表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/212

Lo101.ファンファーレが鳴り響く

 船の甲板に集まってる人たち。これから何が始まるのでしょう?


 そのまま待っていると、突然楽器の演奏が流れました! ファンファーレです!! うひゃあ、音楽団が船に乗ってるぅ!?

 何が始まるんですか!? 何が始まるんですか!?


 やがて、船の艦橋(ブリッジ)(船の高いところ)に一人の少女が姿を現しました。服装はどこか日本の巫女を彷彿とさせるような和装。笹の葉みたいなエルフ耳の美少女です。その横に刃渡り1mほどの抜き身の剣が浮いています。

 ……えーと、昨日どこかの武器庫で会いませんでしたかあのエルフさん?


 エルフさんの周りには護衛をするような形で4人の制服にマントをした強そうな人たちが並んでいます。

 あ、あの傷顔のおじさんは昨日お屋敷にいた警備のおじさんですか?


「神帝様だ……」

神帝十二将(しんていじゅうにしょう)もいるぞ……」

「あれがハルテン国の頂点……」


 ……ん? 何言ってるんでしょう?

 エルフさんと警備の人ですよね?


 やがて、どこからともなく音声ナレーションが流れました。


『これより、戦闘鑑【桜花爆進号おうかばくしんごう】の進水式を始めます』


「え、サクラバクシンオーって言うんですかこの船? 何故だかめちゃくちゃ速そうな気がしま」

「『おうかばくしんごう』だよ」

「アッハイ」


 まぁ船の名前はともかく。何故あのエルフさんが一番目立つところに……?


『進水式を始めるにあたり、第九代目神帝ヒオウギアヤメ陛下よりお言葉があります』


 ナレーションさんがそう言いました。えっと、だいきゅーだいめのしんてい……? 陛下……?

 すると、マストに立っているエルフさんに照明スポットライトが当たりました。

 鈴のような澄んだ声があたりに響きます。


『いま、世界は混迷のときにあります。

 大陸では魔王が復活し、既に五大国のうち2つが魔王により滅ぼされました。

 そして我が国にも悪神の脅威が迫りつつあります』


 ……なんかエルフさんが語り出しました。あれ? もうちょっとおっとりした喋り方だったのに、めっちゃ凛とした声出してますね。別人かな?


『私はこのハルテン国の平和、ひいては世界の平和を願います。悪神討伐の為に集まってくれた勇者達に祝福あらんことを』


 エルフさんが手を合わせ頭を下げると、私達の上から光が降り注ぎました。あたたかい光です。なんだか本当に祝福されてる気分になってきました。


 光が降り注ぐと同時に、大歓声が沸き上がりました。


「うおおおおーーー神帝様ーーーーー!!!」

「神帝様の祝福だー!ありがてぇーーー!」

「神帝陛下ふつくしい……」

「うっ、ぐすっ……あたいこの国に生まれて良かった……」


 アイドルかな? 中には感極まって泣き出す人すらいました。限界オタクかな?


「ふぇー、すっごく人気です……」

「そりゃこの国の神帝様だし。ボクも初めて見たけど」

「え、神帝ってサクちゃんですよね?」

「あの御方……神帝ヒオウギアヤメ陛下は九代目だ。300年ほど現役の神帝として活動しているという。歴代でも最長の在任期間だ」

「だから人気あるんでねぇ」


 えー!? あの武器庫で会ったエルフの人が現役の神帝様!?

 そうとは知らずにめちゃくちゃ失礼な口を聞いてしまったかもしれません! 『ひーちゃん』とか呼んでましたし!

 というか一番在任期間が長いんですね? エルフっぽいのでそのせいですか?


「……ってことは、あの人サクちゃんの子孫なんですか!?」

「そういうことになるね」

「ぜ、全然似てないです!?」

「エルフとのハーフだから、そちらの血が濃く出たんじゃない?」

「……もしかしてアンコロモチさんのお母さんでもあるんですか?」

「……そういうことになるね」

「全然似てないです!?」

「それはそう」


 アンコロモチさんは黒髪で耳も普通だしエルフっぽい特徴は全然無いです。見た目普通の人間っぽいんですが、お父さんに似たんでしょうか?


『この国の平和を、そして貴方達の勝利を祈ります。それでは、ここからは初代神帝ミカドに挨拶を代わります』


 そう言ってエルフのひーちゃんが舞台の横に行き、中央に見知ったツノの生えた幼女が立ちました。あれ、サクちゃんです!

 サクちゃんが場に出てきた途端、周囲は鎮まりかえりました。ごくりと誰かが唾を飲んだ音が聞こえます。


『うむ、儂じゃ』


 サクちゃんはいつもの感じで話しました。いや、ノリ軽っ!?

 周囲から少しどよめきが走ります。


『こうして(おおやけ)の場に出るのは何十年ぶりじゃろうか? まぁ、祭りには毎年出とったし会った人もおるかもしれんのぅ。

 何を隠そう、儂が初代神帝ミカドじゃ。

 神帝としての役目は完全にひぃ子に譲っとったので、こうやって初代神帝としてこういう場に立つのはめっちゃ久しぶりじゃな』


 どうやらサクちゃんは久々に神帝として人前に立つみたいです。偉い人っぽいのに街中で普通に歩いててもあまり騒ぎにならなかったのはそのせいだったんですね!


『ほぼ隠居しとったんじゃが、わざわざ儂が出る羽目になったのは理由がある。悪神のクソッタレが復活しおったんじゃ。あやつは儂が過去にも2回くらいシバいたんじゃが、ほんっとしつこいやつじゃ』


 軽妙なトークに場が弛緩します。うへー、この大衆の前で何の緊張もせずに話してる。威厳は無いですが、堂が入った話し方でどこか人を惹き付けます。

 芸人さんかな?


『ほれみぃ、これは今朝買ったたこ焼きじゃ! 儂は愕然としたぞ。タコが小さくなっとるとな!

 昨日買ったイカ焼きもそうじゃった。イカが小さくなっとる!

 これもそれも悪神オオイカヅチが海で悪さをしとるからじゃ!!』


 そう言ってタコ焼きとイカ焼きの具の小ささに怒りを示すサクちゃん。

 あ、小さくなってたんですね。日本基準だとあれでも結構大きかったんですけど……まぁ、日本はどんどん食べ物小さくなってますからね。


『実際、漁獲高は半分以下になっとって漁師さんも大打撃じゃ!

 魔物が活発化したせいで交易も難しくなり、食料の高騰とかで家計にも大打撃じゃ!

 こうなったのも全部悪神のせいじゃ!!!』


 全部悪神のせいと演説するサクちゃん。周りの人もツッコミを入れるかと思ったけど、『うんうん』と頷いています。どうやら全部悪神のせいっぽいです。政治のせいではないんですね?


『……まぁ、それだけじゃないがのぅ。最近、悪神の気にあてられて魔物が活発化しとる。混沌魔物が突如現れ、滅んだ村もおる。船も何隻も沈められた。

 友を、家族を、愛する者を失ったものもおるじゃろう。その悲しみ、悔しさ、想像に難くない。つらかったじゃろう』


 トーンを下げて真面目に話すサクちゃん。人々はそれに聞き入っています。泣いている人もいます。悔しそうに拳を握っている人もいます。

 そうか……私はこの世界に来たばかりでまだ実感が湧かなかったんですけど、魔王や悪神はこの世界の人にとっては悲劇なんですよね。ゲームとは違うんです。この世界にいる人にとっては、現実に起こっている悲劇そのものです。


『じゃがな、この国には儂がおる! このハルテン国の最強が儂じゃ! そしてここに集まったのは、この国でも最強の勇者達じゃ!!

 悪神討伐へ向かう船は完成した!! じゃからすぐに平和は訪れるじゃろう!!!

 悪神のくそったれは儂らがぶっ飛ばしてくるから、帰ってきたら大宴会じゃ!!

 またみんな笑顔で騒ごうのぅ!!!』


 サクちゃんはそう言い切りました。

 演説が終わると、わぁっと大きな拍手と大歓声が上がります。みんなすごい喜びようです。声が枯れるまで叫んでる人もいます。よっぽど鬱憤が溜まってたのでしょうか。サクちゃん、めちゃくちゃ盛り上げ上手ですね。


「サクちゃんってすごいですね」

「うん、すごいね」


 きっと単純に強いだけじゃない。もっと精神的に強い何かを持っている。私はそう感じたのでした。


 うん。悪神がどうとか知らないですけど、絶対勝てますよ! サクちゃんと一緒なら!!

船の名前、かなり悩みました。

直前まで海っぽい名前の『ディープインパクト号』にしようかと思ってましたけど、ギリギリ踏みとどまりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ