047 修行開始
かくして地獄の特訓が始まった。
アリシアは俺よりも俺の事について詳しく、最初にこう言ってきた。
「まずはスキルを充実させよう。」
「いや、結構俺ってばスキルを持っていると思うけど・・・」
『スキル』と念じる。
○剣術 ○刀術 ○見切り ○PC ○狂化 ○???? ○料理 ○狼王の加護 ○回復魔法 ○吸血鬼化
うん、現在10個ものスキルを持っている。
たいていの人は4~8個までしかスキルを持つ事ができないのに比べればかなり多いといえる。
「主はスキル上限が無いのじゃろう?
ならば、取れるものは全てとるに決まっておろうに。」
と言われた。
もちろん俺はこれに反論した。
ラスト公とも話し合ったが、何か身体に異常が出るかもしれない。
それにスキルが消失した際、記憶も一緒に喪失するというのが怖いのだ。
「いやいやいや、何かあったら困るんだからね!?
それに知ってるよね?スキル消えたら記憶も消えるんだからね?」
「大丈夫じゃ、記憶の消去なぞ主にしかできん。
それにスキルの習得における身体への影響なぞほとんど無いわ。
せいぜい変態出来る様になったり、精神の変異が起こる程度だ。」
「いや、それ十分に大事ですからね?」
「大丈夫、我はそのぐらいの変化気にせん!!」
うおぅ、精神体とは言え、嫁にそこまで断言されるとぐらっと来てしまう・・・
「それにお主なら大丈夫じゃ。
万が一異常が起こった場合、我が手を回して何とかするからの。」
さらに男前だ・・・
「スキル消去についても、主のスキルでの消去ならば消す事ができるが、大抵の者はスキルが精神の中へ拡散するだけだからの。
大抵スキルが消去されたものは記憶が飛んだとか聞かんじゃろう?」
アリシアが他の皆を見渡す。
「確かにそうだの・・・」とドラゴさん。
「わらわもそうじゃな。」とルナ。
「じゃから他の者はスキル消去されても復活する事があるのだよ。
その点主のスキルは、スキルの拡散ではなく、スキルの消去だからの。
会得しようとした記憶・経験・知識、その全てを合わせて消去してしまうのだよ。」
記憶が飛ぶのは俺のスキルだけだったのか・・・
ならば、偽者と戦う為にも身体を鍛え、スキルを充実させるべきなのか・・・
物思いにふけっていると、ルナがアリシアに問い詰めている。
「今の話をしっかり聞かせて欲しいのじゃ!!
スキルの復活が可能じゃと言うのか?やり方を知っているなら教えて欲しいのじゃっ!!」
スマートフォンを思いっきり振り回してる。
中のアリシアがふらふらになってるぞ・・・?
「ま・・・待つのじゃ、この状態じゃ話せんっ」
その言葉で我に返ったルナは、机にスマートフォンを置きなおした。
「す・・・すまぬ、可能であれば戦力の為にも、それと・・・そのぅ・・・ヒロの為にも復活させて欲しいのじゃ・・・」
顔を赤くしてもじもじと言ってくる。
うんうん、相変わらずルナは可愛いね、せめて後5歳は上だったら真剣に考えられるんだが・・・
「そうか、グリード公はすでに・・・ふむふむ・・・そうだ・・・これでいこう。」
アリシアはなにやらぶつぶつと小声で呟いてる。
少し考えた後、アリシアはすっごく良い笑顔でルナに振り向いた。
「ヒロがおれば全てうまく行く。
これから3人で訓練場へ向かうぞっ。」
・・・・・・なんか嫌な予感しかしないんですが・・・
「さて・・・と」
修練場に入ると、俺とルナが向かい合い、壁にアリシアが立てかけるような位置取りで座った。
「グリード公は吸血鬼化を復活させたいと言うのだな?」
「うむ。」
「復活って、そういや最近ルナは吸血鬼化してないけど、どうしたんだ?」
そう言うと、ルナとアリシアは同時にため息を吐く。
「わらわはヒロを吸血鬼化で下僕にした。
1人の吸血鬼が他人を吸血鬼にする事ができるのは一生に1回といったじゃろ?」
「うん、そういわれたのを覚えている。」
「それは、他人に吸血鬼の因子を与えると、吸血鬼化スキルが消去されるからなのじゃ。」
その言葉にはびっくりした。
「そうだったのっ!?、それじゃルナが吸血鬼化をしないのって・・・」
「うむ、ヒロにあげたからもう出来ないと思っていたのじゃ。」
「なるほどねぇ~、それでヒロがなびいてくれないから、他の男を探す為に吸血鬼化を再度取得したいと言うところか?」
アリシアがすっごく悪い顔でルナに問いかける。
「わらわはそんな女じゃないのじゃっ。
わらわはヒロと決めた。他の男なぞ目に入らぬのじゃっ!!
・・・じゃが・・・いつもロリロリと相手にしてくれんではないか・・・。
もう一度吸血鬼化を使うことが出来るようになれば、吸血鬼化の悩殺ボディでヒロを篭絡するのじゃっ。」
う・・・結構ロリ発言に傷ついてらっしゃたのですね・・・
今度から控えるようにしておこう・・・
「そして事故ではない、純然とした既成事実を作って・・・うふ・・・うふふ・・・」
・・・いや、控えなくていいな。
いろんな意味で危なそうだ。
話を変えよう・・・
「でもどうやってスキルを復活させるんだ?」
「それは主の方がよく知っておるのではないのか?『PCスキル』の事をな。」
そうか、サトリのスキル『サトリ』の解凍のことを言っているのか。
ならば行けるかもしれない・・・
「ルナ、スキル復活させられるのならしてみたい。
その為にはスキルを確認しないといけないんだ。
だから・・・真名を教えてくれないか?」
それを聞いたルナは慌てて、
「駄目じゃっ、真名だけはヒロでも教えられぬのじゃ!!
ヒロが間違いなく我の夫となるのであれば承諾してもよいが・・・」
う~ん、このやり取りは何度も繰り返しているが、ここだけは譲れないみたいなんだよな・・・
どうしようかと悩んでいると、アリシアが声をかけてくる。
「ヒロ、主はスキルを確認しておらぬのか?」
どう言う事だろう?
「そういえばスキルを開いたのは先週ぐらいでしたが、詳細はラスト公のところに居た頃から確認していないな・・・」
周りの皆が頭を抱えているのが見える。
「どうしたんですか?」
「ヒロ、人のことは言えぬが、スキルは熟練度が上がれば劇的に出来る事が増えるのじゃ。
こまめに確認し、その都度戦い方の調整を行っていかぬばならぬのは常識じゃぞ・・・?」
「そう言う事だのう・・・
PCスキルの詳細を見てみよ。
すでに主の熟練度であれば、スキルを見るぐらいは真名が無くとも行う事ができるわ。」
・・・・・・え?
「ルナ、ちょっといいか?」
ルナをこっちに傾けさせ、額をつけて『スキル確認』と念じる。
○爪術 ○見切り ○雷属性 ○闇の加護 ○結界 △吸血鬼化
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