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ちみっこ魔女転生~使い魔がコアラだったので、たのしい家族ができました~  作者: ゆいレギナ
6章 学園リベンジ

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50話 幼女とコアラ弁当


 その後、アフロの生徒会四年生は、生徒会から脱退した。

 王太子とはいえ、下級生にやられたなんて、メンツが丸つぶれだもんね。


 寮生活で迷惑をかけられたとはいえ、その妹も『やりすぎ』が問題となり、大量の反省文と内申点ダウンが言い渡されていた。ニコちゃん的には、突っかかってこなければそれでよかったらしいが、わたしとしては、適度なざまぁみろである。この汚点が、将来の就職や婚姻に繋がることが明白だからね。


 そうして、いよいよ、わたしの平穏な学園生活が始まる。


「ルルティアちゃん……今日ももらってくれる?」


 朝一でニコちゃんが渡してくれるのは、とても美味しそうな卵である。

 その卵を授業前にユーリさんに渡してみたら、お昼休みには美味しそうな卵焼きになって返ってきた。今日はちゃんと小さなお弁当箱が二つである。


「卵のお礼だよ。二人でお食べ」


 さすがユーリさん。デキる母……ではない、兄……いや、パパである。

 本当、この人の属性は忙しいな。お顔は淡泊系イケメンなのに。

 しかも亡国の王子でしょ?


 だけど、今はユーリさんに構っている時間はない。だって、早くニコちゃんと合流しないと、食堂でごはん注文しちゃうもんね。せっかくなら、絶対においしいユーリさんのお弁当を食べてもらいたいもん!


「本当に、わたしがもらって……いいの?」


 ギリギリで間に合ったものの、ニコちゃんに謙遜されてしまう。

 足元のニワトリは、コッココッコと平気でわたしのまわりを楽しそうに歩いているのにね。ニコちゃんにも、早くこのくらい懐いてもらいたいものである。


 だから、わたしは大声で言ってやるのだ。


「当たり前じゃん! わたしたちはともだちなんだから!」




 そうして、わたしたちは中庭でお弁当を広げることにした。

 小さなお弁当箱に、きれいな卵焼き……て、ハートにしてあるとか、まじですか? 斜めに切って、向い合せればハートに見えるというやつである。しかも、ウインナーはもちろんタコさん。小さな丸いおにぎりもデコってあって……え、これはもしや、コアラですか? 隣のニコちゃんの分はニワトリらしく、「うわぁ」とメガネの奥をキラキラとさせている。もちろん、デザートの林檎もウサギさんだ。


 主婦力が高すぎるぜ、自称パパよ。

 対して、本当のパパであるミハエル殿下は、職員室の窓から恨めしそうにわたしを睨んでくる。目の前に大きなお重があるから、わたしを誘うつもりだったんだろうな。絶対あのお重、ユーリさんは嫌味として渡しているでしょう。いい性格してるぜ。仲良しだね。


 そんな王弟殿下のジト目に気付かないフリをしつつ、実際にかわいすぎるお弁当に夢中で気が付いていないニコちゃんを促して、わたしたちはお弁当を食べ始める。


 うん、味もサイコーだね。

 ユーカリの葉しか食べられないコアラが可哀想なこと。


 ……と、そんなことを思ったら、試さずにはいられない。


「コアラも食べる?」

「ぐも?」


 ニコちゃんは足元でコッコしているニワトリに、添え物の葉っぱをあげていた。

 まあ、わたしがタコさんウインナーを差し出しても、どうせコアラはプイっとそっぽを向くんだろうな……なんて、ニヤニヤしていたときだった。


「ぐも」


 コアラがウインナーをパクっと食べる。


 え、コアラ、ウインナー食べるの?

 というか、ウインナー食べていいの!? ダメだよね!?


「吐けええええええ、全力で吐きだせ、コアラああああああ」

「ぐもおおおおおおおおおおおお」


 慌てたわたしが、全力でコアラを逆さまにして、振っていたときだった。


「お邪魔しますわ」


 こんな騒がしいわたしたちに近づいてきたのは、今日も縦ロールが美しいザ・令嬢こと、生徒会長さんである。コアラがケポッと吐きだしたので、わたしもぜぇはぁと呼吸を整えていると、生徒会長さんが顔を扇で半分隠しながら質問してくる。


「あなた、ユーリ様の娘って本当ですの?」


 聞くところによると、この生徒会長さんは公爵令嬢らしい。

 公爵家とは、王族の血縁者であるという爵位である。簡単に言えば、お国でかなり偉い御家柄。ルルティアの本当の実家、ルディール家も侯爵なので、格でいえば一段以上劣る。やはりこの世界観で、王の血筋というのはゆるぎない権力を持つのだ。


 実際、話しかけてきた生徒会長さんに、ニコちゃんはガクブルしている。

 これは……さっさと去ってもらったほうがいいな、と、わたしは淡々と質問に応えることにした。


「ユーリさん……新しい用務員のユーリさんのことでお間違いないですか?」

「そう……やはり、噂は本当ですのね」


 何かに納得がいったのか、生徒会長さんはそっと息を吐く。

 そして扇を畳んでは、この場に屈んで、わたしの手をそっと掴んできた。


「改めまして、わたくしはオディリア=オリオール。あなたの母になる女ですわ」


※このお話はフィクションです。

現実で、まともな知識もなしに、動物で人間の食べ物をあげるのはやめましょう。


さて、6章はこれにて終了です!

最新話まで追っていただき、ありがとうございます。


次章はユーリさんにまつわるお話にする予定です。


「おもしろい!」「続きが楽しみ!」などと、少しでも思っていただけましたなら、


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