「入学式」⑩
「それでは全てのクラス代表挨拶が終わったところで、今から新入生のクラス編成を開始する。ここに6つの組み分け帽子を用意した。この帽子は被ったものの五核使いとしての潜在能力を判断することが出来る。つまり、帽子が最も良いと判断したクラスへ入ることになるのじゃ」
「そういうことだ、よろしく!若造共!」
帽子が生徒達に語りかける。
「あの帽子、大丈夫!?この小説、あの超有名小説作者に怒られない!?」
「護朗?どうした?」
「いや、何でもない……」
「では、前から順番に6組ずつ案内する。先生に従い、一人一人ずつ向かうのじゃぞ。全員、組み分けを行うから焦らないように。」
「かぁーーっ!いの一番に会長に挨拶してぇのに!待ちきれねぇ!」
「まあまあ、礼音。僕達は一番最後だし、ゆっくり待とうよ。…………ん?」
組み分けに並ぶ列に駅で出会った美少女がいた。
「ねぇ、さっきの女の子がいるよ」
「おっ!ホントだ。身長高ぇからすぐ分かるなぁ。」
美少女の番になり、帽子を被る。
「ユナ・李・クロウロード…だったな。」
「はい」
「お前は大変優れたビーストクラスの才能を秘めている。これは下克上も夢ではあるまい。無論、お前はビーストクラスだ!」
「当然です」
ユナと呼ばれた少女は帽子を取ると、綺麗な髪をかきあげて優雅に去る。
「ふぁあ……やっぱり美人だなぁ……」
「お前、もしかしてあの子に惚れたのか?」
「ち、違うよ…!」
「ホントかー?」
「本当だよ!ほら、僕達も並ばなきゃ!」
「え?俺達の番はまだまだだぜ?」
「いいから!」
礼音の腕を引き、最後尾に並んだ。
新入生は250人ほどいる為、そこそこ時間がかかったが、ようやく自分達の組み分けになった。
「んじゃ、先に失礼するぜ!」
「うん!」
帽子を被る礼音。
「よろしくお願いしますっ!!!」
「おぉ、元気がいいな。レオナルド・キャンベル」
「織田礼音ですー!!!」
「いやいや、願書にはレオナルド・キャンベルで書いてあったぞ?」
「オレはサムライクラスに入る為に心機一転名前を変えたんです!本名で呼ばないでください!」
「はぁ……しかしお前さん、サムライクラスの才能は5%もないぞ?」
「えっ!?」
「それに引き換え、いやはや流石はイギリス人。ウィッチクラスの才能に溢れている。希望に答えられないのは申し訳ないが、お前はウィッチクラスに入ってもらう。」
「そ、そんなァーーー!!!勘弁してくださいよぉーー!!!ワンチャン……オレにチャンスをー!!!(泣)」
「こら!小学生じゃないんだから、駄々をこねるんじゃない!レオナルド!」
「織田礼音って言ってるだろぉーー!!」
帽子にしがみつく礼音だが、先生によってズルズルと連れていかれる。
「ドンマイ過ぎる……」