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076 マーシャルさん

お勧めの店があると言う事でついて行くと、5分ぐらい歩いた所にある食堂へ案内された。

家族経営の小さな食堂で、旦那さんが店長兼コック。

奥さんと娘さん2人がウェイトレスを行っているようだ。


そこで兵士はとんでもないことを言い出した。


「同士よ!!君が連れてきた少女も可愛らしかったが、ツインテールにエプロンを掛け、お母さんの手伝いをする少女も可愛いだろう?

 それに、ポニーテールがトレードマークの元気っ子もどうだ?可愛いだろう?」


いきなり話し出した兵士の声で2人の少女は顔を真っ赤にしている。

確かに可愛いとは思う。


茶褐色の髪と瞳の姉妹で、お姉さんは12歳ぐらいか?

ツインテールが特徴で、しっかりしたお姉さんという感じだろう。

確かに将来が楽しみである。

妹は10歳ぐらい。

短めのストレートの髪をポニーテールにまとめ、元気に配膳や片づけを行っている。

もちろんこの子も将来が楽しみなほどに可愛い子だ。


だが・・・何故ここで叫ぶ?

それに、何かニュアンスが違っている気がするぞ?


奥さんの方を見てみると、何か微妙な顔で笑っている。

旦那さんの方は「褒めてくれるとは嬉しいね~、大盛りにしてやるよ。」とか言っている。


何か引っかかるものを感じたが、本当に美味しい朝食だったのでまぁ良しとしよう。



朝ごはんを終え、兵士にお礼を言って部屋に戻ると、また別の兵士が尋ねてきた。


マーシャルさんが来るまで時間が有るので、街を案内してくれると言う。


せっかくの申し出なので、ありがたく案内して貰う事にする。


街に出ると、武器屋、防具屋、街の名所等を案内・・・・するのではなく。


「ここには可愛い少女達が良く集まる公園なんだ。

 あそこのベンチに腰掛けていれば、一日過ぎるのも早いんだぞ。」

とか、

「この病院の先生は子供に人気があってね。

 よく僕も掛かりに来るんだよ。

 待合室では可愛い子達が大人しく待っていてね、呼び出されてもつい3回ぐらいは無視してしまうぐらいなんだ。

 君も体調不良の際はこの病院に来ると良いぞ。」

とか・・・

「この水場はこれから水浴びをする可愛い少女達が一杯来る。

 もう・・・・最高だぞ?」


等など、どうでも良い情報ばかり教えてくれる。


どうせ教えてくれるなら、綺麗なお姉さんが良く立ち寄る場所とか、美女の水着姿が拝める所の方が嬉しい。


まぁ、せっかく好意で案内してくれているんだ、ありがたく案内を続けて貰った。


街案内から戻ると、マーシャルさんが来ていると連絡があった。


兵士にお礼を言って隊長室にいくと、アーチャとアリシアが待っていた。


2人ともキゲンが良さそうで、十分休む事ができたようだ。



「アーチャ、良く寝れたかい?」


「はい、ラフェルさんやリアーサちゃんとお友達になってきました♪」


「ラフェルはマーシャルの奥さん、リアーサは10歳ぐらいの娘だ。」


アーチャの足りない部分をアリシアが説明してくれる。


「うちの家族も新しい友達が出来て嬉しいと言っておりました。」


マーシャルさんも同意しているようだが、何か昨日と違う対応のような・・・?

まぁ、迷惑をかけているんじゃないかと心配していたが、無用の心配だった用だ。


「今度リアーサちゃんとお買い物に行く約束もしたんですよ~♪」


だが、アーチャは亡命にきていると言う事を覚えているのだろうか・・・


「ヒロ様、大変お待たせしたようで申し訳ございませんでした。」


「マーシャルさん!?」


昨日とうって変わって、豹変した態度に驚き、かける言葉を捜していると、


「昨日、黒姫様へ書簡を提出し、帰ってからアリシアさまとお話させていただいた所、貴方様のこともお聞きしまして・・・

 知らぬとは言え、大変ご無礼な数々。

 平に申し訳ございませんでしたっ!!」


あぁ、アリシアが元魔王ってことを聞いたのか。

それで一応、旦那という立場の俺に対し口の聞き方がなってなかったとか思ったのか。


「いえ、良いんですよ。

 普通にして貰って構いませんから。」


「そうだ!!是非ともお詫びにリアーサをヒロ様の従者にさせていただきます。」


なんか雲行きが怪しくなってきた・・・か?


「いや、良いですから!!

 本当に気にしてませんから。」


「あの子は人族に換算すれば12歳、ヒロ様好みの美少女のはずです!!

 きっと気に入ると思います!!

 きちんと何をされても我慢する様言い聞かせておきますので!!」


ちょっ・・・まって・・・何言ってるの!?


「ちょっ、本当にやめてください!!

 というか、何がどうなってそんな事に!?」


何!?もしかして今朝から一連の流れって・・・俺、そういう目で見られてんの!?


「言っておきますけど、俺ロリじゃありませんよ!!」


「!?」


「!?」


その言葉にマーシャルさんの目が極限まで見開かれ、空気が停止する。

マーシャルさんはその表情のままアリシアのほうへ視線を移す。


アリシアのほうは・・・と見ると、同じように驚きの表情で固まっている。

・・・情報源はこの人か・・・


「あれ?ルナに迫られてまんざらでもなさそうだったし、アーチャを嫌らしい目で見てたのでてっきりそうかと・・・」


本気でびっくりとばかりに確認される。


マーシャルさんはその言葉で、アーチャと俺を見比べていたりする。


「ぜっっっっっっったいに、目覚めてません!!」


なので、きっぱりと言い切る。


「いいですか、アリシアさん。

 俺が好きなのは、最低でも17歳以上の女性。

 やさしくて一本筋が通っている性格なら尚可。

 胸もぺったんより大きい方が好きなんです!!

 ・・・・はぁはぁはぁ。」


・・・はっ、俺は一体何を口走ってるんだ!?


「ほぇ~、ヒロ様後2年待ってくださいね。

 そうすれば私も17歳ですの♪」


この子のことだ、単に年齢がそうなるってだけで他意があるわけじゃないだろう。

ノリでこう言う事を言うのはちょっと感心できないな。

例え17歳になっても、疑惑がまとわり付いてくるから遠慮したいし・・・


「いや、アーチャをそう見る事できないから。」


「ガーン。」


ショックを受けているが、これもノリだろう。気にしないことにする。


「ふむ、エル辺りか。」


今度はアリシアがボソッと呟く。


「アリシア?」


「いや、その条件ならエルあたりをあてがうのが良いかと思っての。

 じゃが、奴の記憶が戻ったからのぅ・・・難しいな。」


妾がなんだと言うのを画策しているんだろう。


「そういうのは相手の気持ちも大事なんだから、勝手にあてがわないの。」


「だが、本人もそう思っておるのだがな。」


「はいはい。」


あのエルがそんな事を考える訳が無いじゃないか。

まったくアリシアときたら・・・


まぁ、確かにエルが彼女になってくれれば・・・

いや、いかんいかん、アリシアの魔の手に乗ってしまうところだった。

ただでさえエルには迷惑を色々かけているのに、これ以上かける訳にはいかないんだからしっかりしないと。


「これだからニブチンは・・・

 まぁ良い。

 今まで考える暇すらなかったろう。

 これから少しづつ考えれば良かろうて。」


魂で繋がっているからかだろうか?こういう時、アリシアは何所まで知っているのか気になってしまう。


「とにかく、今は黒姫様への面会の件についてです。

 どうなったのですか?」


「お・・おう、すまない。いや、申し訳ありませんでした。」


急に話を振られたマーシャルさんが慌てて答える。


「いや・・・何か調子が狂うんで普通にお願いします。」


そう言うと、マーシャルさんは破顔し、


「いやぁ、さすがは時期魔王様、懐が深ぇや。」


おっと、どうやら"魔王の旦那"じゃなく、時期魔王という説明を聞いていたのか。


「えっ!!ヒロ様、魔王様だったのですか!?

 でも人族のような・・・あれ?人族って魔王様になれるんでしたっけ?

 あれ?魔王様ってそう言えばどうやってなるんでしたっけ??」


何か思考が脱線して変な事を考えていそうな気もするが、相手していると終らないだろうから今は無視しておこう。


「あくまでも候補として召還されただけです。

 聞いたのなら判ると思いますが、すでに召喚者から追われる身ですし・・・

 もう候補からすら外れてると思ってますけどね。

 あははははははははは」


どうせ自分でもなる気は無いので明るくいってみる。


「我の力を継いだ以上、逃げられないんじゃがのう(ぼそ)」


アリシアが何かいっているが聞こえなかった。

うん!!まったく聞こえなかった!!


ひとしきり笑い合った後、マーシャルさんが切り出す。


「気に入った!!

 本気でうちの娘を嫁・・・はアリシア様がいるんだったな。

 妾にいらねぇか?


 親の身びいきがあるのは否定できねぇが、聡明で美人で何所に出しても恥ずかしくねぇ。

 考えるだけ考えてくれや。」


笑いながら俺の背中をバンバン叩いてくる。

結構力があるものだから、これが痛いの何の・・・


「はぁ・・・そんな事考えてる余裕無いですし、そもそもロリじゃないんですから・・・」


「まぁまぁ。会うだけ会ってみてくれや。」


押しが強い。

まぁ、またアーチャと遊んでもらうのだし、会うことぐらいはあるだろう。


「判りました。そのうちにでも。」


返事に気を良くしたのか。


「そうか!!じゃ、すぐに来てくれや。」


そう言って俺とアーチャを連れて外に出ようとする。


「ちょっ、黒姫様への面会はっ!?」


「大丈夫、大丈夫。」


マーシャルさんはそう言うと、表に止めてあったアーチャの馬車へ乗り込むと有無を言わせず出発するのだった。

お読み頂きありがとうございました。

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