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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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67/212

Lo67.こういう能力ブースト出来るアイテムは、強いキャラに注ぎ込むのがゲームの基本です!

 ココッテちゃんが復活しましたし、今日はめでたいですね!


「それで、どうする?」

「どうする?……とは」

「ココッテの今後のことだ」

「ふむ……」


 アンデッドになってしまったココッテちゃん。もう人間じゃないわけですけど、それでも生きている限り生きていかなければなりません。

 私はココッテちゃんに聞いてみます。


「ココッテちゃんはこれからどうします?」

「んー……」

「そっか、やっぱり気になるよね」

「ん」


 ユーくんが何らかの合意を得て、ココッテちゃんが頷きました。

 ……えと、なんて?


「あのー、ココッテちゃんは何を言ったんでしょうか?」

「村の様子が気になるって」

「ああなるほど……なんで分かるんですか?」

「幼馴染みだから?」


 そっかー。幼馴染みなら分かりますよね。納得です。(ほんとぉ?)

 今後の通訳はユーくんに任せておきましょう。


「じゃあ明日は一緒に難民キャンプにいくでよー」

「えーと、良いんですかね? ココッテちゃん人間じゃなくてアンデッドになってしまいましたけど……」

「なるほど、異端の存在となったことで村八分になる可能性もあるか」

「……ん」

「そうか……悔いてないのだな」

「あのー、なんでガイナスさんまで何か分かってるんですか?」

「目を見れば分かる」


 いや、ココッテちゃんの目はずっとレイプ目ですけど……あれ、もしかして分かってないの私だけ?


「アンデッドだろうとなんだろうと、ココッテちゃんはココッテちゃんでよ。みんな分かってくれるでよ、兄ちゃ」

「そうだな……俺達が信じないとな」

「うん、うちらは正義の冒険者【なかよしブラザーズ】でよ!」

「そのチーム名、まだ広めるつもりでいたのか」


 流石は正義の冒険者。良い人すぐるでしょう?


 というわけでデザートも来ました。杏仁豆腐っぽいぷるぷるしたやつです。あ、もしかしてここ中華料理屋なんですか? 異世界で中華料理とは一体……


 しかし……ふむ、デザート。デザートですか。そのとき、ふと思い付きがあったのでガイナスさんに聞いてみました。


「そういえば、ガイナスさんは神気を使えないんですか?」

「使えん。俺達のいた国ではそれが使える者は聖女と呼ばれて神聖視されている。希少な存在だからな」

「聖女? じゃあ男の場合は……聖男(せいおとこ)?」

「なんだそれは。男の場合は……聖者(せいじゃ)と呼ばれるが、聖女に比べて更に少ない。ハルテンでは男女ともに【神術士(しんじゅつし)】と呼ばれているな」

「大陸は色々違うんですねぇ」


 なるほど、やはりガイナスさんは神気を使えないみたいですね。ならばこれが役に立つかもしれません。


「ユーくん、お二人にアレをあげても良いですか?」

「いいよー」


 あっさりユーくんが答えて鞄の中からアレを取り出します。


「なーんかあまーい香りと神聖な感じがするでよー?」


 シャイナスさんがくんくん嗅いで気付きます。ガイナスさんもそれを見てハッとしたように言いました。


「なんだそれは……まさか」

「これは……【岡山県産】【ロイヤル等級】の【清水白桃】。超高級な桃です!!!」

「すごい美味しいやつだよ!」


 テーブルに超高級な桃を出すと、ガイナスさんとシャイナスさんがビックリしたように言います。


「桃だと……神々の世界の果物と呼ばれるあの桃か!?」

「うひゃー、初めて見たでよー!」

「何故こんなものを……!? 滅多に見られるものではないぞ」

「なんかダンジョンでゲットしました! 」


 ぐっと指を立てて私は言います。

 いえーい!珍しいものを人に見せびらかす優越感! シャイナスさん達はベテラン冒険者っぽいのでもしかして見たことあるかもと思いましたけど、どうやら初見だったようです!

 サプライズ大成功ですね!


「じゃあ食べてください!」

「おー、本当にいいんでよ?」

「全然いいですよ!」

「いや、しかし、こんな貴重なものを……これ1個で1万センカ以上は軽くするぞ」

「売るより食べた方がいいですよね?」

「いや、その理屈はどうかと思うが……」

「ガイナスさんは桃の効能をご存知ありませんか?」

「……知っている」


 この世界での桃は、なんか食べると神気がパワーアップするみたいな効果があるようなのです。日本でも桃は退魔の効果があると言われてましたし、たぶんそういうものなんでしょう。よく分かんないですけど。


「なんか桃は神気のパワーアップアイテムっぽいんです。これを食べると、シャイナスさんはパワーアップしますし、ガイナスさんももしかしたら神気が使えるようになるかもしれません!」

「確かにそうかもしれないが、それほどのものを……」

「売って誰か知らないお金持ちの口に入るより、お二人に食べて欲しいんです!」


 こういう能力ブースト出来るアイテムは、強いキャラに注ぎ込むのがゲームの基本です。売るなんてとんでもない! 使った方が100倍有益ですよ!!


「幸い私達は混沌魔物を倒した報酬でお財布に余裕がありますので、全然気にしなくていいです!」

「というかもう切り分けたよ!」

「待て、まだ返事をしてないんだが」


 ユーくんは既にスパッと桃を切り分けてました。判断が早い。

 ふふふ、まるで桃の押し売りですね! でも食べてもらいたいのでここは強引にいきましょう!


「兄ちゃ、そう言ってるんだからありがたくいただくでよ」

「そうか……そうだな。ありがとう」

「はい、遠慮なくどうぞ!」


 料理を取り分ける用の小皿に桃2個分、ガイナスさんとシャイナスさんの元に置きます。


「シャイナスさんは目が見えないからあーんしてあげますね!」

「えへへ、嬉しいでよー」

「いや、シャイナスは目が見えなくても普通に自力で食えるんだが……さっきまでどうやって食事していたと思っているんだ?」

「兄ちゃ、しー」


 あ、そういえば普通に食べてましたねシャイナスさん。目も見えないのに当たり前のようにしてたから気付かなかったです。


「うち、あーんしてもらう方が好きだからやってほしいでよー」

「じゃあ問題ないですね! はい、あーん」

「あーん」


 私はシャイナスさんにあーんして食べてもらいます。

 ……今さらですけど、可愛いですねこの人。ロリコンの私もドキッとしちゃいます。


 桃が口に運ばれたシャイナスさんがとろけるような笑顔になりました。


「うへへ、こんなに美味しいの食べたの初めてでよ~」

「美味しいですか? 良かったです!」

「……いや、めっちゃ美味いでよこれ。めっちゃ美味いでよ」


 なんかシャイナスさん、美味しすぎて笑顔から逆に真顔になりました。語彙力も無くなりました。


「とりあえず1個全部食べてください!」

「ええっ!? こんなの一切れでも美味しすぎるでよー!」

「なんとなく、こういうのは1個全部食べた方が効果高そうな感じするので!」

「……そういうものなのか?」


 よく分かんないんですけど、まぁなんとなくです。だってゲームとかでは1個ずつ食べるでしょう?

 私達も1個ずつ食べましたし。あと2個ありますし、ケチケチしたことはいいっこなしです。半分だけ食べて効果が半減しても逆に勿体ない気もしますし。


 一方、ガイナスさんはまだ手をつけていませんでした。


「どうしたの? ガイナスもあーんしてほしい?」

「いや……なんだろうな。少しばかり緊張していてな。俺には、正直シャイナスやお前達が使っている力がよく分からん。今まで使ったことの無い力がどう影響するのか……それとも、これを食べても俺には全く効果が無いのか……」

「わかった! あーんしてほしいんだね!」

「いや、やめてくれ。自分で食べる」


 ユーくんの押しにガイナスさんが根負けしました。うん、ユーくんってたまにナチュラル鬼畜が出ますよね。そこが可愛いんですけど。


 ガイナスさんが桃を口に運びました。そして咀嚼し、停止しました。そしてふるふる震えながら言います。


「……なんっ……だと……!? ……美味い、美味すぎる。明らかに異常な美味さだ……あり得ない……こんな食べ物がこの世にあっていいのか……!?」


 いや、すごい反応しますねこの人!?

 どうやらメシマズ国家出身の人には刺激が強すぎたようです。危険な美味しさです!


 そのとき、ココッテちゃんにちょんちょんと肩を指でつつかれました。それを見たユーくんが反応します。


「あ、ココッテちゃんも食べたいんだね?」

「ん」

「え、でも良いんですか? ココッテちゃん、内臓が……」

「でも食べたいって言ってるよ?」

「じゃあ仕方ないですね!」


 幸い、あと2個桃はあります。1個あげても1個余ります。何より、幼女の願いは断れません!!


「じゃあはい!」

「ん」


 ユーくんが桃を差し出すと、ココッテちゃんはそのままかじりつきました。あ、皮ごといくんですねココッテちゃん。豪快


「お腹の中大丈夫でしょうか?」

「ん」

「大丈夫って言ってるよ」


 なるほど、大丈夫でしたか。大丈夫って言ってるなら大丈夫ですね。良かったです(鵜呑み)


「チーちゃん、あと1個残ってるけどどうする?ボク達で半分こして食べる?」

「んー、それも良いですけど、まずはガイナスさんの結果を見て考えましょう」


 正直、私自身は神気の量に不足を感じたことはありません。桃は美味しいから食べたいですけど、パワーアップアイテムとするなら不要でしょう。また、ユーくんの場合も私から神気を融通すればなんとかなる感じがします。

 めちゃくちゃ美味しい桃ですけど、ユーくんは特に未練は無く割り切った感じです。うーむ、合理的というか欲が無いと言うか。美味しいものを独り占めしようと思わないところが幼女とは思えないほど大人ですよね。


 シャイナスさんとガイナスさんが桃を食べ終わりました。


「どうですか? 体に変化はありますか?」

「ふむ、どうだろう……いや、なんだ? 明らかに今までと何か違う感じがする。もしかして……これか?」


 ガイナスさんが手に光を宿しました。


「これって……」

「ああ、信じられん……なんだこの力は。魔力とも気力とも違う。……神の加護が俺に宿ったのか?」

「成功しましたね!」

「やったぁ!」


 岡山県産の桃が新たな力をガイナスさんに授けたようです! 普通なら身に付かない力を!! すごいですね岡山県!?


「シャイナスさんはどうです?」


 そう尋ねると、シャイナスさんは言います。


「あー……なんかこの感じでよ」


 シャイナスさんが手を胸に置きます。そして、すーはーと息を吸い込んで……

 一瞬。ありえないほどブワッと光があたりを包みました。


 そのとき私が感じたイメージは……まるで宇宙です。広くて、無重力で浮遊感が感じられるような。

 なんでしょう、この感覚。まるで世界と繋がったような……


 ハッと気付いたら、もうそこにはいつも通りのシャイナスさんがいました。


「え……今のって……」

「んー、少し力が『戻ってきた』でよー」


 なんともないようにシャイナスさんが言いますが……いや、なんでしょう。なんなんですかね?

 シャイナスさん、なんというか……別格すぎませんか?


「あのー、力が戻ってきたってどういうことですかね、シャイナスさん」

「およ? うち、なんか言ったでよ?」


 シャイナスさんは何ともないように言いますが、明らかに何かありそうです。なんというか、よく分かんないですけど!

 いま私は突拍子もないことを思いついたので、ストレートに聞いてみます。


「あのー、もしかしてシャイナスさんって女神様の化身か何かだったりします?」

「何を言ってるんだお前は」

「あはは、チーちゃんは変なこと言うでよー」


 シャイナスさんは笑って流しました。いや、最近神様っぽい存在に会うこと多かったので。つい同類かなーと思っちゃいました。


「だが、そう思うのも無理はないか……」

「え、もしかして私の推理当たりました?」

「それは全くの思い違いだ。だが……シャイナスが特別だというのは確かだ。いや、特別『だった』というべきか」

「『だった』って……?」

「……色々あったということだ」

「今は割と普通でよー」


 露骨に何か重要そうな伏線をいれますねこの人達。なんなんでしょう?


「そこらへんそろそろ話してほしいんですけど……」

「んー、もうちょっと秘密にしとくでよ」

「え、なんで?」

「なんとなくでよ?」

「なんとなくかぁ……」

「それなら仕方ないですね……」

「今ので納得するお前達も中々だな」


 まぁ、なんとなくなら仕方ないです。今後に期待しましょう。


「あー、期待してるところ悪いけど、本当にうちの秘密って大したことないでよー?」

「あっはい。期待しすぎないようにします」

「いや……そうか? まぁ、お前からするとそうなのかもしれんが……」

「え? 期待していいんですか?」

「ダメでよー」

「じゃあ、期待しながら期待しないで待ってますね!」

「何を言ってるんだお前は」


 どうやらこの兄妹、どちらかというとシャイナスさんの方に大きな秘密がありそうですね。

 そう思ってるとなんか頭にポンと手を置かれて何か吸われる感覚がありました。ココッテちゃんがレイプ目でこっちを見てました。


「あのー、またなんか吸われてません私?」

「むー……」

「なんかねぇ、ココッテちゃん構ってもらえなくて拗ねてるよ」

「あ、そうなんです? ココッテちゃんも桃食べてパワーアップしたんですか?」

「ん」

「よくわかんないって」

「あ、そうなんですか」


 ココッテちゃんはよく分かんないですけど、シャイナスさんとガイナスさんのパワーアップイベントはありました。よく分かんないんですけど、良かったです!


 さて、明日はココッテちゃんを連れて、村人のいる難民キャンプに行ってみましょうか。

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