第七話 かかってこい
ー前回のあらすじ
急遽戦場に出向くことになった犬飼 魔虎たち。
そこで目にしたものは、重傷で医療部隊の元へ運び込まれてくる戦闘部隊の人たちだった。
居ても立っても居られず、戦闘現場へ向かうことにした一行。そこで空闓と名乗る中戒魔戒と遭遇。
無事勝利することはできるのかー
辛島 迅「ここは俺と凩と二階堂が対処する。お前ら3人は先に行け。」
犬飼 魔虎「ほんとに大丈夫か?」
二階堂 千智「はい、こう見えて17歳。一応最年長です。任せてください。」
凩 摩稀「さ、早く行きな。」
水無瀬 雫「摩稀ちゃん…」
凩 摩稀「心配すんな、これ以上被害が出ないように、手分けしよう。」
犬飼 魔虎「任せたぞ!」
そして犬飼 魔虎、梶 才牙、水無瀬 雫は奥に向かった。
辛島 迅「意外だな。通してくれんのな。」
空闓「まあな、あんなガキ供に上戒を対処できるとは思えん。」
凩 摩稀「つまり舐めプってことね。」
二階堂 千智「なら尚更、負けるわけにはいきませんね。」
辛島 迅「さあ早速始めようか、空闓さんよぉ…」
―犬飼 魔虎サイド
犬飼 魔虎「なんだよこれ…」
目にしたのは、戦闘部隊の見るも無惨な光景だった。
水無瀬 雫「ひゃっ!プ、プロの方でも全滅…!」
一人だけ、辛うじてまだ少し息があった。地を這いながら言う。
戦闘部隊A「せ…生徒か…?い…今すぐ…逃げろ…あ…あ…あいつ…は…強す…ぎる」(グサッ)
言い終えると、背中から貫かれ死亡した。
???「大人しく死んだふりしておけばいいものを…」
犬飼 魔虎(コイツは…やべぇ…!)
犬飼 魔虎は、本能的に察した。『こいつは只者ではない』と。
犬飼 魔虎は、腕と脚を変化させ、上戒の魔戒に攻撃を仕掛けるが、すり抜け、消えてしまう。
すると、別の場所から声がした。
???「無駄だ。そいつは本体じゃないから。」
梶 才牙「どこにいやがる…」
???「ここだよ。」
すると建物の"影"から突如姿を現し、梶 才牙に飛びかかるが、梶 才牙はかわした。
???「へぇ…やるな、お前。」
梶 才牙「なるほど、影を移動…影使いか。」
???「正解だ。俺は黒影。」
犬飼 魔虎(おそらくこっちが上戒…)
水無瀬 雫(やばいやばい…どうしよう…ここで死ぬの…?いや、私がここで死んだらこいつは医療部隊の方に向かう…負けられない…!けど…)
黒影「さぁ、全員相手してやる。」
水無瀬 雫「輪廻解錠 アクアリウム!」
黒影「輪廻解錠 影刃」
水の中に閉じ込めようと試みたが、影の刃で破られてしまう。
すると梶 才牙が、攻撃しようとするが、蹴り飛ばされてしまう。すかさず犬飼 魔虎も攻撃を仕掛けるが、殴り飛ばされる。
水無瀬 雫「犬飼くん!梶くん!」
犬飼 魔虎(灼槍はここでぶっ放すには規模がデカすぎる…二人を巻き込んじまう…クソ!何もできねぇのかよ!)
鬼灯「魔虎、答えが一つだとは思うな。」
犬飼 魔虎(ッ…!鬼灯!)
犬飼 魔虎(答えが…一つだとは思うな…?どういうことだよ…!)
水無瀬 雫「輪廻解錠 水蓮華!」
水無瀬 雫が腕を振り、撒かれた無数の水滴が空中で睡蓮の花びらのようになり、黒影を攻撃するが、影刃一振りで弾かれてしまう。
水無瀬 雫「うそ…や、やっぱダメだ…」
梶 才牙(こいつ…強いな…)
黒影が水無瀬 雫を殺そうと近づくが、犬飼 魔虎が叫ぶ。
犬飼 魔虎「待て!!俺はまだ…伸びてねぇよ…へへ…もうちょい遊ぼうぜ…!」
―辛島 迅サイド
辛島 迅(くそ…あーは言ったものの、この周辺に金属はねぇ…今の俺は無力に等しい…)
すると磁仙の声がした。
磁仙「ここは村だ。ちゃんと探せ。」
辛島 迅(え?それってどういう…)
二階堂 千智「辛島さん!」
辛島 迅「ッ…!」
空闓が辛島 迅に攻撃を仕掛けたが、なんとか凩 摩稀が突風で辛島 迅を飛ばし、間一髪で避けられた。
凩 摩稀「何ぼーっとしてんの!」
辛島 迅「悪い!」
凩 摩稀「輪廻解錠 痙旋風!」
空闓の足元から、巻き上げるような風が吹き、その風には振動も混じっていて、空闓に痙攣を起こさせる。
空闓「あーいてて、痺れるなぁ…けどまぁ…」
空闓「輪廻解錠 歪曲」
空闓はその空間を曲げ、風を散らした。
空闓「この風が吹いてる空間を曲げてしまえばどうってことない。」
凩 摩稀(うそでしょ…私が完全に使いこなせてないってのはあるけど、同じ中戒なのに…オリジナルとはこんなに差があるの…)
二階堂 千智「輪廻解錠 先見の明」
二階堂 千智「凩さん!右!左!蹴り上げ!」
空闓の未来の動きを視た二階堂 千智は、凩 摩稀に指示を出す。
二階堂 千智(僕の能力は決して戦闘向きじゃない…けど!やらなければ!)
二階堂 千智が攻撃しようとする。しかし…
二階堂 千智「ッ…!」
空闓「やはり、お前を先に潰しておいた方がよさそうだ。」
空間を移動し、一瞬で二階堂 千智の目の前に詰め寄った。そして、二階堂 千智に攻撃を仕掛けようとした次の瞬間…
辛島 迅「あー、そういうことか、やっとわかったわ。」
空闓「ん?」
辛島 迅「周辺に金属は無いと思ってたが、ここは村…探せばあるじゃねぇか。フライパン、排水管、電線…なんで気が付かなかった。村の皆さんの力、お借りします!」
辛島 迅「輪廻解錠 磁鋼収束」
凩 摩稀「すごい…」
二階堂 千智「こ、これは…!」
包丁や電線など様々なありとあらゆる金属が辛島 迅の元に集まる。集めた金属を空中に掲げた。
辛島 迅「磁鋼発散!」
集めた金属を一斉に空闓に向かって放出する。
辛島 迅「かかってこいよ、空間野郎!」




