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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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29/212

Lo29.格ゲーではレバガチャで適当に動くチーちゃんです

 ナス兄妹のパーティーに入った私たちは、村の中を爆速で攻略していきました。

 シャイナスさんが魔物の正確な位置を索敵して指示し、ユーくんは切り込み隊長として魔物に突っ込んでいき、ガイナスさんはユーくんの動きをカバーしながら後衛にも気を配り、私はそのへんをうろうろしてました。

 大体そんな感じでした!

 ……これ、私必要ですかね?


「そろそろあの小屋で休むでよー」


 1時間ほど経った後、シャイナスさんは村の一軒家を指差して言いました。


「いいんですか? 敵地ですけど……」

「結界を張るし大丈夫でよー」

「結界?」

「元二級聖女の腕の見せどころでよー」


 するとシャイナスさんは祈りを捧げました。


「えーと、『ここに我ら以外の立ち入りを禁ず』『不可侵結界』」


 そう言うと家の中が光の膜に包まれました。え、これが結界ですか?


「こんな感じでよー」

「わ、わ、なんだかよく分かんないけどすごいです!」

「さ、中に入って休むでよー」


 そうやってシャイナスさんは無警戒に建物の中にさっさと入ってしまいました。いや、彼女は魔物が見えてるので平気なんでしょうけど、普通は建物の中に危険が無いか調べて恐る恐る入りますよね?


「えーと、なんか平然とやってますけど、こういうのって普通なんですか?」

「参考にするな。ほとんどの冒険者パーティーに(あいつ)みたいなやつはいない」

「で、ですよね~」


 やっぱり普通の冒険者じゃないっぽいです。この人たち。

 中に入ると、珍しく比較的荒れてない綺麗な家でした。えーと、もしかして魔物の有無だけでなく家の中の損傷もパッと見で分かったんですかね?

 ……どうやって???


 と、とにかくリビングに腰かけて休むことにします!

 そして休む間おしゃべりをしました。戦闘中はなかなか込み入った話が出来ませんからね。

 幸い、椅子は人数分あって家財も綺麗です。他人の家ですが、シャイナスさんがオッケーしてるなら拝借させていただきましょう。


「どうだったでよー?」

「めちゃくちゃ戦いやすかった!」


 ユーくんが興奮したように言います。


「だってほとんど先制できるし、後ろを心配しなくていいし、横からの攻撃も全部防いでくれるし、なんかもう、すごかった!」

「えへへ~、これがパーティープレーでよー」

「パーティーってすごい!!」


 いえ、絶対違います。たぶんこの人たちが異常なだけな気がします。

 昨日の私たちの3倍くらいの速度でズンズン進めたのはもはやホラーでしたよ。


「こちらも驚いた。この程度の魔物ではまるで問題にならないんだな、ユージア少年は。普段は攻撃と防御を俺が兼任していたから、随分と楽をさせてもらった」

「まぁユーちゃんなら当然でよ~」

「なんでお前が得意気なんだ」


 シャイナスさんはやはりユーくんの子どもみたいな見た目(実際子ども)に惑わされずに、実力を看破していたようです。


「あの、シャイナスさんって魔物の強さも戦う前に何故か分かってますよね? めちゃくちゃ助かりますけど、なんでですか?」

「んー、魔力とか生命力の輝き? そういうのが見て分かるだけでよー」

「あの……それって真似できるんですか?」

「こいつが特別なんだ。参考にするな」

「あはは、やっぱりソウデスヨネー」

「……と言いたいが、実はこれはある程度は誰でも出来る」

「そうなんですか!?」


 いやいやいや、敵の強さが事前に分かるとか、ゲームだと大分ヌルゲーになりますよ!? 攻略本片手にゲームやってるようなもんじゃないですか!


「お前たちは俺達に初めて会ったときどう思った? 強そうだと思ったか?」

「えーと、うん。なんかガイナスは強そうだなって」

「妹の方はどうだ? 初対面で強そうに見えたか?」

「なんかこう……言い表せないけど最初からただ者じゃないなって思ってたかも」

「どうしてそう思った?」

「見た目はそうでもないけど、なんかすごい余裕があって自然体だから、逆にすごい人なのかなって……」

「……優秀だな」

「ほんとにねぇ」


 ガイナスさんとシャイナスさんはうんうんと頷いています。


「実はうち、初対面だと結構なめられとるでよー」

「そうなんですか?」

「むしろそれが普通の反応だ。大半は初対面で妹のことを警戒しない。見た目に騙される」


 確かに……普通に女神官の服を着たかわいい素朴な少女にしか見えないですからね。

 私の場合、漫画の知識で「盲人は大体強キャラ」って文脈を知ってたからシャイナスさんのことを最初からなめてなかったんです。漫画知識ですみません!


「つまり、お前は既に相手の強さがある程度読めている。その感覚を研ぎ澄ませれば、そのうち分かるようになる」

「うんうん、そうでよー。うちくらい簡単に出来るようになるでよー」

「いや、簡単に出来たら苦労しないが」

「デスヨネー」


 シャイナスさんはあまりにも簡単そうに言いますけど、彼女の領域に到達する日は来るんでしょうか?


「シャイナスの場合は魂とか魔力とか生命力の輝きとか目に見えないもので強さを判定しているが、おそらくこれは感覚的なもので真似するのは難しいだろう。だが、立ち振舞いや雰囲気、経験則などあらゆることで相手の強さは判定できる。

 もし情報が少なくて判断しづらいなら警戒しろ。たぶんそいつは思っているよりも数段強い」

「うん、わかった!」

「わ、わかりました!」


 感覚的すぎるシャイナス先生と違って、ガイナス先生のアドバイスは実践的で分かりやすくて役に立ちます。というか本当に親切すぎませんかこの人たち?


「あの、このパーティーで私だけ足を引っ張ってませんか?」

「ん? お前は本当にそう思っているのか?」

「だって、私はただついていくのに精一杯で……」

「……それは過小評価すぎるな。俺はむしろお前の働きがキモだと思った」

「うちもそう思ったでよー」


 え、ついてくのに精一杯でうろうろしてただけですけど?


「適当に動いて出来ることをやってくれとは言ったが、お前は思ったより出来ることが多いようだ」

「そ、そうですか?」

「歩いてるだけで周りを片っ端から浄化し、魔物は弱体化してアンデッドは無力化。おまけに味方も強化されている」

「え、そうなんですか?」


 浄化はやってましたけど、魔物の弱体化とか味方の強化とかなんですか? そんなことしてましたか私?


「それにまだ誰も怪我をしてないから出番がないが、回復も出来るらしいな。まさか野良でここまでの聖女がいるとは思わなかった」

「そ、そうなんですか!?」

「おまけに、うちのことを守るように動いてくれとったよー。ちょっと惚れちまうでよー」

「そうだったんだ……チーちゃんすごい!」

「あ、いえ、そんなでもありませんけど……?」


 なんかよく分かんないうちに評価されてました。うええ? なんで??


「ただ、少し視野が狭いな。思いつきの行動が多すぎる。少し見てて危なっかしい」

「まぁ、あれだねぇ。なんとなくあそこを浄化しとこうとか、なんとなく味方のカバーに入ろうとか、無意識にしとるよねぇ」

「そ、そうなんですか?」

「今のところ自分でも自分の動きが理解できていないし説明できない……そういう感じはしないか?」


 あ、はい。自分でもそういう節があるような気がしました。なんか気になったからそう動く、みたいな……はい、全然説明できません!

 終始わちゃわちゃ動いてます!


「俺には何故かそれが正解の動きであることが多いのがよく分からないのだが……」


  あー、私格ゲーレバガチャ勢ですけど、たまたま上手くいってなんか相手を倒した的な……はい、我ながらそんな感じします。


「兄ちゃ。これ、うちらが慣れた方がいいかもしれんねぇ?」

「お前にも分からないのか?」

「んー、なんか知らんけどスルッとなんかしとるでよ。妖精さんみたいだねぇ」

「どうなんだろうな……もう少し動きが分かりやすければ味方としては助かるんだが」

「長所でも短所でもあるねぇ」


 うーん、賛否両論です。というか私でもよく分からない動きしてたようです。他の人からするともっと分からないのは当然ですね?


「あ、そうです! さっきからずっと聞きたかったんですが、【聖女】ってなんですか!? シャイナスさんは聖女なんですよね? 私も聖女なんですか!?」

「む、今更か?」

「今更だねぇ」


 はい、今更です! 色々と聞きたいことが多すぎて、なんだかんだ聞きそびれてました。


「というかチーちゃん聖女って知らなかったの?」

「いやー言葉としては知ってるんですけど、実際どんなことをしてるか知らないっていうか……はい。知ったかぶりしてました」


 ゲームとか小説の世界の聖女なら知ってるんですけど、それとこの世界の聖女が同じか分かりませんからね。


「そうか、それなら仕方ないな」

「これは元本職のうちが神秘のベールに包まれた聖女の実態を赤裸々に告白する流れでよー」

「えっ、そんな暴露話みたいな感じで話をしてくれるんですか?」

「あんまり悪いことは言わなくていいぞ」

「りょうかーい」


 シャイナスさんが軽いノリで語ります。というか神秘のベールに包まれてたんですね、聖女って。


「まず、なんか各地から不思議な力を持った女の子を神殿が連れ去るでよ。それが聖女候補でよー」

「連れ去り!? え、誘拐ですか!?」

「徴兵みたいなものだ」

「聖女には階級があって、見習いから始まり、四級、三級、二級、一級と上がっていくでよ。一般的に三級からいっぱしの聖女と呼ばれてるでよー」

「じゃあ、シャイナスさんの二級聖女っていうのは……?」

「地方巡業レベルのそこそこの聖女でよー」

「シャイナスさんでそこそこなんですか!? じゃあその上の人って女神かなにかですか!?」

「でへへ、チーちゃんはうちを高く評価しすぎでよ。照れるでよー」


 シャイナスさんは楽しそうに笑ってますが、正直この人より上の聖女様みたいなのはあまり想像できませんね。


「聖女は神への祈りによって様々な奇跡を起こせる貴重な存在だ。魔瘴の浄化が出来るのも聖女やごく一部の神職者だけだ」

「そうなんですか……」

「だから同じことが出来るチーちゃんも聖女みたいなもんでよー」

「まぁ、本来は神殿が認定しないと正式な聖女とは認められないから、【野良聖女】と呼ばれるべきか?」


 野良の聖女ってまるで野良猫みたいですね? あ、今の私ケモミミ生えてました。野良猫聖女かもしれません。


「【はぐれ聖女】ってのもかっこいいんでないの?」


 いや、その呼称は経験値高そうで狩られそうなので勘弁してください。


「 あ、うちも【元聖女】だから現役じゃないでよー。今はーただの冒険者ー♪」

「えっと、なんで聖女やめて冒険者やってるの?」


 ユーくんが気になってることを聞きました。私も聞きたい話です。


「これ以上は少し込み入った話になるから軽々しく言えんな」

「もっと親しくなってからなら教えてもいいでよー?」


 残念ながら断られました。親密度が上がらないとフラグが建たないイベントがありそうですね? この二人

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