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はぐれ魔王の恋愛事情 004 3人娘?の場合

ヒロが寝ているベットの横に、スマートフォンが立てかけられている。

アリシアがヒロの症状を観察したいといって置いて貰ったのだ。


現在、部屋の中には1人と1個のみだが、スマートフォンの中には3人の人影が合った。

画面の中で3人はテーブルを囲んで座り、それぞれにお茶を楽しんでいた。


1人はアリシア、その人であり今日は黒いロングドレスに身を包んでいる。


1人は赤いドレスの女性であり、赤い肩までのストレートと切れ長な瞳がとても良くドレスに合っている。


1人は水色のドレスの女性であり、水色のショートカットとやさしげな瞳がドレスと良く調和していた。


「呼び立ててすまないな。」


アリシアが口を開く。


「いえ、問題ありません。

 貴女の呼び出しとは珍しいですし、私も気になって居ましたので。」


赤いドレスの女性が優雅にお茶を楽しみながら答える。


「ああ、南のが気になっている事が今回話したい事だ。」


「そうですか、ありがとうございます。」


南と呼ばれた女性は、アリシアへ笑みを浮かべる。


わたくしもなんら問題はありませんわ。

 貴女からのコンタクトは、初めてではないでしょうか?」


水色ドレスの女性は、手元の本から視線を外し、アリシアへと向き直る。


「西よ、実際にその通りだ。

 いつもはそなたが連絡を取ってくるからな。」


「貴女からの連絡を待っていると、気が急いてしまいましてね。」


「ならば、今回は早めに連絡を入れられて良かったというべきか。」


アリシアは西と呼んだ女性と笑みを交わす。


「それで、今回は南の覚醒と関係が?」


西は手元の本へと視線を戻すと、アリシアへと尋ねる。


「そう・・・ともいえるし、違うともいえる。

 簡潔に言えば・・・事態が動き出した。」


その言葉に2人は動きを止め、アリシアへと視線を向ける。


「かなり・・・早いですね。」


南は決意に満ちた眼差しをしつつも、困惑の表情を浮かべる。


「私も・・・もっと先だと思っておりましたわ。」


西は悲しそうに目を伏せる。


数瞬、3人の間に沈黙が流れる。



そしてアリシアから口を開く。


「情報の提示をする。

 2人も協力をして欲しい。」


「判りました。」


南は、直ぐに返事をする。


「条件・・・によるでしょうか。」


西は、濁した返答にとどめる。


アリシアは2人に頷き、


「まず最初に。

 2人の居場所が判明した。

 おそらく想像通りだろうが、2人とも奴の支配下のままだ。

 これは何とか解放したいと思っている。」


「そうですね。」


「まぁ、そうなりますわね・・・解放の目処は?」


アリシアは西へ首を振る。


「立っていない・・・だが、可能性が出来た。」


その言葉に南は口を挟む。


「彼・・・ですか?」


その問いに、アリシアはにやりと笑い、2人に伝える。


「ああ、ヒロが『堕天』に覚醒した。」


その言葉に2人は絶句する。


「まさか・・・」


「そんな・・・」


たっぷりとした沈黙の後、西はアリシアへと問いかける。


「貴女が冗談を申す方でないのは判っております。

 本当・・・なのですね?」


アリシアは頷く。


「嘘は言わない。

 間違いなくヒロは我と同等・・・もしくは我以上の存在となった。」


西は青ざめる


「その・・・私はお会いした事が無いのですが、その方は信用が置ける・・・そして全てを任せることができる人物なのですか?」

「もちろんです!!」


その問いに、何故か南が即答する。


「・・・え?」


その様子に西は驚き、そして意地悪な表情になる。


「あら・・・あらあら?

 まさか貴女・・・

 ・・・これはますます興味が沸く御仁ですね。」


その意味を把握した南は顔を赤くして答える。


「そっ・・・そういう理由ではありません。

 客観的に見て、彼なら大丈夫と思ったので答えたまでです。」


「ふぅん・・・そうなんだ?アリシア。」


西は話題をアリシアへと振る。

アリシアは苦笑して答える。


「ああ、最もな意見だと思う。

 間違いなく信用できるだろう。

 だが、全て任せるかといえば・・・少々頼りないな。


 任せるにはサポート出来る者が側に居ないと安心は出来ないかもしれない。」


後半はにやにやと南を見ながら言う。


「へぇ、ふぅん・・・

 貴女をして、そう言わしめる御仁ね・・・

 さらに気になりますわね。」


アリシアはそんな様子を楽しそうに見つめ、


「直ぐに合える。

 そのときにヒロの面白さと魅力がわかるだろう。」


「面白い方なんですか?」


その言葉にアリシアは少し悩む。


「そうだな・・・

 奴を表す言葉としては・・・そう愚直だ。」


「それに、全てに対して一生懸命な方ですね。」


アリシアの意見に南は付け足す。

そんな南を見て、アリシアは言う。


「でも、うじうじと色々悩むぞ?」


大して南は言い返す。


「真剣に向き合っている証拠ですね。」


「うむ、努力は忘れないな。」


「行動力もありますね。」


「直感で新しい技術を見つける所もあったな。」


「ですが、時々後先を考えない所が冷や冷やさせますね。」


「それは我も思う。」


「そうそう、彼はとても優しく、慈愛に満ちていますね。」


「じゃが、周りの女心には全然気付かぬぞ?」


「それは私も思います。

 最近、ルナが可愛そうに思えてきて・・・」


「じゃから、力を貸しておるのか?」


「ええ。」


「恋敵に・・・なんとまぁ優しいのう。」


「それはそれ、これはこれですから。」


「ちなみにここでも更に恋敵が増えておるぞ?」


何やら話題はいつしかずれて来て居る。


「そっ・・・そうなのですか?」


「うむ。

 間違いなく3人が惚れておる。」


「・・・相変わらずなのですね?」


「ああ。」


アリシアがそれっきり黙りこくると、南は少し焦ったようにアリシアをせかす。


「ちなみに、その方々とヒロ様の関係はどのようなに?」


「うむ、1人は移動中に族とモンスターから救ってな。

 さらに親の敵を1人、倒して見せおった。

 あれで惚れぬ者等おるまい。


 もう1人は親が気に入ったようでな。

 嫁にどうだと言っておる。

 短い間に心を掴んだのか、かなり懐いておるようだぞ?


 最後の1人は今ヒロ専属のメイドをしておっての。

 もちろん、親もヒロとその娘の仲を応援しておる。

 そのメイドもかなりヒロを好いておっての。

 こっちもこれからが楽しみだ。」


「そ・・・そうですか・・・ふ~ん・・・」


南の口元はかなり震えている。

口は笑顔を絶やしていないが、目はかなり怒っている。


「ちなみに全員幼女だ。」


「ぶっ!!」


2人のやりとりを、我関せずと本を読みながらお茶を飲んでいた西が噴出す。


「失礼・・・

 2人のやり取りを聞かせていただき、彼の性格を分析していたのですが・・・

 特殊な性癖もお持ちなのですか?」


今まで口を閉ざしていたが、聞き捨てならないものがあったようだ。


アリシアはにやりと笑い、


「そうだな、本人は否定しているようだが、周りに集まってくるのは全て幼女だ。

 きっと幼女を引き寄せるフェロモンなどを出しているのではないか?

 かなり好かれておるからの。」


と爆弾を投下する。


「なっ・・・」


西は絶句してしまう。


「アリシア、遊びすぎです。

 彼は、私のような大人な女性が好みと言っておりました。


 確かにヒロが手を出したルナも幼女ですが・・・」


南はヒロをフォローしたつもりだったが、西には逆効果だ。


「なっ・・・幼女に手を・・・出した・・・」


「"お主の様な"は付いていなかったと思うがな。

 それにおぬしのことを意識はしておるようだが、お主の気持ちには全く気づいてはおらぬ。

 残念じゃったな。」


アリシアは、南ににやにやと意地悪い笑みを浮かべて見る。


だが、南も西もまたく聞いていない。


「新たな・・・が、幼女趣味・・・良いのかしらそれで・・・」


西はヒロの幼女疑惑に対し、


「意識していたのですか・・・

 そうですか、ヒロが私の事を意識・・・うふふ・・・」


南は何故か妄想に・・・


それぞれ自分の考えに一杯でアリシアの後半とかはまったく聞いていなかった。


「2人とも全く聞いておらぬな・・・

 まだ話は続くというのに・・・


 まぁ良い。

 言うべきことは言った。

 後はまた機会がある時に呼ぶとしよう。


 とにかく、西よ、近いうちに会いに行くはずだ。

 このことをしっかりと肝に銘じておくが良い。


 南ももうすぐ始まる。

 ルナや他の者にも伝えておくのだぞ。


 いいなっ!!」


そう言って、アリシアは指を鳴らすと2人の姿は消えていく。


だが・・・


「幼女趣味・・・うちの娘を会わせる訳には・・・ですが、役目は・・・」


「意識・・・そうですか・・・でもこれは抜け駆け?・・・いやでも・・・うふふ・・・」


2人が、最後の言葉をしっかりと聞いていたかは本人しか知らない。

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