「プライバシーの消失」①
前回のあらすじ
僕、境 護朗は五核使いと呼ばれる異能力者が集まる学校、五稜星蘭学園に入学した。
そこでクラス分けされたのだが……僕は5つのクラスを統べる能力者、ジョーカーであると判断されてしまったのだ!
「むにゃむにゃ……んん……」
一人部屋に響く目覚まし時計。幸せそうに眠っていた少年は嫌な顔をせずやかましくなり続けるアラームを消し、猫のように背伸びをする。
彼の名は境 護朗。寝癖が酷くてボサボサだが、本来は何の特徴もないストレートショートの黒髪で顔も中の上ぐらい、身長も体格も頭脳も好みのタイプも普通と、普通すぎて憐れに思われたのか、この小説の主人公となってしまった男である。
「……朝から辛辣なナレーションどーーも」
全く……外は晴天でペール・ギュントの「朝」でもバックミュージックに流したいほど、気持ちのいい朝なのに、ナレーションのせいで台無しだよ…もう。
気を取り直して、洗面所に向かう。朝シャン、朝食をダラダラと食べながらニュース番組を見てからの余裕を持った登校…。これは小学生からの日課で今でも続けている。ほとんどの人には辛いだろうが、慣れれば生活バランスは整えられるのだ。僕の数少ない自画自賛出来ることの1つである。
というわけで、いつもの朝風呂を……
意気揚々と扉を開けると、そこには風呂上がりの裸の黒髪美少女がいた。少女は僕よりも身長が高く、髪はさらさらで綺麗な上にほんのりラベンダーのいい匂いがした。そして、体は細身でありながら痩せすぎず、脚も長く、モデルのような体型。胸は髪で隠れているが、胸は大きすぎず小さすぎずちょうどいいぐらいの……
「…………って、ユナさんんんんんんーーーーーー!?!?!?!?!?」
僕は慌てて、扉を閉めた。
「朝から騒がしいわね…境 護朗。お風呂を借りてただけよ。」
「いやいやいやいや!なんで冷静なの!?こういうのって、“キャー!ゴロ太くんのエッティ!”ってなって僕が相応の報いを受ける展開でしょ?!」
「起きてしまったことをうだうだ責めるつもりは無いわ。気にしない。」
「気にしてぇー!女の子でしょーーー!」
いや、違う!僕が言いたいのはそういうことじゃない!
「どうして僕の家にいるの!!」
「忘れたのかしら?昨日のこと……」
「えっ……?」
それは一日前……そう、入学式でのこと……




