パート1
「うわああああ!!!死ぬ死ぬ死ぬ!」
ドスン、ドスンと後ろから後を追いかける生物がいた。今はその怪物といったほうがいい生物に追い回されていた。その怪物もよく本に書いてあるような肉食の恐竜・T=レックスに似ていた。T=レックスはその生きていた時代最強と言われた肉食恐竜だ。
「もうだめだ~!」
あきらめた瞬間不意に足音が止んだ。見るとT=レックスのあまりの大きさのあまりにつるにからまって身動きが取れなくなっていた。
「いまだ!」
いままでどこかに隠していたエネルギーを爆発させジャングルから逃げた。
「うは~想像以上にきついな~この星は」
ここはゲームの世界。なぜゲームの世界にいるのかというと2050年、カメコンが新発売したリアルバーチャルシステム式ゲームの新発売のゲームのせいだ。このゲーム、本来は家の4畳ほどの空間に擬似空間を作り出しまるで本当にゲームの世界に入ってしまったのかと言う感じになる。しかしこのゲームは欠陥があった。
かぎりないリアリティーを追求しすぎて、肉体を置いて2次元の世界に入ってしまう現象がこのゲームをプレイした人の50%がゲームの世界に入っていってしまった。
その50%に見事にはまってしまったのがオレ…達也だった。
達也の目標はひとつ。このゲームの世界から脱出すること。それにはこの世界のどこかにあるだろう時空のねじれを見つけ出しその中に入ること。それを安全にかつスピーディーにやるために同じように肉体を置いてきたプレイヤーを探していた。
しかしゲームと入ってもやたらと広い。地球と同じように広い星が何十個とある。しかも肉体を置いてきたプレイヤーは発売日初日に遊んだプレイヤーの中の半分。そんな中で探してどれだけ時間がかかることやら。
達也はがっくりと肩をおとした。
「どっかにいないかな~!」
町の広場の隅々まで聞こえる声で叫んだ。だが気にしない。どうせコンピューターだ。
しかし予想外の反応をするのがいた。
「うるさいぞ!そこのプレイヤー。オレはもうここから出られなくて失望中なんだそっとしておいてくれよ」
「ん!?ひょっとしてお前も?」
見るとかなり大柄な男だった。身長はまだ15歳の達也で170cmあったがそれよりも頭2個分ぐらい高いからきっと2mあるかどうかくらいだろう。この世界のプレイヤーは巨大なモンスター…例えばさっき襲われたT=レックスに似たような恐竜に対抗するために皆武器を持っている。みると大柄の男は武器の中でもっとも重いが強力な一撃を放つハンマーと言う種類の武器をつかっていた。一方達也は1番扱いが簡単な小剣を使っていた。
おもいきって達也は大柄な男に話しかけてみた。
「あの~すいません。突然ですがパーティになってくれませんか?」
「アン!?いいよ、なってやるよ!オレだって早くこんな世界から出たいんだよ!」
「え?マジでいいのおっさん!ありがとな!」
おっさんそういうと少し眉を動かして
「俺の名前はおっさんじゃねぇ!ペンパーだ!ペンパー!」
「な!おっさん外人だったのか~」
「だからおっさんじゃねぇ、ペンパーだ!それにペンパーってのはここのハンドルネームだ。本名なわけないだろうが」
あ…そっか馬鹿正直に本名をミドルネームを書いてるのって俺だけか…。
「と、とりあえずよろしくな、ペンパーのおっさん」
握手をするために手を出した。それに答えてペンパーも握手をした。
「おい!寝てねぇでおきて働け!」
「あ…んせっかくいい気持ちで寝てたのに~今何時?」
「ここには時間はねぇだから年もくわねぇ…ってこの前も言ったよな!」
このごろは出会ったばかりのペンパーとはかなり印象が変わっていた。であったときは少しいかれ気味のおっさんと思っていたがかなりの慎重で石橋を叩いて渡るタイプだと知った。
そしてこの世界で生きていくためにもやはり金がいる。そのためになにかクエストを受け、目標を達成しギルドから正確に報酬金をもらう。そのお金から食費などをだし生活していく。いくらゲームといえどもリアルさを売りにしたゲームだ当然腹も減る。
その金をすべて管理しているのもペンパーだった。確かに15歳の子供にお金の管理をさせるほうが無理だと思うがそれにしてもしっかりしていた。このゲームではモンスターを倒し、そこからお金をもらう。そのお金からさらに強い装備をつくりさらに強いモンスターに挑んでいく…という流れなんだが、ペンパーは、なかなか装備の強化を許してくれなかった。
そのため、なかなか強いモンスターと戦えず、いつも初心者が狩るような難易度の低いものばかりをやっている。達也には何を考えているのかが想像できなくなっていた。
「よし!装備の強化を許す!」
「え…マジか!ペンパーおっさん!待ちに待ったぜ!」
最近は「ペンパーのおっさん」ではなく「ペンパーおっさん」とつなげて言うようになった。でもペンパー自身は「ペンパー」とは言っている呼び名なら何でもいいようだった。
「だが強化する先はオレが選ぶ」
「ええ~そんな~」
床に手をつき土下座の格好をしてたのんだ。
「お願い~!オレに選ばせて~」
「ごちゃごちゃいうんじゃねぇ!この世界で死んだら本当に死んでしまうんだぞ!だから命と同じように武具は大切にしなきゃなんねぇ。わかったな?」
「うう~はい…」
近頃は師弟関係に似たようなものが芽生え始めていた。この師弟関係に似たようなものを達也はやばいと感じていた。この師弟関係に似たようなものをいち早く壊さなければ…と思っていた。
達也が使っている小剣という種類の武器は、扱い易い武器だけでなく、強化させるための素材・お金と共にほかの武器より少なかった。なので強化させるためには比較的早くそのためのお金が集まるのだが、なにせ二人分の食費と低ランクのクエストしか受けていなかったせいでお金はかなり切り詰めていた。
しかしそれにも…だいぶ時間がかかったな。もうお金は十分なはずなのに…。
「まあいいや。いまは強化、強化」
少し鼻歌交じりで加工屋に自分の使っている小剣を渡した。しかしそこはゲーム。いくらリアリティーを売りにしたゲームといってもひとつしかない武器を取り上げ、その上、何日も待たせるという工程は省いてくれていた。なのでほんの一瞬で強化は終了した。
「よし、強化は終了したようだな」
そういって一枚の長細い紙を渡した。
「ん?なんだこれ?」
見ると何かのチケットのようなものだ。
「あとこれも」
こんどは手帳のようだった。そこにはいつとったのかわからないが達也の顔写真がはってあった。
「この二つなんなんだ?」
「こっちの紙はこれから向かう星にいくためのチケットだなくすなよ」
「ちょ…違う星に向かうのか?」
「ああそうだ。そしてこの手帳が異星滞在免許証。これはもともとこのゲームを始めたときにあるはずなんだが、俺たちのように肉体を置いてきたやつらはこれを発行しなければならなかったからな。少し時間がかかった」
「その時間を使っていろいろなクエストをやっていたのか…」
「おっとそろそろ船が出るぞ」
そういって船着場に向かった。
「おい!何で船なんだ?船で空は飛べないぞ」
「何いってんだ!ここはゲームの世界だぞ!なんでもありなんだ!いい加減理解しやがれ!」
「は、はい…」消え入りそうな声で返事をした。
そして船に乗り、ゆっくりと上昇していった。
え~この作品は趣味で作ったものです。読んでつまらなかったらごめんなさい。