052 修行中―魔力付与(師匠)
最初はルナから『魔力付与』をコピーした。
エルの方は、コピーした後PCスキル使用可能数が残っているだけコピーを試したいからだ。
だが、この順番きめも一波乱あった。
「じゃ、ルナからコピーしようか。」
と言うと、珍しくエルから
「やはり・・・ロリだったのですね・・・」
と言ってしなを作りつつ崩れ落ちた。
「ヒロ・・・やはりミモザの事も・・・」
って師匠まで俺の事を信じようともしてくれないし・・・
「だから、俺はロリじゃない!!
きちんと考えた結果、ルナに先に覚えさせた方が都合がいいと思ったからだって。」
「でも・・・なぁ?」
「ですよ・・・ねぇ?」
もうそこの2人は俺をどうしたいわけ・・・?
いい加減俺泣いちゃうよ?
しくしく・・・
だが、いつもなら真っ先に茶々を入れてくるミーティアが大人しいな?
と思ってみてみると、顔をにやけさせて『魔法剣』を繰り返し行っている。
・・・相当嬉しかったんだな。
まぁ、俺に被害がないのならいいんだが・・・
ルナも俺に最初と言われたのが嬉しかったのか、にまにましつつ
「そうか、やはりヒロはわらわのことが・・・」
とかぶつぶつ言ってる。
俺はエルと師匠に、PCスキルの使用可能限度数を調べる為にも、先にルナに覚えさせて、残った使用回数でエルに覚えさせつつ、何回コピーが出来るか試したいと説明した。
「そっ、そうですよね。いやだ・・・私とした事が・・・、先ほどの言葉は忘れてください。」
「そうだよな。ヒロはミモザの事を本当の妹のように見ていたものだしなっ。ヒロは大人の女性が好きなのだろう?」
いやまぁ、そうなんですけど・・・そこではいって言っていいものかどうか・・・
なんか怖いから、ここは流しておこう・・・
「とにかく時間が惜しいです。
ルナっ、いいかな?」
そんなこんなでルナにコピーを行った後、エルにも『魔力付与』をコピーし、エルのスキルから持っていないスキルをコピーさせて貰う為にスキルを確認する。
『スキル』(エル)
○短剣術 ○敏捷 ○聖魔法 ○火魔法 ○回復属性 ○指揮 ○家事
いつの間にか回復魔法が回復属性になっている。
エルも訓練を欠かしていなかったんだな。
ありがたく、『短剣術』、『敏捷』、『指揮』、『家事』をコピーさせて貰った。
回復属性をコピーさせて貰うと、回復魔法と回復属性の2つを覚えるんだろうか?
コピーしてみた所
(同じスキルがあります。
上書きコピーしますか? YES/NO)
と言われた。
どうやら同スキルは上書きされるようだ。
スキルが消える訳じゃないから記憶は消えないよな・・・?
おそるおそる上書きしてみたが、問題はなかった。
良かった良かった・・・
ん?そういえば、エルも『聖魔法』はもっているよな?
ちょうど良いから、ミーティアの『聖魔法』も『聖属性』にグレードアップさせておこう。
でないと付与できないからな。
これで今日使ったPCスキルは19回になった。
20回までは間違いなく使えると言う事だろうか。
以前に比べて間違いなく増えているな。
これもスキルの熟練度が上がった為だろうか?
ちなみにPCスキルの熟練度は5まで上がっていた。
2人にスキルをコピーすると、今度は見てもらう順番でまた揉めた・・・
「さっきはルナからだったから、次はエルからな。」
と言うと、
「私がコピーして貰ってなかったから、まずは私からが妥当ではないか?」
師匠が言ってきた。
「いやいや、ここは正妻であるわらわに譲ってもらおうか。」
「正妻はアリシア様だと思いますよ?色々と試したいことがあるので、私に譲ってください。」
また揉めた・・・
「もう、じゃんけんの順番で許してください・・・」
5分ほど揉めた末に、見も心も磨り減った俺は3人にそう懇願した。
じゃんけんの末、師匠→ルナ→エルの順番で見ることとなった。
師匠の魔力付与はほとんど形になっていた。
だが、持続時間がかなり短いのだ。
どういう事だろう?
ミーティアに聞いてみると、
「魔力付与ってそれなりに魔力を使うものだから、絶対的な魔力が足りないのかな?
師匠も魔力は高い人だったから、魔力が足りないとどうなるかって教えて貰った事ないんだよ。
役に立たなくてごめんね。」
ふむ?
と言う事は、魔力が足りないから持続時間が短いのか・・・
師匠を含む獣人族は総じて魔力が低いという欠点はある。
だが・・・付与時に魔力を使う感じはするが、持続中に魔力を使う感じはなかった・・・
なら持続に魔力は必要ないんじゃないか?
念のために自分でも使ってみる。
体を覆う時点では魔力を使っているが、体に留めている間は消費がない。
となると、魔力が足りないと言う可能性は否定されるな・・・
悩みながら訓練を行っていると、エルから提案があった。
「体全体で魔力が足りないのなら、部分だけに絞って魔力付与を行ってみたらいかがですか?」
これはミーティアの意見をそのまま汲み取った上での考えだろうか?
だが、色々な方法は試してみるべきだ。
「確かにその通りだな!失念していた・・・早速やってみよう。」
と言って訓練をしてみた。
「まずは手だけに魔力を付与してみようか。」
師匠が目を閉じ集中すると、肘から下部分が魔力のもやに包まれる。
そして暫く待つがそのもやが晴れる感じは無い。
どうやら問題なく『魔力付与』が成功したと言えるだろう。
手のみ。とか足のみ。と言った各部所限定ではあったが、威力も持続時間も問題なく使うことが出来た。
おめでとう。とハイタッチでもしようとしたが、なぜか頭を胸の辺りに押し付けられた・・・
もしかしてこれは頭を撫でろという無言の催促だろうか・・・
頭を撫でてあげると、他の2人に「ふふんっ」とでも言いそうな顔で見ていた。
いやいや・・・先に使えることが出来るようになったからって、そんなに勝ち誇られても・・・
ただし、残念ながら魔法を覚えていなかった為、『魔力付与』による心身や切れ味の向上は見込めたが、魔法剣を使うことは出来なかった。
魔法を覚えるか聞いてみたが、
「『魔力付与』で一杯の私では属性付与までは無理だろう。
武器に魔力を纏わせる事ができるようになっただけでも強くなった。
ありがとう。」
と、まっすぐに俺の目を見て言った。
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