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012 スキル考察①

砕かれた短剣は光の粒となって消える。


ドサッ

同時にエルの体が意識を失ったように崩れ落ちた。


「どうやら魔剣の類に寄生されていた可能性が出てきたな。」


銀狼から声がする。

助けてくれた事には変わりなさそうだが、いきなり出てきた銀狼に対し警戒を解くわけにはいかない。


「おっと、魔王よ大丈夫だ剣を下ろしてくれたまえ。」


良く聞くとラスト公の声のようだ。


「獣化というスキルを使ってな、制約はあるが一時的に身体能力の上昇を可能とした。

 先ほどまでと姿が違うのは、副作用とでも思ってくれたまえ。」


とりあえず、倒れているエルを介抱しようと近づくと、銀狼状態のラスト公とミモザ・サトリが近づいてくる。

エルの様子を見てみると、息はある。どうやら意識を失っただけのようだ。


ラスト公は俺の肩にそっと前足を沿え、首を振る。


「魔王よ、可愛そうだが彼女は魔剣によって操られていた可能性がある。

 もちろん違った可能性もあるが、状況と証拠によってほぼ間違いないだろう。

 彼女の名を知っているのであれば、スキル確認によってある程度分かるかもしれない。

 やって貰えないだろうか。」


俺は頷くと、エルの額に額を当て、『スキル確認』と念じてみる。

・・・

が、何も表示されない。

もう一度『スキル確認』と念じてみるが何も起こらない。

様子を見て分かったのだろう。


「陛下、『スキル確認』は名前を知っている物にしか効果は現れません。

 どうやら偽名を使われていたようですね。」


サトリが残念そうに言ってくる。


名前を教えてくれたのはラースさんだった。

ラースさんも騙されていたのか、それとも知った上で俺に違う名前を教えたのか

疑問が色々と湧き出してくる。


「彼女は一時的に収容させていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。」


ここは目が覚めるまで待っていたいが、いつ目が覚めるか分からない。

起きてまた暴れる可能性も考えると、おとなしくお願いした方がいいだろう。


「分かりました。ですが、目が覚めたらすぐに教えて貰ってかまいませんか。」


これだけは譲れない。

ラスト公も分かっているのだろう。「そのように手配する。」とすぐに返事が返ってきた。


エルの搬送や、俺達の処遇。

部屋の準備やその他もろもろを兵士に言付けていたラスト公が俺達の方へ戻ってくる。


「サトリのスキルの事も含め、色々と聞きたいことがあるが、今日は私の方もリミットが近づいてきていてね、

 客間を2つ用意しておいた。今日の所はそこで休んでおきなさい。」


と言って、サトリと2人で部屋の外へ歩いていった。

いつまで銀狼の姿でいるんだろう?と疑問に思ったが、リミットとやらが関係しているのだろう。


俺とミモザは案内してきた兵士に連れられ、隣通しの部屋に案内された。


-----------------------


風呂に入り、ご飯も頂いた俺は1人部屋で考え事をしている。


今まで流されるままにやってきた。


一つ一つ今までの事を整理しておくべきだろう。


まず、この世界に召喚され、俺の目の前にいたのが『ラース公』と名乗った飛天族の女性。

俺に詳しい説明も無く、広間に連れて行き、俺の事を『魔王』と紹介した。

その時、その場にいた人達は誰一人として俺の事を認めてくれなかった。


その後何故かラースさんが『グリトニー公』(おっちゃん)と口論をし、俺がおっちゃんと決闘をする事になったんだよな。


ラースさんから武器を貸してもらい、おっちゃんとの決闘中に俺は俺じゃなくなった。

エルの反応からすれば、『狂化』というスキルが関係している可能性があったが、もう1つの可能性が出てきた。

エルと同じく、武器に操られていた可能性だ。


あの時は女性の声に助けられ、武器を破壊して意識を回復できたが、あのままだったらどうなっていただろう。


あの後、誰だったのか見回してみたけど、女性はラースさんしかいなかったんだよな。


決闘後、ラースさんから侍女として『エルガリーテ・ウェンディア』を紹介された。

偽名だったみたいだけど。


最初は食事の用意の時にエルがお腹鳴らしたんだっけ。

食いしん坊だけど、あの後からずっと俺と一緒にご飯を食べるようになったっけ。


次の日には筋肉痛で動けなくなったんだよな。


ラースさんの『治癒の術』とやらで直して貰ったんだけど、あれが痛いの何の。

なんて拷問とか思ったっけ。


おっちゃんは誓約に則って俺に降り、『名前』を教えて貰った。

良く考えると、俺はラースさんの名前を知らないんだ。


その後、他の大公にも『魔王』と認めさせるよう旅立つ事を頼まれた。

魔王とかどうでもいいが、召喚の際、命を助けて貰ったからその恩義に位は報いようと思ったんだ。


ラースさんの弟とボロとエーラ。3人とエルを加えた4人と共に旅を始め、最初の日にミモザを含む少年達を助けたんだ。

そういえば3人とも『名前』は教えて貰っていない。


その夜に野党の襲撃があり、俺とエルとミモザだけが命からがら逃げる事ができた。

あの女性の声から警告を受け、起きていなかったら部屋にいた族に殺される所だったんだ。


なんとか首都ラストへ着くと、今度はミモザ村の襲撃犯として逮捕され、最後にはラスト公と一緒にエルと戦う事になっていたんだ。


・・・きちんと考え直してみると、俺ラースさんから信用されてなくね?


これは明日、エルにきちんと聞いてみないといけないな。


そういえばスキルに関しても新しい事実があったっけ。


詳細を見れば、以前謎だったスキルの事が少しは分かるかもしれない。


『スキル』


○剣術  ○刀術  ○見切り  ○PC  ○狂化  ○????  ○料理  ○狼王の加護


なにか1つ増えているな・・・・なんだろう。

今度は『詳細』と念じてみる。


○剣術-剣術に熟練した者が得られるスキル。剣を装備した時、肉体の動きをサポートする。 熟練度6


○刀術-刀術に熟練した者が得られるスキル。刀を装備した時、肉体の動きをサポートする。 熟練度8


○見切り-刀術に精通する事で、敵の動きを知覚しやすくなる。 熟練度5


PCパーソナルコンピューター-PCの各種機能を使用する事ができる。 熟練度2


○狂化-攻撃力・体力・回復力を数倍に増加させる事ができる。但し、スキル使用中は激昂状態となります。※熟練度5以下では制御できません。 熟練度7


○????-???? 熟練度2


○料理-各種レシピ、調理器具の扱いに長けた者が得られるスキル。調理時の動きをサポートする。 熟練度3


○狼王の加護-狼王族と半径5メートル内にいる場合、回復力向上・肉体強化の効力を得る。 熟練度1


剣術、刀術、見切り、料理については大体思っていた通りだな。


PCってまんまPCスキルだったのか。でもこの世界ってPCを見た事はない。

名称からすると、『ダウンロード』や『展開』とかはPCスキルの一部のようにも思える。

この辺は明日ラスト公やサトリさん(味方と判断したので敬称を戻しました。)と相談してみよう。


狂化は制御する事ができると言う事なのだろうか。

でもあんな状態になるのは2度とごめんなので、どうしてもと言う時にならなければ封印しておいた方が良さそうだな。


狼王の加護って、この前は見なかったよな。

そういえば、ミモザからネックレスをもらった時につい『ダウンロード』を行ったんだよな。

あの時のスキルがこの狼王の加護なんだろうか。

害は無さそうだし特に気にしなくても大丈夫だろう。



「・・・・・・ふぅ」

ついため息が出てしまった。


まだこの世界に来てたった5日しか経っていない。

それなのにこれだけ色々な事が起こってはため息の1つも出るだろう。


だが、色々と整理する事はできた。


そろそろ眠気も降りてきたし、寝るとするか。


 コンコン


扉のノックが聞こえる。なんだろうと思って開けると、そこにはミモザがいた。


「お兄ちゃん、一人じゃ眠れないみたいなんだ。一緒に寝ていいかな。」


上目遣いにお願いされる。

俺もそうだが、ミモザも色々とあった。

今日ぐらいはいいだろう。


「おいで、一緒に寝ようか」というと、ミモザをベットに引き入れ、暖かな温もりと共に眠りに落ちた。

お読みいただきありがとうございました。


スキル『狼王の加護』は馬車で移動中(筋肉痛中)にダウンロード完了されていました。

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