りればいいよね?」


「いや、でも……」


「ね?」


「はい……」

巧妙に隠していたはずのお姉さん物の本が鈴仙に見つかって処分された事でマジ凹みしている。


「私が師匠にちゃんと頼んでおくからね」


「うん……みんなが布団とか持ち込むのはいいけど、いい加減家の収納のキャパシティが限界」

静かで気持ち良く生活出来るからと小町が持ち込んで来た事が切っ掛けで、様々な者が持ち込み始めて限界が来ていた。


「あの鬼の二人が土地も広く買ったみたいだし家を建て直すって言ってたよ。里の偉い人には私が許可貰ってきたから安心してね」


「俺の知らない所で好き勝手やられてる気がする……」

交友関係が半端なく広いのが敗因である。


大体暇な者が遊びに来ては泊まっていくので、最初の一ヶ月くらいしか寂しい期間はない。

ご近所に住んでいる先代の博麗の巫女も最近は遠慮なく接してくるようになり、里の中心に住む者達からは妖怪の住む家と噂され始めている。



「建て直しの間は永遠亭、守矢神社、地底、天界、白玉楼、八雲家、命蓮寺のどこかに泊めてもらってね。ちなみに私達はいつでも大歓迎だから」


「まぁ、早苗のとこにするよ。俺の部屋がそのままあるし、何だかんだで二ヶ月一緒に生活してたから慣れてるし」


「それじゃあ、家具とかは永遠亭で預かるから。はい」

既に準備が完了していたのか服やら何やらが詰められたスーツケースを手渡された。


「……えっ、今日からなの? 来週とかじゃなくて?」


「だって二週間前くらいから計画して、恭夜が居なかったこの数日で明日にするって決まっちゃって」

まだここに暮らし始めて一ヶ月と二週間くらいなのに、もう皆に好き勝手されている始末。


「建て替えのお金なんてないんだけど」


「そこは大丈夫。さっき言ったそれぞれの場所で一週間無償奉仕すればいいから」

皆がそれぞれお金を出して建て替えの費用にし、一週間恭夜を好き勝手使えるようにする密約が結ばれていたようだ。


「どうやら俺に決定権はないようです」

逆に考えればその間は食いっぱぐれはなくなるのでマイナス要素ばかりではない。


………

……


「と、言う訳でお世話になりにきました」


「早苗も神奈子も今は留守だけどいいよ!」

どうやら早苗達は出掛けているらしく、諏訪子だけが出迎えてくれた。


「……やたらテンション高いですけど、少し寂しかったんですか?」


「ちょっとだけね。だから!」

そう言うとピョンと恭夜の真上に跳ねていた。


「あ、白」

自然と見上げたようでバッチリ見ている。


「恭夜のえっち! ライドオーン!」

そのまま肩に乗っかり肩車フォームに移行、頭に手を置きいつもより高い視点に満足そうだった。


「これでも男ですから」

そのまま足を掴んで落ちないようにしながら境内を歩き回り始めた。


「うんうん、男の子だもんね。女の子の身体に興味津々だよね」


「何だか諏訪子さんが言うと凄い卑猥に聞こえる不思議」


「でもこの前泊まりに来た時はビックリしちゃったよ。『諏訪子さん! 俺、貴女の事が……もう限界なんです!』とか夜這いしに来て言うんだもん。その若さに任せた行動は素晴らしいよ!」


「平然と嘘つくのをやめてください死んでしまいます。てか一緒に夜更かしをしてゲームやってただけじゃないですか!」

しかし最近諏訪子にドキドキし始めているので、こちら側の世界でも危険が危ない事になってしまうかもしれない。


「あれは楽しかったねー。私がホラーゲームやってて恭夜が隣で見てた時のアクシデントは心臓が止まるかと思ったよ」


「いつのまにか早苗が入ってきてて、ムービーでびっくりするタイミングにあわせて抱きついてくるんだもん……」

いきなり後ろから抱きつかれて凄い悲鳴を上げ、隣で操作していた諏訪子もビックリしてコントローラーを投げてしまったくらい。


「早苗の悪戯で阿鼻叫喚。恭夜は逃げようとしてたけど腰抜かしてたし、早苗はガッチリと両手足を恭夜に巻き付けて離れないし、私は一瞬記憶がなくなったし」


「早苗に恐怖を覚えたのはあれが初めてでした……」

その日は諏訪子も恭夜も一人では寝れなくなり、早苗も混ざり三人で一緒に寝ていたが。



諏訪子を肩から下ろして靴を脱ぎ、そのまま母屋に入って荷物を部屋に置きにいった。

隅に置かれた布団がこの前と変わっているのに気がついたがいつもの事なのでスルー。

そして座布団を敷いて座ると付いてきていた諏訪子が胡座の上に陣取った。


「後でおやつに何か作ります? 一応ホットケーキミックスはたくさん持ってきましたから、卵と牛乳があればホットケーキ作りますけど」

メイプルシロップの代わりにリグルに貰った癖のない蜂蜜をたっぷりかけて食べる、それがレミリアもお気に入りのおやつの一つ。


「あ、食べる食べる。その頃には神奈子も早苗も帰ってくると思うよ」

帽子を外して恭夜に寄りかかり、見上げながら食べると伝えている。


「わかりました」

諏訪子のお腹の辺りに両手を置き、いつもダラダラする時の二人の状態になった。


「……今度一緒に温泉行こっか。混浴だけどお風呂いっつも一緒に入ってるんだし、私は混浴でも気にしないから」

何と恭夜はうらやまけしからん事に諏訪子と一緒に風呂に入る仲のようだった。


「いや、いつも頭を洗い始めるタイミングに無理矢理入ってくるだけで……嫌な予感しかしないんで水着を着用しても?」

そんな温泉に行ったら命が幾つあっても足りないような展開になってしまう。


「それは絶対にダメ。女の子だったらいいけど恭夜は男だから全裸だよ。大丈夫、あれだけ立派なんだから隠さない方がいいよ!」

素敵な笑顔でもの凄いセクハラ発言が飛び出していた。


「まさかの神様からのド直球なセクハラ発言」

髪を洗っている間にやりたい放題されたのは知っているので驚きはしていないが、流石に恥ずかしいようで少し目が泳いでいる。


「あ、ちなみに恭夜は問答無用で子孫繁栄の効果が得られるから安心していいよ。これで早苗とついでに神奈子も孕ませてくれれば私も色々安心出来るんだけど」


「見た目は小さくて凄い可愛いのに言ってる事が凄く生々しくて困る」

女の子の口から孕ませる云々を聞いて凄く引いていた。


「恭夜も早苗と年が近いんだからこれくらいで引かないの。逆に孕ませてやるぜ!くらいの勢いがなくちゃ」


「じゃあ、諏訪子さんを孕ませてやるぜー」

やる気のない完全な棒読みだった。


「うん、早苗の後ならいいよ」

そしてこちらは即答している。


「いや、今のはちょっとしたバトラージョークで」


「それじゃあ約束……んっ」

体勢を変えてこちらを向いたかと思ったら軽く口づけをし、再び体勢を戻していた。


「……えっ?」


「今のは早苗には内緒だからね」

諏訪子は恭夜に顔を見せないようにしながら自身の唇に触れ、久々の感触に思いを馳せ始めている。


………

……


「恭夜さん、諏訪子様と何かありました?」

早苗は並んで一緒にホットケーキを作りながら、帰ってきた時にやたら挙動不審だった恭夜の事を思い出して尋ねていた。


「いや、特には何もないけど?」

諏訪子はいつも通りだったからか、あれは夢だったんだと結論付けて普段通りに戻っている。


「私の気のせいでしたか。……あれ? 霊夢さんと一緒に居たんですか?」

スンスンと恭夜の胸元に顔を寄せて匂いを嗅ぎ、霊夢と一緒に居たのかと尋ねていた。


「毎回それやるけど、俺は男だし汗臭いだけだと思うからやめた方がいいよ。それと霊夢なら妖怪退治の付き添いをさせられて、ここ数日一緒だった」


「えーっ! それなら私も誘ってくれればよかったのに!」

ここ数日は里で信仰の獲得に勤しんでいたようで、恭夜の動向は全く知らなかったらしい。


「いや、マジで辛かったから来なくて正解」


「容赦のない博麗の巫女、盗賊疑惑の魔法使い、やたら首を狙う執事のトリオが見たかったの!」

最近恭夜に対して感情が昂ると敬語のようなものが抜ける事がある。


「あの二人と同じカテゴリーに俺を入れないでほしい」


「恭夜さんも完全にこっち側である事を意識しないとダメです。普通の人は妖怪の首を斬り落として飛び去ったりしませんし、邪神の方々の力をお借りしません」

早苗も色々とグロい外来人の亡骸を見慣れたらしく、恭夜の首斬りくらいじゃ動じなくなっていた。


「耳掃除をする程度の能力しかない俺は一般人側なんだい!」

能力に対するコンプレックスが半端ない。


「耳掃除勝負に持ち込めば最強じゃないですか! あの神奈子様に可愛い声を上げさせたのは快挙ですよ!」


「外来人も失礼だよね、俺の能力聞いて陰で馬鹿にしてるみたいだし」

大体どんな能力か聞かれてからガッカリされる流れがテンプレになりつつあり、陰では耳掃除(笑)とか言われている。


「一度体験すると半端なく厄介な能力って分かるんですけどね。自分で耳掃除をしてもスッキリはしますけど、何か足りない感じがしてフラストレーションが溜まりますし」

各勢力のトップが軒並み術中にハマっていて割と馬鹿に出来ない能力だった。


「うん、慰めてくれて嬉しいよ」

そんな雑談をしながらもお皿にホットケーキを次々に積み上げていく。


小鈴ちゃん可愛いです。

守矢組で一番仲良しなのがケロちゃん。




来週発売の真・女神転生Ⅳが楽しみすぎる。

黒いデモニカ装備の存在はSJとどんな関係があるのか気になる。

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