Lo43.新規メンバー募集です! 強くて可愛くて幼い女の子求む!!!
ギルドの図書館で読書を始めてからぐーっとお腹が鳴りました。
はっ!? 気が付いたらもうお昼になってますね! 読書に没頭しすぎてました!
ユーくんはいつの間にか外に出ていたようですが、お腹が空いたのか図書館に戻ってきて私に声をかけてきました。
「そろそろ昼ごはんにする?」
「はい! しましょう!」
読書は好きですが、あんまり根詰めても効率は上がりません。街に出てお食事をしましょう!
ギルド近くのマーケットは食事するところもたくさんあります。
ユーくんがガッツリめのお食事をご所望なので、よく分からない焼いた肉をライスに載せたボリュームのあるプレートを食べることにしました。
「よく分からない肉ですけど、結構美味しいですね」
「こういうガッツリ系はお母ちゃんあんまり作らないからなぁ。まぁ、お母ちゃんの料理の方が美味しいけど」
相変わらずのマザコンですが、ユナさんの料理が美味しいのは事実です。
しかしながら、思ったより外食のレベルが高いですね。イギリス料理みたいなのばかりだとどうしようかと思ってました。
まぁ、食事が美味しいのは助かります。
「ユーくんは何してたんですか?」
「訓練場でガイナスに教わった『無拍子』の練習してたよー。まだ全然だけど、なんか出来そうな気がする。お母ちゃんも似たようなことやってたんだよねぇ」
おお、早くも習得の兆しが!?
流石はユーくんです!
「そういえばユナさんからは教わらなかったんですか?」
「んー、お母ちゃん多分感覚でやってるからあんまり参考にならないや」
「ガイナスさんは違うんですか?」
「ガイナスはなんか色々と考えてやってるみたい。なんか力を抜くといいとか、落ちるように動くとか、色々言ってた」
「へー、色々やってたんですねぇ」
「筋肉の動きじゃなくて、流れなんだって。反動つけずにやるんだとかも言ってたなぁ」
「なるほど……」
なんとなくですが、無拍子って私が小学生の頃に掴んだ『逆上がりの極意』に似てるのかもしれません。
力任せに勢いつけて何度やっても成功しなくて、お腹に棒をくっつけて反動つけずにやったらスルッと回ったという成功経験があります。
……いや、どうなんですかね。全然違いますかね? 自分で言ってて怪しくなってきた。
「で、チーちゃんはどんな感じ?」
「さっきまでずっと歴史書とか魔物図鑑とか読んでました」
「そうなんだ」
「でも当初の目的を忘れてました! すみません! 思いっきり読書を楽しんでて、情報収集が二の次になってました!」
「チーちゃんインドアだもんねぇ」
「ぐはっ!」
確かに引きこもり気味ではありますが、最近は外に出るの結構好きになりましたよ!
まぁ、ユナさんとかユーくんとかが誘ってくれないと動かないんですけど。
「えっとね。情報収集だけど、ボクの方で聞いておいたよ!!」
おお、マジですか。ユーくんは脳筋に見えますけど実に頼りになりますね!
「ヨッツさんが言うにはね、この街のすぐそばに『ダンジョン』があるらしいよ」
「『ダンジョン』……ですか?」
ダンジョンってあれですか? ゲームとかでよくあるダンジョンですか? 迷宮ともいいます。
昔の遊園地であった迷宮型アトラクションとは違いますよね? え、最近の人はあれやったことないんですか? 結構楽しいんですけどね、あれ。謎解き要素もあって。施設側としては広大な敷地と維持清掃が必要なので全く採算に合ってなさそうですけど。バブル時代の産物ですね。
「この世界には神様が作った『ダンジョン』っていうのが存在するんだって。中には魔物とかいるけど、宝箱もあるんだって」
「ほほう、神様が作ったんですか」
「冒険者はそこで魔物倒して魔石を得たり、宝箱を空けたりしてるんだって。ヨッツさんが行ってみたら?って言ってた」
マジで有益な情報じゃないですか! ユーくん、ガチで有能。脳筋だと思っててごめんなさい!
しかしこの世界のダンジョンは神様が作ってるんですね。まぁ、この世界自体も神様が作ったっぽいですし不思議ではないですね。
ユーくんが目をキラキラさせながら提案してきました。
「だからさ! 一緒にダンジョンいってみようよ!」
「いいですね!……しかし、我々2人で大丈夫なんでしょうか?」
「じゃあメンバー募集する?」
どうしましょうか。ナス兄妹がいたら頼りになるんですけど。
「あ、ガイナス達は駄目だよ。だって簡単にクリアできちゃうし」
「ですよねー……彼らも彼らの活動がありますしね。でも難易度はどのくらいなんでしょう?」
「レベル4パーティーが全部クリア出来るくらいらしいよ。ランクDくらいの魔物までしか出ないとか言ってた」
ランクDっていうと村にいた魔物と同じくらいですか? それだとガイナスさん達がいたらヌルゲーですね。
というか村にいた雑魚魔物はランクG~Dまでいたみたいですけど、ほとんど苦戦してなかったのでどれがどれだか分かりません。なんか雑魚の中に偶にデカいの混じってましたけど、それでしょうか?
「低い階層だとそんなに強い敵いないんだって」
「宝箱開けたら即死罠とかあったりしませんか?」
「どうだろ? そういうの聞いてなかったなぁ」
うむむ、ユーくんから聞いた限りだと危険性は低そうなダンジョンですが、やはり二人だと不測の事態があったときちょっと怖いですね。
「ガイナスさん達以外で新規メンバー募集するのって、ユーくんはどう思いますか?」
「んー、チーちゃんがいいなら別にいいよ?」
ユーくんは思ったよりこだわりが無さそうです。器が大きいですね。さすが勇者の器です。
「でもどうするの? ギルドで募集かけてみる?」
「……よく考えてみましたけど、あんまり治安良い人たちじゃないんですよねあの人たち……」
「そうだねぇ」
冒険者は基本的にあらくれものです。先日の洗礼で思い知ったばかりじゃないですか。うーん、大人しくて言うことを聞いてくれる子がいたらいいんですけど。
こういうときって異世界転生小説の主人公だとどうしてるんでしたっけ?
あ、奴隷……とか!
主人公が奴隷市場いくと、何故か病気のかわいい幼女奴隷の女の子がめちゃくちゃ安価で売っていて、主人公が二束三文でそれを買って、ポーションとか回復魔法で治すやつ!!!
私の場合、神気による回復があるのでいけますね!?
「奴隷市場で奴隷を買うとか……!」
「チーちゃん。発想が危ないよ? というかこの国は奴隷いないよ?」
「えっ、そうなんですか?」
「そうだよー」
まじですか。先進的ですね。剣と魔法の世界なのに奴隷がいないとは。
というか私が危ないやつって思われただけでした。
しかし「この国は奴隷いない」ってことは、裏を返せば他国には奴隷がいる……ということでしょうか? そうでなければユーくんが『奴隷』って言葉を知るはずがないですからね。
「とりあえず条件をつけて駄目元で募集かけてみますか」
「ふんふん、条件って?」
私たちは子どもなので、良からぬ大人がPTに入って悪いことをするかもしれません。だからなるべく子どもの方が良いです。それにあまりにレベルが低いとユーくんについてこれず足手まといになってしまうかもしれません。レベル3の私でも精一杯ですからね。
そして男がいるとなにか間違いが起きるかもしれません。これは女の子一択ですね!
「【12歳未満】で【レベル3以上】! そして【可愛い女の子】!! この条件で完璧です!!!」
「おー! なんかすごい!!」
私たちはギルドのメンバー募集掲示板にそのまま要望を書いて募集をかけました。
なんかヨッツさんに突っ込まれました。
「いやいやいや、こんな条件合うヤツおらへんやろ!!!!! てかおらんわ!!!!!!」
「えと、ここに二人いますが……?」
「あんたらは例外や!!!!!」
おかしいですね。完璧な募集だったはずなんですが?
どこかにいないですかねぇ。強くて可愛いロリっ子……




