第九話 天才
ー前回のあらすじ
辛島 迅の攻撃が空闓に直撃したかと思われたが、空間を経由して避けられてしまった。そして辛島 迅、二階堂 千智は敗北してしまう…
そして、黒影と戦う犬飼 魔虎たち。彼らもまた、ピンチに陥るが、ついに梶 才牙が能力を使うことを決意する。
梶 才牙の能力とはーー
梶 才牙「輪廻解錠 赫翼!」
梶 才牙は背中から血の翼を生やし、勢いよく空に飛び出し、影沼から抜け出した。
犬飼 魔戒(なんだよあれ!あいつ飛べたのか!?)
水無瀬 雫(すごい…)
黒影(あの力は…まさか)
梶 才牙(能力をなるべく使わないようにしてた理由は…この力は、俺の血を使う。つまり一度に使いすぎると死ぬから。俺はまだ死ねない…!アイツを殺るまでは…!)
梶 才牙(だが、いまここで死んだら意味がない!死なない程度に使ってやる!)
黒影「輪廻解錠 影刃」
梶 才牙は、赫翼で影刃を弾く。
梶 才牙(影沼の出所はそこだな…)
梶 才牙は、空中を飛びながら赫翼で影を切り裂き、犬飼 魔虎、水無瀬 雫は解放される。
犬飼 魔虎「助かった。」
梶 才牙「勘違いすんな。俺がなるべく血を使わないためだ。協力しろ。」
犬飼 魔虎「素直じゃねぇなぁ。」
黒影(だがおかしい。あいつの力は、並大抵の契約者では制御できず、力を使えば暴走するリスクがあるはず。だが見た感じ、扱えている…)
黒影(なるほど…"天才"ってやつか。)
梶 才牙が契約した魔戒は、最上戒の血酷。自身の血液を自由自在に扱うことができるが、核を破壊されない限り死なない魔戒とは違って、人間の場合失血死の恐れがあると同時に、能力の暴走のリスクもあるが、梶 才牙は力を抑え込むことに成功している。
黒影「影刃」
梶 才牙「輪廻解錠 紅蓮牙陣」
梶 才牙、犬飼 魔虎、水無瀬 雫の足元から、梶 才牙の血で血の刃の陣が三人を囲うように円形に生成され、回転していて、影刃を全て弾き返す。
犬飼 魔虎・水無瀬 雫「輪廻解錠!」
犬飼 魔虎「灼槍・束!」
水無瀬 雫「水蓮華!」
犬飼 魔虎と水無瀬 雫が攻撃を仕掛ける。
黒影「輪廻解錠 影障壁」
犬飼 魔虎(ッ…!まだだ!)
影障壁は、影を立体化して盾のように展開する技。しかし、万能というわけではない。
この影は硬い。硬いが故に、強い力で押し切られると破られてしまう。
犬飼 魔虎(もう一度!)
犬飼 魔虎「灼槍・束!」
黒影(コイツ…!)
犬飼 魔虎は、今度は灼槍を投げるのではなく、手で持ったまま突き刺すように影障壁へぶつけた。
犬飼 魔虎「割れろーー!!!!」
影障壁にヒビが入り、砕けた。
そしてすかさず犬飼 魔虎の背後から、梶 才牙が赫翼で飛んでくる。
梶 才牙(こんなひらけた場所では、影は基本的に地面依存!こいつにとって俺は、相性最悪!勝負どころを見失うな…!かなりの血を使うことになるが…やるなら今しかない!)
梶 才牙「どけ!犬飼!」
犬飼 魔虎が黒影から離れた次の瞬間…
梶 才牙「輪廻解錠!」
梶 才牙「紅嵐!」
この技は、空中から血を竜巻のように吹き荒らす範囲技。殺傷能力も高く、周囲を一掃できるが、威力調整を誤ると戦場そのものを赤く染める。
紅嵐が黒影を襲い、さすがの黒影も危機を感じる。
黒影(まずいな…)
黒影「輪廻解錠 影遷歩」
この技は、自身の影に潜り、別の影に移動する技。
黒影は紅嵐に危機を感じ、自身の影に逃げ、そして犬飼 魔虎の影から姿を現した。この時間は、ちょうど人物の後ろに影ができる時間。つまり黒影は、完全に犬飼 魔虎の背後を取った。しかし…
犬飼 魔虎「かかったな。」
黒影「ッ…!」
黒影の腹部には、灼槍・束が刺さっていた。
黒影「なぜ…」
犬飼 魔虎「お前は影使い。そして影を移動できる。現に水無瀬の影に入って見せた。そりゃあ、自分の影もお前に握られてるかもって警戒すんのが普通だろ。」
犬飼 魔虎は、自分の影から黒影が出てきてもいいように、灼槍・束を後ろ向きに持って、待機していた。
犬飼 魔虎「紅嵐の血の竜巻の中にいて、そん時の俺の動きが見えてなかったようだな。核は外しちまったが、ようやくまともに一撃入ったぞ。」
犬飼 魔虎は、灼槍・束を引き抜き、黒影の核に突き刺そうとしたが、ギリギリでかわされてしまう。
犬飼 魔虎「くそ、惜しいな。けど、やっとやり合える。」
鬼灯(やるじゃねぇか…)
―辛島 迅サイド
凩 摩稀(死んだ…)
凩 摩稀が諦めかけたその時…
コツ…コツ…コツ…
凩 摩稀の後ろから足音がした。
空闓「は…?なんで…お前が…」
凩 摩稀が後ろを振り返る。
凩 摩稀「あ…あんたは…!」
最後に現れた謎の者は一体誰なのかーー




