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043 邂逅

「それで偽者をどのようにして捕らえましょうか?」


さすがドラゴさんの片腕だけあって、アクアさんが作戦を立てようとする。


「うむ、偽者はワシに負わされた痛手もあるからすぐには仕掛けてこまい。

作戦も必要だが、まずは個々のレベルアップが必要だろう。」


「確かにそうですね。

 今のまま偽者の前に出ても、ドラゴ様以外使い物になるとは思えませんから。」


ちょっと酷くないか?


さすがに俺も師匠もルナもミーティアも結構強いとは思う。


「まずは個々の力を伸ばす必要がある。

 体術ではヒロもネイルもワシよりは強いが、まだまだだ。

 詳しく言えば、ヒロは魔術を使えるよう、ネイルは獣化を使えるようにならぬば話にならぬだろう。」


師匠は顔を真っ赤にして言う。


「ドラゴ公っ、さすがに貴方様といえど、女性に獣化を勧めるとは・・・さすがに怒りますよっ」


どうやら女性に獣化を進めるのは逆鱗に触れるらしい。


・・・確かにあれを女性がやったら・・・いや、考えるな・・・それは師匠にすっごく失礼な気がする。


「なら獣化せずにそれぐらいの実力を付けよ、でなくば戦力として数える事はできんな。」


「くっ・・・必ず力をつけて見せます・・・」


師匠は負けず嫌いだからなぁ・・・


「俺は以前の牢屋のように修行をつけて貰って構わないでしょうか?

 自分でもやってみたのですが、全然駄目でした。

 色々と確認したい事もありますので、お願いします。」


「うむ、ワシも気になる事があるからな。

 お主が良しとするなら、時間の許す限り手伝わせて貰おう。」


「ありがとうございます。」


それからドラゴさんはエルとルナとミーティアを見渡し。


「勇者よ、お主も今のままでは弱い事をわかっているのだろう?

 修行を行ってみるか?」


ミーティアは一言「はい。」と答えた。


「ネイルよ、勇者と共に鍛錬を行え。

 ネイルにとっては小太刀2刀の動きが、勇者にとってはネイルのトリッキーな動きが互いに勉強となるだろう。」


その言葉に驚いた。


今まで勇者の武器はミドルソードと聞いていた。


だが、今ドラゴさんが言ったのは小太刀・・・


小太刀も刀と同じくこの世界では認識されていなかったのか。


俺の刀と同じく、水の精霊と土の精霊の名を持つ武器が小太刀だったと言うのは何か意味を持っているのか?


これについてもまた疑問が生まれた。



「グリード公よ、お主は魔術制御が課題だ。

 ヒロと一緒に修行をつけてやろう。」


ミーティアはエルに勝ち誇った顔で、「もちろんなのじゃ。」とか言っている。


「王女よ、お主は補助系の素質があるようだ。

 アクアに付いて、学ぶが良い。」


エルはしっかりと前を見た顔で「よろしくお願いします。」と答えていた。


その後ルナに向かって「負けませんからね」とか言っていたが、結構競争心が強かったのか?


ライバルがいるのはいいことだし、いい事かもしれないな。


ドラゴさんの考えでは、それぞれの得意な場所を伸ばし、足りない部分を仲間でカバーするのだろう。


それじゃ、修行の準備の為だ!!と立ち上がったところで後ろから


「ぐ~、きゅるるっ」


という音が聞こえる。


後ろを向くと、エルが真っ赤な顔をしていた・・・


「ふはは。修行の前に飯ぐらいは食って行ったらいいだろう。

 すでに準備は出来てある。

 食堂へ向かうぞ。」


と言ってドラゴさんが部屋を出て行った。


俺は真っ赤な顔で立ち尽くしているエルの頭を軽く撫でると、


「行こうか」


と言って食堂へと向かった。



昼食は飛竜のステーキだった。


竜が飛竜を食っていいのか?という疑問にドラゴさんは気づいたのだろう。


ニヤリと俺に笑うと、ステーキを一口に食べてしまった。


・・・・・ええっ!?


あの・・・ステーキの重さ400gはありそうな分厚かったんですけど!?


隣を見ると、エルが同じ事をしようとして喉を詰まらせていた・・・


とりあえず、背中をさすって水を飲ませてやる。


ドラゴさんはそれを見て笑うと、


「飛竜は竜と付いているが、実際にはただの亜竜で竜族とは猿と人ぐらい違う。

 気にせんで食べていいぞ。」


と言ってくれた。


あと、


「ちなみに竜種はかなり美味らしいが、食ってみたいか?」


と言われたので、丁重にお断りさせていただきました。


隣でエルが頷いていたのには肝が冷えたが、ドラゴさんは「肝が太い人間だ、余計気に入ったわ。」


とか言っていた。


エルの食欲だけは・・・留まる所を知らないのだろうか。




しっかりと昼食をとり、一度家に戻って着替えてくると、同じく動きやすい服に着替えたドラゴさんとアクアさんが俺達を出迎えてくれた。


「それでは、ヒロとルナはワシについて来い。

 エルはアクアと共に隣の部屋に。

 ネイルとミーティアは修練場でうってつけの人物を呼び寄せておいた。

 各自そこでしばらくは修行の日々だ。」


と言って、ドラゴさんは俺とルナを部屋の中に引っ張り込んだ。


「それでは修行を始める。

 ルナは鍛錬方法を判っているな?」


ルナはドラゴさんの言葉に自信満々に答える。


「もちろんなのじゃ」


ドラゴさんはルナの返答に満足そうに頷くと、俺のほうを見て、


「ヒロはこの前の鍛錬を覚えているな?」


「はい。」


「ならば導いてやる。

 己の魔力をしっかりと感じて来い。」


そう言って以前と同じように、俺の背中に右手を添えてきた。



座禅の形を取り、身体全体に意識をめぐらせる・・・


すぐに以前の感覚が沸き起こってこないが、あせらず、じっくりと意識をめぐらせていく・・・


すると、一人の時は全然出来なかった意識の奥底に光を感じる事ができた。


光の通路を降り・・・


目の前に光がある位置まで来る。


以前はここで話しかけられたんだよな。


びっくりして集中が途切れてしまったので、今度はしっかりと集中し、心を平静に保つ・・・


・・・ゴクリッ


そして光に手を触れる・・・


『今度はしっかりと己を保っておるようじゃな。関心関心。』


以前と同じように女性の声が語りかけてきた。


多少驚きはするが、今度はしっかりと光と見詰め合う事ができた。


「貴方は何度も俺を助けてくれた声の主ですね?」


『うむ、そのぐらいは覚えておったか。』


「いや、そのぐらいって・・・

 命を助けて貰ったんです。しっかりと覚えていますよ。」


『ならば、我と始めてあった時の事も覚えておるのか?』


微妙に声に楽しそうな響きが含まれる。


「もちろんです。

 ラースさんから譲り受けた魔剣にのっとられそうな時に助けてくれましたよね?」


『いや、その前からじゃがのう。』


その前・・・


えっと・・・何かあったかな?


喉の奥に引っかかったように思い出せない・・・


『ふははっ、やはり忘れてしまったようだな。』




お読み頂きありがとうございます

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