表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

そのエルフは今日もパチ屋に向かう

作者: 猫越岳 凜

三人称の練習

「んにゃ?」


 ここはねこだまり荘。

 色々とクセのある人々が集まって暮らしている、ボロアパートだ。


 そんなボロアパートと一室。

 酒の空き缶が散乱し、食いかけのカップ焼きそばが放置されてる部屋で、一人の女性が目を覚ます。


「ん、んぅ〜……。よく寝たぁ〜」


 不摂生がたたり、ぽっこり出たぷにぷにのだらしないお腹を、ポリポリと掻きながら起き上がる。


 一見すれば、だらしなくはあるものの、20代後半の普通の女性に見える。

 が、彼女には他の人とは違った特徴があった。

 彼女の耳は細長く、誰が見ても一目見てエルフと分かる容姿をしていた。


 そう、彼女は一見20後半に見えるが、エルフという事を鑑みれば、そうでは無いことが分かる。


「ん~。今日は何打とうかなぁ〜」


 そんな彼女の趣味は朝からパチ屋に並んで、パチンコかスロットを打つことであった。


「えっと今日は15日か……。なら、今日はジャ◯ラーにしよう」


 15日。パチンコやスロットをしない人にとっては、何のこっちゃという感じだが、5のつく日はジャ◯ラーが熱い。

 熱いとはどういう事かと言うと、高設定が入ってる台が多く、比較的勝てるという訳だ。


「えっと、スマホスマホっと。それにしても、スマホで家から抽選出来る何て便利な世の中になったね〜。昔なんて、朝イチダッシュしてたっけ。あれは堪えたな〜」


 過去を懐かしみながら、スマホでポチポチと抽選受付を済ませると、エルフはパチ屋に行く為に着替えをする。


 エルフは、何のファッションセンスも感じさせないジャージに着替えると、その格好のままスマホと財布片手にパチ屋へ向かう。


 その格好で外出するのかと狂気を少し感じるが、長い時を生きてるエルフにとっては、裸意外なら何でもいいらしい。


 エルフはマイホに向かう途中のコンビニで、おにぎりを買って、パクつきながら歩いている。


「お、マニュじゃん。今日はジャ◯ラー?」


 エルフはマイホに着くと、大学生位の青年に声をかけられる。どうやら顔馴染みらしい。

 そして、エルフはマニュと言うらしい。


「そうだよ〜。あ、抽選の結果来てる。わぁ!55番だって!凄い凄い!これもうジャ◯ラー打つしかないじゃん!今日はペッカペカのペッカペカね!」


「はは。よかったね」


「あれ?柏木さん元気ないけど、抽選ダメだった?」


 柏木さんと呼ばれた先程の青年は、スマホの画面をひらひらと見せながら、少し悔しさを滲ませた声で話す。


「俺、今日341番。スロット座るのは無理だわ。ま、今日はパチンコかな。マニュはジャ◯ラー頑張って」


「柏木さんの分まで頑張ってくるね!」


「再整列を行います!1番の方!」


 スタッフの再整列の声がかかり、辺りに密集していた人々が動き出す。

 ここから、再整列を行って入場する。


「55番の方!」


「は〜い」


 マニュは無事に再整列を果たす。あとは入場するだけである。


 再整列が完了して、10時になった。

 1番から順に入場が開始される。良番を引いたマニュは早々と店内に入場した。


 店内に入場するなり、急いでジャ◯ラーのある島へ向かう。

 いくつかの狙っていた台は座られていたが、良番を引いたおかげで、ジャ◯ラーに座る事が出来た。


「さぁさぁ!ペカペカ光ってよ!」


 マニュはそう言って、財布から栄一を取り出して、機械に入れる。

 マニュのマイホは等価の店であるので、貸出ボタンを押すとコイン50枚を借りれる。


 コインを入れて、運命のレバーオン!


「ペ、ペカった!先ペカ!1G目なのに!今日きてるかも!」


 運命のレバーオンでまさかの1G目からペカ。

 そのまま目押しで7を揃える。


「RG先行か〜。増々いいじゃない」


 るんるん気分でスロットをぶん回すエルフ。

 だが、戦いはまだまだ始まったばかりだ。


「も、持ってかれたぁ……。栄一持ってかれちゃった〜!1G目に先ペカしたのに!」


 夕方前、るんるん気分でスロットを回してたエルフは、しょんぼりとしており、意気消沈していた。


 当初、1G目から当てて昼過ぎまでは調子がよかったマニュの台だが、途中からハマり、気づいた時には合算も悪くなって持ってきた軍資金一万が消え去った。


「うぅ……。今日はもう帰る」


 負けて意気消沈したエルフはとぼとぼと帰路につき、ねこだまり荘へと帰っていく。


 帰り道の途中、コンビニよってカップ焼きそばと酒をしこたま買ったみたいだ。

 また、部屋が荒れるのが容易に想像できる。


「お?今日は早いな。てことは負けたか」


 ねこだまり荘に帰って来ると二足歩行のデカ猫がエルフに話しかける。


「うぅ……!田中ぁ〜」


 田中と呼ばれたこの猫は、ねこだまり荘の大家である。


「そんな顔して……。でも、結局また明日も行くんだろ?好きだねぇ」


「だって他にする事ないし」


「ま、程々にな」


 田中に忠告されて、バツの悪そうな顔をしながら自分の部屋に帰っていくエルフ。


 そして、カップ焼きそばを作り、酒を開けて飲み食いする。


 明日は16日土曜日である。

 このエルフは明日もまたパチ屋に向かうであろう。

作者がよく打つのは

パチならリ◯ロ2、人気なくて殆ど置いてないけどメイ◯ビ

スロットならジャ◯ラー、モ◯キー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ