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【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~  作者: ハムえっぐ
第1章 復讐の魔女

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エピローグ

 ビオレールより遠く離れたレアード王国の小さな街に、一組の冒険者夫婦が居着いた。


 かつてビオレールで冒険者として活躍していたが、ある事情でレアード王国に移住したのである。


「よお、聞いたかい? ベルガー王国のビオレールって街で領主が殺されたらしい。あんたらベルガー王国の出身だろ? ビオレールってどんな所なんだい?」


「そうだなあ。北は人の立ち入りを許さないスノッサの森、南は険しいボルガン山地、南東は広大なとこしえの森、そして西は平原が広がっている。東はダーランド王国との国境で、その先には大森林が広がっている」


 酒場のマスターにそう答えると、冒険者の夫はエールをグイッと呷る。

 妻もエールをゴクリと飲み、夫に同調した。


 そして2人は話を続ける。

 2人の会話は周囲の冒険者たちの耳にも入り、やがて酒場の喧騒に溶け込んでいったのだった。


「しかし犯人がわからないって、ベルガー王国は大丈夫なのかい? また戦争になるとか勘弁だぜ」


 マスターは、ダーランド王国の謀略説を信じているようだった。

 流布された噂は尾ひれが付き物。

 そんなマスターの話を受け、冒険者の妻である女がエールをグイッと呷って答える。


「謀略じゃないから大丈夫よ。女癖の悪いハインツ伯爵だったもの」


「おや? 何か知っているのかい? 知っているのなら教えておくれ」


 マスターは情報を聞き出すため、女の話に乗った。


 だが夫婦は時間を確認すると、マスターからの奢りの酒を断り席を立つ。


「アンナ、そろそろ宿に戻るぞ。明日も早くから仕事だ」


「そうね。マスターさん、また今度ね。じゃあ帰りましょうか、クロード」


 クロードと呼ばれた冒険者は、マスターに手を挙げて酒場を後にする。


「なあ、アンナ。ハインツ伯爵の件だが…」


「あら? 私たちにはもう関係ないもの。それとも、ビオレールに戻りたい? バルドさんやディアナ……クスッ、それに魔女のローゼちゃんと傭兵クンも元気かしらね?」


「いや、今更戻ってもな。ここで頑張ろう」


 クロードはアンナの手を引き、帰路につく。

 月明かりの夜道。

 背後の妻の口が、夜空に浮かぶ三日月のように歪んだのを知らずに。

 

お読みいただき、心より感謝申し上げます。

魔女ローゼ、傭兵リョウ、エルフベレニスの物語はまだ続いていきます!

彼らの新たな冒険がどのような展開を迎えるのか、どうぞご期待ください。

皆様の感想も是非お待ちしております。

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