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特別編 他所の世界で好き放題

「ギャルゲーの世界がいいって言ってたよね俺」

もう連れていかれたり魂を抜かれたりするのには諦めがついているようで、平和な世界を見て回りたいと思っている。


「ああ、だが見事なまでに女尊男卑の世界だったな。それでも汝の順応性の高さは相変わらずだったが」


「マスターがあの兎耳の女性をあの手この手で籠絡している姿は見事なまでに犯罪者でしたね。デモンベインを餌にして、お得意の相手の心に違和感なく踏み込むやり方なんて特に」

その誘いに手を出したが最後、後は最高のタイミングで美味しく戴かれるのを待つしかなくなる。


「あの世界に何年いる事になるか分からないんだし、戸籍やらを用意してもらう為には仕方なかっただろ。超オーバーテクノロジーの塊なデモンベインに夢中だったし、最終的に超依存してきたのは予想外でした」


「自分含めた四人以外どうなってもいいとか当初は言っていたが、最終的にはそこに汝が入って五人になっていたな。妾達はナチュラルにスルーされていたが」


「あのピンクの求心力的な物が俺にも宿ってしまったのかもしれない」

実はマジでそうなんじゃないかと少し怖くなっている。


「馬鹿者共が興味本意で目覚めさせて暴走したダゴンとヒュドラ。世界を荒らし回る巨大な二体の化け物がニュースになっていたのに、汝がデモンベインで倒したからそっちのが話題になって大変だと嘆いていたな」


「ミサイルやら色んな兵器でダメージを受けたからか、合体してゴンドラになってたけども。久々に使ったレムリア・インパクトは気持ち良かったなぁ」

技を叫ぶ事の気持ち良さを知っているのでノリノリで叫んだらしい。


「外部に音が漏れる設定にしていたのが仇になったがな。ニュースで汝の叫びが何度も何度も流れて……」


「そのせいか一緒に買い物しに行った時にデモンベインごっこしてる子がいたな。……帰る時に河童のジャミングとステルス機能があってよかったと本気で思った」

歯が立たなかった化け物を倒した危険な存在と、矛先が向く前にさっさと逃げ出したらしい。


「マスターの逃げ足の速さはあの射命丸文も認める程ですからね。逃げ足、土下座、口先と幻想郷の三冠王です」

紫達も認めていて幻想郷縁起にもその旨が書かれていて、勘違いした馬鹿に絡まれる事がよくあるらしい。


「間違いなく羨ましがられない三冠王。あの兎さんは無限熱量を見て大興奮してたな、後は通常兵器が全く通らないデモンベインの装甲にも」

フルカスタム済みで魔導師と魔導書もチートレベルで、魔術的なバリアに損傷しても即再生等もあり鬼械神でなければ破壊する事は不可能である。


「危ないから見せられないと汝が言っていたのを合法的に見れたからだろう。フルカスタム済みのデモンベインならアトランティス・ストライクで十分だと妾は思ったのだがな。ロイガーとツァールを投げているだけでもどうにかなりそうなくらい弱かった」


「完全に消滅させないと回収されて悪いことに使われるかもしれないだろ」

ちゃんと考えて必滅の技で消し去ったらしく、ただ叫ぶ為だけに使ったわけではないようだ。


「む、確かにそれはそうだな。だが、まさか汝を帰さない為に子を孕むという選択をしたのには驚いたな」


「お陰で何十年もあの世界に縛られる事になって大変だったわ。思惑通りマスターはあの女が死ぬまで一緒に居ましたし、神々のトトカルチョが全員外れる異例の事態に」


「少しだけ俺に考えが似てたから相性良かったんだよな、身内と認めた存在以外どうでもいいし。久々の機械いじりはめっちゃ楽しかった」

人々が望む永久機関の知識はあるが、あの世界でも自分達の為だけに使っていたりする。


「汝も一応天才という括りの中にいるのを妾は忘れていたぞ」


「アルのパソコンやゲーム機にはマスターの作った永久機関が搭載されているから、充電いらずなのよね。やはりマスターは素敵です」


「マジで照れるわ」

戦う事以外で褒められて本気で照れていた。


「そんな汝等の子なのにいい子だったな。身内と認めた存在以外どうでもいいという所は二人にそっくりだったが」


「しかも頭の良さも身体能力も俺達二人を凌駕してた。……それよりもあいつが輪廻に還る時に言った、生まれ変わっても絶対会いに行く的な台詞が怖く思えたわ。世界の壁すら越えてきそうだったし」


「あの天災……もとい天才ならやりかねん」


「朽ちかけたデモンベインを回収してきた時は唖然としたし。俺達の最初の子供はトゥーソードと言ってもおかしくないな」

何となく付けなければいけない名前だと思い、そう名付けたらしい。


「だが妾達のデモンベインの十五分の一くらいの性能しか出せていなかったが」


「いや、当たり前だろ。そもそも無改造だし、あの世界を三週しないと解禁されないんだよ……もしあいつが河童に転生してて既にこっち側にいたらって考えたら鳥肌が」

何となくその可能性を考えてみたら怖くなったらしい。


………

……


「俺も神様転生してみたいわ」


「汝は特典とやらが欲しいのか」

仲良く寝転がりながらノートPCで色々見て回っている。


「三村ダンスは絶対に貰う。後はルマンドを無限に出せる力がほしい」


「うむ、戦闘回りの能力がないな」


「よく考えてみろよ、もしそうなったとしたら俺は知り合いに要求するんだよ? 下手なの要求したらあいつさーって後で馬鹿にされそうだし」

全てが緩いこの世界、神も悪魔も殆どが知り合いだった。


「あー……妾なら間違いなく言い触らす」


「俺も言い触らすわ。まぁ、戦闘回りなら今の力をそのまま持ち越したいって言うのが限界だな」


「チート乙」


「まあね!」

自覚はあるので思いっきり開き直っている。


「汝は異世界についてすぐに腹が減ると、そこらの料理屋で腐った食べ物をよく貰ってくるが……まさかド・マリニーの時計でそれらを巻き戻して新鮮な状態に戻すなんて、妾はその柔軟な発想に感動を覚えたぞ」


「便利すぎて味をしめたともいう。その世界の通貨をくれる時とくれない時があるから」

基本的に投げっぱなしで通貨をくれないので、肥料に使いたいからと腐った食べ物を貰っては時間を巻き戻して新鮮な物にしているらしい。


「そう言えばマスターはある世界でデモンベインを駆り、協力して戦ったあの勇者がお気に入りでしたね」


「あのライオンロボは俺の憧れだわ。お陰であれから勇気があれば何でも出来るって気がついた」

FINALではなく無印のみ共闘したらしく、整備等でしばらくお世話になりピンチの時に時間稼ぎで戦ったのが始まりだった。


「良い人達でしたね。今まで黙っていた事も許してくれましたし、私達を改めて受け入れてくれましたし」


「仲を深めていく内に連携も上手く行くようになったもんな。今頃何やってるのかなぁ……いつか会いに行きたいけど、何かもう二度と会えないような気もする」


「無駄に他世界の者の元へ行くのはダメだと妾は思う」


「九郎のとこは?」


「あれはセーフだ」

アルは胸を張り間髪入れずに答えていた。


「あっちのアル=アジフが胸の大きさを自慢してきてウザいって言ってたぞ。あの胸はワシが育てたって言ったらドン引きされたけども」


「ふっ、持たざる者の嫉妬は見苦しいな」


「慧音と白蓮さんも大きくなったって恥ずかしそうに言ってたな。母性溢れる二人に甘えられる俺は特別な存在だと思いました」

二人に甘えた時の事を思い出してニヤニヤしていた。


月どころか宇宙を簡単に破壊できる力を有している恭夜を恐れ、月は友好関係を築きたいと紫に申し入れをしてきていたりする。

恭夜もその会合に同席させられ、月側は女好きという情報を仕入れたからか依姫と豊姫にそのペットも連れてきていた。

だが恭夜は興味を示さず、会合が終わり二人が話しかけてきても驚くほど紳士に対応して皆が不快にならないよう爽やかな笑顔で見送っている。


恭夜を知る者は不気味がっていたが、月の使者達が去るといつものように藍を抱き締めたり紫をくすぐったりとやりたい放題。

見知らぬ存在には心を許さない恭夜らしさがここぞとばかりに発揮されていた。



「妾も母性が溢れて困る」


「もっと育てよう(提案)」

手をわきわきさせながらアルに近づいていく。


「マスター、それなら私を」


「ふっ、妾に負けたからか」

エセルドレーダに胸囲は勝っているらしく、優越感で胸がいっぱいだった。


「まぁ、これから拳闘の基礎をお復習するから無理なんですけどね。谺、全休符・無音、即興拳舞、鎮魂曲・怒りの日を出来るようになりたいし」

全てウィンフィールドに基礎から教わり、実際に技を受けてみて習得しようとがんばっている。


「防御力に関しては幻想郷最強な汝を悶えさせ、無手であそこまでの威力。確かにあれは汝が習得すべき技術だな」


「武器を使わず肉体のみを武器にするのならば、どんな世界でも有用ですからがんばってください」


「肉体だけだとかなりいいよな。また今度来た時に喰らってラーニング出来ないか試してみよう」


「汝はドMだな」


「夜はSなのにね」


「二人とも可愛く甘えてきて意地悪したくなるから仕方ないね。取り合えず筋トレしてからだ」


………

……


少し形になってきたからと全ての技を駆使して美鈴に挑むも軽く捌かれ、逆にそれを完璧な形で返されてダウンし紅魔館に運び込まれていた。

負けるのが分かっているからとアルとエセルドレーダは自宅で待機しており、今頃はのんびりと過ごしている。


「美鈴強すぎるだろ……あのラスボスよりは遥かに弱いけど、インファイトで勝てる気がしない。カウンターカウンターとか考慮しとらんよ……」


「年の差、経験の差よ」


「異世界で歳を取らない事を考えると俺のが年上の可能性があると思うんだけど」

そんなこんなで既に三桁を軽く越えていたりするが、やっている事は昔と全く変わっていない。


「……」


「ちなみにそろそろ四桁になります」

レミリアも軽く追い越しているが自分からは言わないので、美鈴が初めて知った事になる。


「と、年上……?」


「精神的には確実に。正直女好きにでもならないと狂う」

何度も同じ世界を体験させられたり、一人だけで帰れない状態にさされる故に女好きになったと言い始めた。


「年上……あ、それが許されちゃうから怖いわよね」

精神的に年上だという事に衝撃を受けていたが、ハッとして女好き云々の話に乗っかっている。


「紫からは相手が好意を持っているって分かったら絶対に愛すように言われてるからねー。守らないと大変な事になるって超怖い事も言われたが」

平等に愛する事で偏りを無くさせ刺されないように配慮したらしいが、自身も入れるようにする為の口実にしていた感も否めない。


「それはまぁ……」

昔に恭夜が咲夜といい感じになった時の嫉妬心を覚えており、確かに大変な事になるだろうなと思っていた。


「最近は紫に存在自体が滅茶苦茶とか、全生命体の敵とか言われるし酷いよな」


「実際そうじゃない。私達の劣化能力をデメリットなしで簡単に使う、全距離対応のスタイル、外道の術、世界や宇宙の神々と友達とかおかしいわよ?」


「神々はアポなしで遊びに来るから心臓に悪いんだよ……カテゴリー的にお前はこっちだろって言われるのも納得できないっていうか」

ダラダラしていると土産を持参してよく遊びに来るらしい。


近い将来に神へと昇華するのだからと見に来て接する内に気に入り、恭夜が人間の段階で友達になってしまえば昇華した後もそのままの関係でいられると考えての結果だった。



「まぁ、がんばりなさい。それで今日はお嬢様に会っていくの?」


「口数の少ないルルイエ異本に煽られて、毎日顔真っ赤にしながら追いかけっこしてるって咲夜に聞いたから遠慮しとく」


「あの娘、かなりいい性格してるわよね。いつもパチュリー様と一緒に居て、何か本を真剣に読んでるから覗いてみたら……」

その時の事を思い出したようで顔が少しだけ赤くなっている。


「あっ、予想ついたわ」


「えっちな本を読んでたわ……ポーカーフェイスが上手いし、パチュリー様を見たらパチュリー様も同じジャンルの本を読んでたし……」


「変態と変態を組み合わせると凄い事になるんだなぁ」

真剣な表情でエロ本を読む二人の姿は簡単に想像する事が出来た。


「その変態の大将が何言ってるのよ」


「大将とか何それ強そう」


………

……


「ふっふっふっ。河童達の作ったゲームの第一弾と第二弾が好評らしく、第三弾のテストプレイヤーに妾が選ばれたぞ」


「俺に幾らかお金が入ってきてるのはそれなのか……美鈴と俺をペアにすると究極なんちゃら拳的な技使えるのな」

そんな恭夜は二弾の格ゲーの方を楽しんでいた。


「うむ。第三弾は始めに勢力とキャラクターを選んで恭夜を拾う所から始まる、育成タイプのゲームらしい」


「流用できるからって俺使いすぎじゃね? まぁ、主に知り合いしか買わないからいいけどさ……アル、エセル、ルルイエ異本とペア組んだ時のマギウススタイルのそれぞれの性能が違って楽しい」

一撃必殺はアルとエセルドレーダの時は鬼械神招喚、ルルイエ異本の時は邪神招喚とかなり細かい。


「私はマスターしかパートナーに選びませんので差が出るのは知りませんでした」

エセルドレーダは恭夜の胡座にナチュラルに座って寄りかかり、一緒に遊んでいるような感じになっていた。


「エセルは相変わらず俺がキュンと来る言葉をチョイスしてくるな」

ゲーム機をテーブルに置いてエセルドレーダを抱き締めている。


「妾もいい加減に汝等のイチャつきに慣れた」


「その割には携帯ゲーム機がミシミシいってますけど」

慣れていても見ていて気持ちのいい物ではなく、甘える事が下手なアルはイラッとしていた。


「それは汝の気のせいだ」


「さいですか」


「あぁっ、マスターの手が私の服の中に……」


「……」

アルはそれを聞き凄い目で恭夜を見て、手の中の携帯ゲーム機をミシミシ言わせている。


「いや、俺の手思いっきり外にあるからな」


「いえ、きっとこれからすぐに入ってくると思いまして」


「まるでいつも服の中に手を入れてるみたいじゃないか」


「夜になる前に一足早く……」

抱きつき胸元に顔を埋めながら呟いていた。


「頭の中ピンク色すぎるだろ……この前まさかの来訪をしてきたあの世界のマスターテリオン、その傍にいたエセルドレーダがお前を見て卒倒しかけてたな。互いに嫌味の応酬をしてたけど」

そのまま背中に手を回して呟いている。


朝起きて朝食を摂っている時にいつのまにか混ざっていて、今は食等を楽しみながら旅をしている話をされたらしい。

食後は二人のエセルドレーダの言い争いや、庭での魔術合戦で騒がしく慧音が何事かと訪ねてきたほど。



「ですが私の勝ちでした」


「向こうがドン引きして何も言えなくなっただけなんだよな」

性的な事を捲し立て始めた瞬間に絶句し、向こうが何も言えずにいる隙に押しきったらしい。


「マスターが私に嬉々としてメイド服を着せたっていうのもあると思います」


「見分けつける為の苦肉の策だったんだが」

最もらしい事を言っているが完全に趣味だった。


「二人にドン引きしていたのは確定的に明らかだ。妾にあの二人はいつもあんな調子なのかと聞きに来たくらいだぞ」

いちばんまともなのがアルだけだと思ったらしく、向こうのエセルドレーダはヒソヒソと話をしていたらしい。


「だがその相談をした相手も変態だったとか、あのエセルドレーダ可哀想になぁ……」

まともなのが一人もいない家に遊びに来たのがダメだった。

他所の世界でやりたい放題やるのは相変わらずの事。


ウィンフィールドの技の習得率は70%で不完全。

精神的には四桁年齢だけど某世界で出会った半人半霊のラスボスよりは弱い。

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