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英雄

 人を殺すのが英雄というのならば

 私が知っている限り彼らに適う者達はいないはすだった


 翻る万もの旗

 白銀に身を固めた騎士達

 空に舞う竜達


 今ですら彼らにかなう者はいないはずだった

 ならば

 何故王国は滅んでしまったのだろう


 旗は折られ

 血と泥に倒れた騎士達

 空には焼けた黒煙が立ち上る


 彼らは何のために戦ったのだろう

 王国への忠誠のため

 愛するものを守るため

 己の栄誉のため


 だが

 彼らが守ろうとしたものは今は何もない

 王国は滅び

 愛するものは殺され

 己自身も二度と起き上がれぬ


 英雄

 そう呼ばれた者たち

 語るものも居らず

 ただ歴史の中に消えてゆく者達

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