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エピローグ



 はい、というわけで、なんかヨヨさんとかいう変な人とカナンとかいう格好つけマンに乗っ取られていましたが、この度ようやく帰還いたしました。本作の主人公にして、ヒロインオブヒロインオブヒロイン、アトー=ヒフミでございます。

 私は壁に張り付けられた三眼二刀の魔族、中身はオウルウさんの元に歩み寄りました。

 落ちている、なんの力も残っていない首の傍に屈みこみます。例によってぼろぼろ泣いていますが気にしないでいきましょう。

「ねえ、いまどんな気持ちですか」

「……」

「必殺の流星呪文は破られ、自分の肉体を打ち壊され、切り札にしていたクルヴェスターの体も粉砕されて、いまどんな気持ちですか? 悲しいですか。悲しいですか。勇者さんを殺された私より悲しいですか」

「……そうだな、無念だよ」

「あなたはこのままいけばきっとそう遠くない将来、人間が魔族を駆逐する未来を予測したんですね。ルミアの遺産を活用して、人間はどんどん力をつけている。技術を発達させて、呪文を先鋭させて、人間は強くなっていった。私やスーライル、フリューさんやルーくんみたいな、単独で上級魔族に抗しえるような特異点もちらほらと現われるようになった。対して魔族はバラバラ。生まれつきの力に溺れて、努力してその力を磨こうとしない愚者ばかり。レンクウという稀な向上心を持つ例外はいたけど彼は倒されてしまった。いなくなった。あなたはそれでも魔族を救いたかったんですよね」

「……」

「ねえ、このまま行けばあなたの予測した通りすべての魔族は人間に駆逐されるでしょう。闘争心しか持たないおバカな猿にも劣る魔族はいずれ私たちにぶち殺される日がくるでしょう。ねえ、いまどんな気持ちですか。守りたかった魔族を守れなくて、いまどんな気持ちですか」

 答えはありませんでした。

 オウルウさんは既に死んでいました。

 別段嬉しくもなんともなかった私は、一応の義理として生きているフリューさんと魂を焼失して死んだカナン、そして頭部だけが分解されずに残っているスーライルの遺体を連れて帰ることにしました。なんか近くに、赤毛の獣人に近い魔族が死んでいましたが、それは魔族なので放置でいいでしょう。

 勇者さんの仇は取りました。

 ですが私の涙は止まりませんでした。

 だからといってもう一度次元呪文の中に引きこもる気にもなれませんでした。

 幸福な夢はもう終わってしまったのです。




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