Lo66.名付けてホーリー・アンデッドですね!
前回のあらすじ。
死んだと思われてたココッテちゃんがなんか復活してました。
あと、なんかココッテちゃんはレベル6だそうです。
「えーと、ココッテちゃんってレベル6ってなんですか? 普通の村娘じゃなかったんですか?」
「ん? なんで? ココッテちゃんはボクの『遊び相手』だよ。強いに決まってるじゃん」
ユーくんが当たり前のように言います。え、『遊び相手』ってそういう……? 「お前じゃ遊び相手にもならんな」的な……『バトル漫画の遊び相手』ってことですか!?
「村の人でボクとまともに戦えるの、ココッテちゃんだけだったよ」
「え、こんなユーくんより小さいくらいの幼女がですか!?」
「ふむ、意外な反応だな。自分より幼い少女のレベルが上だと知ったら嫉妬でもすると思ったが」
私も意外でした。ワンピース姿の幼女がユーくんより強いとは思えなかったので。
「チーちゃん。たぶんココッテちゃんボクより年上。最初はボクの方が背が低かったもん」
「お姉ちゃんなんですかココッテちゃん!」
「ん」
ココッテちゃんは「当たり前だろ?」とでも言うように頷きました。衝撃の事実です。身長120cmくらいの幼女がお姉ちゃん属性だったとは。
「なるほど。おそらく、幼少期に栄養が不足していたのだろう。それで背が低くなることはよくあるが……」
あー、なるほど。森に捨てられていたとか言ってましたね。それで栄養不足ですか。
そして死んで復活してゾンビになったと。なかなかハードな生き方してますねこの子。
しかしココッテちゃん、さっきから「ん」しか言ってないですね?
「でもおかしくない? ココッテちゃん前はレベル4って聞いたんだけど」
「ん」
「なるほど、短期間に急激なレベルアップをしたのか……」
「せっかくレベル5になって追い抜いたと思ったのにズルいよー!」
ココッテちゃん、なんか短期間にレベルアップしてたみたいです。ユーくんも悔しがってます。
「一体何が原因なんですかねぇ……?」
「チーちゃんじゃない?」
「え?」
「以前チーちゃんが死にかけたボクを治療したときも、何故かボクのレベル上がったし」
「あー、そういうこともあったよーな気が……」
確かユーくんが混沌魔物の鹿にやられたときですね。あのときはユーくんの心臓が完全に止まってて、死んだかと思いましたよ……
でも何故か復活したユーくんはレベルが3から4に上がってたんですよね。謎です。
「死の淵から生還した者のレベルが上がる現象もよくあることだが……完全に死んでいた場合はどうなんだろうな」
「なるほど……不思議体験あんびりーばぼーですね」
「チーちゃんなに言ってるのか分かんない」
ふむ、ちょっと懐かしいテレビ番組名を出してしまいました。今じゃこのネタ通じないですよね。あなたの身に起こるのは明日かもしれません。
「あ、もしかしたらココッテちゃんも神気使えたりする? ボクもあのとき使えるようになったんだ」
「……ん?」
「ほら、なんか白い感じのオーラ。出せる? こんな感じ」
ユーくんがココッテちゃんに手本を見せるように、神気をぽわっと手に出しました。ココッテちゃんもそれを見て、自分の手に力を込めました。
「むー……」
ココッテちゃんの手からボウッと光が出ました。うわ、なんか出来てる。
「ん」
「やっぱり! ココッテちゃんも神気が使えるようになってる!」
「おー、ココッテちゃんすごいでよー」
「おかしいな。そう簡単に使えるものではないんだが……」
ガイナスさんが突っ込みますが、これで幼女組全員が神気を使えるようになりました!
まるでスーパーサイヤ人のバーゲンセールです!!
「しかし、アンデッドですか……なんかバレたら退治されたりしないんですかね?」
「大陸の宗教色の強い国家だと当然そうなる。異端な存在は受け入れないからな。だが……ハルテンはよくわからんな」
「なんかこの国色んな異種族いるし、別にいいんでよ?」
「なんせあの【悪鬼王】の国だからな……」
「こわーい神帝様の国でよー」
まぁ、たしかに。神帝様からして既に人間じゃないですもんね。角生えてますし。
というかそんなに怖いですかね、サクちゃん?
「それに、普通のアンデッドとも明らかに違う。全く邪悪な気配を感じない。アンデッド化の影響か、さっきから人間の言葉が喋れないのが気になるが……」
「あ、ココッテちゃんは元々あんまり喋らないから素だよこれ」
「ん」
ココッテちゃんは頷きます。あ、素なんですか。ずっと「ん」とか「ん?」しか言ってなかったから頭がゾンビになってるのかと思いましたよ。
生前からこんな感じだったんですね。
「そもそもだな。アンデッドは魔障によって死体が穢れて生まれるものだ。総じて生命を憎む邪悪な存在で、まともな意志疎通は出来ないから討伐対象とされている。だが……」
「ココッテちゃんには魔障が全然無いし、むしろ神聖な気配がするんでよー」
「ふむふむ。明らかに普通のアンデッドとは違うんですね」
「こういう例を知らないから、本当にアンデッドなのかすら分からん」
ふむふむ、なるほど。そういう感じなんですか。神聖なアンデッドかぁ……
「じゃあアレですね。つまりココッテちゃんは【ホーリー・アンデッド】ですね!」
「ホーリー・アンデッド……? 聞いたことが無いが」
「私が今考えました!!!」
「今考えたのか……」
「さて、ココッテちゃんが復活したことですし、とてもめでたいです! 復活祝いに飲んで食べて楽しみましょう!」
「おー!」
何はともあれ、良いことは良いことなので祝いましょう。私はココッテちゃんにテーブルの料理を差し出しました。
「さあ、ココッテちゃんも遠慮せず食べてください!」
「むぅ……」
しかし、ココッテちゃんは顔をしかめてフォークを取ることすらしませんでした。
「……食欲無いんですか? ココッテちゃん。やっぱり復活したてだから油っこいのとかダメなんですか?」
「おかゆにする?」
「む~……」
何か悩んでる様子のココッテちゃんは、いきなりガバッと自分のワンピースをめくりました!
幼女の白いドロワとまばゆい太ももとお腹があらわになりました! ちょっ!?
「エッッッッ!? いや、突然どうしたんですかココッテちゃん!?」
「ん」
ココッテちゃん自分の横腹あたりを指差しました。ん……? なんかお腹裂けてませんかこれ?
ユーくんとガイナスさんがまじまじと見ます。いや、ガイナスさんは冷静すぎませんか? 幼女のお腹ですよ?
「うわぁ、それどうなってるのココッテちゃん!」
「ふむ、腹が裂けて……中身が無いな。内臓が無いぞ」
「ぷぷぷ、内臓がないぞー。ナイスギャグでよ兄ちゃ」
「いや、笑いごとじゃないんだが」
ココッテちゃんの見せたお腹の中は空洞化していて、骨があるだけでした。内臓、腐って消えちゃったんでしょうか?
「これじゃ食べれないね。どうするのココッテちゃん?」
「ん」
ココッテちゃんは頷くと、何故か私の頭を撫でました。
「え、なんですかココッテちゃん」
「ん」
すると、なんか私の中から何かを吸われるような感覚があり、私から出た光がココッテちゃんに吸い込まれていきます。
「……あれ? なんか吸われてませんか私?」
「これは……もしかして【ドレインタッチ】か?」
「知っているんですかガイナスさん!」
「アンデッドが生者の生気を吸い取る技だ。まさかココッテも使えるとは……」
さすがガイナス先生! 色々知ってますね! 勉強になります!!
「アンデッドっぽさ残ってたんだね」
「というか私吸われてますけど、これ大丈夫なんですか?」
「普通なら大丈夫じゃないが……」
「まぁチーちゃんが大丈夫そうなら大丈夫でよー」
「良かったね! これでココッテちゃんも食事が出来るよ!」
いや、ココッテちゃんの食事=私なんですか? それでいいんですか?
あ、でもアンデッド幼女に頭なでなでされながら吸われるこの感覚、ちょっと好き。もっとしてほしいかも……




