勇者代行松井塾長「俺はあくまで素人なんでね」旅立ちの章
王国歴2000年・・・世界は魔の世紀に突入した。
伝説では、天に導かれた勇者が、同じく天に導かれた3人の仲間と魔王を倒すであろう。
この物語は、神に選ばれた勇者達の愛と努力と勇気と友情の冒険物語
・・・・・・・ではない。
王国歴2000年 エドガーの酒場にて・・・荘園(中華料理の居酒屋)
松井塾長「店長かにチャーハン大盛りと烏龍茶一つ」
店長「いつものね。」
ガラガラ
勇者「おい!親父。この店にある一番高い酒と一番高い料理を俺に。」
店長「あ、はい。これはこれは勇者様。」
松井塾長「・・・(なんだこいつ?偉そうな。まぁ、めんどくせぇーことに巻き込まれないようにさっさと食って帰るか。)」
勇者「おい。そこのお前。なんで立って挨拶しないんだ?おい、お前だよお前。」
松井塾長「???」
勇者「お前だよ。お・ま・え」
松井塾長「俺???」
勇者「そうだよ。私は神に選ばれた勇者ゼータ様だ。知ってるだろ。」
松井塾長「(・・・やべぇ全然知らん。)お・お・お疲れさまです。大変失礼しました。」
勇者「まぁ、わかればいいんだけどよ。」
店長「はい。まっちゃん、かにチャーハン大盛りと烏龍茶。」
松井塾長「ありがとーう。」
勇者「はーははは。聞いたかよみんな。この貧乏人。この店で最安の定食メニューセット頼むかよ。昼から受けるぜ。」
松井塾長(うめーわ。)
勇者「おい、聞いてんのかよ。貧乏人。」
・・・・・・・店内シーン・・・・・・
店長「松井君・松井君。」
松井塾長「うん?」
店長「あっちあっち。」
松井塾長「え???」
勇者「てめぇ俺が誰だか教えてやる。」ボーン
松井塾長「・・・・・・・・・・・。ほーう。」
次の瞬間だった。言葉では形容できない、凄惨な状況が目の前に広がった。
店内にあった酒瓶で頭をぶっ叩かれ、顎の骨を革靴で砕かれた勇者は・・・
勇者「わー・・・った。た・・けてくれ(悪かった助けてくれと言いたかったんだと思うが・・・)」当然そんな言葉が聞こえるわけがなく、肋骨をおられ、腕を割れた瓶で刺される。
一連の騒動後・・・
松井塾長「すいません。お勘定お願いしまーす。」何事もなく帰る。
松井塾長「今日は、めんどくさい変なやつに絡まれた変な一日だったな・・・。」
これが、後に大変な事態を引き起こすことをこのときは、まだ、彼は知る由もない。
数日後・・・
ドンドンドンドン松井健太出てこい。
松井塾長「あー。何?」
エドガー兵団長「お前が、松井健太か?王様がお呼びである。」
松井塾長「・・・なんで俺が、王様のところにわざわざ行かにゃーならんのだ?」
エドガー兵団長「・・・・・。いや、勇者を君がボコしてしまったから・・・その・・・。」
松井塾長「逮捕すんのかよ?正当防衛だぞ。」
エドガー兵団長「いや、その件は大丈夫なんだが・・・。というか貴様、兵団長に対して無礼だぞ!!!」
松井塾長「俺は、松井健太だ!!!」
エドガー兵団長「・・・・・。」
松井塾長「だいたいなー。王様も俺に用があるなら俺のところに直接くりゃーいいだろ。俺は、今めっちゃ忙しいんだぞ。」
エドガー兵団長「それは、失礼した。どんな用事が?」
松井塾長「ドーナツ食ってごろごろする。」
エドガー兵団長「・・・・・・。お前は、王様が直々にお呼びになっているのに!!!ドーナツ食うことを優先するのか?」
松井塾長「違うぞ。ドーナツ食ってごろごろするだ!!!」
エドガー兵団長「そこじゃねーよ。」
松井塾長「まぁ、とりあえずお前が王様呼んでこいよ。」
エドガー兵団長「まぁ、一応そうお伝えする。」
数時間後
ドンドンドンドン松井健太いるか!!!
松井塾長「何だ。あんた誰だ?」
エドガー兵団長「兵団長だよ!!!さっき会っただろ。」
松井塾長「あーー。」
エドガー兵団長「王様が直々に、いらっしゃることになった。一つ言うぞ!」
松井塾長「なんだよ。一々めんどくさい野郎だな。」
エドガー兵団長「いいか!絶対に失礼のないようにな!」
松井塾長「わかったわかった。というか俺が失礼な人間に見えるか?」
エドガー兵団長「見える!!!思いっきりやらかしそうなやつに見える!!!」
松井塾長「ワイも大人やで。立場上、言うてええことと悪いことぐらいわかるで。笑」
エドガー兵団長「不安しかない。」
数時間後
王様登場
王様「君が、松井健太君かね。」
松井塾長「おう。」
エドガー兵団長「ゴホンゴホン!」
松井塾長「(あー)そうでございます。」
王様「ささやかなプレゼントですが、お茶菓子とお茶をお持ちしました。」
松井塾長「わかっとるのー王様。気がきくのーー。」
エドガー兵団長「ゴホンゴホン!」
松井塾長「(あー)ありがとうございます。エドガー兵団長お茶入れといて。」
エドガー兵団長「(怒)」
松井塾長「まぁ、そうかしこまらんとみんな、まぁ、茶菓子とお茶でも飲めよ。」
王様「(私がもってきたんじゃなかったかな・・・)」
エドガー兵団長「(だめだつっこむ気力がなくなって来た。)」
松井塾長「で・・・話ってなんぞや?」
王様「知っての通り、今、魔王の軍勢が世界を支配しようとしているのは君も知っているな?」
松井塾長「・・・・・・・・・全然知らん。」
王様「・・・調べたんだが、君は転生者だよね・・・。」
松井塾長「そうらしい。」
王様「そうすると、転生された後この世界のシステムについて説明されたと思うが・・・」
松井塾長「なんか言ってたけど、忘れた。」
王様「まぁ、それはおいておいて・・・。予言の通り、数百年ぶりに勇者がこの国から生まれた。それが、君にぶっ飛ばされて、全治3ヶ月の入院となってしまった。この事態が意味することがわかるかな?」
松井塾長「わかるよ。( ・ิω・ิ)V。王様の責任問題になりますなーーー。大変ですのーーー。」
王様とエドガー兵団長「(なぜ、この一瞬でそこまで察した・・・)」
松井塾長「で、その代わりを俺がやれとでも言うのか?そして、そのことを隠して、何らかの飴玉をねぶらせる。もしくは、刑務所に入れるという脅しを交渉材料で勇者にしようということにすれば、俺が応じると思って、今、ここまでやってきた?違いますか?」
王様とエドガー兵団長「・・・・・・(ドッキ)」
松井塾長「お断りします。刑務所に入れるでもなんでも好きにすればよろしい。世界がどうなろうか知ったことじゃないです。」
王様「頼むーー松井ーー何とかしてくれーー。何でもするーー。このままだとワシ磔になってしまう。いや、それどころじゃなくどうなるか想像もできん。何とかしてくれー頼むーー松井。」
松井塾長「(笑)受けよう。初めからそう言えよ。」
王様「え、じゃあ。」
松井塾長「受けよう。その任務。ただし、勇者代行でいいんだな?勇者が復活した後は好きにしていいんだな。」
王様「そ・そ・そうか。報酬の件に関しては・・・」
松井塾長「任務完了後でいいよ。」
王様は、頭を深々と下げるのだった・・・
王様帰宅
しかし・・・この松井くん。通常の冒険の話だった場合。剣術に定評のある勇者。魔法の天才。血統がそもそも勇者の血統。転生者特有の圧倒的チート能力。まぁ、そういうのが全く無い。というかこの男・・・ペンより重いものを持ったことがほぼない。当然・・・
武器屋(装備できるものがありません)
防具屋(装備できるものがありません)
道具屋(使用方法がまるでわからん。)
という有様になる。
松井塾長「やべぇー。初めからゲームオーバーだ。不安しかねぇー。」というわけでいつものスタイル。スーツ・ネクタイ・革靴というおよそ冒険者とは思えない服装になる。
そして、最悪なことに国の声と評判も最悪。あること無いことを言いまくられる。
村人A「勇者を汚い手法で半殺しにしたやつ。」
村人B「ド素人が勇者だって?国の面汚し。」
村人C「自分が一番偉いと思っている勘違い野郎。」
村人D「ちびっこナルシスト。」
まぁ、アンチコメントだらけの状況である。言うなればバッド評価100%(不支持率100%)の状況である。
当然出陣式では、こうなる・・・・
村人「死ねーカス」「死ねーカス」「死ねーカス」「バーカ」「犯罪者」
エドガー兵団長「あいつらーーどいつもこいつも好き勝手いいやがって。」
松井塾長「何キレてんだ。」
エドガー兵団長「松井さんは、この世界を救うために崇高な理念を持って立ち上がった勇者だぞ。その御方に対してあまりにも失礼ではないですか?」
松井塾長「(やべぇーどっからツッコンでいいのかわかんねぇーけど)まぁ、小市民は挑戦者を笑う。雑魚の言うことに一々気にしてねぇーであなたは自分の国を守ることに専念しろ!(今、いいこと言ったんじゃねー笑)」
エドガー兵団長「(これが、神に選ばれた勇者なのか・・・)」(選ばれてねぇーよ。)一方当の本人はというと・・・
松井塾長(やっぱこうでなくちゃいけない。全員からボロクソに言われるこの感覚。最高に輝いているぜ俺。)(控えめに言ってバカである。)
松井塾長「じゃあ行ってくるぜ。世界を平和にしてパーティーしてくれ」と元気良く出ていった。
さすがそこは、転生者出てくるモンスターの攻撃をかいくぐり、人間離れした体術で次々とモンスター倒していく。
ということは・・・無かった・・・。
3時間後戻ってくる変わり果てた松井塾長。
エドガー兵団長「・・・どうした。忘れ物か。」
松井塾長「ボッコボッコにされたぜ。敵が強すぎるぜ。スライムやゴブリンをなめてたぜー。」
エドガー兵団長「早く治療を・・・。」
松井塾長「やべー突破口が全く見えない。心折れるわーーー。才能がなさすぎる・・・。」
エドガー兵団長「・・・。仕方ないぜ。初めてだから。」
翌日
松井塾長「今日は、俺イケる気がする。俺に風が吹いている。そんな気がする。行ってくるぜ!!!」
4時間後
松井塾長「ボッコボッコにされたぜ。(以下略)」
エドガー兵団長「早く治療を・・・。」
さらに翌日
松井塾長「今日は、俺イケる気がする。今日の俺は絶好調だぜ!!!行ってくるぜ。」
5時間後
松井塾長「ボッコボッコにされたぜ。(以下略)」
エドガー兵団長「早く治療を・・・。」
さらにさらに翌日
松井塾長「今日は、俺イケる気がする。俺は天才だ!!!行ってくるぜ。」
エドガー兵団長「(どっから来るのその自信???)」
6時間後
松井塾長「ボッコボッコにされたぜ。(以下略)」
エドガー兵団長「早く治療を・・・。」
さらにさらにさらに翌日
松井塾長「今日こそ、俺イケる気がする。人間にできないことはない!!!」
エドガー兵団長「ちょっといいかな?」
松井塾長「どうした兵団長?」
エドガー兵団長「毎回毎回ボッコボッコにされて帰ってくる。そして、帰ってきては落ち込む。落ち込んでいるのに飯はしっかり食って寝る。寝て目が覚めたら、今日はいける気がするという。」
松井塾長「そうだが・・・何か?」
エドガー兵団長「スライムやゴブリンにも苦戦している。そして、民衆からは忌み嫌われている。というか誰も期待していない。」
松井塾長「それが?」
エドガー兵団長「どうして、戦い続けられる?なんの目的で戦い続けられる?」
松井塾長「決まってるだろ。俺が俺であるためだ。」
エドガー兵団長「???」
松井塾長「まぁ、今のあんたじゃ何を言ってるかわからないだろうから、わかるように言ってやろう。この辺境の街の住民と兵士の様子を見てみろ。どうせ・だって・生まれが・血統が・才能が・口を開けば出てくるのは、不平不満。言い訳の花を咲かせることだけは一人前だよな。実にくだらん。生きていても死んでても死んでるような連中だ。」
エドガー兵団長「・・・確かに。」
松井塾長「この国に必要なのはな。才能あふれる勇者でもなければ、魔法使いでもねぇ。弱くても一兵卒のモブキャラでもなんでもてめぇーらの力でてめぇーらの国を守るっていう信念と努力だ!!!」
エドガー兵団長「・・・・・。」
松井塾長「あんた、まだ諦めてねぇーんだろ。諦めてねぇーからまだ、兵団長やってんだろ。」
エドガー兵団長「あぁ・・・。そうだ。」
松井塾長「まぁ、今に見てろ。そのうち兵士たちもお前の志をわかりだす。それにな・・・俺は、勇者代行だぜ?勝ったらアイツすげーだし、負けても、そりゃあ平民なんだから当たり前だろって話だぞ。まぁ、じゃあ行ってくる。」
当然、その日もボコボコになって帰ってくるわけだが・・・
事態は少しずつ好転しはじめていた。
兵士A「なぁ、俺たちこのままでいいのか?」
兵士B「何が?」
兵士A「俺たちなんで兵士やってたんだっけ。」
兵士C「そりゃあ給料のためだろ。」
兵士A「そうじゃなくて、こう。もっと違った何か大事なものを忘れてきたような気がする。」
兵士B「そういや。俺は、民衆を魔の手から守りたいためとか言ってたような。無かったような。」
兵士A「・・・・・なぁ、このままでいいのか?」
・・・・・。
兵士D「そういや松井のことなんだが・・・」
兵士C「あーいつも大風呂敷を広げてボッコボッコになって帰ってくるアホだろ。あれはいつもウケるぜ。」
兵士D「この間、モンスターを倒してた。」
兵士C「そりゃあこの辺にいるモンスターぐらい大人であれば誰でも倒せるぜ。」
兵士D「本当にそうか?」
兵士C「え?」
兵士D「誰でも倒せるならなぜ、この周辺地区の魔物は減ってないどころか増えてるんだ?」
兵士C「それは・・・。」
兵士D「なぁ、俺らでもやれることはあるよな。でも、俺ら・・・何もやってないよな。」
・・・・・・・。
一週間後
松井塾長「今日はいける気がする。次のエリアまで後半分ってところまではいけたからな。」
エドガー兵団長「いや、一時期は永久に終わらないのかと思っていたが、やりゃあ人間なんとかなるもんだな。」
松井塾長「さすがに、15日も連続で死にかけてみ、ちょっとは攻撃も避けられるし、攻撃もとおるぜ。」
兵士4人組「お願いします兵団長。」
エドガー兵団長「どうかしたのか?」
兵士A「松井さんにご同行させてください。」
エドガー兵団長「!!!」
松井塾長「な?兵団長。俺が倒され続けることも意味があるだろ。笑」
エドガー兵団長「・・・あー行ってこい。気をつけてな。」
松井塾長「じゃあ、行くぞ。」
本来の力を発揮した兵士は当然そこら辺のモンスターを倒すわけである。
松井塾長「やっぱ本職は強いのー。」
兵士C「何年やってると思っとんすか。笑」
そんな感じでやってきたが・・・
絶望の谷へと到着
兵士B「まずいな。」
松井塾長「何がだ?」
兵士B「こっから先は非常に危険だ。」
松井塾長「具体的には・・・」
兵士B「理由は全くわからんが、こっから先にはいけないんだ、行こうとした兵士がいるんだが、ことごとく帰ってこないんだ。」
松井塾長「理解した。まぁ、慎重に進むとしよう。」
数時間後・・・
兵士B「理由がわかったぜ。そういうことだったのか?」
兵士D「マンドーリルだ・・・」
松井塾長「なんだそれ。」
マンドーリル。この世界にのみ生息する凶暴で知能の高いサル。防御力が異常に高い上に、攻撃力も高く出会えば即死してもおかしくないモンスター。
戦闘開始
兵士Aの刀は使えなくなった。兵士Bのやりは使えなくなった。兵士Cはふっとばされた。兵士Dの盾は粉砕された。松井くんはもちろんふっとばされた。
兵士B「リターン」
エドガー兵団長「おい。お前ら生きてるのか?」
兵士C「死んだ。」
翌日
松井塾長「昨日は、マンドーリルにボッコボッコにされたが、今日はいける気がする。俺たちならやれる。」
兵士たち「やれる気がしてきた!!!」
エドガー兵団長「・・・・・確かに、彼のおかげで皆、生き生きとしているが、バカなところまで写ってきてしまっているような気がするのは気のせいだろうか。」
兵士B「リターン」
エドガー兵団長「おい。お前ら生きてるのか?」
兵士C「死んだ。」
1週間後
松井塾長「なんか、こう昨日はおしかったなーー笑」
兵士C「おーよ。初めてダメージが通りましたね。こうだんだん斬るコツが分かったんですよ。笑」
松井塾長「まぁ、でもリターンの魔法がなければ死んでるがな。」
兵士D「ちげーねー。」
一方街の声
村人「あいつら今日もボコボコにされてリターンで戻ってくるのかな。」
村人「アホだからな。昨日も朝、酒場で俺たちならやれるゼッテー勝つとか行ってたぜ。」
村人「無駄な努力を・・・勝てるわけねぇーだろ。アホしかやんねぇーよあんなこと。」
村人「でも、なんでかしらんがあいつら応援したくなるんだよな。」
とまぁ、罵声なのか応援なのかよくわからんが街の風物詩になってしまっていることをお気楽5人組は全く気にすることもなく。
今日もボコされては・・・
兵士B「リターン」
エドガー兵団長「お前ら生きてるか?」
兵士C「死んだ。」を繰り返すのである。
さらに1週間後
松井塾長「くっそーーーダメージは通ってるんだよ。もう少しで倒せるもう少しなんだ。」
エドガー兵団長「わかったから、落ち着け。」
王様「どうかしたのかね。」カクカクシカジカ
王様「君ら休みなく働きすぎじゃないかね。ほら、急がば回れって言葉があるじゃろ。ちょっと休んできたら?」
というわけで休むことになった。
村人「おーボコボコ5人組だ。笑」
村人「よ!風物詩ダサダサ5人衆。」
兵士B「んだとこの野郎。こちとら一生懸命やってるのにアンチコメントとはなめとんのか?」(お前らも言ってただろ?)
松井塾長「よせ。めんどくさい。あってるだろ。ボコボコにされてるのも事実だしダッセーのも事実だろ。笑」
おばちゃん「あんたらがんばってなーはいバナナ」
松井塾長「オーありがとう。」
少年「ねぇねぇおじちゃん達。」
兵士A「んだよ。また悪口でもいいに来たのかよ。(子供にまで馬鹿にされるのか・・・)」
少年「僕も、おじちゃんたちみたいな強い兵士になりたいんだ。稽古つけてくれない?」
兵士達「俺らが・・・かっこいい???」
少年「うん。」
松井塾長「笑」
王宮の稽古場に移動
兵士A「そうだ。その構えだ。なかなか筋がいいぞ。」基本の練習を教えて・・・
兵士A「ようし実践練習だ。」
少年「行きます。うわーーー」
松井塾長「おいおい少年。格上の相手に正面から堂々とぶつかっていくバカがいるかよ。戦場なら死んでるぞ。頭使えよ。」(どこから目線???)
少年「うーん。そっかー。チョット待っててね。」
10分後
少年「行きます。」VS兵士A「おういつでも打ってこい。」
少年が、袋の塊を投げる。
兵士A「(考えたな。だが、切れる。)」袋を叩いた瞬間だった。
兵士A「おえー痛い痛い。目が痛い。何だ何が起こったんだ。」
少年「メーン」
松井塾長「一本!少年の勝ち。」兵士A「きったねーわ。」松井塾長「戦場で汚いもクソもあるかあほんだら。」
松井塾長「ところで少年、この袋の中身はなんだ?」
少年「それは、昔、いたずらではやっていたやつで、目潰しのための道具。」
松井塾長「へぇー目つぶしのための道具ね・・・。うん!?おい少年この道具たくさん作れるか?」
少年「いいよ。たくさん作れるぞ。」
兵士B「そんなもん作ってどうするんですか?」
松井塾長「わからんのか?マンドーリルに攻撃は効いている。俺らの敗因はなんだ。」
兵士B「マンドーリルの攻撃を受けて、戦闘不能になる・・・。あ、そうか。」
松井塾長「そうだ。つまり、当たらなければどうということはない。」
松井塾長「少年。感謝するぜ。さっそく帰って作戦会議だ。」
少年「???」
松井塾長「お前はきっと立派な兵士になれるぜ。」
翌日
松井塾長「今日こそ我らが憎きマンドーリルに利息をつけて叩き返してやるぜ。」
兵士達「おう!!!俺たち松井さんを中心としたワンチームの結束力を見せてやるぜ!」(注意:この間まで悪口を言ってました。)
マンドーリルVSボコボコ5人組
兵士B「くらえ目潰しだん」
兵士A「いいぞ!攻撃は効いている。」
だが・・・そこからが・・・長かった。攻撃は当たらないことに成功したが、いかんせん硬い。気がつけば日が沈んでいた。
マンドーリルついに倒れる。
戦績30連敗1勝。
松井塾長「たった1勝するために、たった1勝するために30回負け続けたぜ。笑。だが、どれほど無様でもどれほど情けなくとも勝ちは勝ちだ!!!」
兵士達「おう。」
兵士B「リターン」
一方その頃。
エドガー兵団長「王様、我々に捜索部隊を出させてください。明らかに帰りが遅いです。」
村人「おい、今日アイツラ帰ってこないぞ。どうしたんだ。」
村人「もしかして死んじまったのか?俺らで探しに行くか?」
王様「落ち着け。2次災害の可能性がある。もう半時だけ待て。」
村人「おい。リターンだ帰ってきたぞ。」
エドガー兵団長「お前ら生きてるか?」
兵士C「死んだ。」
松井塾長「ほれ首。」
エドガー兵団長「た・た・倒したのか。」
民衆「うおーーーーー。」
松井塾長「まぁ、俺、飯食って寝るわ。」
宴は、朝まで続いたらしい。
翌日
松井塾長「じゃあ、次の場所に行きますわ。」
エドガー兵団長「・・・・・。」兵士「・・・・・。」平民「・・・・・。」
エドガー兵団長「ありがとう。」
松井塾長「まだ、何も終わってねぇーぞ?」
エドガー兵団長「今、わかったよ。俺が、俺であるためだの意味が。要するに、俺が俺自身に対して諦めたような生き方をするなってことだろ。他人に言われたからでもない・環境が悪いからでもない・自分が自分に対して可能性があるのに諦めちゃいけないってことなんだろ。」
松井塾長「・・・そうだ!それを忘れるな。(そんなこと言ったっけ?俺?まぁ、とりあえずめんどくさいからそういうことにしとくか。)」(この男、絶望的なほど雑なのである。)
エドガー兵団長「死ぬなよ。俺たちも戦うよ。」
松井塾長「おー。」
エドガー兵団長「それとこれは、俺のオヤジの形見の万年筆だ。持っていってくれ。」
松井塾長「おー。」
第二章 白魔道士(???)との遭遇
マンドーリルを倒した松井塾長はそのまま、次の国シナガーワ王国に向かっていった。
さすがの松井塾長も戦闘なれしてきたせいか、いや膨大な数の敵を倒し続けてきたせいなのか。徐々に強くなっていった。
松井塾長「何だ、敵を倒してから対して強い敵いないじゃん。」などとのんきなことを言っていたのが災いする。
夜になると・・・
ゾンビ・幽霊・キョンシー・バンパイア・ミイラといった敵が現れるのだ。
松井塾長「うわーーーお化けーーー。キャーやめて。」というオネェみたいな声を出しながら、逃げまくったり、適当にぶっ倒したりしながら走っていた。
シナガーワ王国到着
松井塾長(やべぇ干からびるわ。勇者代行が水飲まねぇーで干からびました。だったらシャレにならん。)
道具屋「いらっしゃいませ。」
松井塾長「何でもいい飲み物売ってくれ。」
道具屋「二本しか無いけどいいかい。」
松井塾長「あーいいぜ。」
謎の女「ごほごほ。ゴホゴホ。」
松井塾長「???水か?水がほしいのか?」「ほれ。」
謎の女「?!(私の前に現れた運命の人なのだわ。)」
松井塾長「???なんでわかったんだ???まぁーいいか。とりあえず宿屋探すか。」
宿屋「いらっしゃいませ」
松井塾長「本日泊まる場所を一つ。」
宿屋「そ・そ・そのバッジは。」
松井塾長「ん?これか?」
宿屋「勇者様でいらっしゃられますか。」
松井塾長「まぁ、一応そうなるかな。」
宿屋「そうでしたか。あの死の谷を超えてきた松井様でございますね。」
松井塾長「うん。まー、一応そうなる。」
宿屋「でしたらスイートルームにお泊まりください。」
松井塾長「え、料金高いじゃん。」
宿屋「スタンダードの値段で結構です。」
松井塾長「いやいや、それは悪いよ。」
宿屋「あれ・・・ひょっとしてご存じない?」
松井塾長「???全然わからん」
宿屋「基本的に勇者のバッジを持たれている方は、割引価格で、宿屋に泊まったり武器を買ったりすることができます。まず、勇者一行の冒険をサポートするために、税金による補償があるわけです。」
松井塾長「ほうほう。」
宿屋「さらに、勇者がお泊りもしくは購入されたお店は、勇者御用達を名乗ることができます。」
松井塾長「ほうほう。」
宿屋「それそのものが広告宣伝と同じ効果を持つので、多くのサービスご用意するお店が多いのです。」
松井塾長「(それでか。あの野郎偉そうだったのか。)まぁ、要するに、この勇者バッジは、スーパーのメンバーズカードとかポイントカードと同じってことだな。」
宿屋「・・・まぁ、そういうことです。」
とまぁ、ものすごく貧乏くさい勇者代行ですが・・・事件は起こる。
・・・・・・・寝れない・・・・・・。
誰かに見られている気がする。何だ・・・。身構える。扉を開ける。
謎の女「・・・あ。あ。」
松井塾長「何してるんだ?」
謎の女「いや、たまたまここを通って。(キョロキョロキョロ)」
松井塾長「そっかーたまたまここを通ったのかーーー。ちょっと待て。ここはスイートルームで最上階に当たる場所になるぞ。このフロアには俺しか存在していない状況。それで、たまたまここを通るなんて馬鹿な話があるか。」
謎の女「・・・いや、そのーつけていました。」
松井塾長「そっかーつけてたのかーー。笑。なんか見られている気がしたんだよね。」
扉バタン。
松井塾長「なんで?」
謎の女「へ?」
松井塾長「へ?」・・・・・・・・
松井塾長「現金か?あんまりないぞ。」謎の女「違うな。」松井塾長「晩飯か?」謎の女「んなわけねぇーだろ。」松井塾長「じゃあ何?」謎の女「(モジモジ)冒険についていっていいですか?」松井塾長「なんで?」謎の女「私とあなたは運命の赤い糸で結ばれているのです。」松井塾長「そうなん???まぁ、じゃあいいんじゃない。」
日がたって・・・
松井塾長「ところであなたの名前と職業は?」
謎の女「ジール・ルベリア・白魔道士。」
松井塾長「白魔道士?使える魔法は?」
ジール「ヒール・・・少し回復させる。」
松井塾長「なるほどなるほど。」
ジール「ところで・・・他のお仲間は・・・。」
松井塾長「は?」ジール「へ?」・・・・・・・・・・
ジール「いやいや。普通は、仲間を集めてから冒険のたびに出るでしょ。戦士とか魔法使いとかそういったこう事前準備というか。」
松井塾長「・・・・・うーんノープラン。というか今知った。」
ジール「・・・・・・・。装備品と道具は???」
松井塾長「装備品は、全部装備できなかった。道具は使い方がわからん。」
ジール「リターンの巻物とかもなしでどうやって生きてたんですか???」
松井塾長「大体このくらいで死にかけるかなっていうのを逆算して、とりあえず気合いで帰る。」
・・・・・・・・・・・・・。
松井塾長「まぁ、そんなことはどうでもいいからとりあえず、次の国へ行こうか。白魔道士が仲間になったので、まぁ、なんとかなるでしょう。ようしアキーバに向けて、出発するか。」
戦闘開始
松井塾長「俺が、前衛で敵を全員ぶっ叩く。ダメージは全部俺が体で受ける。ジールはヒールで回復する。以上だ。」
ジール「うん。」
四時間後
ジール「ヒール。」それは、聖なる魔法ヒールのはずなのであるが、なぜだか紫色とも黒とも言えない色のひかりが傷口にどんどんと集まっていく。(後に判明することであるが・・・これは、白魔法ヒールではなく、ダークヒールという代物。冥術の種類になる。)
冥術とは、魔族やヤバイ人間が使う魔法。通常の人間もしくは魔物であっても使用された場合は、へたをすると消滅してしまうはずなのだが・・・
松井塾長「よう効くのーーー」なぜか、この男には効かないどころか体調が良くなるのである。
松井塾長「おっしゃー白魔道士も仲間になったところで一気に行くぞ。」
第3章 アキーバの落ちこぼれ魔法使い。
松井塾長「なんかこう白魔道士一人いるだけで全然冒険の難易度が違うのーーー笑」
ジール「私の力があれば、100人力でございますわ。それは、そうとここには、魔法使いのエリートが多く通うのです。そこで、お仲間を見つけられては。」
松井塾長「おう。それはいいな。厳選して見つけよう。」
ダイエン魔法学校
学園長「おーこれはこれは。勇者様。して、この学校に何用ですかな。」
松井塾長「よく俺が、勇者ってわかったな。」
学園長「それはそれはもう、新聞でも有名人ですし、何よりその勇者のバッジを見れば誰でもわかりますよ。」
松井塾長「新聞?」
学園長「こちらですよ。もう、大ニュースですよ。」
新聞内容
神の才能に愛された男。期待の超新星勇者松井健太の起こした奇跡
エドガー兵団長「松井さんは、我々にとって単なる勇者ではなく、たるみきった我々の心に希望をともしてくれました。」
兵士「マンドーリルを先頭をきって倒してくれました。そして、僕たちに教えてくれたんです。弱かろうと才能がなくても血統がなくても戦い方次第で勝てるってことを。マンドーリルを100年ぶりに倒したことよりも、我々に明日を信じて努力することを一から教えてくれました。」
村人「そりゃあもう、彼はこの国のホコリですよ。絶対に無事に帰ってきてほしい。出会ったときから、あふれでるカリスマ性がありましたよ。それはもう太陽みたいな人でしたよ。」
松井塾長「・・・(この新聞記事は、いったいどこのパラレルワールドで起こった話なんだ。)」
学園長「して、今日は何用ですか?」
松井塾長「単刀直入に言おう。今、魔法使いがいない。できれば攻撃魔法が使える人間がほしい。」
学園長「そうでしたか。それでは、様々な学生がおりますが、見てください。」
松井塾長「・・・うん。」
グラウンドにて
学生A「やーいやーい落ちこぼれ。」学生B「お前、一体何年たってメラしか使えねぇーとかやべぇーだろ」学生C「お前、この学園でなんて呼ばれてるか知ってるか?史上最低の落ちこぼれ。」
???「うおーーおっらーーぶっ殺してやる。」
松井塾長「決まったな。学園長。あいつ俺にくれ。」
学園長「彼ですか・・・いやしかし、彼は・・・」
松井塾長「この学園の落ちこぼれですか。笑」
学園長「えーー給食は盗み食いする回数30回。魔法の書が読めないので落第中です。しかも、教師の話を聞かない上に学園でトラブル起こすこと45回。来年、中退の予定です。」
松井塾長「それでいい。早く呼んでください。」
数刻後
学園長「デニスくん入りなさい。」
デニス「入ります。何用ですか?」
学園長「いや、その信じられないことなんだが・・・」
松井塾長「勇者代行の松井健太です。」
学園長「え、あなた、代行なんですか?」
松井塾長「そうだ。つまり、本物の勇者ではない。まぁ、そんな話はどうでもいい。単刀直入に言おう。デニス君。本当の勇者を半殺しにしてしまったので、勇者の代わりに魔王を倒しに行くことになってしまった。だが、魔法使いがいない。したがって、私に力を貸してほしい。もちろん報酬は山分けだ。」
学園長・デニス「・・・(やべぇ情報量が多すぎて処理しきれない。)」
デニス「い・行きます。」
松井塾長「よし決まりだ。行くぞ。」
デニス「ところで、なんで俺なんですか?」
松井塾長「俺は、そもそも転生者だ。そして、モンスター退治をしたことがない。まぁ、いうなれば素人だ。素人が、勇者代行しているという状況だ。それでよ。まともに勉強してきましたなんて魔法使いをメンバーに入れてどうにかなりそうか?ならねぇーだろ。だからだ。」
デニス「しかし、マンドーリルを数百年ぶりに倒した伝説というのは・・・。」
松井塾長「あれは本当だ。俺が倒した。16時間ほどかかったがな。笑。」
デニス「どうやって・・・」
松井塾長「素手でぶっ叩いて革靴で蹴りまくった。後は、落ちこぼれの兵士4人がぶっ叩いてた。まぁ、新聞で言われているようなきれいな勝ち方じゃない。」
デニス「燃えてきたぜーーー。ついに俺の時代が来たって感じです。学園長お世話になりました。俺のようなエリート学生がいなくなってさぞお困りだと思いますが、本日付をもって中退させていただきます。」
学園長「・・・・おおわかった。」
学園長「ところで、松井殿。次の国・新ジューク王国に行かれると思われるが、王様に許可証をもらわないといけないことはご存知ですか?」
松井塾長「全然知らん。」
学園長「(・・・この人本当に大丈夫なんだろうか?というかさっきから何も考えていないような気がする。いや、勇者に選出されたということは、きっと深い意味があるのだろう。)」
ここの読者は、わかっていると思うだろうが・・・本当にこの男、何も考えていないのである。
松井塾長・・・王様の間に案内される。
第四章 エリートの魔物にケンカを売られる???
王様「よく来た。エドガーという田舎からはるばるご苦労であった。して、私に何用かな?」
松井塾長「(なんだこいつ?偉そうに。)」(偉いのである。)
松井塾長「は。私、勇者代行をさせていただいています。松井健太といいます。次の国・新ジューク王国に行きたいので、許可証をいただきたいと思います。」
王様「ほう。そして、お主はそのー白魔道士と・・・誰だっけ君?私しらんが・・・」
松井塾長「ジールです。」
王様「その・・・黒魔道士・・・名をなんと言うのかな?」
デニス「俺の名前をしらんのか!デニスです。」
王様「えーと。」
デニス「魔法試験で赤点十六個という学園はじまっていらいの最高記録を叩き出したデニスです。( ・ิω・ิ)V」
松井塾長「笑」
王様「あー君か・・・本当に大丈夫かな君たち。」
松井塾長「王様!お言葉ですが、可能性がゼロということは、それはすなわちゼロではないんです。早々に許可証を書いてください。」
王様「・・・わ・わかった。大臣、許可証をここに。」
大臣「ははぁ。」
???「お取り込み中失礼します王様。」
王様「・・・。貴様どっから入った?」
闇の魔導師バンダル:闇の魔法使いの若きエリート。アキーバ王国に三兄弟で魔法勝負を挑み、アキーバ王国の三賢者を亡き者にした若き天才。
バンダル「王様、我々が勝った暁には、この王国を無条件で我々に引き渡すというお話お忘れではありませんよね。それとも次の挑戦者を募っておる最中ですかな?」
王様「それに関しては・・・今しばらくの猶予をもらいたいとお伝えしたはずで・・・」
バンダル「その期限は一ヶ月だったと思われます。もし、一ヶ月以内に挑戦者を用意できない上に、約束を履行されない場合には、この王国を火の海にするとのことだったそうですね。」
王様「・・・・(チラッチラッ)」
松井塾長「今日さ、晩ごはん何にする?前祝いにパーティーやんない?」
デニス「いいっすね。やっぱラーメンですよラーメン。」
松井塾長「おいおい。なんで、記念すべき前祝いにB級グルメの代表格のラーメンなんだよ。そこは焼き肉でしょ。」
ジール「えー私は、生ハムがよろしいですわ。」
デニス・松井塾長「あんなもん食った気にならねぇーだろ。もっと真剣に考えろ。」
バンダル・王様「人が深刻な話ししているときにちょっとは興味示せよ!!!」
松井塾長・デニス・ジール「え?」
バンダル「そう言えばこの国には勇者がこの国に来ているとかなんとか。何なら我々と勝負して貴様ら人間の希望とやらをへし折っても構わんのだよ。」
王様「なぜそのことを?」
松井塾長「ところでさーーー焼き肉ってよーく焼いて焦げ目が少しつくぐらいが、ちょどいいよね?」
ジール「私は、焼き肉はよーく焼きますが、焦げ目がつくのは嫌です。」
デニス「いやいや、若干生で食べるのが一番おいしいですよ。」
松井塾長「まじかよ。お前ら舌おかしいんじゃねーの?焼き肉はよーく焼いて、焦げ目がついて、タレべったりつけて食うのが一番うまいだろ。」
ジール「?それでは素材の味がわかりません塩で食べるのが一番おいしいです。」
デニス「俺は、両方やりますね。」
バンダル・王様「てめぇーらふざけてんのか!!!何、国が滅ぶかもしれないって話しているときに、B級グルメの話でもりあがってんだ!」
松井塾長「聞き捨てならんな!焼き肉はB級グルメじゃないわい!」
デニス「ラーメンこそ神秘の料理」
王様「そう言う事が言いたいんじゃないんだよ!そう言うことを!」
松井塾長「・・・で何?話、聞いてなかった。」
王様「国滅んじゃうの。このままだと魔物にこの国を献上しなきゃいけないの!わかる?言っている意味わかる?」
松井塾長「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
松井塾長「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
松井塾長「で?」
王様「なにが・・・で?だ。普通あるでしょう。こう訪れた国が滅ぼされるかもしれない。思い出の故郷がなくなる。こう、勇者として何とかしないといけないっていう正義感というか使命感というかこうなんかあるでしょう!!!この国が明日にも滅ぼされるかもしれないだとしたら、どうする?」
松井塾長「とりあえず、焼肉食べますかね。」
デニス「まぁ、別にこの魔法学園に思い入れとか無いんで、というかむしろ嫌な記憶しかないんでなくなっても別に。」
ジール「別に故郷ってわけでもないですしね。」
松井塾長「賛成1反対3よって本案は否決されました。」
王様「うわ~ん。(泣)頼むよ助けてくれよー。お願いします。」
松井塾長「だったら、早くそう言えよ。めんどくさい野郎だな。偉そうに言うからだろ。」
王様「偉いの!王様だから偉いの!」
松井塾長「偉くないから国滅びかけてるんだろ?俺に頼ってるんだろ?」(ド正論)
王様「・・・それは、あ、はい、そうです。」
バンダル「なに!聞き捨てならないなー私の恐ろしさを知らんわけじゃないだろう。闇の魔導師バンダルとは俺のことだぞ。」
松井塾長「知らん。全く知らん。というか興味もない。」
バンダル「!!!いいだろう。そんなに知りたいなら教えてやる。私は・・・」
松井塾長「ストップ。聞いてない。興味もない。というかお前が退けば話が終わる。この国から手を引きなさい。そうすれば見逃してやる。」(一体どこから目線なのであろうか・・・)
バンダル「(ムカムカ)(挑発に乗せられるな・・・。こ・こ・これは、バカに見せかけて実はすげー余裕からくる発言もしくは、こうやって俺を挑発させて、スキを突くという作戦か。落ち着け。やつの発言を紐解けば、戦わずしてこちら側を退かせようとしている。!!!こ・これは高等戦略の一つ。戦わずして勝つ。・・・この男できる。)」(思いっきり考えすぎである。)
バンダル「(待てよ。ここはセオリー通り。相手の実力をきちんと見極めてから、行動にうつすべきである。)(ターゲットオン!!!)」
ターゲットオン:相手の実力を解析する魔法。
松井塾長 レベル10 HP59 MP0 使える魔法なし。
バンダル「・・・。(こいつ本当に勇者か?)(いやいや故障だ。)(ターゲットオン)」
松井塾長 レベル10 HP59 MP0 使える魔法なし。
バンダル「・・・・次いってみよう。(ターゲットオン)」
ジール レベル15 HP120 MP62 冥術使い 使える魔法 ダークヒール ダークパワー バイオ
バンダル「(???意味がわからん。なぜこいつは白魔道士の格好をしている。おかしいだろ。というかこいつは、魔物側の能力に近いぞ。普通に生きていれば、人間はこんな魔法は覚えない。というかこいつのほうが勇者より強いって何だよ。)」
バンダル「(おちつけーーー俺。こいつらが何者だろうが、関係ない。私のレベルは35弟たちが、レベル27とレベル21。生まれついての才能もコイツラよりも上だ。問題ない。)」
バンダル「・・・・次だ。(ターゲットオン)」
デニス レベル2 HP25 MP5 使える魔法 メラ
バンダル「(・・・おい。こいつは一体何だ。レベル2ってなんだよ。レベル2って。こいつ魔法学園都市の生徒じゃないのか?一体こいつ6年間も何をやっていたんだ?落ちこぼれとかそういう次元のレベルじゃないぞ。いや、というか授業聞いてたか?ちゃんと。)」
バンダル「(何なんだ?こいつら?そうか、わかった。こいつら、ハッタリだ。勇者と言えども十分なレベル上げをしてこなかった。要するに戦闘経験値が圧倒的に足りないんだ。つまり、通常の状況では勝てないだからこそのはったりだ。そうだそうに違いない。次期四天王といわれているエリートの私が負けるはずがない!!!)」(大いなる勘違いである。)
バンダル「いいだろう。勇者松井。時間は1ヶ月後、アキーバ王国電脳魔法広場にて貴様をやつざきにしてやる。」
松井塾長「ルールは?」
バンダル「3対3死んだほうが負け。」
松井塾長「おいおい。まじかよデスマッチかよ。」
バンダル「そうだ怖いのか?」
松井塾長「怖い!できれば戦いたくない。」
バンダル「せいぜい一ヶ月生きていることの喜びでも噛みしめるんだな。ハッハッハッハッ」
松井塾長「(まずいことになったな・・・とりあえず飯食いに行ってから考えるか。)」
第5章 勝利確率ゼロ%
松井塾長「ようし飯食いに行くぞ。ラーメンでいいだろう。」
王様「いや、ラーメンならこちらで用意しよう。」
数刻後
ズズーズズー(ラーメンを食す音)
王様「ところで・・・バンダルに勝てる可能性はありますか?」
松井塾長「バンダルって誰だ?」
王様「いや、さっき話していたじゃないですか。闇の魔法使いのバンダル。」
松井塾長「あーあいつか。はっきり言って、正面から激突した場合俺らが全滅する確率は100%だな。」
王様「え?そんなまさか。いやいや、いくらなんでも100%というのはありえないでしょう。ほら、こう努力すればとか、勇者はあきらめない勇気が大切とかなんとかあるでしょ。」
松井塾長「あのなー。そういうなんの根拠もない適当な理論を言うのやめてくれ。恐らく彼らの実力は、まず、本物だ。これから、根拠を持って話をする。」
松井塾長「まず、第一にあの男。俺らが話をしている内容を聞いて明らかなバカだと認識するような内容を聞いていたはずだ。つまり、この国が滅ぶかもしれないという話をしているときに、俺らが何も考えていないで、ラーメンの話をしていたり焼き肉の話をしたりしている。この光景を見ていて普通のやつならどう思う?」
王様「・・・あーコイツラバカじゃない?となる。」
松井塾長「そうだ。ところがあいつは、そこで何もしなかった。それどころか、感情的にならないで自分を律することができた。まずこの部分で極めて優秀。」
王様「なるほど。」
松井塾長「彼が、俺達に大きく出る前に、数十分ほどの間があった。恐らく、俺らの実力を何らかの方法で調べる魔法を使ったと考えられる。そこで、おおよそのレベルが把握されたと考えるべき。でだ、そっから逆算してあの態度ということは・・・奴が100%負けないという確証があるだけのレベル差が存在すると考えるのが妥当。」
王様「・・・なるほど、そこまで分析されていたのか。では、100%勝てないではないですか!!!あー終わりだ!!!」
松井塾長「と、お前みたいな普通のバカは考えるだろう。まぁ、いい。そのまま震えて一ヶ月過ごせ。」
王様「え・・・」
松井塾長「ところで、この辺に修行する場所はありますか?」
王様「えーと魔法都市には、修練の塔というのがありまして、そこで擬似的な魔物相手に戦闘経験を積むことができる施設がありますが・・・一ヶ月やそこら、練習したところで、そう彼らを上回ることはできませんよ。せいぜいレベル3程度が関の山かと・・・」
松井塾長「まぁ、やれるだけのことはやってみるよ。笑」
宿屋にて・・・
松井塾長「デニス君・ジールさん明日から練習をするので、しっかり寝ておくように。」
デニス「あのー一つよろしいでしょうか?」
松井塾長「うん?何だ?」
デニス「正面から激突した場合、我々が負ける確率100%というのは本当ですか?」
松井塾長「本当だな!間違いない。」
デニス「・・・にしては余裕ですよね。」
松井塾長「あー勝利を確信している。あいつには俺らは負けない。」
デニス「・・・なぜですか?」
松井塾長「それは、君が類稀なる天才だからじゃないか!!!君の修行による成長それがすべてを解決してくれる。」
デニス「・・・は?それは本当ですか?」
松井塾長「君をひと目見たときに私は、思ったよ。君には才能があるそれもとびっきりの才能がある。俺は、キミを見た時そのオーラを感じ取った。だから、余計なことは考えないで寝たまえ。」
デニス「本当ですか?やれる気がしてきた!!!おやすみなさい。」
ジール「・・・・・」
バタン
ジール「・・・・・・・松井さん一つよろしいでしょうか?」
松井塾長「ん?なんだ?」
ジール「あれ、嘘ですよね?いや、嘘ではなくて、正確なことをボカしているか隠している。」
松井塾長「(何だこの女?恐ろしい洞察力だな。)あー。ごもっとも。」
松井塾長「まず、デニスくん彼は、恐らくいや、全くといいほど、魔法をつかうことができない。何らかの理由があるんだろう。だが、そこがこの作戦の最も重要な部分の1つめになる。」
ジール「といいますと。」
松井塾長「まず、敵は、こちら側が魔法を使って勝負をすると思いこんでいる。」
ジール「なるほど。魔法都市ですからね。」
松井塾長「はなっから、こっちはそんなことは考えていない。」
ジール「なるほど。では、なぜ、彼に真剣に修行しろ天才だと言っているんですか?」
松井塾長「彼が天才だと言ったが、それは、本当だ。なぜなら彼はぶっちぎりのバカだ。私と同じでね。何も考えていないと言ってもいい。この学園は、魔法都市だぞ?そんなところで学んでいる人間にお前の魔法は使い物にならん。捨てろって言われてどうする?」
ジール「まず、反発しますね。」
松井塾長「ところが、彼に、剣を振るってみたらどうだと言えば、例えば、武器も使いこなせる魔法使いってかっこよくないか?とでも言ったら?」
ジール「・・・・・信じる。」
松井塾長「そうだ。才能を持たない魔法を使えないということは逆に勝利を呼び込む。それにあの格好で、剣術が強ければ、相手はビビる。」
ジール「それを考えて彼を仲間にしたんですね。」
松井塾長「いや、それは何も考えていない。」
ジール「・・・・・。しかし、それでは王様の前で100%負けると言わないほうがいいのでは。」
松井塾長「アホか、そこが最も重要な作戦の部分じゃねーかよ。」
ジール「といいますと?」
松井塾長「恐らくこの学園都市には内通者がいる。考えても見ろ?たった3人で魔法都市三賢者と戦う?あの用心深い男が?おかしくねぇーか?」
ジール「確かに。」
松井塾長「ということは何らかの内通者がいると考えるのが妥当。こちらの情報。つまり、アイツラは弱いという情報を向こうに渡しておく必要性がある。必要以上にこちらを侮ってくれればこちらに勝機がある。それともう一つ重要なことがある。」
ジール「なんですか?」
松井塾長「あのおっさんがあたふたしている姿を一ヶ月見るのが楽しい。」
ジール「サイコパスかよ。」
松井塾長「じゃあ君も見たくないの?君も私と同じようにやばい性格の持ち主だと思うんだけどね。笑。」
ジール「そんなことはありませんわよ。わ・私はそんなひ・どいことは考えませんわ!!!」
松井塾長「まぁ、何でもいいけどよ。」
第六章 修行???
修練の塔:修練の塔とは、今まで数多くの魔法使いが修行のために使い、数多くの優秀な賢者を生み出してきたと言われている塔。中でも選りすぐりのエリートたちが修行へと赴いたまさに魔法使いたちの聖地。そこに挑むのは・・・圧倒的落ちこぼれ軍団。
デニス「ようし。がんばるぞい。サクサクっと攻略して俺が、優秀だということを証明してやるぞい。」
魔法使い先生「反対です。デニスくん。君はこの塔がどういうところか知っているんですか?」
デニス「知っている。魔法使いたちの聖地。選ばれた人間しか入れない禁断の聖地。」
魔法使い先生「いいですか。君は、赤点は出す。先生たちの言うことは何も聞かない。そして、暴れる。あなたがこのような場所に入っていい人間ではないのですよ。身の程を知りなさい。」
学園長「まぁまぁ、何もそこまで言わなくても。」
魔法使い先生「学園長!私は反対です。断じて許すことはできません。松井さんも無謀すぎます。ありえません。あなた本当に勇者なんですか!!!」
松井塾長「まぁ、勇者と言えば勇者だが、勇者でないと言えば勇者ではないよね。代行だから。」
魔法使い先生「本当に行かせる気なんですか?松井さん。」
松井塾長「でもよー何もしないよりは、修行するしかなくね?」
魔法使い先生「まぁ、それはそうですが・・・。」
デニス「とりあえず行きましょう。サクサクっと攻略しますから大丈夫ですよ。」
10分後:デニスくんの魔法能力が開花し、大活躍となるはずもなく・・・
デニス「やべぇ死ぬかと思った。」
松井塾長「いくらなんでもありえねぇーだろ笑。ワンパンで死にかけるってなんだよ。」
ジール「えーびっくりしましたわ。」
デニス「でも大丈夫です。このフロアには、回復の泉がありまして、ここで回復すれば大丈夫!」
ナレーター:説明しよう。この魔法の塔には、合計30階のフロアによって構成されている。それぞれ、魔道士レベル1から魔道士レベル30までのレベルが設定されている。一階フロアで何が起こったのかというと・・・
魔道士レベル1VS松井軍団
デニス「ここは私にお任せくださいメラ」
魔道士レベル1「メラ」
ジール・松井塾長「・・・・・メラ???」
デニスくんのメラ・・・マッチの火ほどの威力がフヤフヤと飛んでいく。
魔道士レベル1のメラがデニスくんに直撃
デニスくん「あちーあちーどうしよう。あっつ。」逃げ惑うデニスくん。
とりあえず、ぶっ飛ばす松井塾長。魔道士レベル1を倒した。EXP10を獲得。デニスくん死にかけているので撤収。
ナレーター:というまぁ、何とも絶望感半端ないみじめな状況なのである。
魔法使い先生「ほら、言わんこっちゃない。もう諦めなさいデニスくん。君のためです。」
デニスくん「誰があきらめるかボケ。今度はいけるわい。」
数十分後
デニスくん「やべぇー死ぬかと思った。」
さらにさらにというか何回・何十回・何百回と繰り返される愚行。1回フロアで魔法対決をして、負けて、松井塾長がぶっ飛ばす。一体何回やればレベルが上がるのかと途方も無い作業をする。午前8時からはじまった修行は、とうに日が暮れて、夜の10時となっていた。
が、ついにその時が来る・・・
デニスくん「俺、魔法の才能がないのかなぁーーー。」
松井塾長「・・・・(やっとか)とりあえず、今日は帰って飯食って寝るぞ」
デニスくん「じゃあラーメンで。」
松井塾長「そこは変わらないのか。」
第七章 才能の開花???
松井塾長「今日は武器屋に行くぞ!」
デニスくん「???武器屋ですか???」
松井塾長「そうだ!」
デニスくん「なんで?」
松井塾長「まぁ、いいついてこい。」
武器屋にて
武器屋の店主「いらっしゃいませ。何をお求めでしょうか?」
松井塾長「ショートソード一本と練習用のソードを一本ください。」
武器屋の店主「へ?そんなもんでよろしいんですか?当店では、こちらの商品〇〇バスター等の商品が・・・」
松井塾長「ショートソード一本と練習用のソードを一本ください。」( ・ิω・ิ)
武器屋の店主「は。はい55000ゴールドになります。」
松井塾長「はいこれどうぞ。じゃあ、デニスくん行きますよ。」
デニス「え・あ・はい。」
練習場にて・・・
松井塾長「さて、デニスくん。今からショートソードの練習をします。」
デニス「それは、わかりましたが、なんでショートソードの練習なんですか?というか、俺一回もショートソードとか触ったことがないぞ。」
松井塾長「そんなことぐらいわかっている!いいか、この世の中には、魔法剣っていうものがあるのを知っているか?」
デニス「知らないです。」
ジール「・・・・・。(こいつは一体何を勉強してきたんだ???)」
松井塾長「そうか。いいか、魔法剣というのは、昔、伝説の戦士がいて、戦士が自分の使っている刀に魔法を融合させたらどうなるんだろうっていう思いつきから生まれたのが、魔法剣だ。」
デニス「え、そうなんですか?」
松井塾長「そうだ!俺は、その魔法剣の使い手を知っている。その魔法剣を使える人間には条件がある。」
デニス「条件?」
松井塾長「魔法が全く使えないか?魔法の才能があまりないのかのどちらかだ!」
デニス「マジっすか?」
松井塾長「マジだ!しかし、君は、魔法の才能がないにもかかわらず、魔法を少し習得している。しかし、本来は逆なのだ。剣術から練習しなければならないんだ!これは、誰も知らない秘密だがな。」
デニス「マジっすか?」
ジール「(・・・嘘だ。)(というか、嘘っていうのは、本当のことに嘘を入れるというのが普通だが、松井塾長の話は、初めから終わりまで全部・・・嘘だ。)(まず、魔法剣というものは確かに実在する。ただし、これは、魔法をすべて習得した人間が、さらに剣術も習得したという状況で、自分の魔力をうまくコントロールするということを学んだ人間が使えるというのが魔法剣だ。)」
ジール「(要するに、何も真実を言っていない。というかどうしてここまでデタラメを本当の事のように堂々と言えるのかがわからない・・・。)」
松井塾長「それでは、デニスくん剣術の練習を初めましょう。」
デニス「おっす。」
松井塾長「まず、剣術の基本から教えます。まず、こちらにある藁人形の部分があります。この首筋のところから、反対側足に対して全体重をかけて叩くのではなく、切り落とす感じでやってみてください。」
デニス「おー」
スパン藁人形割れる
デニス「おー!!!一発で切り落とすことができたぞ。」
松井塾長「だから言ったでしょ。君には才能があるって。それでは次は、首と胴体を切り離してみましょう。イメージとしては、横に水平に切り込む。野球でボールを撃ち抜くイメージですね。」
スパン藁人形割れる
デニス「おー!!!一発で切り落とすことができたぞ。俺にはこんな才能があったのか!!!」
松井塾長「そうだ。何事も自分を信じる。そして、自分に何ができるのか考えて、いろんなことに挑戦することによって、可能性は開かれていくんですよ。」
3時間後
松井塾長「それでは、修練の塔で、実践練習を交えて、やっていきましょう。」
3回フロアまで攻略する。
デニス「俺、やれる。俺、やれるよ。体力はまだないから、フロアの攻略はまだまだ先かもしれないが、俺、やれる気がしてきた。」
松井塾長「そうだ。」
ジール「松井塾長すごいですね。我々のレベルも成長している気がする。」
松井塾長「まぁ、俺たちも毎日魔物倒しているからな。」
デニス「ところで、松井さんは、どうして、剣術をマスターしたんですか?」
ジール「あ、それは私も不思議でした。剣術の教え方といい完璧にここまでデニスくんを成長させましたよね。いつ?というかどうやって?剣術を覚えたんですか?」
松井塾長「( ゜Д゜)y─┛~~俺が・・・いつ( ゜Д゜)y─┛~~剣術が使えるって言った?俺、剣術使えないんだよね。笑」
デニス「え・・・・?」ジール「え・・・・・?」
松井塾長「まぁ、だからデニスくんができたのは、デニスくんの才能であって、俺の教える力じゃないんだよね。ちなみにさっきの教え方は、図書館でみた。」
デニス「・・・・・・。」ジール「・・・・・・。」
さて、松井塾長の口車に乗ったデニスくんはこの先どうなるのだろうか???
第八章 ナンバー2の天才よりもナンバーワンの落ちこぼれ
デニスくんは、水を得た魚のように、大活躍。バッサバッサと敵を切り倒すこと。切り倒すこと。
デニスくん「ザコ相手に俺の快進撃は止められないぜ。」ついに到着5回フロア・・・が、松井塾長ある衝撃的な事実に気がつく・・・
松井塾長「(やべぇーーーあいつに渡しているのは・・・訓練用の剣だった。)」
圧倒的、凡ミス。圧倒的、失態。というかどうしてここまでこのパーティーは気が付かなかったのであろうか・・・。
松井塾長「(いやいや待てよ・・・なんであいつ切れてるんだ???いくら、相手がザコ敵だとしてもだ・・・切れないだろう・・・。)」
ここで、松井塾長ひらめく。
松井塾長「(待てよーーこのままあいつには訓練用の剣で練習させよう。まぁ、気がついたら・・・)」
松井塾長「よく気がついたな。君がより過酷な条件で訓練をして気がついた後、本当のショートソードを渡そうと思っていた。理由は主に3つだ。1、練習用でないソードで怪我をしてはいけない。2、練習用で訓練のコツを掴んでから、真剣を使ってほしかった。3、訓練用でも自分を信じて戦えばきれるという事を知ってほしかった。」
松井塾長「(逆に気がつかなかったら・・・)」
デニスくん「だめだースランプだーー。」
松井塾長「そりゃそうだろ。お前のそのショートソード練習用だぞ。そりゃあザコ敵じゃない相手には通用しないよ。」
デニスくん「うおーショートソードよくキレるぞー」
松井塾長「(となる。よし!どっちに転んでも俺のミスだとはばれない。)」
松井塾長「おーし昼だな。飯食いに行くぞ。」
デニスくん「ラーメンですね。ラーメン。」
松井塾長「もう3日めだぞ・・・ラーメン。」
デニスくん「何いってんですか!松井塾長。ラーメンは主食ですよ。」
魔法使い先生「松井さんちょっとよろしいでしょうか?」
松井塾長「?少しなら、ハラヘッタんで早くしてよね。」
学園長室
魔法使い先生「以前もお伝えしたように学園長。私はデニスくんが戦わせるのは死にに行かせるようなものです。学園長からもなんとか言ってください。」
学園長「・・・。」
魔法使い先生「というわけで、私は、ジミーくんを推薦します。入りなさい。ジミーくん」
ジミー「失礼します。」
デニスくん「・・・・・。」
魔法使い先生「松井塾長。こちらのジミーくんは、魔法学園のナンバー2の実力を誇る魔法使いです。彼と修行してください。彼と修行していただければ、バンダル3兄弟にも勝つことができます。どうか、彼の成績と実力を見てから再考してください。」
松井塾長「そう言われてもなーーー。今、もう彼と連携してちょうど修行がうまく言ってるところだしな。」
魔法使い先生「あんたなーーー!みすみす、デニスくんを殺すつもりですか!!!」
学園長「こら。よさんか!デニスくんもショートソードを使って練習している。子供の才能を信じて支え導くのが教育者だろうが!!!」
魔法使い先生「大変失礼しました学園長。」
松井塾長「ははは。学園長の言うとおりですよ。ハンスさん。」
魔法使い先生「そうおっしゃらずに、せめて成績表だけでも見てください。」
じっくり見る松井塾長・・・。長考の末考え出された結論が・・・
松井塾長「うん。決まりだな。デニスくんだな。」
魔法使い先生「???」ジミーくん「???」
ジミーくん「なぜですか!!!こんな落ちこぼれのデニスと比較して俺のどこが劣っていると言うんですか?納得の行く説明をしてください。俺は、この学園ナンバー2の実力を持つ男ですよ。」
松井塾長「そこだよ!最も問題なのは!」
ジミーくん「???」
松井塾長「まず、お前の成績を見るぞ。黒魔法学内ナンバー2・白魔法学内ナンバー2・赤魔法ナンバー2・青魔法学内ナンバー2・体力・知力・学内テストナンバー2。何だこのゴミみたいなナンバー2のオンパレードは!!!」
ジミーくん「2番じゃだめだなんですか?」
松井塾長「駄目だ!話にならん。バンダル3兄弟は、この学園の最高神官を3人も倒しているんだぞ。その上、やつは四天王を目指している。ゆくゆくは自らが魔王になろうと思っている野心家だろう。つまり、あいつは、ナンバーワンを目指している。だが、お前はというと、ナンバー2であるのにそれを誇っている。決定的な差がある。それがそっくりそのまま本番で差が出る。勝算はまるで無い。俺は、負ける戦争はしない。」
ジミーくん「・・・・(た・たしかに。)」
魔法使い先生「(この男一瞬で、ジミーくんのアキレス腱を見破った。)」
松井塾長「一方、このデニスくんの実績を見よ!!!」
始末書書いた回数歴代1位。授業中に居眠りした回数歴代1位。机をぶん投げた回数歴代1位。窓ガラスを割った回数歴代1位。喧嘩した回数歴代1位。赤点とった回数歴代1位。補修時間回数歴代1位。便所の水を飲んだ回数歴代1位。便所にアメを流した回数歴代1位。説教部屋に入れらた回数歴代1位。便器にダイナマイトを流しこんだ回数歴代1位。エロ本
デニスくん「も・もうやめてください・・・」
松井塾長「わかるか!この圧倒的な1位シリーズ。この一点を見てもデニスくんのほうが優秀だ!!!」
ジール「・・・・・(どういうことなのかわかりませんわ・・・)」
ジミーくん「たしかにそうかも知れません。」
ジール「(・・・なぜそうなった?)」
松井塾長「君は、まだ若い。まずは、一位を目指す。一位じゃなきゃ駄目なんだという気持ちを持って魔法の修業に励みなさい。そうすればきっと立派な魔法使いになれますよ。」
ジール「(・・・どっから目線だ?)」
ジミーくん「わかりました。精進します。」
ジール「(・・・なぜそうなった?)」
魔法使い先生「・・・教師として私が間違っていました。」
ジール「(・・・なぜそうなった?)」
松井塾長「わかればいいってことよ。魔法が使えるってことが魔法使いの条件じゃないんだ。心にともったファイアーがあることが魔法使いの条件なんだ。」
ジール「(・・・魔法が使えなかったら魔法使いじゃないだろ・・・)」
魔法使い先生「はい。勉強になりました。」
ジール「(・・・だからどこをだよ。)」
魔法使い先生「デニスくん。しっかりがんばるんですよ。」
デニスくん「はい。がんばります。」
学園長「一件落着ですな。まぁ、とにかく皆さんでデニスくんを見守りましょう。きっと、良い方向に動きますよ。」
松井塾長「いつも、お気遣いありがとうございます。学園長。感謝してもしきれないくらいです。」
第9章 腹痛・・・
デニスくん「うーんうーん。お腹痛い。うーんうーん。」
松井塾長「しまった余計なことを言ってしまった。」
修行七日目事件は起こった。
順調に修行も進んでいき・・・とある一言がきっかけで重大な事件が起こってしまった・・・
松井塾長「なんだかんだ言って10階フロアまでこれたのか。と言っても、まだまだ初級エリアのクリアーってところだがな。」
デニスくん「任せてください!俺は天才ですから。」
ジール「(今まで一回も魔法使ってないけどな!!!)」
松井塾長「もりもり飯食ってもりもり強くなろう。」が、この一言が大いなる悲劇を招いてしまった・・・
デニスくんラーメン屋にて12杯を食うという圧倒的な快挙。が・・・翌日襲う猛烈な腹痛。下痢及び嘔吐。
デニスくん「うーんうーん。腹が痛い。」
ジール「アホみたいに食うからだよ!!!」
松井塾長「仕方ない。適当に散歩にでも行くわ。」
ジール「あ、私もついていきます。」
松井塾長「あ、いいよ。オレ一人でいってくる。」
学園長室
松井塾長「学園長失礼します。」
学園長「あ、松井さん。今日は何用ですかな。」
松井塾長「あ、大した用はないですが・・・。ところでこちらの方は?」
学園長「あ、下男の佐々木君です。」
松井塾長「初めまして、私、松井健太と申します。以後、よろしくおねがいします。」
佐々木君「・・・・・うっす。学園長、それでは失礼します。」
学園長「あー。」
学園長「すまないね。彼は少し、愛想が悪いところがありまして・・・そのご不快になられましたら申し訳ありません。」
松井塾長「いえいえ。お気になさらずに。ところで、彼は、すべての部屋の掃除を担当されているのですか?」
学園長「恐らく、私の知る限り・・・彼がすべての部屋の掃除を担当されていると思います。それがなにか?」
松井塾長「へぇー大変だなぁーって思いまして。あ、そんなことより一つお聞きしたいことがあるのですが・・・」
学園長「えー何なりとお伝え下さい。」
松井塾長「バンダル3兄弟が、3賢者と戦いをしたということだと思いますが、その時の映像記録と言うのはありますか?」
学園長「ありますね。あれは・・・残酷な記録ですが・・・ご覧になられますか?」
松井塾長「えーぜひ。」
学園長「魔法図書館の第三視聴覚センターにあるはずだと思います。」
魔法図書館にて・・・
松井塾長「すいません。第三視聴覚センターに行きたいのですが・・・」
司書の受付嬢「はて・・・ところであなたはどなたですか?」
松井塾長「松井健太(勇者バッジを見せる。)」
司書の受付嬢「あ、勇者様。それは大変失礼しました。第三視聴覚センターで何をご覧になりたいのでしょうか?」
松井塾長「バンダル三兄弟と三賢者の戦いの映像を見たいのですが・・・」
司書の受付嬢「あーなるほど、敵の映像を観察することで参考にするのですね。わかりました。こちらになります。しかし、変ですねーーー。」
松井塾長「といいますと?」
司書の受付嬢「いえ、この映像は誰からも人気がないんですよ。なぜなら、三賢者が戦いに負けた記録なんて誰も見たくないので・・・。ところがここ数日やたら借りに来る人がいるんですよ。」
松井塾長「ほーう。で、誰が借りに来たんですか?」
司書の受付嬢「えーと、確か、大臣・ハンス先生・ジミーくん・そして佐々木くんですね。」
松井塾長「へぇー・・・」
司書の受付嬢「では映像をお流ししますね。」
映像終了
松井塾長「(なるほど。なるほど。)」
司書の受付嬢「何か攻略の意図口が見えましたか?」
松井塾長「そんなんでわかりゃー苦労しねぇーよ笑」
司書の受付嬢「ですよねーーでもがんばってください。応援してます。」
松井塾長「あいよーー。」
とりあえず、松井塾長外に出る。
松井塾長「(さてと、暇だし適当にブラブラして飯でも食うか。)」
???「あ、あれ、松井さんじゃないですか?」
???「本当だ松井さんじゃないですか。」
???「勇者の松井さんだ。」
この人達は、この魔法学園で働いているメイドさんたちである。
メイドA「ねぇねぇ。勇者になるのは大変だったんですか?」
松井塾長「いや、まぁ・・・。」
メイドB「握手してもらっていいですか?」
松井塾長「はいよ。」
メイドB「キャー私、握手してもらった。」
メイドC「ずるい。」
松井塾長「ところで、みんなは今、暇?」
メイドA「ハイ暇です。」
松井塾長「じゃあちょっと飲みに行かない。俺、おごるから。」
メイド達「やったーーー」
数時間後
松井塾長「私は天才。松井君。世界をすくーう。大天才。勇者になって世界をすくーう。」(酔っ払っているのである。絶望的に酔っ払っているのである。念のために言うが、これでも一応、勇者なのである。)
翌日・・・
松井塾長「うえーー気持ち悪い。腹痛い。うえーー二日酔いだわこれ。すまん。ジール。水とってくれねー」
ジール「は(怒)自分で取ればいいでしょ!」
松井塾長「なんで、そんなに機嫌悪いの。水くらいとってくれてもいいだろうに・・・」
ジール「はい。」
松井塾長「ありがとう。うおーー頭が痛い。」
大丈夫なのであろうか・・・?
第10章 冷たいジール
デニスくん「復活!!!」松井塾長「復活!!!」
ジール「あのまま死ねばよかったのに。」
松井塾長「おい!なんかジール機嫌でも悪いのか?」
デニスくん「さぁ、あれじゃないですか女の子の日ってやつじゃないですか?よくわからないですけど。」
松井塾長「だな。そっとしておこうか。」
ジール「聞こえてますが・・・なにかご不満でも?」
松井塾長「いえ、何でもありませんです。はい・大丈夫です。」
デニスくん「とりあえず今日は10階フロアのボスを倒しましょう。」
10階到着
松井塾長「(今日のジールこえーな。さっきから、俺よりぶっ倒してねぇーか?なんか俺悪い事したのかな?)」(鈍いのでアール)
松井塾長「よし!デニス・俺と正面切って戦うぞ。いいな。油断するなよ。」
デニスくん「了解。」
半刻後・・・
松井塾長「おい!ジール。回復魔法をこっちに!」
ジール「フン。」
松井塾長「何をしている。早く回復魔法を!」
ジール「ヒール!!!」
松井塾長「っておい!なんで敵に回復呪文唱えてんだよ!!!意味わかんねぇーだろ。」
デニスくん「うわうわうわうわうわ。松井さんあれみてくださいあれ!!!」
松井塾長「・・・・え?」
溶けるボス。とろけるチーズのようにいや、ゾンビが高温で熱せられるよにおぞましい姿で溶けるボス。いや、この世のものとは思えないような溶け方というか気持ち悪い。
ジール「・・・・え?」
立ち尽くす3人・・・
松井塾長「とりあえず。昼飯は、生ハムと紅茶にしますか。」
デニスくん「え、そうしましょう。」
ジール「松井さん。私の好物を覚えていてくれたんですか?」
松井塾長「あー。(なんだ、こいつ毎回ラーメンばっかりでムカついていただけなのか。良かった。)」(鈍いのである。)(現実の松井塾長はこれの比ではないが・・・)
第11章 ジールの謎の魔法判明
喫茶店にて
デニスくん「ジールさんのあの魔法。あれは、ヒールではないですよね。」
松井塾長「いや、俺はヒールとして使っていたはず。」
ジール「えーたしかに・・・。」
デニスくん「ヒールの魔法は、あんな紫色のひかりを放たないです。」
松井塾長「へぇーじゃあ、ジール俺にヒールの魔法使ってみて。」
ジール「わかりました。」「ヒール」
松井塾長の傷が・・・みるみる・・・治る。
デニスくん「おかしい。これはダークヒールという魔法で、ヒールではないです。ダークヒールは相手のヒットポイントを奪う魔法になります。さっきのボスのよう攻撃の魔法として戦うのが正しいことになります。でも、このヒールで松井さんは傷が治ってるんですよね・・・何でだ?」(激しく混乱するデニスくん。)
ジール「そうなのですか。」
デニスくん「ひょっとして、ジールさんは、自分のことを白魔道士と思いこんでいるんですが・・・冥術士なのではないですか?」
松井塾長「冥術士ってなんだよ?」
デニスくん「冥術士というのは、白魔道士の魔法と基本的には同じなんです。ただ、圧倒的に使える人間が少ないんです。」
松井塾長「ほうほう。」
デニスくん「白魔道士は、基本的には、味方の回復・補助を基本とする魔法を使えるんです。ですが冥術士は、その効果が逆で、敵への攻撃もしくはデメリットとなる術の種類になるんです。」
松井塾長「へー。」
デニスくん「冥術士には基本的に特徴がありまして、特定の相手には、白魔法としての効果として発揮します。信頼している相手や大切な人などには白魔法としての効果が発揮します。」
ジール「(汗)」
松井塾長「なるほどなるほど。」
デニスくん「ですが、冥術士になるには素質というのがあります。」
松井塾長「ほうほう。」
デニスくん「黒魔道士は、元気な人。白魔道士は優しい人というのが、性格の条件になります。」
松井塾長「ほな、ジールはやっぱり白魔道士なのか?」
デニスくん「ジールさんが優しい人なのかどうなのかはよくわかりませんが・・・」
松井塾長「いや、そりゃそうだろ。何でかわからんけど、俺についてきてサポートしているんだから。」
ジール「(・・・・・・。え。)」
デニスくん「そうなんですか。冥術士になるには、おおよそヤンデレか、ストーカー気質で彼氏や好きな人をずっと監視したいと思うやばいやつ。要するに、やばい人間にしか扱えないんです。」
松井塾長「じゃあ、ジール違うんじゃねぇーかよ。」
ジール「えーも・もちろんですわー。」
デニスくん「まぁ、今言ったのは、一般論でそうではない人もいますので。」
松井塾長「ということは、敵にヒールぶっ放して、死にまくれば冥術士として戦略を立て直せば問題ないってことだな。( ・ิω・ิ)V」
デニスくん「えーそういうことになります!」
デニスくん「(いや、何かもっと大きなことを見落としている気がするんですが・・・)」
ジール「(あ・危なかった・・・。というかこの男、鈍い。いや、鈍いというより神経が入っていない勢いで女の気持ちがわからない?)」
第12章 中級クラスの壁
そんなこんなで、アタマが悪いのかいいのか全くわからない松井塾長たちですが、圧倒的な壁にぶち当たる。
中級クラスのモンスターが全く倒せない。というか倒せない。というか頭が悪い。
モンスター「インセキ。」
松井塾長「おーら隕石ごときにこの俺が負けるかーー。」バーン。
松井塾長「ぐへーー。」ジール「ヒール」
モンスター「スロウ」
デニスくん「体が遅くなる。」
松井塾長「捕まえた。いまだやれーデニス」
デニスくん「おーう。」
・・・数時間後・・・
松井塾長「はぁ、はぁ、なんだあの上級呪文は。これじゃあ生命がいくらあっても足りんぞ。」
デニスくん「はぁ、はぁ。回復の泉で回復してから再度挑み続ければ。はぁ。はぁ。いずれはなんとかなるでしょ。」
ジール「いや。打開策が見つかるとは思えません。」
モンスター「アイスカッター」
松井塾長「ジール危ない伏せろ。」ジール「ありがとうございます。大丈夫ですか?」
松井塾長「大丈夫だ!致命傷だ!命に関わる。」
ジール「ヒール。」
デニスくん「一旦、撤退しましょう。」
松井塾長・ジール・デニス「はぁはぁ・・・」
松井塾長「今日は、逃げてるのか戦ってるのかわからんぞ。(そもそも勇者代行なだけで才能がなにもないからな俺。笑)」
ジール「えー全くです。」
松井塾長「とりあえず。飯に行こう。」
デニスくん「ラーメンがいいです。」
松井塾長「お前、この状況でこの悲惨な状況でもラーメンだけは譲らないな・・・」
デニスくん「ラーメンはすべてを解決してくれる。まぁ、なんとかなりますよ。」
といったが、それから1週間なんともならなかったのである・・・。
第13章 持たざるものの知恵
松井塾長「くそったれ。1週間もかけて、ワンフロアも進んでいないぜ。頭にくるぜ!!!ちきしょう。」
デニスくん「確かに。我々の無力さを感じますね。」
松井塾長「なんかねぇーのかよ攻略の突破口は。力がなければ頭を使え。何かこーう魔法の弱点はないのか?」
ジール「(・・・・・・)あ!」
松井塾長「何だ!なんか思いついたのか?」
ジール「いや、思いついたというかなんというか、まぁ、言っていいのかなっていう。本当にしょうもないことを思いついてしまったんですよ。」
松井塾長「何でもいいとりあえずやってみないことにはわからんだろ。いいから言ってみろ。」
ジール「いや、中級以上の魔法って、詠唱時間がものすごくかかるんですよ。それが弱点かなーーって。」
松井塾長「???どういうことだ。さっぱり理解できん。もう少し詳しく説明してくれ。」
ジール「えー例えば、メラやギラやヒールは、無詠唱で発動できるんですよ。要するに0秒で魔法を発動することができます。」
松井塾長「ほうほう。」
ジール「ところが、以前我々がくらった。アイスカッターやスロウといった魔法は、詠唱時間が長くなります。中級の魔法で6秒くらいかかります。上級の魔法となりますと12秒はかかるとされています。」
ジール「ですから、魔法使いは概ね、この詠唱時間に無防備な状態が発生するんです。ということで前衛の戦士の仕事をする人間が、盾の役割をして魔法使いを守る役割をするんですね。」
松井塾長「・・・・・。」
ジール「まぁ、だからこう敵側が魔法を唱えている間に、ズバーンとやっつけられないかなって・・・」
松井塾長「・・・・・・。」
ジール「馬鹿げた話ですよね。(汗)忘れてください。」
松井塾長「いや。いけるぞ。それだ。というかそれしか無いという作戦だ!昼飯食ったらさっそくやるぞ。」
作戦概要:松井塾長とデニスくんが先制攻撃をしかける。(以上・・・単純かつ明快な作戦と呼べるような代物かどうかわからんのだが・・・)
これがうまくいった。
松井塾長とデニスくん「よっしゃーうまくいったぜ!!!」
第14章 上級の壁???
前回までのあらすじ:修行の塔という魔法使いを養成するために建設された訓練施設(???)を魔法を使わないで攻略することによって力をつける一行は、またもや壁にぶち当たった。
前回の作戦で、相手に魔法を使わせないで先制攻撃をしかけるという卑怯極まりない(おっと失礼)頭を使った作戦で中級クラスを攻略していたのだが・・・問題が発生する。
上級者レベルに到達したが・・・松井塾長の方は問題なかった・・・
松井塾長「オラオラどうしたどうした。喋れなければ問題あるまい。魔法使うモンスターなんぞおそるるに足らず。おう喋ってみろよ喋ってみろよ。」(およそ勇者とは思えない言動と行動である。)先手頭突きからの、顎を正確に捉えて殴り続けるという外道の戦法で、文字通り、魔法使いを黙らせる・・・。
が、一方でデニスくんはスランプに陥っていた。
デニスくん「くっそ。相手の詠唱が終わるまでに攻撃の致命傷を与えられない・・・。」
結果デニスくんは、相手の魔法を食らってしまうのである。
デニスくん「すいません。足を引っ張ってしまって。俺が、倒しきれないばっかりに申し訳ありません。」
松井塾長「いいってことだ。いいか。俺たち3人でワンチームじゃないか!まだ10日もある。その時までしっかりと練習すればいいじゃないか。」
デニスくん「・・・そうですか。」
松井塾長「いいか。戦いに挑む前に絶対に忘れてはいけないことが3つある。」
デニスくん「それは・・・なんですか?」
松井塾長「1,自分を信じてしっかりと努力を続けること。2.どんなに苦境に陥っても最後まで諦めないこと。3,戦いに挑むにあたって事前の準備を怠らないこと。」
デニスくん「・・・はい。深い言葉ですね。胸に刻みます。」
この時、松井塾長に電流走る!!!
松井塾長「(し・しまった・・・。彼に渡している剣が、訓練用のショートソードだということを忘れていた。というか今までなんで中級レベルまで倒せたんんだ・・・。)」
松井塾長「(今、いうべきか?今、いうべきか?いや、言おう。いやいやいや。今、俺なんて言った、事前の準備を怠らないことって言ったよなーーーオレ?え、言ったよな?ごめん忘れてましたっていうのか?超恥ずかしいぞ?)」
松井塾長「(いや、ごまかそう。事前の準備を怠っているからショートソードじゃない奴を使ってしまうことになっている。だから、切れないのは当たり前だぞ。うん。きれいだ。きれいな嘘だ。)」
松井塾長「だめ。それはだめ。嘘ついちゃーだめ。人としてそれは良くない。うん。それはだめ。」
デニスくん「何をブツブツ言っているんですか?」
松井塾長「(ギック・・・)す・すまんデニスくん」
デニスくん「なんですか?」
松井塾長「すまん。デニスくん。君に渡しているショートソード。訓練用だわ。切れないわそれ。」
デニスくん「え!うそでしょ。うわ本当だわ。訓練用だわ。」
松井塾長「ごめん。間違えた。こっちが切れるショートソードだわ。」
・・・いろいろと大丈夫なのだろうか・・・。
第15章 デニス大いに誤解する・・・
再度挑戦する上級ステージ
松井塾長「行くぞデニス。」
デニスくん「あいよーーー」
松井塾長「オラオラどうしたどうした。喋れなければ問題あるまい。魔法使うモンスターなんぞおそるるに足らず。おう喋ってみろよ喋ってみろよ。あーこらこんなもんかよ。」
松井塾長「デニスそっちは?」
デニスくん「一瞬だったわ・・・。」
松井塾長「え?」
デニスくん「いえ・・・一瞬でぶった切りました。スパッと。」
ジール「えーすごかったです。目にも止まらない速さで魔物がばらばらになりました。」
松井塾長「すっげーなデニスくんやるじゃないか。そんな力があったとは。」
デニスくん「ありがとうございます。」
ついに到達する。最終フロア。ボスもあっけなくクリアーしてしまう。
松井塾長「いや、一時はどうなるかと思ったが、デニスくんの大活躍で我々のレベルは上昇したんではないか?ははは。」
デニスくん「(いや、違う。この人は只者ではない。確かに、私は成長した・・・だが、彼と出会う前私は努力しなかっただろうか?答えは否である。毎日、毎日、毎日練習していた。どんだけ落ちこぼれと言われようとも、どれほど才能がなくとも、どれほど先生たちから呆れられようとも、オレはオレの中でできる最大の努力をしてきたはずだ。)」
デニスくん「(自分に剣術の才能があったなんてわかったか?剣術と魔法の組み合わせなんてわかったか?というか、魔法の塔を魔法を使わないでクリアーできるか?仮にできるとしても、思いつくだろうか?思いついたとしても実行に移せる人間がどれだけいるだろうか?)」
デニスくんは考え込んだ・・・。そして、圧倒的な勘違いな結論に到達する。
デニスくん「(・・・・そうか、全てわかっていたんだこの人は。私を初めてみたときに、剣術の力があることを、そして、あえて、剣術を使う前に、魔法の力を使わせることによって、私に剣術を教えるまで徹底的に独力でやらせてみたのか。じゃあ、先制攻撃を思いついたのはジール・・・いやこれも違う。誘導されていたのだ!彼は、自分が思いついたのにあえてそれをジールに言わせた。なんのため?仲間の結束を促すため。では、なぜ、訓練用のショートソードをもたせた。そうか。一つは、訓練用のショートソードで中級エリアを突破して、上級レベルを楽に攻略するため。もう一つは、オレが、訓練用と本物の区別もつかずに使い続けるというおバカであるという戒めを諭すためか・・・。すべてが深い。深すぎる。)」(大いなる勘違いであーーる。)
デニスくん「松井さん。いや、松井先生。このフロアを攻略しましたが、まだまだ練習は続けましょう。」
松井塾長「明日は休む。それと、戦いの前に打ち合わせしたいの。」
デニスくん「はい(やはり深い。)」
だが、このデニスくんの推察の半分はあたりである。
第16章 勝つための秘策?それとも単なる思いつき?
松井塾長「ところでさーデニスくん。」
デニスくん「はい?どうかしましたか?」
松井塾長「メイドさんたちから聞いたんだけどさ(第9章参照)・・・昔、上級生相手に光を放って目潰ししたっていうのは本当か?」
ジール「えーーメイドさんたちとお酒飲んでたのは、女の子たちをナンパしていたのが目的じゃないんですか?」
松井塾長「うん違うけど。で、デニスくん。それは本当なのか?」
デニスくん「マグネシウム弾のことですか?はい。半径数十メートルくらいは、眩しい光に包まれて、しばらくの間、目が見えなくなるというやつですね。暇つぶしで作ったやつですが・・・それがなにか?」
松井塾長「そんな恐ろしいものを作ったのか?」
デニスくん「え、まぁ・・・ただ、しばらくしたら治りますし、それほど凶悪なものではないですよ。まぁ、せいぜい6秒程度目が暗闇状態になるというだけのことです。」(注意:本当の閃光弾はこれほどの威力はありませんのでご注意ください。)
松井塾長「なるほど。で、一つ疑問があるんだが、なぜ、君はその状態で、上級生をボコボコにしたんですか?」
デニスくん「あーそれは、特殊なサングラスを使ったんですよ。まぁ、ライトシールドの施されたサングラスを作ったんですよ。それを使いながらだと、マグネシウム弾を使っていても通常通り見えるということになるんですよ。で、それがどうかしたか?」
松井塾長「それ今すぐ作れるか?」
デニスくん「3時間ほどあれば一個作れますよ。じゃあ、作ってくるのでチョット待っていてください。」
・・・・・・・
松井塾長「おい。ジール。なんでお前。俺がメイドさんとお酒を飲んでいたことを知っているんだよ?」
ジール「いや、あのそれはえーと・・・偶然見かけたんですわ。ところで、そのーどんな話をされていたのかなぁと思ったり思わなかったり、別にその変な意味ではないのです。」
本当は、デニスくんが腹痛のときに、松井塾長が一人で情報収集をしている時・・・
松井塾長「なるほど。彼ら3兄弟の得意魔法は、これか。なるほどなるほど。おおよそ怪しい人間の目星はついてきたぞ。」図書館で情報を収集してお金の流れ・魔法についての情報・人間関係・議事録を漁る松井塾長。
その光景をひたすら監視する人物がいた。それははたまた敵かスパイなのか?・・・ジールである。
ジール「うふふふ。松井様。そのお姿。素晴らしいですわ。私は、あなたの妻になるのです。そこからは逃れられないのです。あはー。相手からバレていない状況で監視し続けるのは最高ですわ。」
が、否。松井塾長、看破していた。
松井塾長「まずいな。誰かに見られている。俺の存在を警戒している人物がいる。どっからだ。どっから見ている?」が、これが逆にうまい方向に働く。当然、監視されていることを認識しながらの行動になるので、さも暇つぶしでもしているかのように情報収集をしてしまうという奇跡。当然、メイドさんたちとの会話も何気なくそれでいて自然体に、情報を聞き出しているのだが・・・
ジール「キーなんですのあいつら。松井様に近づく虫どもですわ。女が松井様と同じ息を吸うだけで殺したくなります。なんですの。松井さんデレデレしちゃってもーう。」と考えているが・・・実際の松井塾長は・・・
松井塾長「やっべぇー酒の回りが早すぎて、意識を保つのがやっとだ・・・とにかく意識を飛ばすのはまずい。とりあえず必死に情報を聞き出さないと。演技するのもつかれるんだよ」という結構ギリギリの戦いだったのである。
まぁ、要するに、ジールはヤンデレなので、松井塾長にストーカーしていたのである。(回想終わり)
松井塾長「???何って、普通に考えて、情報収集でしょ。というかそれ以外に何があるの?てか、教えてなかったっけ?この国にはスパイが存在しているみたいな話しなかったけ?」
ジール「あーえーとしてましたね。」
松井塾長「となると、こちら側は、準備しなければならない。誰が、スパイ活動をしているのか?そういった怪しい行動や言動は、隠そうと思っても隠せない場合がある。それが、末端の組織にいる人間に聞くことだ。基本中の基本だろ。」
ジール「えーそうですね。もちろんそうです。」
松井塾長「何。俺が、ナンパなんかするわけ無いだろ。めんどくさい。なんでそんなことをしなきゃならねぇーんだよこのクソ忙しいときに・・・。」
松井塾長「うん?ところで、なんで俺のことそんなに情報を知っているんだ?そう言えば、ずっと監視していたような気がするけど、ひょっとしてお前か?」
ジール「ば・バカなこと言わないでくださいよ。そんなことをするわけ無いでしょう。」
松井塾長「正直にお答えください。監視していましたか?監視していませんでしたか?(ゴゴゴ)」
ジール「監視していました。」
松井塾長「そっかー監視していたのか。なんで?」
ジール「え?」
松井塾長「え?」
ジール「何してるのかなぁって興味があったので・・・」
松井塾長「そっかー興味があったのかーーー」
ジール「(ひょっとしてこの男鈍いのか?え、鈍いのか?鈍いというレベルじゃねーぞ。これもう鈍いとかそう言うレベルじゃないぞ・・・)」(正解!!!)
デニスくん「できましたー。」
松井塾長「ほうほう。それでは洞窟で実験しに行こう。」
デニスくん「え、修練の塔じゃないんですか?」
松井塾長「お前、アホか。そんなもんぶっ放したら他に迷惑かかるだろう。」
第17章 先制攻撃の陣形
松井塾長「とりあえず、相手を倒すために、陣形を考えていきたい。まず、横一列の陣形を組む。簡単に言うと、真ん中に俺。左にジール右にデニスという陣形になる。」
デニスくん「ほうほう。」
松井塾長「そこで問題なのは、この陣形の厄介さにある。」
ジール「・・・というと。」
松井塾長「この布陣で隊列を見た場合、相手側サイドからみた場合どう思う。」
デニスくん「左が弱いと思う。」
松井塾長「そうだ。ということは、左側の敵は、正面に突っ込もうとする危険性があるもしくは、少し前に出るという可能性が高い。」
ジール「確かに。」
松井塾長「そこを二人が速攻で叩く。ここで注意してほしいのは、デニスくんとジールの二人で叩いてほしい。」
デニスくん「二人がかりですか?」
松井塾長「あー念のためだ。そして私は、右側の敵を叩く。この変則的な陣形の練習を行いたい。」
ジール「・・・しかし、今の我々のレベルなら・・・各々が、正面の敵にぶつかっても戦えるんじゃないですか?」
松井塾長「それは、修練の塔に出てくるような通常の敵ならばの話だ。我々が相手にするバンダル三兄弟は次元が違う。正直、この戦法でも、かなり怪しい。」
デニスくん「なるほど・・・最速で叩いたとしても、時間がかかるということですね。」
松井塾長「そうだ。彼らのあの自信から考えると、我々の想定のヒットポイントを遥かに上回る危険性がある。したがって、とにかく倒し切ることを最優先に考えていただきたい。」
松井塾長「基本的戦術はこうなる。君たち二人がかりで倒す敵これが一番初めに倒れるはず。この倒れた敵を倒したら、こちらに応援に来てほしい。君たちが、残りの一体を倒している間に、私が真ん中の敵を倒しにかかる。」
松井塾長「この練習のみに残りの時間を費やしてほしい。勝てるとしたらこの作戦がうまくはまるしかない。」
デニスくん「わかりました。」
第18章 敵側の偵察
バンダル長男「まぁ、今回の敵は楽勝だろう。」
バンダル次男「何でも勇者として選ばれた人間とそのパーティーでしょ?大丈夫ですか?そんなに楽観して?」
バンダル三男「兄上にしては、脇が甘いといいますが・・・」
バンダル長男「油断も何も。レベル10・レベル15・レベル2のパーティだぞ。どうやっても負けんよ。」
バンダル次男「兄上、失礼ながら言上仕りますが・・・少々、八王になったからと言って、油断がすぎるのではないですか?」
八王とは、魔王を中心に構成された四人パーティ四天王の下に位置する組織。この八王の中から次期魔王へと選ばれていくのである。
バンダル長男「・・・・・」
バンダル次男「戦闘までは、まだ少しではありますが、時間があります。敵の状態をこの目で確認することが重要かと思います。実際に勝負の日程が決まってから、日にちがすでに経っております。敵の戦闘力を下調べしておくのは、重要かと思います。」
バンダル長男「た・確かに。」
というわけで、身を隠して、バンダル3兄弟は偵察に行くことになった。
バンダル長男「いたぞ。アイツラだ。」
バンダル次男「え・・・あれですか。あれ?」
バンダル三男「まじかよ・・・」
バンダル次男「もう一度確認しますが、本当にあれですか?どう見ても強そうな男には見えないし、凶暴そうな男には見えないですけどね・・・」
バンダル長男「あー間違いない。」
バンダル三男「他のメンバーもそう。対して強そうには思えませんね。」
バンダル次男「いや、そう見せかけて強いというパターンも有る。」
バンダル三男「念の為確認しよう。ターゲットオン」
ターゲットオン結果 松井塾長 レベル12 HP80
ターゲットオン結果 ジール レベル17 HP144 MP65 使える魔法 ダークヒール ダークパワー バイオ
ターゲットオン結果 デニス レベル12 HP86 MP36 使える魔法 メラ
バンダル長男「な・・・雑魚だろ?」
バンダル次男「兄上・・・。一つ気がかりなことがあるのですが・・・」
バンダル長男「なんだ?」
バンダル次男「彼らのレベル上昇は、かなり驚異的と言うほどではないですが・・・少し異常なレベルで上昇していると考えていいです。」
バンダル長男「そりゃあ死ぬ気で練習したんじゃないのか?」
バンダル次男「もう一つ気がかりなのは、デニスのレベル上昇の異常さにあります。初期のレベルが低いとは言えこの短期間でレベルが10も上がるということが可能でしょうか?」
バンダル長男「・・・・・確かに。」
バンダル次男「確かに、現在時点において驚異となることはありませんが・・・早急に殺しておくべき人材かと・・・」
バンダル三男「兄者一ついいか?奴ら、ほとんど魔法を使えないにも関わらず、全く焦っているように見えない。妙に落ち着いている。特にあの松井という男。来週処刑が決まっている男とは思えないような穏やかさだ。念の為、もう少し探りを入れてみるべきかと。」
というわけで、念には念を入れる用心深さと狡猾さそして絶対に手を抜かない策を使うということで、彼ら三兄弟はここまでのし上がってきたのだが・・・この決断が、彼らにとって悲劇を招くことになる・・・のだが、それはまた、先の話。
第19章 敵が誰かはわからんが、敵に情報は渡せる
王様「松井君。松井君。」
松井塾長「どうかされましたか?」
王様「どうかされましたか?じゃないよ!!!本当に大丈夫なのかね?」
松井塾長「これは。これは。みなさん。青い顔してどうかしたんですか?」
王様・大臣・学園長・ハンス・ジミーくん・その他神官が勢揃いして、会議をしているところだったが・・・松井塾長は・・・
松井塾長「(やべぇー遅刻した。ガッツリ寝坊した。)」
学園長「いや、バンダル三兄弟に勝てるのかっていう会議をしているのに、君が遅刻してくるからみんなが心配していたんだよ。」
ジミーくん「やはり、松井さん。プレッシャーや肉体疲労ですか?」
松井塾長「いや、すいません。普通に寝坊しました。」
全員「・・・。(本当に大丈夫なのだろうか?というかこいつで大丈夫なのだろうか?)」
大臣「いえ、まぁ、それはおいておいて。バンダル三兄弟に勝算はあるのかね?」
松井塾長「まともに正面から激突すれば、我々の敗北確率は100%です。」
学園長「それでは、このままでは、バンダル三兄弟に一〇〇%負けるということでいいのかな?」
松井塾長「そうお伝えしておりますが・・・」
ハンス「(にしてはこの落ち着きよう。いくらなんでもおかしくないか?)」
ハンス「少し、私からもよろしいでしょうか?松井殿。」
松井塾長「はい?何でしょう?」
ハンス「失礼ですが、一〇〇%負ける人間の余裕ではないと思われますが・・・何らかの秘策があるのですか?」
王様「それは、本当か?」
松井塾長「秘策はありますよ。」
学園長「なぜそれを言わない?」
松井塾長「別に大した話ではないでしょう?わざわざ言う必要性もないでしょう?」
王様「お主、バカか?ワシは、この一ヶ月昼も夜も眠れない状況だったのだぞ。それをはよう申せ。」
松井塾長「はいはい。じゃあプロジェクターと三賢者と三兄弟との戦闘記録を映し出してください。」
大臣「承知しました。おいここに。」
松井塾長「まず、この動画を御覧ください。私は、先程こう申し上げました。まともに正面から激突すれば、一〇〇%負けるといいました。ということは、まともに正面から激突しなければいい!以上です。」
全員「・・・・。」
王様「すまん。もう少しわかるように伝えてほしい。」
松井塾長「え、いまのでわからなかった?」
全員「うん。全然わからん。」
松井塾長「わかりました。バンダル三兄弟は、恐らく、上級魔法をぶっ放して、アキーバ王国に圧倒的な力を見せつけるでしょう。そして、このアキーバ王国をのっとるというのが最終目標ということはご理解いただけますか?」
学園長「・・・なるほど。確かに、圧倒的な力を見せつけることができれば、戦意を喪失してしまいますね。」
松井塾長「で、ここからが問題です。学園長、上級魔法の詠唱時間は、何秒ですか?」
学園長「何秒?正確な数字は出ないが、短くても一二秒はかかる。長ければ十八秒はかかると考えられる。」
松井塾長「では、この陣形で、各人物の直線距離はおおよそ何メートルになるでしょうか?」
大臣「・・・おおよそ四十メートルといったところではないでしょうか?」
松井塾長「ということは、全速力で相手の場所まで行って、相手に詠唱させないように先手必勝で叩いてしまえばどうなります。」
ハンス「あーー魔法を打つことができない。詠唱時間は、魔法使いのアキレス腱になる・・・。」
松井塾長「そう。魔法使いの魔法のみが驚異となるなら、魔法そのものを使わせなければいい。」
大臣「確かに、思いついてみれば誰でも思いつきそうですが・・・なぜそのことに気が付かなかったのでしょう。」
王様「この試合勝てるな。」
第二十章 情報の漏洩
バンダル三男「というような、話をしているということを、忍びの情報から入手しました。」
バンダル次男「読めたわ。奴のあの自信そんな秘策を準備していたのか。確かに、これは我々のアキレス腱。魔法使いは基本的には、戦士族のモンスターと共に行動することを基本とします。この戦略は厄介ですね。」
バンダル長男「何を恐れる必要がある?」
バンダル次男「???」
バンダル長男「この程度の猿知恵。すでに読んでおるわ。アキーバ王国の競技場は、端から端まで何メートルある?」
バンダル次男「おおよそ五百メートルということになります。」
バンダル長男「戦闘開始前に布陣できるのは、真ん中のエリアまで。では、我々が、入口付近に布陣した場合はどうなる?」
バンダル次男「どんなに短くても二百メートルはある。ということは・・・」
バンダル長男「そうだ!!!最もベストなタイミングで、上級魔法をぶっ放せるということになる。」
バンダル次男「さすが兄上。」
バンダル長男「魔法使いの弱点ぐらいは心得ておる。しかも、我々は、基本防備も固めておけ。ただし相手に悟られるな。相手を魔法使いではなく戦士パーティだと思って準備しておけ。」
バンダル次男・三男「承知。」
松井塾長「(というような話を今ごろやつはしているだろう。)」
第二十一章 決戦
大臣「本日は、このアキーバ王国の命運を決める戦いになります。まずは、我らが憎き敵バンダル三兄弟の出場です。」
バンダル三兄弟が、後方に布陣。
王様「おい!どういうことだ。あいつら後方に布陣したぞ。」
ハンス「まずい。後方に布陣された。これでは、松井さんの策が通じない・・・」
ジミー「これは厄介なことになったぞ・・・」
場内事情を知るものは、一瞬で青ざめる恐怖の光景。
バンダル長男「アホが。猿知恵なんだよ。我ら三兄弟は、弱者相手だろうが、強者相手だろうが、万全の準備をして万全の対策をして戦う。戦争の基本だろうが。」
バンダル次男「兄者。予想通り。青ざめていますね。」
バンダル長男「そりゃそうだろう。完全に策を潰されたのだからな。」
大臣「えー・・・続きまして、勇者松井塾長・デニス・ジールの登場です。」
松井塾長中央に布陣。
松井塾長「おいおい。バンダル。ビビってんのかおい?何後方に下がっとんのか?」
バンダル長男「はて、なんのことですか?」
松井塾長「お前、魔法使いのエリートだったよのーそれが、俺ら相手にそんなに後方に下がって、ビビっとんのか?聴衆諸君お約束しよう。こんな、腰抜け相手に私達は負けません。」
聴衆「おーーやったれーぶっ倒してやれ!やったれやー」
バンダル三男「言わせておけば、雑魚の分際で。」
バンダル次男「バカ!あんなミエミエの挑発に乗るバカがあるか!」
松井塾長「おう?違うんか?怖いんか?ヘタレのバンダル殿!」
バンダル長男「松井殿。あなた戦闘経験が浅いせいかわからないみたいだから教えてあげよう。勝負ってのは結果だけが全てなのだよ。強いか弱いかそれを決めるのは、戦場ではたった一つシンプルなことだ。」
松井塾長「ほーう。それはなんだ?」
バンダル長男「最後まで生きていたか?死んでいたか?」ということだけだ。
松井塾長「・・・・・。」
バンダル長男「(ふふふ。彼らはわかっていないのだよ。この場所に来るまでに、すでに勝負は決まっているのだよ。この会場の二十四箇所には、こちら側の忍びつまり魔法使いを配置している。無論。彼らは、風の魔法使い。証拠など残らん。証拠が残らなければ、どうとでもなる。つまり、万が一我々が負けそうなことがあったとしても、こちら側に敗北はない。戦争では、常に事前準備のみが勝敗を決める。そして、勝つことのみが全てなのだ。)」
バンダル長男「おい。大臣さっさと初めろ。一瞬で片付けてやるぜ。」
大臣「・・・は・初め!!!」
バンダル長男「手はず通り行くぞ!」
バンダル次男・三男「おう!」
が次の瞬間・・・
バンダル三兄弟「・・・目が目が・・・。うわーー目がーー」
一体何があったのか?
第二十二章 決戦前夜
松井塾長「カクカクシカジカというわけで、王様の前で、先手速攻の陣をお伝えしました。」
デニスくん「スプレンディード。なんて素晴らしい作戦なんだ。さすが松井塾長恐ろしい戦略ですね。」
松井塾長「というわけで、この作戦を使いません( ・ิω・ิ)V」
デニスくん「へ?は?え?もう一回言ってください」
松井塾長「というわけで、この作戦を使いません( ・ิω・ิ)V」
デニスくん「(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)」
松井塾長「で、こっからが本来の作戦を行いということになるのですが・・・」
デニスくん「いやいやいやなんでそうなるの?全く理解できないですよ。」
松井塾長「え、わからないの?ジールわかるよね。」
ジール「えーだいたい。わかりました。」
松井塾長「ほらージールわかるじゃん。」
デニスくん「なにが、え、わからないの?だ!!!誰が聞いてもわかるか!!!」
松井塾長「その辺は、こう、適当にこうわかってほしいんだよね。一を聞いて十を知って百悟れよ。」
デニスくん「無理!!!」
松井塾長「じゃあ、サルにでもわかるように説明してあげよう。まず、第一にこの情報は敵側に情報が漏れてる。というか漏れるように俺が誘導したという方が正しい。」
デニスくん「ま・まさか。この王国の中に忍びがいるということですか?」
松井塾長「あーそれもかなりの数。」
デニスくん「バカな。それなら。今までやってきた修行もすべて情報が漏れているということですか?」
松井塾長「正解。では、ここからが問題。もし、この情報が漏れているとしたら、お前ならどうする。」
デニスくん「・・・・・。まず、後方からの布陣に切り替えます。そして、剣術による打撃による防御を固めてくるでしょう。いや、見える部分は、固めないでしょうね。こちら側の策がバレる危険性があります。銅・太もも・腕などをかなり硬めの防御で固めるでしょうね。逆に動きは鈍くなりますが・・・」
松井塾長「なるほど。教科書どおりの正解と言える。だが、もう一段、やつならやる。」
デニスくん「といいますと・・・」
松井塾長「俺なら、忍びの中に、風を使う魔法使いを配置する。万が一、自分たちの間合いに入られることを阻止しなければならない。」
デニスくん「ちょっと待って下さい。それなら、我々の勝算は絶望的じゃないですか?我々は、バンダル三兄弟の動きを封じながら、かつ、大会の観客の中に紛れ込んでいるスパイの動きを封じ込めなければならない・・・」
松井塾長「・・・・・・・。」
デニスくん「そういうことですか!!!」
松井塾長「そういうこと!!!」
デニスくん「しかし、マグネシウム弾には、弱点があるんです。以前にもお伝えしたように、サングラスをつけなければならないんです。マグネシウム弾と同じ効果のある魔法としてフラッシュという魔法があるんです。はっきり言って、戦いのばでサングラスをつければ、フラッシュ(魔法)を使ってくるのがモロバレになるんですよ。だから、フラッシュという魔法は、非常に危険で、敵も味方も巻き込んでしまうんです。」
松井塾長「ほうほう。」
デニスくん「ということで、フラッシュという魔法は、かなり敵が遠方にいるという条件と相手がかなり油断しているという条件がなければ・・・」
松井塾長「・・・・・」
デニスくん「あーーそうか・・・」
松井塾長「やっとわかった?」
デニスくん「だから、私に魔法の練習をしなかったのか?そして、我々が低レベルであるということ。よもやフラッシュなんぞ使ってこないだろうと思っている状況。フラッシュの魔法が使える条件が整っている。」
第二十三章 強者イコール勝者とは限らん!!!
松井塾長「よし決まった。手はず通りソッコーで行くぞ。」
ジール・デニス「了解!」
デニス「もらったーーー」
バンダル三男「うーー」首を跳ね飛ばす。
ジール「もらったーーーヒール」
バンダル次男「ウギャーー。」燃え盛る頭。悲鳴・・・
が、バンダル長男だけは違った・・・
バンダル長男「今のは、恐らく、フラッシュだ。どうやったかはしらんが、完全にノーマークだった。」
バンダル長男「スーパーヒール」
即座に直すバンダル長男、が、次に広がる光景は、首を跳ね飛ばされた、三男・今にも息絶えようとしている次男の悲鳴・この一瞬が彼の生死を分けてしまった。
バンダル長男「やつは、やつはどこだ。目さえ見えれば、正面からなら三人相手でも問題ない。う・・・」
松井塾長「呼んだか?」
後ろから後頭部に直撃する、革靴のケリ。
ドサっ腕を引っ張りながら頭を踏みつける松井塾長・・・(おおよそ勇者とは思えない技である。)
バンダル長男「くっそー正面からなら、お前らなんぞ軽く片付けられはずなのに・・・」
松井塾長「正面から攻撃をするとは一言も言っていない!!!」
バンダル長男「貴様、それでも勇者かそんな汚い手法を使ってもいいのか?え?勇者としての誇りはないのか?」
松井塾長「お前、さっき言ってたじゃないか?戦場においての勝者とは生き残っているかどうかだって。そして、どうやって、俺が汚い手法を使ったて証明できるんだ?大体お前が散々使っているだろ汚い手法を。そして、お前は大いなる勘違いしている・・・」
バンダル長男「・・・・何がだ!!!」
松井塾長「私は、勇者ではなくて勇者代行だ!したがって、あくまで素人。素人が騎士道や正々堂々を知らなくてもなんの問題もない。」
バンダル長男「わ・わるかった。ギブアップだ。許してくれ。」
松井塾長「わかった。許そう。」
バンダル長男「(・・・ふ、あほが。)」グシャ!(頭を踏み潰す音)
松井塾長「失礼。殺さないとはいってない。まぁ、許しは、あの世で三賢者の前でやるんだな。俺は言ったはずだぜ。まいったと言えば、勝負が決着するほうがいいって。笑。デスマッチを提案したのはお前だ。まぁ、デスマッチでなかったとしても、俺はルールを守らないがね。( ゜Д゜)y─┛~~」
フラッシュの効果がなくなる。
聴衆A「バンダル三兄弟が死んでる。」
聴衆B「見ろ。松井塾長をタバコを吸ってるぞ・・・。」
聴衆C「すげーあのバンダル三兄弟を一瞬で始末した。有言実行だ!!!」
うおーーーー勝った!勝った!
王様「なんかよくわからんがすげー。」
第二十四章 裏切り者の後始末???
王様「いやー松井くん。すごかった。すごかったぞよ。一時期はどうなるかと思ったが、本当にすごかった。さぁ松井君。食事の用意ができた。さぁ、今日は祝勝会と行きましょう。」
学園長「いやー本当にすごかった。一体どうやったのかね?」
松井塾長「まぁ、ね。全員の勝利ってやつですよ。」
学園長「さぁみんな喜んでおられる。さぁ、祝勝会ですぞ。」
ジール・デニスくん「(・・・・誰が裏切り者なんだ)」
松井塾長「ようし。みんな食べようか!」
ハンス先生「お待ち下さい。松井さん。この中に裏切り者が存在している。その食事に手を出すのは危険です。」
ジミー「おいデニス。絶対にこの食事に手を出すな。どう考えてもおかしい。この中に裏切り者がいる。」
大臣「なんということを言うのだ!この楽しい宴のときに、発言次第ではご両名とも処分も考えられますが、これいかに。」
ハンス先生「結構です。」ジミー「右に同じく」
松井塾長「(ほーう)」
王様「では申してみよ。発言を許可する。」
ハンス先生「えーバンダル三兄弟と松井さんとの戦いにおいて、違和感がありましたので調査させていただきました。」
王様「違和感とは?」
ハンス先生「はい。まず第一に、松井塾長の作戦は、敵の呪文を唱えるよりも早く、敵陣営に切り込むという作戦です。しかしながら、バンダル三兄弟が布陣したのは、最後列にも近い位置です。そこで私は、彼らの死体から装備品を調べました。どの武器も、近距離攻撃を防ぐための防具でした。」
王様「ということは。」
ハンス先生「お気づきになりませんか?この状況。つまり、彼らは、こちら側の情報を完全に把握した上で万全の体制で望んだということです。つまり、情報がこちらから漏れています。」
ジミー「つけ加えて申し上げます。松井さんのパーティーは。勇者1名・魔法使い2名のパーティーです。あの布陣は完全に、勇者1名・戦士2名のパーティーを迎え撃つときの陣形です。明らかに違和感しかありません。内通者がいるとしか考えられません。」
王様「学園長どう思う。」
学園長「は、確かに、可能性はなきにしもあらずだが・・・あくまで推測の域をでませんなーーー。」
大臣「は!この学園最高の魔法使いである、学園長がそうおっしゃるのでしたら、そうでしょう。流言の罪で処罰するべきでしょう。」
王様「なるほど。わかった。それでは、処分を」
ハンス先生「王様お待ち下さい」
王様「えーい黙れ。」
松井塾長「ははは。ほーう。いきなりの祝勝会だというのに、騒がしいですね。ところで、ですね。私、ワイン飲めないんですよ。学園長、私のワイン代わりに飲んでいただけませんか?」
学園長「なぜ私なのかね・・・」
松井塾長「そうですか。では大臣代わりにお願いする。」
大臣「無礼だぞ貴様。」
王様「???」
松井塾長「王様、バンダル三兄弟を倒した褒美を今、いただけますかな?」
王様「あーそうだな。何がいい?」
松井塾長「そうですね。私とジールとデニスくんに注がれたワインを、大臣と学園長に飲んで頂くというのはどうでしょう?」
王様「構わないが、そんなことでいいのかね。」
松井塾長「えー結構です。(笑)」
王様「わかった。許そう。」
松井塾長「どうぞ。」
学園長・大臣「・・・・・・・・・・・。」
松井塾長「飲めないよなーーー飲めないよなーーー。だってお前らが裏切り者なんだから。」
学園長「何を言う。」大臣「そうだぞ。証拠はあるのか?」
松井塾長「おーい佐々木くーん。」
第二十五章 佐々木くんの活躍。
佐々木くん「はい。お呼びでしょうか?松井さん。」
松井塾長「じゃあ、佐々木くん。いや、佐々木さん。いや、庶務課課長の佐々木さんといったほうが正しいか?」
佐々木さん「はい。アキーバ王国庶務課課長の佐々木です。」
松井塾長「では、佐々木さん国王にご説明を。」
佐々木さん「はい。私は、松井さんとお話をして、スパイの動きを探っていました。というよりも前々から、スパイが入り込んでいるとの噂はあったのですが、捜査権がない我々には手出しができない案件でした。」
松井塾長「ほうほう。」
佐々木さん「そこで、私と松井さんとの間で、いかのような話になりました。」
数日前・競技場掃除中の佐々木さん
松井塾長「よう。佐々木さん。」
佐々木さん「・・・・。」
松井塾長「あんた、スパイを警戒しているだろう。」
佐々木さん「!!!」
松井塾長「いや、実は俺もそうなんだ。手を組もうじゃないか。」
佐々木さん「えー確かに。ただ、わからんのです。競技場に配置されることはわかるんですが、現行犯で捕まえる以外に方法がないんです。魔法のことは我々の課の連中はわかりませんし・・・まぁ、雑用が主な任務ですからねーーー。」
松井塾長「なるほど。俺も困ってる。恐らく、風の魔法を使って俺を殺しに来ると思うんだが、だとするとどの位置に配置するのが最も効果的かな。」
佐々木さん「そこまでわかれば、対策できます。ところで、なぜ、風の魔法だと思うんです?」
松井塾長「証拠隠滅しやすいだろ。」
佐々木さん「あーなるほど。」
松井塾長「ここまでわかれば、捕まえることができるか?」
佐々木さん「えーお任せください。」
回想終わり。
松井塾長「てなことがあったってわけよ。」
佐々木さん「で、スパイの皆さんがすべて語ってくれました。大臣・学園長あなた方だったんですね。」
第二十六章 学園長と大臣の密約
学園長「いや、言いがかりだ。これはなんのつもりかね。」
大臣「そうだ。ありえないだろう。」
松井塾長「まぁ、そう言わずに、ワイン飲めよ。さすれば潔白が証明できる。それとも今、ここで自首して原型をもらうか好きにしたまえ。」
学園長「そんなもの飲めんよ。どうせ毒でもお前が入れたんだろ。」
大臣「そうだ。断じてそのような、謀略には乗らん。」
松井塾長「じゃあ、これなんだ。何々?学園長と大臣の地位は、このバンダルが保証する。」
学園長「貴様なぜそれを・・・」大臣「よこせ・・・・」
白紙の紙・・・・・
学園長・大臣「あ・・・」
松井塾長「ゲロったな・・・お前ら、おかしすぎるだろう。なんでお前ら二人だけは、一ヶ月後にこの王国が滅ぶかもしれないっていう状況なのに、全く滞りなく仕事してるんだよ。笑。まるで、お前らの行動は、自分たちの身の安全だけは保証されているみたいじゃないか。」
学園長・大臣「・・・・ごもっとも・・・・」
松井塾長「ちなみに、あんたらは、自分たちは安全地帯だと思っているみたいだが・・・お前らの家族、もう少しで殺されるところだったんだぜ・・・」
学園長「そんな?」大臣「ばかな・・・」
佐々木さん「本当です。我々庶務課の人間が取り押さえました。おそらくは、証拠を消すために、全員を殺す予定だったのでしょう。」
松井塾長「愚かな・・・悪党のいう誠意を信じるバカがあるか。そんなんだから国ごとのっとられるんだよ。」
王様「お主ら。よもや、我が王国に長年仕えておきながら、禄を食み敵方に内通するとはこれ万死に値する!!!今回、勇者・松井がいなければ、この国もどうなっていたかと思うと汚らわしいわ。」
松井塾長「だがな、一番の大罪人はお前なんだよ!!!」
王様「私ですか?」
松井塾長「だって、そうだろ。国の一大事だというのに自分はおどおどするだけ。周りに意見を求めて決断はしない。何かあれば、大臣や学園長のいいなりになっている。挙句の果てには、ハンス先生とジミーくんは一歩間違えれば処刑されるところだった。そして、何より、佐々木さんのような優秀な存在にいたっては、気がついてもいない。」
王様「・・・・・・。」
松井塾長「これが無能でなくて何が無能なんだ!」
王様「真に処罰されるべきは私かもしれない。」
松井塾長「まぁ、そんなどうでもいい話はどうでもいいから、俺達は、次の都市、新ジュークに行くので、さっさと許可証かいてくれねぇ?」
ジール「(おいおい。)」デニスくん「(どうでもいいって言わなかった?今?どうでもいいって言わなかった?)」
この後、松井塾長が、周りの神官から、次の国王誰にするべきでしょうか?と聞かれたので・・・・
松井塾長「うん・・・まぁ・・・佐々木さんでよくね?」というなんにも考えていない一言で、佐々木さんになるのであった。笑
第二十六章 ヘタレな戦士との出会い
さて、松井塾長は、新ジュークに向かっていた。
松井塾長「ところで、今気がついたんだが、うちのパーティーって戦士いなくね?」
デニスくん「あ、そう言われてみればそうですね。というか、魔法使いばかりってことは、パーティーのバランスが非常に悪いですね。」
ジール「そうですね。白魔道士(???)と黒魔道士(???)と勇者(???)というパーティーは確かにバランスが悪いですね。」
果たして、どっから突っ込めばいいのかよくわからない会話ではあるが、まぁそんなこんなで新ジュークに到着するのであった。
松井塾長「うおうおうお。」
一同は圧倒されるのであった。そこに広がる光景は、筋肉・筋肉・筋肉・パワーパワーパワーのオンパレードである。
そう。この新ジュークは、戦士養成所の聖地とも言える場所なのである。
戦士A「もしや・・・そこにいらっしゃるのは?」
松井塾長「???」
戦士A「おーーー松井塾長ではないですか?うおーーー初めて会った。松井塾長ですよね。」
松井塾長「なんだ、俺のこと知ってるのか?」
戦士A「知ってるも何も有名人じゃないですか。ほら、今日の新聞の一面のトップに書いてありますよ。」
新聞記事:勇者、松井塾長・ジール・アキーバ王国が誇る大型新人・デニスが、バンダル三兄弟を一瞬のうちに葬り去る。
記事内容:この世界に生んだ奇跡の勇者・知力体力ともに優れ、人格的にも申し分のない松井塾長とジールは、ひと目見た段階で、アキーバ王国の誇る大型新人デニスの魔法の才能を見破り、見事バンダル三兄弟を一瞬のうちに葬り去る。
ジール「(どっからつっこめばいいのかわかりませんわーーー)」
新聞記事:アキーバ王国の新国王 佐々木誕生
記事内容:松井塾長が、王国の中に潜む闇を看破。裏切り者約30名佐々木新国王を見つけ出し、
「貴様らに国を守る資格など無い。国は、武力や戦力や魔力があれば守れるものではない。心に灯った国を守るという志それが最も大事なのだ。それを、持ち合わせている英雄は、ただ一人。佐々木さんただ一人だ。」
この鶴のひとこえがきっかけとなり、佐々木新国王が誕生。
佐々木氏のコメント「私のような人間が、国王に選ばれたということは、とても恐れ多いことです。私は、この国にいましたが、決して、魔力が人よりも優れているわけでもなければ、松井塾長のように英雄としての優れた力があるわけではありません。しかし、この国で必要なことを1から実直にこなしていきたいと思います。」
編集部コメント「何とも、真面目さと実直さのある佐々木新国王ではある。彼は輝く英雄ではないかもしれないが、最も国王としてふさわしい人物であることは確かである。この彼の才能を即座に見破った松井塾長は、やはり稀代の英雄と呼ぶほかない。」
松井塾長「(・・・何だこの記事は?一つもあってねぇーだろ。というかどこのパラレルワールドの記事なんだよ。)」
戦士A「握手してください。写真撮ってください」
松井塾長「あ・はい。ところで、戦士の仲間をパーティーに入れたいんだけど、君じゃだめなの。」
戦士A「えーーあっしなんかでいいんですか?お引き受けしたいところなんですが、あっしはもうパーティー組んでしまってるんです。そう言えば、養成所の方にいけば、若くて力のある戦士が見つかると思いますよ」
養成所に到着
戦士見習いA「やーいやーいヘタレ。」 戦士見習いB「お前みたいなのがよく戦士養成所に受かったな。」
戦士見習いC「戦場で足震えてる戦士とか戦士とは言わんぞ笑」
バットくん「メソメソメソ」
松井塾長「・・・・・・・」
数十分後
松井塾長「おい。お前名前は?」
バットくん「バット・・・。」
松井塾長「俺の名前は、松井塾長。一応勇者代行をしている。」
バットくん「!?」
松井塾長「お前、俺のパーティーに入れ。」
バットくん「え、今なんと?」
松井塾長「2度言わせるな!お前、俺のパーティーに入れ。」
バットくん「えーと・・・」
松井塾長「返事は、ハイかイエスで答えろ!」
バットくん「イエス。」
こうして、この戦士が仲間になったわけである。
第二十七章 ツッコミどころ満載の絶望パーティ・・・
デニスくん「本当に大丈夫ですか?」
ジール「お世辞にもこう戦士って感じがしないですが・・・」
松井塾長「いや、なんかこーうビビッときた。こう他の戦士とは違うという雰囲気をビビッと感じた。」
この他の戦士とは違うビビッと感じたというのは本当だった・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
悪い方向にである・・・・。
新宿ヶ原の戦い
大ナメクジが現れた。
バットくん「うおーー大ナメクジだ!!!」
スライムがあらわれた。
バットくん「うおーースライムがあらわれた。」
大ネズミが現れた。
バットくん「うおーー大ねずみだーーー。」
腰が抜ける・ビビって固まる・剣を3回に一回ぐらいしかふれない。おおよそ戦士というには程遠いビビリ用である。というか平民でももう少しまともな戦いをするはずである。
松井塾長「(やべぇーのを仲間にしてしまったぜ・・・)」誰が見ても事前に分かることである。
デニスくん「オメェ戦士としての才能がないんじゃないのか?」魔法学校で落ちこぼれだった魔法使いが言っていいセリフではない。
ジール「うーんなんというか・・・本当に戦士なのですか?戦士の属性と勘違いして戦士やってしまったとかではございませんの?」白魔道士と今なお自分のことを疑っていない冥術士のセリフである。
バットくん「ううう・・・」
松井塾長「おいおい。俺たちは、ワンチームだろ。いいか。神から選ばれた、勇者パーティーなんだから、何らかの意味があるんだろう。いいか、俺も昔はそうだった!モンスターと戦うのは誰だって勇気がいる。だが、安心しろ。神に導かれたパーティーだ。男ならどーんと誇りを持て。」もはやどっからツッコメばいいのかわからないセリフである。まず、お前は勇者じゃないし、神から選ばれてもいないし、神に導かれてもいない。というか、そもそもお前は、異世界でも神を信じていないだろ!そして、このメンバーを選んだのは・・・お前だ!!!
バットくん「そうだった。」何が???
バットくん「やれるだけ修行してみます。僕は、神に選ばれたエリート戦士なんだから。」なぜそうなった?
デニスくん「その粋だぜ。」どういうことだってばよ?
ジール「松井塾長がいるんですもの!」どっから来るのその自信?
松井塾長「ワンチーム!!!」とりあえずいいたいだけだろ。
第二十八章 ビビリの戦士のビビリとの戦い
まぁ、そんなこんなでまとまっているのかまとまっていないのかよくわからないイミフなパーティーだが、7日間にわたり修行する。
バットくんは、ビビりながらも、腰を抜かしながらも、嗚咽しながらも戦い続ける。ザコ敵相手に・・・それを援護する。松井塾長達。とここで、無駄に洞察力だけはある松井塾長。ここであることに気がつく。
松井塾長「(???あれ、実は、この辺のザコ敵相手なら、バットくん普通に倒せるんじゃねーのか?)」
松井塾長「(?しかし、あのビビリを何とかしないことには、この先の戦いがしんどくなる気がする?)」
松井塾長「(あ、いいこと思いついたぜ!ようは、自信をつけさせればいいんだな。)」どうせろくでもないことである。
松井塾長「おい。ジール。」
ジール「はい。なんでしょう?」
松井塾長「次の敵。お前一人で倒してやれ。」
ジール「え、それは無理でしょう。」
松井塾長「安心しろ大丈夫だ。最悪、無理そうなら俺とデニスが応援に入る。」
ジール「はー。ですが、またなんでですか?」
松井塾長「バットくんの自信をつけさせるためだ。白魔道士が、簡単に倒せるってことがわかれば、バットくんも安心して雑魚刈りができるだろう。」
大うさぎが現れた。
ジール「はぁーおりゃー」(バッコ)ヒノキの魔法の杖でぶっ叩く鈍い音
大うさぎ「ウギャーー」バタ
松井塾長「ほら見てみろ。この辺の野良モンスターなら、白魔道士でも一発じゃねぇーか。楽勝楽勝。」
バットくん「(・・・あれ、おかしいぞ。この辺のモンスターでヒットポイントが高いのは、大うさぎだったはず。会心の一撃というふうな感じでもなかった。なんかおかしくね・・・)」
松井塾長「ほらな。バットくん。簡単なんだよ。白魔道士でもこの辺りの敵はぶっ倒せるんだよ。戦士であるお前が倒せないわけ無いだろう。」
バットくん「うん、まぁ、そうですね。」
松井塾長「恐らく、君は気持ちと踏み込みが足りない。それを意識して次の敵はやってみなさい。」
バットくん「・・・は、はい。」
松井塾長「自分を信じろ!」
大ガラスが現れた
バットくん「自分を信じて・踏み込んで敵を切る。」
・・・・バッサーー。
バットくん「き・キレた。」
松井塾長「な。言ったとおりだろ。俺の言ったことに間違いはない!」
・・・・・ドヤ顔で言っているが、実は、おかしいのである。なぜか・・・そもそもこのパーティー視点から見た場合の強さの順番は、松井塾長・デニスくん・バットくん・ジールという強さの順だと思っている。が、ここが大いなる勘違いなのである。
ゲームマスター視点の場合の現在時点でのレベル
ジール・レベル20 デニスくん・レベル15 バットくんレベル14(初期レベル9)松井塾長レベル13である・・・。
これは、この世界のステータス成長性にある。実は、ジールの成長性はBデニスくんの成長性はDバットくんの成長性はC
だが・・・松井塾長の成長性はE(ぶっちぎりに劣る平民以下である。というか、普通のRPGで、松井塾長の成長性が実装された場合大半は、ゲームを辞める。)
つまり、このメンバーは、最も弱い松井塾長がリーダーとなって、最も強いジールを守りながら戦うという謎の戦い方をしているということになる。
当然のことながら、ジールのレベルは高いので、大うさぎを一撃で仕留められるということになる。
つまり、普通に強いジールが普通に大うさぎを倒しただけなのであーる。そんなことを知らないメンバーは・・・
バットくん「俺は、やればできる子だったんだ。」(普通の子である。)
デニスくん「自分の才能を信じて戦うことそれが大事!!!」(お前に才能はない!)
ジール「才能がなくても私ここまでこれてますもの!!!」(お前のは才能だ!)
松井塾長「あのなー才能なんかなくてもなー努力と根性とハッタリだけで大抵のことはなんとかなるんだよ!!!」(説得力半端ない!!!)
バットくん・デニスくん・ジール「いや。松井さんがそれ言っても説得力ナイナイ!」(なんでだよ!)
第二十九章 魔族緊急会議
松井塾長一行が、そんなこんなで、冒険なのか魔王討伐なのかそれとも修行なのかよくわからないことをしている間に、魔族の間では今まさに、緊急の八王会議が開かれていた。
八王:魔王軍の中で魔王軍四天王の下に位置する存在。勇者以外の案件に関しては、ほとんどの戦略を彼らが決める。また、次期後継者として、8王の中から次の魔王へとなるものが多い。まぁ、暴力団の世界で言うところの若頭とかそう言う世界に当たる。
八王筆頭「バカな。バンダル三兄弟が破れただと・・・一体何者だ。」
八王(八番手)「それが、松井健太というものでして・・・素性一切不明との情報になっております。」
八王筆頭「我が精鋭が誇る情報網を駆使しても、全く情報が出てこないとは・・・一体何者だ。」
八王(八番手)「はい。今わかっていることといたしましては、とりあえず、勇者に選出されたということ。全く武器を持たずに戦う。というより防具もつけずに戦うという謎の戦闘スタイルだということだけはわかっております。」
八王(二番手)「なにーー?だったら、バンダル三兄弟を素手で倒したというのか?どんな化け物だ・・・」
八王(八番手)「はい。しかも、この男瞬時に倒したとの情報のため、まったくもって得体が知れません。」
八王(七番手)「バカな!バンダル三兄弟といえば、我ら魔族の中でも大型新人と言われている魔法使いだぞ。しかも、若くして、この八王の中で四番手を任されているほどの男だぞ。」
八王(五番手)「写真が手に入ったのでこちらです。」
写真を見る・・・・・
八王「・・・・・・・・・・」
八王「・・・・・・・・・・」
八王(筆頭)「とても強そうな勇者とは思えませんな・・・」
八王(二番手)「しかし、そうはいっても得体が知れない以上うかつに手を出すのは危険かと思います。新ジュークへの総攻撃は中止するべきかと思います。」
八王(三番手)「聞き捨てなりませんな。この新ジュークの総攻撃の責任者は、私、ダンダールが仰せつかったものです。よもや忘れたわけではあるまい。」
ダンダール:オーク族のドンにして好戦的な魔物。根っからの戦闘種族にして、戦闘狂。単純な戦争勝利数によって、この地位に存在している。
八王(二番手)「しかし、相手の素性も一切わからん状況で、総攻撃すれば、敗北することもなくはないかと。それに、新ジュークは戦士の宝庫。そう容易くは落ちません。」
ダンダール「何、日和っとるんですか?あんたらが、そうやってぬるいこと言うとるから、人間どもにのさばられとるんとちゃうんですか?魔族出身だというのに、魔法だの会議だの戦略だのごちゃごちゃしたことに心血注いどるから、こんなとるに足らんようなカスみたいな勇者一人にびびらなあかんのとちゃいますか?」
八王(二番手)「・・・・・。」
ダンダール「ほな、一つ賭けをしましょうや。俺らが、新ジュークへの総攻撃これは、来月に行います。まぁ、今の所、新ジューク王国相手に、全戦全勝しているわけですが・・・我々が負ければ、八番手まで下がりましょう。その代わり、私が勝てば二番手のイスを私にもらえますか?」
八王(二番手)「・・・・・。」
八王(筆頭)「いいだろう。新ジューク王国を手土産に、二番手のイスを君にしよう。」
ダンダール「は。ありがたき幸せ。腰抜けはそこで黙って見とけや。インセクトブルー。」
八王(二番手)インセクトブルー「・・・・・。」
ギーバタン。ダンダールが出ていく。
八王(筆頭)「ちっ!ダンダールよ。そういう脳筋だから、浅はかなんだよ。おい!インセクトブルー!」
インセクトブルー「は!」
八王(筆頭)「わかっているな!ダンダールと松井の戦闘記録をしっかりと見ておけ。そのデータが後に有効になる。恐らく、ダンダールは、今回の戦争で戦死する。」
インセクトブルー「承知しました。(ダンダールよお前はわかっていない。お前は、捨て駒なんだよ。)」
八王(筆頭)「よいか。私は、基本的に皆のために言っておく。今回の戦争。ダンダールが勝とうが負けようが関係ない。新ジューク王国の弱体化が狙いだ。そこで、この不確定要素の松井という男こいつを戦闘中のこいつを徹底的に調べ上げろ。」
八王衆「は!」
第三十章 新ジューク王国 バル国王
とある日の休日・・・珍しく、休憩していた松井塾長のもとに知らせが来る。
ドンドンドンドン急ぎの用件です。松井殿。急ぎの用件につき出てきてください。松井殿。
松井塾長「zzz」
デニスくん「んだよ朝っぱらからうっせーな。」(昼の一時である。)
松井塾長「zzz」
デニスくん「はいよ誰だよこんな朝っぱらからうっせーぞ!」(昼の一時である。)
新ジューク王国兵士「は!松井様はいらっしゃいますか?私、新ジューク王国の兵士でして、バル国王からすぐに松井殿を神殿に来ていただくようにとのお伝えしたく来ました。」
デニスくん「バル国王!バル国王だと?」バットくん「バル国王ってあの英雄王と呼ばれたバル国王直々にですか?」
バル国王:十年前の魔王軍VS人間の戦いにおいて、劣勢な状況の中、たった一人で戦い、魔王に手傷を追わせて、かろうじて引き分けに持ち込んだ英雄。それ以外にも、盗賊団の壊滅など、勲章級の功績を数十回と言われている。戦士や魔法使いにとってこれほど名誉なことはない。というかバル国王を知らない人はいない。
新ジューク王国兵士「すぐにご支度を、ちなみにジール様はすでに馬車でお待ちです。」
デニスくん「やべぇやべぇすぐ会いに行かないと」バットくん「早くしねーと」松井塾長「zzz」
デニスくん「おいバット。早くそのバカを起こせ。」バットくん「さっきから起こしているんですけど、起きないんですよ。」
デニスくん「くっそー朝早いからなーもう」(昼の一時である。)
バットくん「ええい仕方がない。このまま運ぶぞ!!!」
パジャマのまま運ばれていく松井塾長・・・
ジール「いいから起きて。松井。松井ーーーオキローー」
松井塾長「zzz」
という起こそうとした努力も虚しく。神殿に到着。
バットくん「だめだーパジャマのまま眠ったまま謁見とか最悪すぎる。」
デニスくん「いや、むしろ逆だ眠ったままのほうが言い訳ができる。」
が、その期待も虚しく・・・
大臣「バル国王のおなーり。」音楽隊「パンパラパンパラパーン」
松井塾長「うおーうっせーな。なんだよ朝ぱらから俺を起こすなよ。」(昼の二時である。そして、最悪のタイミングで起きる。)
バル国王「・・・・・・・・(パジャマ・・・)」
松井塾長「・・・・・・・・(どこここ?)」
デニスくん・バットくん・ジール「終わったーーー。」
バル国王「君が、松井くんかな?」
松井塾長「あーそうだが・・・であんた誰や?で、ここどこや?」
バットくん「(だめだーー過呼吸になる。)」
バル国王「私は、新ジューク王国の王。バル国王だ!」
松井塾長「・・・。誰だおめー全然知らん。とりあえず誰かー喉乾いたから冷たい飲み物くれる。」
全員「(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)(・o・)」
バル国王「誰か彼に飲み物を・・・」
大臣「はいただいま。」
冷たい飲み物を飲みながら、ジールに耳を貸す松井塾長
ジール「カクカクシカジカにて、バル国王っていうのは、カクカクシカジカにて、なんで、あなたがここにいるのかというとカクカクシカジカにて・・・」
理解する松井塾長・・・圧倒的にやばい状況だということを・・・
松井塾長膝をついて・・・
松井塾長「臣松井健太。謹んでバル国王に拝謁いたします。」何事もなかったかのように、ごまかす。が・・・格好があっていない・・・明らかにおかしい。が・・・
圧倒されるバル国王
バル国王「(何だこの男。この堂々とたる男。この者只者ではないな)」炸裂する誤解
バル国王「松井殿面をあげられよ!」
松井塾長「は!」
第三十一章 新ジューク王国防衛計画
バル国王「急に呼び出してすまない。」
松井塾長「は。いつ呼びされても大丈夫なように、いつでも準備しているのが、勇者の努めです。」
ジール「・・・・(どっからツッコメばいいのかわからん・・・)」
バル国王「さすがだ。その心意気まさに勇者」あんたもアホか?
バル国王「でだ、先程の報告があったが、ついに、ダンダールが我が新ジューク王国に大軍を動かした。」
松井塾長「まさか、あのダンダールが・・・」注意:何もわかっていません。とりあえず話を合わせています。
バル国王「さすが。勇者松井殿。ダンダールを警戒しておられたか。」勘違いです。
バル国王「そこで、我軍もダンダールとの最終決戦に向けて余自ら兵を率いて戦おうと思う。無論、私兵も全戦力を投入するつもりだ。しかし・・・我々だけでは、正直勝てるとは思わん。」
松井塾長「わかりました。お引き受けしましょう。」
バル国王「まだ、余は何も言っておらんぞ。」
松井塾長「おおよそわかります。バル国王が国王軍を率いて、ダンダールの軍を引きつける。そのひきつけている間に、我々が、ダンダールを倒せというわけでありましょう。」
バル国王「そうだ。しかし、松井さん。私は、まだ報酬の話も、どれほどの困難な依頼なのかも説明しておらんぞ・・・」
松井塾長「失礼ながら、言上させていただきます。私が、寝ている状況であってもどんな状況であっても、この宮殿に連れてこいとあなたは恐らく兵士にご命令したものと考えられます。」
バル国王「確かに。」
松井塾長「それほどまでに焦っているという状況で、バル国王が自らの軍を率いて自ら戦うとまでおっしゃっている。見るに、この戦い危ない状況であるということを認識している。それでも、私のような人間に対して、頭を下げてでもご依頼しようとしている。それは、国王として国民を守りたいから。」
バル国王「それは・・・そうだが・・・。」
松井塾長「その国王前にして、要件聞いて、やるとかやらないとか言うんですか?あなた逆の立場ならやりますか?」
バル国王「・・・・・。」
松井塾長「その以来受けよう。それは、国王の人柄を見込んでだ。大丈夫だ。俺がいる。なんとかなるだろう。」
バル国王「ありがとう。(すごい。すごい。何という勇者だ。彼は、この世界を救う勇者だ。)」
ジール「・・・・・・(言ってることは確かにかっこいいんだが・・・格好と言動があってない。絶望的にあってない。てかペンギンの被り物とパジャマってなんだよ!!!)」
第三十二章 ダンダールってなんだ?
さて、松井塾長一行は、宮殿を後にして、居酒屋へと向かったのだが・・・
松井塾長「ところで・・・ダンダールってなんだ?」
バットくん「(・o・)マジで言ってます?ギャグとかではなくて、マジで言ってます?」
松井塾長「すまん全然知らん。」
デニスくん「知らないで、あんなにドヤ顔で喋ったのかーーー。全く嘘だと思わなかった・・・。」
バットくん「ダンダールというのは、この新ジューク王国を侵略し続けている鬼の大将ということになります。」
松井塾長「ほうほう。オーク族ということになるのかな。」
バットくん「そうです。」
松井塾長「しかし、変だな。侵略され続けられているというなら、まるで、バル国王率いる軍隊が連戦連敗しているみたいじゃないか?」
バットくん「実は、それが連戦連敗なんです。」
松井塾長「バカな。バル国王がか?」
バットくん「いえ。バル国王は、自ら出陣しませんでした。国王ですので、ところが、この国の戦士たちがことごとく、ダンダールに敗北しました。」
松井塾長「しかし、この国は、戦士を量産するような都市であるということだよな。それが、連戦連敗というのは不思議な話ではないか?」
バットくん「はい。ダンダールには、いくつかの秘密があるのです。まず、ダンダールには、圧倒的な硬度を誇るのです。したがって、生半可な攻撃がまず通りません。」
松井塾長「ほうほう。」
バットくん「次に厄介なのが、ダンダールに攻撃が通ったとしても、自動回復してしまうので、自動回復する前に致命傷を与えないといけないということなのです。」
松井塾長「腕力スピードはそれぞれ?」
バットくん「かなり上級の戦士が一撃で殺されるくらいのレベルですね・・・」
松井塾長「(これは想定を遥かに超えた厄介な戦争だな・・・攻略方法を何らかの形で考えないと一瞬で全滅だぞ・・・)」
第三十三章 現実逃避
松井塾長「(やべぇーどういう風にして攻略すればいいのかわからねぇーというかゲームオーバーな未来しか見えない。というか・・・逃げたい。今すぐ逃げたいが・・・あれだけ大見得きっちまった以上逃げられない。)」
デニスくん「どうされます?今すぐ、修行でもされますか?」
松井塾長「いやー今日はオフ日の予定だった。というかなんの準備もしていない。今日は、この町で遊ぼう。」
バットくん「え、国王と約束したその当日に遊ぶんですか?」
松井塾長「逆だ。今、突発的な事態が発生したということがわかっている。では、この状況で慌てても逆に良くない。じっくり落ち着く必要性がある。頭の中をリフレッシュさせる。というかこのペンギンの被り物してパジャマの状況はどう考えてもやばいだろ。」(今気がついた・・・)
自宅に帰って着替え中
松井塾長「バットくんどっか遊ぶ場所はありますか?」
バットくん「この辺りだと例えば、遊園地がありますね。」
ジール「遊園地・遊園地に行きましょう。遊園地ですよね。」
松井塾長「・・・(なんか違うって言うと殺されそうな気がする。)」
デニスくん「うぇーい遊園地。」
バットくん「こんなことしていていいのか?」
メリーゴーランド・観覧車・まぁ、いろんなアトラクション。たこ焼きだの大判焼きだの・・・
松井塾長「(だめだ・・・)何も思いつかんと言うより、ただひたすら現実から逃げたいという気持ちで胸が一杯になっている。このまま異世界に逃げたいという気持ちである。」(ここが異世界である。)
バットくん「あー射的場じゃないか!」
松井塾長「射的場?何だそれ?」(松井塾長は、異世界転生者だが、転生前の記憶を持ち合わせていない。恐らく、異世界転生する前に、データ管理センターのエアコンを切るとかいうとんでもない人がいたせいであろう。わからない人は、エンジニアの人にツイッターで聞いてみてくれ。)
バットくん「射的場を知らないですか?」
松井塾長「知らん。一体何なんだ?」
バットくん「こうやって、銃を構えて、的を撃つんです。」
バン・バン・バン・バン。
バットくん「おっしゃー子供のころから射撃は得意だったんです。全弾命中。」
射的場の店長「おーすげー。」
バットくん「松井さんもやってみます。」
松井塾長「あーやってみる。」
バン
松井塾長「うおーびっくりした。」「閃いた!!!」
第三十四章 火力を上げろ
松井塾長「おい。店長。この射的場で使っている銃あるよな。この銃の威力を最大限に上げて武器として使うことができるか?」
射的場の店長「できることはできますが・・・というか、もうそれは作ったんです。」
松井塾長「では、それはどこで売っている?」
射的場の店長「いえ、それが売ってないんです。正確には売ってはいたんですが、その店は潰れてしまったんです。」
松井塾長「なんだと・・・ならそれを作った人間でもいい。そいつの居場所を教えてくれ。金なら持ってる限りいくらでも用意する。」
射的場の店長「私なんです・・・。私が発明して、私が潰してしまったんです。いや、妻や子供にも迷惑をかけてしまいまして・・・」
松井塾長「そんなことはどうでもいい。いいから、その倉庫でもなんでもいいから俺を連れて行け。とりあえず、20万ゴールド払う。」
射的場の店長「え、こんなに。」
松井塾長「いいからさっさと連れて行け。こっちは、命がかかってるんだ!」
射的場の店長の倉庫
松井塾長「たくさんの試作された銃があるな。そして、大量の種類があるな。」
射的場の店長「へー。私の趣味みたいなものでして、全く売れませんでした。」
松井塾長「使ってみてもらっていいか?」
射的場の店長「まず、基本的には、短距離用の銃と中距離の銃と長距離の銃の三種類になります。」
射的場の店長「まず、短距離用の銃は、五つのスロットに拳銃の玉を詰め込んで、撃ちます。」
松井塾長「ほうほうつまり、短距離用の銃だと、五発までは可能ということなんですね。」
射的場の店長「そうなります。ですが、短距離だとそもそもこの国では、戦士だらけなので、使う人がいなかったんです。」
松井塾長「中距離だとどうなる?」
射的場の店長「中距離だと二発まで玉が使えるということになります。ただし、近距離でぶっ放すと・・・こちらもダメージを受けてしまいます。」
松井塾長「アブねぇー代物だなーーー笑」
射的場の店長「えーですから、王国に武器を売り込みに行ったときに・・・こんなあぶねー代物使えるかバカと言われてしまいました笑」
松井塾長「で、長距離用の銃は?」
射的場の店長「長距離用の銃は、安全性はあるんですがそのーーー一発一発しか打てないんです。これをこうしてこうするという感じで弾を込めて撃つというシステムです。」
松井塾長「かなりめんどくせーな。笑」
射的場の店長「えーですから、こんなめんどくさくて時間がかかるものが、戦場で使えるかということで売れなかったんです。笑」
松井塾長「なるほど・・・この三つの銃を改良しもらえるか?三〇日でできる範囲でいい。」
射的場の店長「それが、私、借金がありまして・・・もう、この作業はしないってことで、妻と約束しているんです。」
松井塾長「借金の総額はいくらだ?」
射的場の店長「2000万ゴールドになります。」
松井塾長「ある。6000万ゴールド渡しておこう。この三つの銃と銃弾はもらっていくぜ。」
射的場の店長「え、いいんですか?」
松井塾長「構わん。その代わり、頼むぞ。あんたこの国を救う英雄になるおお仕事だぞ。」
射的場の店長「・・・ありがとうございます。(号泣)」
松井塾長「おいおい泣くなよ。」
射的場の店長「私の作ったものが誰かに評価されたことが嬉しいんです。」
第三十五章 ヘタレ戦士→スーパーガンマン
翌日・・・
松井塾長「おいバットくん。今日から、これとこれを使え。」
バットくん「銃ですか?本当にこれでモンスター倒せるんですか?」
松井塾長「倒せる。計算上は、ザコ敵相手なら無双できるだろう。」
バットくん「短距離用と長距離用ようしかありませんが、中距離用は?」
松井塾長「中距離用は俺が使う。危険だから。」
バットくん「わかりました。まぁ、やってみます。」
バットくんの成長は、ここからが早かった。ザコ敵相手なら、短距離用銃でバッタバッタと倒す・倒す・倒す・倒す。
松井塾長「(おうおうおうおうおう。適当に渡してみたが、すげーな剣の時とは違って百発百中だぜ。)」
バットくん「この銃はすばらしい。敵に近づかなくてもいいので、安全地帯から攻撃ができる。」
が、ここで一つの問題点が、発生することになった・・・
大型の魔物には通用しないということである。
バットくん「やはり、大型の魔物となると防御力が硬いですね。」
松井塾長「そうだな。火力を引き上げる必要性があるな。まぁ、そのための中距離用の銃なんだろう。」
松井塾長「お前ら。どいてろ。中距離用の銃は狙う必要性がないからわかりやすいぜ。なんも考えずにぶっ放せばいいだけだからな。」
バーーーーーーーン
暴れマンモスが、一瞬のうちに吹っ飛んだ・・・・・そして、やっつけたが・・・
そして、松井塾長も吹っ飛んだ・・・
ジール「大丈夫ですか・・・・ヒール・・・」
松井塾長「何だ・・・今の破壊力は・・・腕がもげるかと思ったぜ・・・加えて言うなら死ぬかと思うほどの衝撃力だった・・・。こんなもん何発も連射したら、俺死ぬわ。」
と普通の人間なら、ここで、諦めてしまうが・・・
ここから何発も連射した松井塾長であった。
松井塾長「いや、待てよ。吹っ飛んで死にかけるかもしれないが、よくよく考えれば、ヒールで回復すればいい。」(控えめに言って無茶苦茶な理論である。)
そして、修行の帰り・・・
射的場の店長の元へと向かったのだった。
射的場の店長「あー松井さん。今日は、借金を返済してきたところなんですよ。妻も大喜びですよ。待っててくださいね。すぐに、改良していくようにしますので・・・」
松井塾長「前回の話なんだが、少しプランを変更してほしい。」
射的場の店長「といいますと・・・」
松井塾長「中距離用の銃の改良だけでいい。」
射的場の店長「えーとそうしますと・・・あーわかりました。中距離用の銃の安全性と体への負荷を改良すればいいんですね。」
松井塾長「違う!中距離用の威力を上げろ。安全性も体への負荷も無視だ。」
射的場の店長「しかし、それはあまりにも危険なのでは・・・」
松井塾長「危険でもなんでもいい。やるしかねぇーんだよ。やるしか。」
こうして、決戦の日まで中距離用の銃を開発が進められ、中距離用の銃で毎日死にかけるという残念な毎日が繰り広げられるということになる。
松井塾長「だんだん。体がなれてきたぜ。笑」
果たして、最終決戦でどうなってしまうのか?
第三十六章 ペンは剣よりも強し
ついに決戦の日が来る。
バル国王「本日は、ダンダールとの最終決戦に向けて、皆ここまで私についてきてくれた。皆に感謝する。本日は余自ら出陣することとした。」
戦士たち「おーおーおーおー」
バル国王「平原にて正面から激突する。よいか。我が国が最強の戦士国家であることを見せつけてやれ!」
バル国王「そして、今日は、勇者松井健太どのもこの戦いに参加していただくことになった。では、松井健太殿皆に激励を!」
戦士たち「おーー100万人力だぜ!!!」
松井塾長「知っての通り、バル王国は、圧倒的強さの戦士で有名な国である。俺も、この国の戦士たちが史上最強の軍隊であることを知っていた。その君たちと本日共に戦えるということを誇りに思う。」(知らなかった。)
松井塾長「そして、子どもたちのおとぎ話に出てくるような英雄中の英雄バル国王と共に戦える今日、私は、嬉しく思っている。」(知らなかった)
松井塾長「俺は、バル国王とバル国王の戦士だけでも、ダンダールとの戦いに勝てると信じている!だがあえて言おう!」
戦士たち「・・・・・。」
松井塾長「この俺が、この戦争に参加している限りにおいて、バル王国の敗北は万に一つもない!!!」
戦士たち「うおーーーうおーーー。バル王国バンザーイ・バル国王陛下バンザーイ松井バンザーイ」
かっこよく松井塾長の演説が決まったところだが・・・・お気づきだろうか?この国は、バル王国ではなく・・・新ジューク王国である。誰も気が付かないが、読者の前のみんなにはお伝えしておく。そして、当の本人はと言うと・・・この光景を見て・・・
松井塾長(ハッタリが大いに決まったが・・・マジで逃げ出したい・・・。)
作戦概要:バル国王の軍勢が、正面からダンダールの軍勢とぶつかり合う。松井塾長たちが、後方からの奇襲を仕掛けて、ダンダールの首をとる。
が、この戦争の当時の下馬評は・・・「7・3もしくは8・2でダンダール軍の優勢と見られていた・・・」
が、戦争とは、恐ろしいもので蓋を開けてみないとわからないものである。
松井塾長のハッタリのせいなのか・それともバル国王のカリスマ性なのかはわからんが・・・
新ジューク王国の軍勢が大いに押しまくる。
ダンダール「え~い何をしている。親衛隊も含めて、全戦力を投入しろ急げ!」
ダンダールが焦って、全戦力を投入した時、この一瞬を悪魔は見逃さなかった。
松井塾長「頼むからあたってくれよ。」
ジール「みんなしっかり支えるのですよ。」デニスくん「うーん」バットくん「ここしかない。ここしか。」
松井塾長「吹っ飛べ」バーン
ジール「あたった。」デニスくん「死ぬかと思った。」バットくん「はぁはぁ」
松井塾長「ぅーーー」(痛すぎて声に出ない。)
松井塾長「まだだ・・・」
ジール「え!」
松井塾長「全員・俺から離れろ。まだ生きてる。」
ダンダール「誰だ、我に攻撃をした奴は。」
松井塾長「俺だよ。でくのぼう。図体だけがでかいだけの能無し野郎。」
ダンダール「貴様!我を八王の三席と知っての物言いか?」
松井塾長「あーそうだ。人食い鬼のダンダール殿。」
ダンダール「貴様、勇者だな。握り潰してやる・・・」
松井塾長「(・・・やべぇ体が動かねぇーー)」
ジール「ヒール」斬りつけるデニスくん・バットくんは、拳銃をぶっ放すが・・・
ダンダール「そんな、ペンで指したような攻撃が我にきくか。バカどもが・・・今から、捻り潰してお前らもあの世に送ってやるから安心しろ。」
松井塾長は、今までの人生を走馬灯のように回想していた最中だった。
松井塾長「あーそう言えば、異世界に転生されてから・・・勇者をぶっ飛ばして、マンドーリルにぶっ飛ばされ続けて・・・碌でもない異世界転生だったな・・・。」
エドガー兵団長「それとこれは、俺のオヤジの形見の万年筆だ。持っていってくれ。」
松井塾長「そう言えば、万年筆がここに。」空高く掲げられる、松井塾長。徐々に締め上げられる・・・その時
万年筆のインクが・・・ダンダールの目に直撃した・・・。
ダンダール「目がー目がー」その時だった・・・
ダンダールの口の中に突きつけられる銃口
松井塾長「あんた、そうとう体が、頑丈そうだな。笑。じゃあよ、口の中でさっきの銃をぶっ放したらどうなるのかな?」
ダンダール「!?」
松井塾長「戦力や才能の差がすなわち結果の差ではないと教えてやる。死ねー」
次の瞬間・大きな閃光放ちダンダールの頭は吹き飛び・・・中距離の拳銃は木っ端微塵になってしまった。
一瞬の間を置いた後、全てを両軍が悟る。
ダンダール軍「ダンダール様が倒された。」
新ジューク王国軍「やっったぞーーー松井さんがやったぞーー我々も戦士の意地を見せろ押し返せーー。いけー。」
そこからは、新ジューク王国軍の圧勝だったそうな。
一方の松井塾長は・・・
デニスくん・バットくんがキャッチ。
ジール「ヒール」松井塾長「はぁはぁ。あ、ありがとう。みんな。死ぬかと思った・・・。」
バル国王「松井殿ーー松井殿ーーご無事か?」
松井塾長「まぁ、よっこいしょーいち。まぁ、生きてるから無事なんだろう。」
バル国王「凄まじい正拳突きだったぞよ!!!」
ジール・デニスくん・バットくん・松井君「???」
バル国王視点解説。空高くから松井塾長が飛んでくる。正拳突きをしてダンダールの頭が爆発する。(どっかの拳法の達人の主人公かなんかと勘違いしているのである。)
バル国王「さ、帰るぞ。しっかりと休まれよ。報酬はきっちりと払うぞよ。松井君、君は、この国を救った英雄だぞ。まさしく感謝する。」
松井塾長「いや・・・この国を救ったのはあなたでしょ。」
バル国王「なんと。謙虚。なんと、慎み深い。己の至らなさを余は反省する。ありがとう。本当にありがとう。」
松井塾長「・・・・・まぁ、何でもいいけどよ。」
とここまで松井塾長の冒険を見てくれてありがとう。視聴者のみんな感謝するぜ。
勇者代行松井塾長「俺はあくまで素人なんでね」リストラの章をお送りするぜ。
松井塾長「おいおい。ちょっと待てよなんでここまで大活躍して、いきなり、リストラの話が出てくるんだよ。」
ジール「そうですわ。なろう系の物語の法則ガン無視ですわ!!!」
道化師「なろう系の物語の法則とは???」
松井塾長「いや~なんて言うか、何らかの不遇な状態の主人公が、チート能力手に入れるとか・・・末端の階級から成り上がるとか・・・パーティーを追い出された主人公がなんかこうすげー能力ありました。みたいな話やん。要するに現実を逃避するためにアニメとか小説とか漫画ってあるわけやん。」
道化師「そ・れ・は、松井塾長以外が主人公だったらその話はおもしろい。笑」
松井塾長「おい!」
道化師「松井塾長のなろう系小説は、実在の松井先生をモデルにしているわけです。あなたの人生を羅列してみましょう。」
道化師「物心ついたら、入院してた・水泳をしてたら、何年も泳げなかった・運動したら運動音痴だった・勉強したらからっきしだった・大学入ったら、親父が金使ったので、自分で稼ぐようになった。学習塾を自分でつくろうと思ったから、日雇い労働しながら金ためてみた。時間が足りないから授業動画をひたすら作ってみたら、二年もアホみたいな動画数でユーチューブで一〇〇〇人超えた件。さらに・・・」
松井塾長「もういい!思い出しただけで、ゾッとする事件しか起こってねぇーだろ!!!」
道化師「そんな、松井塾長が、もし、松井塾長が異世界に転生したらというのが今回の企画。というか、そもそも企画内容が、生徒のストレス解消と活字になれさせるのが目的ってなんですか?」
松井塾長「・・・まぁ、それは、はいサーセン。」
道化師「まぁ、それはいいとして、松井塾長が、異世界転生して、チート能力手に入れて爽やかに活躍する?誰見る?爽やかな松井先生とかどこに需要ある?てか、想像できる?」
松井塾長「まぁ、はい。そうですね。」
道化師「というわけで次回予告・・・あの松井塾長に半殺しにされた勇者が帰ってくる。その結果、勇者復帰により勇者代行の仕事を失った松井塾長は、無職になってしまう。笑。仕方がないので、冒険者ギルドに仕事を貰いに行くのだが、苦戦失敗の連続の松井塾長一行は果たしてどうなってしまうのか?」
道化師「というわけで次回、勇者代行・松井塾長「あくまで俺は素人なんでね」リストラ編をお送りするぜ!!」
松井塾長「まぁ、みんな悪口でも何でも書いてね。適当に参考にする。」