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「入学式」③

「あんな酷いこと言わなくていいのになぁ……べっぴんさんなのに勿体無い……」


ショックのあまりに気づかなかったが、隣に金髪蒼目の少年が立っていた。右手には学生鞄、左手には竹刀?が入った長物の袋を携えていた。

「誰っ!?」

驚いた僕は思わず後ずさりする。少年は……僕と同じ学校の制服の彼はニカッと爽やかな笑顔を見せてお辞儀をした。


「オッス!おら、織田礼音オダ レオン!!」


「えっ……?」

「えっ?」


英国系のイケメン男子なのに、ミスマッチ過ぎる挨拶に戸惑う。そんな僕を見て、織田くんも戸惑う。


「あれ?おっかしいな……日本ではこの挨拶が主流だって聞いたんだけどなぁ……」

「それ、どこ情報?」

「ジャパニーズコミックに決まってるじゃないか!!」


あーーー……2つほど作品に心当たりあるわ……。そのうちの1つは元ネタのパロディとして使ってるけど。


「えっとね……織田くん……。その挨拶はコミックだけのもので、日本流の挨拶じゃないんだ。普通に“おはよう”でいいんだよ。」

「ホントに!?うわぁ……勉強不足だったぁ……!」

頭を抱える織田くん。しかし、すぐ気を取り直したと思ったら頭を思いっきり下げる。


「おはよう!!俺、織田礼音!お前も同じ学園の生徒なんだろ?よろしくな!出会った瞬間から俺達は友達だ、呼び捨てでいいぜ!」

「あはは……元気いいね……。僕は境 護朗、よろしくね礼音。……あっ、ところで礼音は学園までの道のりって分かる?」

「あたぼうよ!!」

「道案内お願い出来るかな?僕、地下鉄利用するの初めてだからさ、迷っちゃって…」

「よっしゃ!カヌーに乗ったつもりでついてきてくれ!!」

「あははは……「大船」だね、そのことわざ……。」


カヌーに乗ったつもりって……

もしや、旅は道連れという意味なのかな?


彼に道案内を任せて大丈夫なのか不安は募るが、それ以上に仲良くやっていけそうな友達が出来て安心していた。

よかった……さっきのあの子には嫌われたかもしれないけど、新しい学校は怖い人だらけじゃなさそうだ。

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