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殺し屋JK、ターゲットは父親でした。  作者: 椿原菜湖
殺し屋JK、ターゲットは父親でした。大磯編
92/93

84武蔵野警察署


キキィィィ!!



「ふぅ」

バイクを走らせて、新しいアジトにたどり着いた。

「お兄さん飲んでかない〜?」

「あーすいません大丈夫でーす」

新宿ゴールデン街は飲み屋やバーが立ち並ぶ裏路地のようなところ。特に若い女性や、酔っ払った男性が多い。

女性からの誘いを適当に断って、さらに狭い路地裏に入った。そして、ボロ臭いアパートの一室のチャイムを鳴らした。



ピンポーン



「はい」

「コアだ。開けろ」

「はいよ」



ガチャ



「よっ」

「遅かったな。もう片付け終わりそうだよ」

「ごめんごめん」

アルチュールが玄関の扉を開けてくれた。俺はお辞儀をしながら地下に続く階段を降りた。

「ここも久しぶりに来たな」

「だな。でも、モクは何回か来てるんじゃない?」

「そっか。あいつは綺麗好きだもんな」

アルチュールと雑談をしながらアジトの本拠地に向かった。

一見、誰も使わなさそうなボロアパート。だけど、部屋の一室の階段を降れば、そこは———



「オーディン!こっちも手伝ってくれ!」

「これ重たいなー!お!コア!やっと来たか!」

階段を降り終えると、そこには運んだ荷物の整理をしているオーディンとリアムがいた。2人とも汗を流していた。腕の血管は浮き出ていた。

「お待たせ。怪我人の容態は?」

「いまは医療部隊に任せてる。でも、ジャックは目を覚ましたと連絡が入った」

「ナルとククリは?」

「まだ、連絡はない」

「......分かった。片付けが終わり次第、練馬統合についての情報会議をする。会議室に集まってくれ」

「了解」

俺はアルチュールの肩を叩いた。アルチュールは小さい会釈をした。



「では、今から今後の動きについて話し合います。まず、練馬統合に関する動きです。早速明日、武蔵野警察署に収監されているニクラスの兄、風見に面会に行く。手続き上は、友人という設定だ。ニクラスが面会に行けない代わりに行くという代行役だ」

会議室には、緊収のメンバー全員が集まった。

「行くのはいいが、どんな方法で情報を聞くんだ?面会といっても制限はあるだろう」

珍しくオーディンが冴えている意見を出した。

「それはもう考えてある。手紙でもダメ、口頭でも言うのがダメならば、これだ」

俺は、自分の手のひらを見せた。

「フッ」

リアムは苦笑いをした。

「同行人はアルチュール。他の2人はアジトのガードを頼む」

「了解」





「なんか緊張すんな!」

「うるさい」

俺はアルチュールが運転する車で武蔵野警察署に向かった。頬に朝日が当たり思わず手を挙げる。

「今日はあったかいなぁ」

今から風見の元へ行く。

取っ手を握る手が汗ばんでいた。

「ここに止めちゃおう」

青梅街道で減速して武蔵野警察署の駐車場に入った。

シートベルトを外し、車から降り、入り口に向かった。

「.......」

入り口ですでに汗が垂れた。武蔵野警察署の入り口で、いい思い出はない。

「おはようございます!」

「どうも。あの、面会って......」

「面会でしたら4階の受付にてお願いします」

入ってすぐの女性に案内されてエレベーターに乗った。

たまにいる刑事らしい見た目の人に胸が弾む。

ここからは全て指文字で会話をする。あとはスマホ間でのやり取りなど。

アルチュール、俺、風見はニクラスを通じた友人関係という設定だ。

その役になりきらないと。

「加藤さん?面会時間です」

小さくお辞儀をして息を呑んだ。

もうすぐ、風見に会える。

練馬統合と繋がりはあるのか。

神崎三重子との関係性とは。



ガチャン



「こちらで待っていてください」

映画でよく見る面会室だ。

パイプ椅子が2つ。そしてガラス越しに1つのパイプ椅子があった。

「失礼します。入れ」

扉が開き、ついに対面。

「.....どうも」

「風見」

そこには、動画で見た風見がいた。


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