遺書
親愛なる貴方へ
これを読んでいるという事は、死んでいるか殺されているのかしているのでしょう。
この遺書は貴方にだけ見せるために書きました。
貴方の悲しむ顔を少しでも和らげようと思って。
私は、たとえどのような死に方をしても満足して死んだと思っています。
貴方に会い、貴方を愛し、貴方と共にこの時を過したのですから。
幸せだったんです。
だから悲しまないでください。
一つだけお願いがあります。
私が愛していた事を
貴方が愛してくれた事を
忘れてください。
私はもう過去にしか住む事ができないから。
貴方の未来に私という呪縛を植え付けたくないから。
私のことを忘れてください。
最後に
こんな私を愛してくれて
ありがとう
春風のように優しく愛してくれた親愛なる貴方へ
追伸
この手紙は全てが終わってから届くようになっています。
だから、葬儀も埋葬も貴方には知らされずに終わっているはずです。
ですから、この手紙を破り捨てて、空へ返してください。
貴方への愛という呪縛は、それで解けるはずですから。
ゼラニウムの原型の話の一つ。
これ、弟子の遺書にしてもいいなと考えていたり。




