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殺し屋JK、ターゲットは父親でした。  作者: 椿原菜湖
殺し屋JK、ターゲットは父親でした。大磯編
60/69

60関係者の繋がり

『......今どの辺?』

「もうすぐ着く。」

『りょ〜かい。』

電話をきりスマホを胸ポケットにしまった。電話の相手は、事件後処理部隊のセカンドヘッドのリアムだった。昨夜、彼から電話で白川家のことについて分かったことがいくつか溜めてあるから共有したいと連絡が来た。もうすぐでテストが始まるが、仕方なく彼の願いに付き合うことにした。もともと調べてと依頼したのも私だったから、起こりうることだと思い彼の元に向かった。

時刻は16時半。ちょうどお互いの予定が合いコアが学校近くまで迎えにきてくれた。クラスに友達はいないとはいえ、頻繁に学校の前まで迎えにくると怪しまれる。学校の近くにある駐輪場前でいつも待ってくれていた。

「クララの件のことでリアムから呼ばれたんだって?なんだろうな。」

「う〜ん、だいぶ前に白川家について調べてって言ったからかな。そのこと。」

コアは”そっか”と言いながらBluetoothとスマホを繋げて音楽をかけた。

「とりあえずテンションあげてこーぜ!」

「はぁ。」

私は少しため息をついてから学校のタブレットを取り出して試験勉強を始めた。今回の範囲は勉強科多すぎて手がつかなかった。タッチペンを持った瞬間に手が震え、耳鳴りがした。いつも聞こえる誰かの声。思い出そうとしても思い出せないもどかしさに、日中から襲われていた。



しばらく車を走らせて目的地に着いた。

「頑張ってね〜。」

コアは車内なのにも関わらずタバコを吸った。私はタバコ反対勢だったが、あまりにも周りの人間が吸いすぎてて受け入れるようになっていた。

私は彼にお礼を言いながら重たいリュックサックを背負って降りた。コアに手を振ると彼も少し手を上げてさよならを伝えてくれた。

お互いに少し微笑み心が満たされた。

私がやってきたのは、緊急事態収束部隊のアジトの一つだ。ここは三鷹駅から歩いて徒歩圏内に建っている月並みのビルである。看板には某新聞社名が掲げてある。一応新聞配達や印刷をしているらしい。オーディンが大の新聞好きなためだった。

私は車の中で変装した私服姿でアルバイトというていで建物に近づいた。首から下は動かさずに視線だけで周りを見渡した。怪しい人間や警察はいなかったと思う。

「こんにちわ〜。」

大きな声を出して挨拶をしながら室内に入った。案外にも中にスッと入れた。あれだけ鍵を閉めとけど言ったのに。

中は静寂に包まれており、人がいる気配は全くしなかった。歩くたびに砂を引きずるような足音だけが響いた。

今日は緊急(ここ)のヘッドもセカンドヘッドも不在。怪我人として大磯のアジトで治療を受けている。今三鷹のアジトにいるのはリアムだけとなっている。それも承知の上だったが、にしても他の手下たちがいないのは不自然だった。

私はさらに奥の部屋に行き誰かいないか探した。

一番奥の部屋の扉手前まで来た時、中からマウスを押すと音やパソコンを打つ音が聞こえた。


ガチャ


躊躇いもなく扉を開けると、会議室のような部屋でリアムが一人パソコンと向き合っていた。

机が円形になっておりキャスター付きの椅子が何台もあった。その一角に彼はヒョコっと座っていた。

「よっ。」

「セレナだ。突然のお呼び出しごめんね〜。どうしても共有したい情報があって、使えるか分からないけど。」

リアムはアイコンタクトをせずに一生タイピングをしていた。私は何をしてるのか問いながら隣のキャスター付きの椅子に座った。

「あ、それオーディンのだからこっち使って。」

「なにそれめんど。」

一人一人の椅子が決まっているらしい。

「情報って?」

私は荷物を床に置いて背伸びをしながら聞いた。2時間の体育で疲れ切っていた体が伸ばされてリセットされていく感覚がした。

リアムは近くにあったコーヒーを飲みながらプログラミングをしていた。パソコンに数字や英語の羅列がズラっと並んでいた。

「本当はもっと前にわかってたことなんだけど。白川家の家系図を見て。ほらここ。」

「.....は?どゆこと?だれ?」

「この家系図の紙をもらった瞬間に思ったよ。この紙は普通の紙じゃないってね。」

画面には、家系図の消されていた文字が浮き出された新たな家系図が蘇った。

悠仁の弟欄にロルバンが書いてあるのはもちろん、その隣に『神崎三重子(しんざきみえこ)』と知らぬ女性の名前が書いてあったのだ。

「なんでこんなに浮き上がるんだ?」

「CSSだ。一見これは真っ白なページだったけど、光を微妙に反射することによって肉眼では読めない薄い字が浮かび上がる。プログラミングが綿密に仕組まれてるな。」

「何言ってるか全然分からないわ。」

「もともとセレナのファイルにあったでしょ?その時からすでにこの状態に仕組まれてた。でも紙で印刷したら文字は浮き上がらない。またパソコンに移してからプログラミングする必要がある。」

私はそうなんだと納得した。が、内容理解にかなりの時間を要しそうだった。

「誰がこんな細工を?」

「分からないけど、白川春綺かラビットアサシンのメンバーかな。いまのところロルバンが濃厚だ。」

「なんでそう思う?」

リアムはPCを指差しながら言った。

「ここ右下に兎マークがあるだろ?これはラビットアサシンのトレンドマークだ。この文字体だとロルバンな気がするんだ。あいつはサインペンを強く好んでた。」

「これも、サインペンだ。」

神崎三重子。聞いたことも触れたこともない名前だった。

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