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014 弟子入り

それから5日間。エルが目覚めるのを待ちつつ、兵士に混じっての訓練や、ラスト公に協力して頂いてPCスキルの研究等を行っていた。


------------------------


ラスト公から、

「筋肉痛など基礎がなっていない証拠、何かあった時筋肉痛を言い訳にするのかい。学ぶ所はたくさんあるだろう、兵士の訓練に加わると良い。なぁに数日位、君達をかくまう事はできるさ。」

と言われ、言い返すことが出来なかったのが訓練の始まりだ。


身元を明かさない為に新兵として訓練に加わり、

倒れるまでしごかれる→回復術を掛けられる→再度しごかれる。を3日は繰り返しただろうか。

訓練に加わるといった自分を殴り殺したくなった頃には、しごかれても倒れる事がなくなってきた。


もちろん1、2日目は地獄の筋肉痛が待っていたが、3日目からは筋肉痛も起こらなくなってきた。


余談ではあるが、回復魔法は俺が考えていたような物ではなかったらしい。

体全体が光に包まれると、体が熱くなったように感じたが、ラース公の時のような激痛が体中を廻る事は無かった。

ラース公のは術といいつつスキルの一種で、死んでいない限りどんな状態でも治せる分、反動が恐ろしいらしい。


4日目からは基礎訓練を行っても時間が余るようになってきたので、模擬戦闘を行う事ができるようになってきた。


獣族の戦い方は突剣を使ったスピード重視だったが、俺は自分の戦い方を伸ばすべく、木剣を用いて訓練に加わった。(木刀が欲しかったが、無かったので剣で行くことにした。)


訓練終了時刻まで、俺は負け無しの状態で模擬戦闘を行った。


そして今日は目の前にごつい方々が立っている。


昨日あまりにもかけ離れた動きをしていたのを見咎められたようで、「今日は我々と相手して貰おう。」と言ってきた方々は、普段しごく側に立っていた方々だった。


結論からすると、現在20連勝突破である。

周りからは「基礎でへばっていたへっぽこなんて言ってたのは誰だよ。」なんて声まで聞こえる。


「やるな、新入り。次は私と手合わせしてみないか。」

俺が調子に乗り始めた頃、犬耳の女性が俺に勝負を申し込んできた。


断る理由が在るはずなく、決闘を開始した。

結果、5秒とかからずに俺は地面に膝をついている。


信じられなかった。もう一度、今度は俺の方からお願いして手合わせして貰ったが、結果は同じく5秒ともたなかった。


周りは歓声に包まれているが、女性は調子に乗った感などなく、ごく当然のように

「新入り、君の動きは目を見張る物がある。

 まともに手合わせをすれば、私の方が負けるだろう。

 だが、動きが直線的過ぎる。

 私のようにトリッキーな動きで相手を翻弄する者であれば、君に勝ち目はまったくないだろう。

 逆にその点を改善できれば、君に勝つ事はおそらく魔王ですら難しいだろう。」

と言われ、更に

「君に異論さえなければ、明日から直接稽古をつけてやろう。

 新入り、名はなんと言う。」


「ヒロです。」


「ヒロか、聞いたことがないが良い名だ。

 皆の者良く聞け。今日よりヒロは私の弟子とする。

 ヒロに関して何か意見や手合わせの希望がある際は、師である私を通すように。」


他の皆が異論を挟まない事を確認すると、


「ヒロ、異論は無いようだ。

 私のことを以後、師匠と呼ぶがいい」


「はい、よろしくお願いします。師匠」


あの動きは今まで見た事も無かったし、勉強になる事は多いだろう。

後でラスト公へも報告しておいた方が良いな。


----------------------


スキル『PC』についても、ラスト公やサトリの協力のおかげでかなり把握する事ができた。


人聞きは悪いが「人体実験」を行う事ができたのが大きい。


最初は自分を実験体として、ラスト公の『獣化』スキルをコピーさせて貰った。

獣化は獣族の中でも限定された者のみが持つスキルで、人族にでもコピー出来るか。とか、発動出来るのか。と言う事で選ばれた。


コピーはスムーズに行えたが、発動しようとした時、

[エラー発生。エラーコード10によりスキルの発動が行えませんでした。]

という文字が出てきたり、『削除』しようとした時にラスト公から、

「『削除』を行った時、私の中で何か喪失感があった。デメリットをきちんと調べずに行うのは危ないのではないか。」

と言われ、まずは他人相手にスキルを使用し、きちんと把握した上で行うという結論に至った。


軍機違反で処罰待ちの兵士や、「何があろうと、ラスト公のお役に立つならば」と志願してきた兵士相手にスキルテストを行う事となった。




まず、『コピー』に関してだが、結構チートなスキルだった。


スキルに関しては人それぞれ容量メモリーが決まっているらしく、大体4~8個の容量が一般的のようだ。


また、コピーは出来るが、体質によって使用不可や使用できても負担が大きいというデメリットもあったようだ。

使用不可は、俺のようにエラーコードが出ると言う事はなく、ただ『詠唱』が浮かばないという形だった。


熟練度においては、コピー元と関係なく、全て1からになるようだ。

中には例外もあり、コピー元の熟練度1に対し、最初から熟練度5を持つ者もいたので、資質によって変動が有るのかもしれないと考えられる。


容量を超えてコピーさせようとすると、エラーメッセージが出てこれ以上コピーする事ができないと分かる。




次に『削除』に関してだが、こちらはかなりのデメリットが発見された。


ラスト公は「幼い頃に封印された。」と言っていたから、影響がほとんど無かったと言えるのかもしれないが、


処分待ちの兵士が持っていたスキル『突剣』熟練度2 を削除した時、

兵士は突然頭を押さえてうめきだした。

それが5分は続いただろうか、兵士は起き上がると、『突剣』に関わる全ての記憶が消えていた。


扱い方や体の動かし方ぐらいなら良いだろう。

だが、突剣を教えてくれていた人や戦争での経験、果ては軍に所属していた記憶が殆ど失われ、自らの空白の記憶に恐れを抱いていた。


兵士には可愛そうだが、スキルとしての『突剣』を失うのではなく、突剣に関わる全てが消えるのだと判明する事ができた。


新しく、『突剣』スキルをコピーで貼り付けてみたが、それでも失われた記憶については戻る事が無かった。


俺は『獣化』を『削除』することにより、何を失うのか予想も出来なかったので、スキルはそのままにする事にした。




スキルの容量に関してだが、ふと思いついて『プロバティ』と念じてみたら事前に確認する事が出来た。


プロフィールが丸裸という感じで

名前・種族・年齢・身長・体重・属性・スキル・習得可能スキル数

等が分かった。


他にもいくつか見ることができたが、その辺は心の中に秘めておく事にする。




『解凍』については、スキルを封印されている兵士はいなかったが、

『圧縮』でスキルを封印と同じ状態にし、『解凍』で元通り使う事ができる事を確認する事ができた。




『ダウンロード』については、数の決まっているスキル枠をむやみに埋めるのは得策ではないと言われ、

試すまでもないという結論に至った。



こっそり自分の『プロバティ』を見たら、容量制限は無かったけど、空気を読んで言わないことにした。


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エルについては、毎日ミモザと一緒に様子を見ているが、一向に目をさます気配は無い。


医者によると、「魔剣の類に寄生されていたのであれば、ひと月眠る事もざら」だそうだ。


俺はエルに聞きたいことも、言いたい事もある。


ラスト公には迷惑を掛けるが、エルの目が覚めるまでもうしばらくお世話になろうと思う。

今回は主人公のおだやかな日常の一コマとなっております。

説明が多く、あまり日常になっていないとしたら、作者が未熟なせいと思ってください。

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