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地獄行きは嫌なので神界の社畜になりました~福利厚生を使い倒して異世界出張旅を満喫します  作者: 月渚


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11. 王都出発

 

 私とグレスは、暗黒神の補佐エレボス様の補佐……長いので暗黒神のパシリ……の、ミナトと白ヘビのユーリに途中まで同行することにした。

 旅は道連れ、と言うし私はまだ新人なので同業者とご一緒できるのは心強い。



「ところで、えっと莉子さんだったか? 凄い荷物だな」

「莉子でいいよ?」

「わかった。俺もミナトで構わない」

「了解。で、ミナトは荷物少ないね? どうしてるの?」

「もちろんインベントリに入れてる」

「イ、イ、インベントリ!? 伝説の無限収納!」

「は? 伝説なわけないだろう? 空間神様に申請すれば貰えるのを知らないのか?」


 申請式……!?

 ズルい!

 旅に出る前に教えてよ!


「知らなかった……」

「無限じゃないけどマジックバックならここでも売ってるぞ?」

「えっ! うそ! 無限じゃなくていい、時間も止まらなくてもいいから荷物軽くしたいよ」


 ミナトは二階にある旅行用品の店まで連れてきてくれた。

 私のあまりの必死さに可哀想になったわけではない、と思う。



「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

「マジックバックはありますか」

「この辺りがマジックバック仕様になっておりますね」

「へぇー、色々あるんですねー、コレとかお洒落で可愛いかも」


 明るいブラウンの革製の斜め掛けバックで、肩紐が太くて体に馴染みやすそうなデザインの物を手に取った。


「そちらですと、白金貨六十枚でございます」


 六千万!!


「あ、ちょっと無理です……もう少し安いのあります?」


 店員さんが布製の手提げ袋を持ってきてくれた。

「こちらですと、白金貨三枚と金貨八枚ですね」


 約三百八十万……高い。

 あと十年くらい働かないと無理かも。


「ですが……レンタルでよろしければ、そちらの革製の物でも、五十年で銅貨五枚でございますよ」


「はい?」


 50年レンタルで500円?

 いや、ちょっと意味がわからない。


「それ、レンタルにする意味あります?」

「皆様は寿命がございませんからね。それにワタクシどもは、皆様方にお貸ししているというだけで利になりますので」



 たしかに。神に直接繋がるようなものだもんなー。


 もちろん私はそのバックをレンタルして、ようやく身軽に旅を出発させることができた。



 私の首には白ヘビ、ミナトの肩には鷲が乗っている。


 私は城壁の外からもう一度振り返って遠くに見える城を目に焼き付けた。


 またいつかゆっくり来られるといいけど。




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