1/24
転入生
職場と自宅を
往復するだけの
単調な日々
何の
楽しみもない
つまらない人生
ただ無駄に生きている
こんな僕だけど
ずっと昔
たった一年間
だったけど
幸せな
日々があった
「伊集院瑠華です。よろしくおねがいします」
皆のまえで挨拶する転入生に
僕は一目で
心奪われた
白い肌
クリクリした大きな目
男とは思えないほどの
綺麗な顔立ちだ
「席は天野の隣」
担任が言う
彼が
僕の席に近づいてくる
「よろしく」
爽やかな笑顔で
彼が言う
僕は
とても緊張しながら
「よ、よろしく」
と
返すのがやっとだった
■■■■■■■■■■■■■■■■
「伊集院瑠華です。よろしくおねがいします」
僕は皆のまえで挨拶する
「席は天野の隣」
担任に言われ
天野と呼ばれた生徒の
顔に目をやる
大人しくて
真面目そうだ
僕は彼に近づいて
「よろしく」
精一杯の
爽やかな笑顔で言う
彼は、
少し照れた様子で
「よ、よろしく」
と
答えてくれた