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【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~  作者: ハムえっぐ
第2章 英雄の最期

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第33話 広がる名声と陰謀の影

 深夜の山道、王都ベルンの街を見下ろせる小高い丘に一組の男女がいる。


 1人は日焼けした肌に、縮れた茶色の髪をした壮年の男。

 1人は薄紫の長い髪を後ろに纏め、黒いローブ姿で妖艶な雰囲気を醸し出す美女。


「で? 大金をどうするんで? 俺なら商家を買い取るね」


 男が尋ねる。


「あら? 策がありそう。詳しく聞こうかしら?」


 美女の返しに男はニヤリと笑い、語り始める。


「公的には死亡したローゼマリー王女を、表舞台に返り咲かせるには工作が必要だ。だが金の出どころが不明だと、貴族連中も納得しないだろう。ならばそこそこの商家を買い取り、商業ギルドに所属する。人ってのは、真っ当な商売をしている連中を疑わないもんさ」


「フフフ、ダーランド王国のハンセン商会にいた貴方だからこその案ね。了解よ」


「で? ディアナさんは俺の嫁として王都に帰ってきた。これでいいんですかい?」


「王都に帰ってきたのは事実よ。もう知り合いなんていないと思うけど。……でも街並みは覚えているから、誰も私が王都出身だと疑わないわ。クスクス、ディアナ・ロンメルになるのね。良い名前だわ。それよりもヘクターさん? 貴方が所属している邪教信仰の人たちへは、どう言いくるめるのかしら?」


「別に使い捨ての下っ端の俺よ。ルシエンに言われてハンセン商会を抜けて手伝っていたのは事実だし、魔女でもない俺がどこにいようとそこまで気にもされんさ。まあ、あんたと一緒に行動してりゃ、いずれ裏切ったのはバレるだろうね。何せあんたの背後には大物がいるからなあ。護ってくれよ? もっとも、俺をわざわざ始末しに来る暇人なんていねえだろうけど」


 ディアナは軽く微笑むと、呟く。


「魔女ルシエン。自害したのはもったいなかったわ。ヘクターさん、他にも知っている魔女の情報を教えてくださる?」


「そうだなあ……まずは、チャービル、ローレル、アロマティカス、タイム、フェンネル、マツバ。この6人が邪教の支配者の魔女。六賢魔と呼ばれている」


「どの名も大昔の書物で名前を見た覚えがあるわ。ディルと同じ。クスクス、会ってお話してみたいわ」


 ヘクターがニヤリと笑う。


「あんたが取り込まれなきゃ良いですがねえ。魔女ディアナ」


 月明かりに照らされたディアナは不敵に微笑んだ。


 ***


 朝の目覚めは、相変わらずベレニスとフィーリアの足をアップで見ることから始まった。


 おにょれ、だからなぜ違うベッドで寝たのに、目覚めたら私のベッドの逆さ側で2人は寝ているのだ!


 リョウは領主邸の中庭で相変わらず素振りしているし。


 朝食も頂いて、ドワーフの里へと出発する。

 街を出る時に、街の人たちが私たちの噂をする声が耳に入ってくる。


 王都ベルンへの近道ルートに居座った盗賊を退治したのが、私たちだってのが広まっているみたい。


「へえ~。女の子みんな可愛いな。耳の長いのがエルフってのかあ。手足が細くて見惚れちゃうなあ」


 そんな声が聞こえて、ムフンて顔しているなあ、ベレニス。


「ちっちゃい子もいるけどしっかりしてそう。あんなに可愛いのに、一人前の商人として旅しているんだって」


 フィーリアも嬉しそうに、ムフンとなっちゃったし。


「金髪の女の子が魔女なんだって。いやあ可愛いねえ、美少女だねえ。お嫁さんに来て欲しいぜ」


 おや、私にも聞こえてきましたよ?

 ここはムフンとなるしかないでしょ。


「あの少年がアランの傭兵か。盗賊を退治してくれてありがてえわ」


 リョウにも称賛の声が届いているが、彼は特に気にしていないみたい。


「ちぇっ! 盗賊退治は凄えけど、女の子3人を侍らせて気に食わねえ!」


「ほんとそれ、ハーレムクソ野郎だよな!」


 あ! リョウが心にダメージを負った!

 なんかショボンとなっちゃったよ。


 結構わかりやすいなあリョウも。

 ベレニスは、ほっぺを膨らませてプークスクスと笑っているし、フィーリアは苦笑している。


 なんか和むなあ~。リョウには悪いけど。


 ドワーフの里へ戻る道すがら、小休止中でベレニスが山の小動物と戯れていた時。


「リョウ様がアラン傭兵団本隊を離れ、単身で動けている理由って『魔女を探せ』だったりするっすか?」


 ふとリョウへ訊くフィーリアの問い。


 ふえっ⁉ ここで訊くんかフィーリア⁉

 以前リョウに訊いてみたいと思っていた、フィーリアの手記にも載っていた疑問。


 答えを訊くのにドキドキだよ。


 でも、信頼されたら教えてもらいたいっすって言っていたフィーリア。

 このタイミングで訊いたってことは、信頼されたと自信を持ったってことかな?


 さあ、リョウよ! ちゃんと誠実に答えてよ?

 ……ん?


 リョウさあ。すんごい動揺しているけど、それは口にするよりわかりやすすぎるぞ。


「アラン傭兵団は魔女を探してるの?」


 仕方ないから、リョウが話しやすくなるように、軽く問いかける。


 リョウはしばらく口をモゴモゴさせていたが、やっと口を開く。


「旅に出る名目が欲しかったんだ。ノイズに復讐する旅に出るためにな。だから、団長が誰かを指名する時に名乗りを上げた。ダーランドの戦争の功績もあって認められたよ」


「ははあ、なるほど。教えてくれてありがとうっす。ですが……もしかしてなんすがリョウ様、その魔女を探す理由を記憶しているっすか?」


 フィーリアに問われ、リョウはスッと視線を逸らして下を見る。

 ホントにわかりやすいなあ。


 いや、そんくらい覚えておいてよ!


「それで? 報告しているの?」


「いや……だが問題ないだろう。いずれまとめて報告するさ」


 面倒くさいと思ってそうなリョウの回答。

 これ以上リョウに訊いても埒が明かなそうだなあ。


 私はフィーリアに、どう思うか尋ねた。


「う~ん。アラン傭兵団も魔女……特に邪教の魔女と何かあって、存在を追っているってのが、自分に都合のいい解釈っすね。危険な魔女を放置しておくのは、平和のためには良くないっすから」


「となると、私もリョウが報告したら危なかったりするのかな?」


 その疑問に答えたのはリョウだった。


「ローゼは危険な魔女ではないから大丈夫だろう」


 その回答は嬉しいけど……いやいや、私は魔王に変貌しそうになったんだぞ?


「な~に話してんのよ? ローゼ? 顔が赤いわよ?」


 ベレニスが戻ってきて顔を覗き込んでくる。


「べ、別になんでもないから!」


「そうっす。リョウ様がアホな発言しただけっす。口説き文句で言わないのがツボっす」


 ちょっ⁉ フィーリア⁉


「傭兵がアホな発言? なんだ、いつも通りね」


 いやいやベレニス? リョウはアホな発言をしてないよ?

 アホだけど。

 いや、そういう意味じゃなくて!

 何だこれ? フィーリアもベレニスも⁉

 私は別に……


 んもうっ! この話題はおしまい!

 

次回第34話「新たな仲間」

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