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ちみっこ魔女転生~使い魔がコアラだったので、たのしい家族ができました~  作者: ゆいレギナ
6章 学園リベンジ

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46話 幼女といじめっ子

 火球が狙っているのは、間違いなくニワトリの小屋。

 中には「コケコッコー!」と大混乱しているニワトリ。

 コアラは起きている。ならば、わたしが躊躇う必要はない!


「コアラ、いけ!」


 ちゅどーーーーんっ!

 爆発音といっしょに、思ったより甲高い悲鳴が夜空に響きわたる。

 久々のちゅどーんは気持ちいいね。


 そして経験上、被害者の怪我はいい感じで留めてくれるコアラは最高の相棒である。

 ぶげしっ、な着地音を聞きながら、わたしは懐からご褒美を取り出す。


「はい、ユーカリ」

「ぐも」


 コアラがもしゃもしゃと始めたところで、わたしはリンリンとした鈴の音を聞く。

 そういや、ニワトリ小屋の網代わりに、ユーカリの枝が張られている。無論、この枝はユーリさんの使い魔であるユーカリの木の精霊・ユカリさんによるものだ。ユカリさんは元聖女だったらしく、結界や回復が得意とのこと。


 あれ……もしや、わたしが『ちゅどーん』しなくても、火球なんて防げたり?

 そうよ、と言うように、鈴の音がリンリンする。


「……ごめん、ユカリさん」

「ぐもも」

「久々のちゅどーんチャンスに浮かれちゃったね」

「ぐももん」


 ともあれ、吹き飛ばさずに済んだのに、吹き飛ばしちゃった犯人にも謝るべき……と、わたしが倒れている制服の子に近づいたときだった。


「だからああ、こんなことしたくなかったのにいいいい!」


 びゃーんと泣いている子に、見覚えがあるような……。

 とりあえず暗いので、コアラに「明かり頼める?」とお願いすると、コアラの鼻がピカーッと光る。


 すると、びゃーびゃー泣いているのは同じクラスの女の子だった。

 名前はわからない。ただ知っているのは、朝ニコちゃんをいじめていた子の一人ってだけ。主犯の子じゃないね。取り巻きのひとりってやつだ。


「大丈夫? 怪我はない?」

「こわかったああああ、めちゃくちゃこわかったあああ!」

「ごめんね、コアラ撫でる?」

「なんで鼻が光ってるのおおおおお!?」


 ……うん、こりゃ、落ち着くまで待つしかないな。

 



「あ、あの~……」

「うわ、また負けた! コアラ、○×ゲーム強いね!」

「ぶふぅ」

「てか、使い魔って○×ゲームできるんだねぇ。これ、新しい発見じゃない? すっごい魔女として歴史に残るかな?」

「ぐもも?」

「すみません、私、帰っていいですか……?」


 退屈しのぎに始めた○×ゲームでわたしが三連敗したとき、ニワトリ小屋を燃やそうとした女の子はようやく落ち着いたらしい。


 わたしはコアラの鼻ピカを少し抑えめにしつつ、女の子の全身を確認する。やっぱり擦り傷以上の怪我はなさそうだ。さすが、わたしのコアラである。ファンタジーばんざい。


 ビクビクしている女の子を、わたしはにこやかに見上げた。


「で、なんでこんなことしたの?」


 わたしの笑みに、さらに女の子がビクッと肩をすくめる。

 そんな怖がらないでほしいなぁ。わたし、あなたの半分くらいしか生きていない女の子ぞ? 前世の学生時代にいじめられた経験もあるので、あんまりいじめっ子に優しくしてあげるメンタルはないけど。


「さっき、やりたくなかったって叫んでた気がするけど?」

「あの……その……」

「ご存じじゃなかったら申し訳ないけど、わたし、ミハエル王弟殿下の養女なんだ。あとカーライル王太子殿下の婚約者だったりするんだけど……どっちに報告してもらいたい?」

「ひいいいいいいいいい」


 他人の権力を借りるのって、気持ちいいなぁ。

 と、性格の悪いことを思いつつも、話が進まないので黙ってニコニコしていると、女の子がぐずぐずと洟をすする合間に喋り始める。


「私は……ただ、嫌がらせとして燃やしてこいと言われただけで……」

「そっかー。誰に?」

「同じクラスの……でも、刃向かえないんです。あの子は、生徒会役員の妹だから、逆らったことがバレたら学校中に、今度は私がいじめられちゃう……!」

「だからわたし、王弟の娘ぞ?」

「オレは王太子だが?」


 なんか、わたしよりもっと偉そうな声が聞こえたな。

 振り返ると、パジャマ姿のカーライル殿下のご登場である。ナイトキャップがとてもよく似合っているのは置いておいて、どうして殿下がこんな夜中に?


 しかし、わたしが口を開くよりも早く、殿下があきれ顔をした。


「あんな『ちゅどーん』、ルルティアが何かしたに決まっているだろう。なんならユーリ殿もそこで見てるぞ」


 殿下が指さしたほうを見てみると、たしかにユーリさんがヒラヒラと手を振っている。あの笑顔は……ちょっと怒ってるな、多分。○×ゲームなんかしてないで、早く寝ろってことだろうか。


 ともかく、ユーリさんが笑顔でいる間に、この事件は解決したほうがよさそうだ。わたしは殿下に、とある提案をする。


 さて、箒を借りるには、用務員さんでいいのかな?




 そして、次の日の放課後。


「おじゃましまーすっ!」


 わたしとカーライル殿下は、窓から箒で三階の生徒会室へ突入した。

 俗にいう、直談判。殴り込みである。


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