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「入学式」⑨

「最後はサムライクラスじゃ」


すると、新入生や他のクラス(特に女子)からざわめきが聞こえる。

……と、唐突に黒子が幕を持って壇上を囲う。和太鼓と尺八が空白の時間を盛り上げ、準備が終わったのか、黒子が幕を開く。


「僕、これ小さな頃、日曜朝に見たことある」

「シッ!護朗、シャラップ!」

「えぇ~……」


壇上には端正な顔立ちの美男子が立っていた。袴が似合うイケメンで、刈り上げたショートヘアは爽やかさを出している。とにかく顔が良かった。

案の定、女子の黄色い声援がどこからともなく聞こえてくる。倒れる音も。


「サムライクラス代表及び五稜星蘭学園生徒会長、越後エチゴ 謙信ケンシンです。新入生諸君、今日は実にめでたい日です!今年もこんなに多くの仲間が増えることを私は嬉しく思います。先輩達は後輩の教育に積極的でおられ、それ故に新入生を勧誘することも多いと思います。しかし、あなた達は潜在的に秘めている最も優れたクラスで過ごすことになるでしょう。」


「あたしは別にどうでもいいけどな。」

「フン……」

奈津子が気だるげに呟き、白亜は忌々しく生徒会長を睨む。


「確かに他のクラス代表が言うように体育祭や文化祭、五稜星蘭祭などクラス対抗で行う行事は多いです。しかし、我々は同じ学校の生徒です。学校行事は争う為でなくお互い切磋琢磨し、尊重し合う為にある……それだけは忘れぬように。皆さん、5年間、共に頑張っていきましょう」


生徒会長のお辞儀と共に拍手喝采が巻き起こる。礼音なんてもはや号泣していた。


「うおおおぉーー!!会長ー!オレ、一生ついて行きますぅーー!!!!」

「一生って……長くても5年しかここに居られないのに……」


でも、これだけ礼音が感動するのも無理もないと思う。クラス代表でありながら生徒会長、イケメンで文武両道でクラス総合成績もトップ、そんなハイスペックにも関わらず、誰にでも優しくて正義感が強い完璧超人。


「僕も入るとしたらサムライクラスに入りたいなぁ……」

「おっ!?お前もついに決心したか!ウンウン!一緒にサムライクラスで立派なサムライマスターになろうぜ!」

「う、うん…サムライマスター?にはなる予定ないけど、あの会長の足を引っ張らないように頑張るよ。」

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