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032 エンヴィー公と驚きの再会と

「ヒロ、準備はいい?」


「大丈夫だ。ルナ、よろしく頼む。」


「じゃ、行くわよ・・・」


以前と同じように俺は頭までフードを被り、ルナに手を引いてもらって検問に向かう。


相変わらず自分が犯罪者のようにしか思えない・・・だが、検問を通るには我慢我慢・・・


俺達の順番が回ってきたようで、門番がルナに話しかける。


「グリード公様ですね。お疲れ様です。

 本日はどのようなご用件でしょうか。」


「今日はプライド公へ用事が合って参ったのじゃ。

 プライド公はおるかの?」


兵士は顔を見合わせると、


「大変申し訳ございませんが、プライド公は所要で明日まで戻られないご予定になっております。

 エンヴィー公でしたら執務室におられますが、エンヴィー公へご挨拶なされますか?」


ルナは少し考えた後、


「そうじゃな、まずはエンヴィー公へ挨拶するのが礼儀じゃろう。」


「かしこまりました。ではエンヴィー公へ使いを出しましょう。」


片方の門番が詰め所の方へ向かうと、もう片方の門番が今度は俺に視線を送ってくる。


「こちらの方は?」


「わらわの眷属じゃ。」


それだけで察したのだろう、さすがに首都の兵士のようだ。


「そうでしたか、それはプライド公へも早くお伝えしたいでしょう。

 戻り次第に連絡が入るよう伝えておきましょう。」


「そうしてくれると助かるのじゃ。」


「ご連絡はどのようにお入れいたしましょうか?」


「プライド公へ伝えてくれれば魔力通話ができるじゃろう。それで構わん。」


「かしこまりました。では、どうぞお通りください。」


以前もミーティアから言われたことがあるが、魔力通話とはなんだろうか。


一息ついたところで聞いておくとしよう。


兵士に通され、そのまま領主館へ向かうのかと思ったが、まずは城下町の喫茶店へ入っていった。


ルナにすぐ向かわないのか確認した所、魔力通話で連絡がくるまでは時間を潰すのがマナーだそうだ。


ちょうどいいので分からなかった部分をルナから聞いておこう。


昼を少し過ぎた時間だったが、遅めの昼として、ルナはサンドイッチを、俺はドリアのようなものを頼んだ。


「聞きたい事があるんだけどいいかな。」


「うむ、エンヴィー公の事じゃな?」


「それもだけど、魔力通話って何だい?」


「ふむ、元の世界には無かったのかの。

 人それぞれ魔力の波形が違っておるのは知っておるか?」


「聞いた事がある。だからこそ、詠唱や魔法の形は人それぞれ違っていると、エルに教えて貰った事があるよ。」


「その波形を記憶し、波形に合わせて念話を飛ばす魔道具が合っての、その魔道具を使う事を魔力通話と呼んでおる。

 一方的に内容を送信するだけじゃが、手紙よりも早く正確に伝えられるので、便利じゃぞ。」


説明からすると、日本でのメールのようなものか、


「拠点にもあったと思うが、リビングの端においてあった機械が通話魔動機じゃぞ。」


どうやらリビングの端にあった、前衛的な造詣のオブジェはただの観賞用じゃなく、電話だったようだ。


「今度使い方教えて貰っていいか?」


「うむ、わらわに任せるがいい。」


かなり誇らしげに胸を叩く。


頼られるのがかなり嬉しいようだ。


「あと、エンヴィー公についても説明しておいた方が良いじゃろ。」


「そうだね、エンヴィー公って大公の1人なんだろ、何故プライド領にいるんだ?」


「結論から言うと、エンヴィー公はプライド公の右腕のような存在なのじゃ。」


「同じ大公なのに?」


「うむ、大公と一口に言っても、この国はラース派とプライド派に分かれおるのは知っておるな?」


「そのぐらいは。」


「それと言うのもこの国は、ラース公が内政を、プライド公が外政を担当しておると言う風に、ほぼ2つの大公家が国を動かしておると言っても良い。

 そうなれば、他の大公家は大きな家の庇護に入ろうとするじゃろう?」


病院の内部抗争みたいなものか?


古い映画だが、白き巨塔とかあのあたりが思い浮かぶ。


「2つの派閥争いがあって、どっちの派閥に属するかって奴か。」


「おぬしの世界では派閥・・・というのか。まぁ、そのような争いもあって、7大公とは言えども大きくは2つの大きな大公とその派閥とやらに組み込まれる、5つの大公と思えば良いのじゃ。」


「なるほど。それで以前ルナはプライド派って言ってた訳だな。」


「そういうことじゃ。

 中でもエンヴィー家はプライド家を代々支える家系でのう、今代のエンヴィー公はプライド公と男と女の間柄であって、更に密接な関係なのじゃ。」


「そりゃ・・・確かに。」


「なので、プライド公へのお目通しはイコール、エンヴィー公へのお目通しでもある。」


「じゃらか、今回のようにプライド公不在でもエンヴィー公がおった場合は、まずエンヴィー公だけにお目通しする必要があるのじゃ。」


「なるほど、色々分かったよ。ルナありがとうな。」


「ふん、お主はもっと色々な事をわらわに聞いてくるとよいわ。」


「そうさせて貰うよ。」


「と、出来上がったようじゃな、食べようかの。」


ウェイトレスさんがルナのサンドイッチと俺のドリア(のようなもの)を運んでくる。


ドリアは焼きたてのようで熱々だ。


口の中をやけどしないようにっと・・・・・はぐっ


あちちちちっ、とろけたチーズが口の中に熱さを伝えてくる。


中身はカレーピラフのような物だが、これがまたチーズとよく合う。


ふと視線を感じて顔を上げると、ルナがうらやましそうな目で見ている。


はふはふ言いながら食べてるのが相当美味しそうに見えたようだ。


「ドリアとはそんなに美味しいのかえ?」


と聞いてくる。食べた事が無かったようだ。


半分こを提案すると、すぐに提案に乗ってきたので、ドリアをルナに渡し、サンドイッチを食べる。


レタスとトマトと鶏肉?が挟まった定番のサンドイッチで、瑞々しい野菜を使っているのか、こちらもまた美味しい。


2人共夢中になって食べていたが、ルナが一旦スプーンを置き、話しかけてくる。


「今念話が入ったのじゃ。

 エンヴィー公が会ってくださるようなので、これから向かうぞ。」


そう言って、残りを急いで食べようとするが、まだ熱かったのか口の中を火傷したようだ。


「そんなに慌てないで大丈夫じゃないのか?

 直後にすぐ来るとは相手も思って無いだろうし。」


「ふむ、それもその通りじゃの。

 せっかく美味しいものじゃ、味わってから向かうとするかの。」


俺達はしっかりと食べ終えると、代金を払い店を出た。



ルナの案内でプライド城へと向かい、門番に案内されると、1つの執務室へ通された。


「失礼するのじゃ。」


「失礼します。」


「待っておったぞ、流石にグリード公と一緒に来ると思っては無かったが、お主が魔王を継ぐものだな。」


「ヒロ、やっと来たか、待ちくたびれたぞ。」


そこにいたのは以前あったこともある青い髪のグラマラスな美女。


耳の辺りには鱗のような物があることから、彼女が水棲族の大公エンヴィー公なのだろう。


そしてその横には見知った犬耳の女性がいた。


「しっ・・・師匠っ!?」



お読み頂きありがとうございました。



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