プロローグ
お待たせしました、更新再開です!
【柚子缶配信のコメントから】
― おかえり!
― 新生柚子缶キター!
― てぇてぇ!
― まさかのマフユタン加入!
― 妖精譚の解散は残念だったけどマフユタンがいれば生きていけるわ
― ナツキ推しだったワイ、涙目
― アキ推しワイ、同意
― ハルヒ推しはおらんのか?
― (ここにいるよ(こっそり
― やっぱ妖精譚のヒロインはマフユタンだわ
― もう柚子缶のヒロイン、な?
― イヨちゃんってどこからきた?
― マフユの知り合いって言ってる
― フユちゃん先輩www 呼び方かわいいwww
― 加入した2人、ユズキとカンナとの距離感も近くていいね
― マフユはコラボで一緒に探索してたからね
― イヨは?
― イヨは多分恐ろしいコミュ強なんだと思うw
― 久しぶりの柚子缶の探索だったけど、相変わらずぶっ壊れてたなー
― 『氷魔法』の範囲まで『広域化』できるのかよ
― でも魔法スキルってそもそも広範囲に撃てるだろ、メリットあるか?
― ある 魔法スキルは範囲を縮めて圧縮すると威力が上がるんだよ
― 逆な? 範囲を広げると極端に威力が落ちるって方が正しい
― そうとも言えるな だから威力を保ったままで範囲を広げられる『広域化』は十分意味がある
― はぇー すげぇスキルだな
― 『広域化』ってユニークスキルだよな?
― 他に発現したやつが今のところ居ないから、多分ユニーク
― かわいくてユニークスキル持ちとかカンナちゃんまじヒロイン
― ユズキもユニーク持ちなのみんな忘れてるみたいなので俺が貰っていきますね
― ユズキと言えばマフユタンとイヨちゃんの事も呼び捨てにしててリーダー! って感じが出てたな
― わかる、ユズキとカンナだけの頃はリーダーって感じ薄かったけど4人体制だとやっぱりしっかりリーダーしてるわ
― こう言ったら変な感じだけど妖精譚のハルヒのような安心感あったよな
― とりあえず柚子缶が帰ってきてよかったな
― これからは生配信と編集動画を両方出してくるってな、楽しみだ
【女性配信探索者について語るスレから】
11996:
妖精譚ってなんで解散したの?
11997:
柚子缶の前回の動画見てこい
11998:
前回? 配信自体数ヶ月ぶりだろ?
11999:
2週間前に妖精譚と鎌倉ダンジョンを探索した時の動画上げてる
12000:
ファ!?
鎌倉ダンジョンって何ヶ月か前に消失しただろ?
ニュースになってたじゃん
12001:
その原因が妖精譚と柚子缶だった
だから動画見てこい 一応ちゃんと釈明してる
12030:
見てきた ボス初見撃破とかやべぇな
12031:
本当に初見かな?
12032:
まあ裏で何回か挑戦しててもこっちはわからんけどな
仮に何度目かの挑戦だとしてもあれ倒せるのはやべぇけどな
12033:
同感w 俺たちじゃ何百回戦ってもアイツには勝てないよなw
12034:
それで重傷者がでたからコア破壊か
そこでさらっとコア壊せるのも頭ぶっ飛んでるよな、ハルヒとナツキ
12035:
犯罪になるし、損害賠償も請求されるってわかっててその場で破壊即決は普通できないよな
ぶっ飛んでるってか仲間想い過ぎる
12036:
いい女過ぎるだろ2人とも……
12037:
結局刑事責任は問われずに賠償請求だけでそれも額は言えないけどボスの魔石と素材で相殺か
金がプラマイゼロなら探索者クビになっただけ大損だな、もったいない
12085:
妖精譚と柚子缶が賠償金払ったのはわかるけどカマクラバクフは?
12086:
空気
12087:
そこも動画内で説明してただろ?
12088:
まじで? もっかい見てくる
12091:
なるほど、コアを壊したのはハルヒとナツキだから責任はその2人にしかないのか
12092:
結局妖精譚が丸々損害を被ったって事か?
12093:
ボスの魔石と素材を損害賠償と相殺してるんだから、金の面で言えば柚子缶も半分負担したようなものかな
12094:
そういうことか カマクラバクフは?
12095:
だから空気w
12096:
動画見ると、カマクラバクフがボス前のゴーレムを狩ったのがトリガーになったっぽくない?
12099:
そうなんだけど、ボスの最初の攻撃でカマクラバクフは戦闘不能になってて柚子缶と妖精譚がフォローに入ってるだろ? この時点で救援されてるって事になってるんだよ
12100:
バックアップか
12101:
そう それで救援に入った妖精譚と柚子缶がそのままボスを撃破して、コアを壊したのは妖精譚の判断だったから規約上のカマクラバクフにはコア破壊の責任は無いって事になる
12102:
まじか、だから空気か
12103:
そういうこと
12104:
いやー、なんか納得いかない流れだなぁ
12105:
感情論とルール上の責任は別物だからな、ぶっちゃけカマクラバクフのせいで妖精譚が解散しちまったって恨みをぶつけたい気持ちはあるけど、それはしないでくれってハルヒが動画内で言ってたし
12106:
解散する原因になったパーティの事まで心配するとかハルヒさん人間出来過ぎじゃね?
12107:
そういう人柄の良さが滲み出てるから妖精譚は人気あったんだよ
12108:
それで無事に無罪放免のカマクラバクフはどうなったの?
12109:
> 12108
スレ違いだから簡単に経緯だけ書くけど、リーダーは怪我の後遺症が残ってるし、ボスにぶっ飛ばされた2人は最近やっと意識が戻ったらしいけどまだ入院中だしで、このまま引退すると思われる
12110:
ああ、彼らも碌な目にあってないのか
サンクス
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「とりあえず配信を再開した直後の反応はこんな感じかな? 同じような会話のやり取りや下品なコメントと書き込みは省いてるけど、概ね好意的な感じだったわ。」
イヨがプリントアウトした、配信に対するコメントと大手掲示板の書き込みを抜粋した紙を見て、ホッとするカンナとユズキ。
「これって私達がへこまないように好意的な意見だけ抜いてきてるって事は無いよね?」
「「カンナちゃんの○っぱいも広域化してるんじゃね?」とかそういうセクハラ書き込みを悪意あるコメントと捉えるなら、省略してる事になるかな?」
「なにそれ気持ち悪い……。」
本気で嫌そうな顔をするカンナに、イヨは笑って声をかける。
「掲示板のノリなんてそんなもんだよ。下ネタセクハラなんでもござれ。顔を出して配信している以上は芸能人と変わらない扱いされても仕方無いって割り切るしかないね。」
「そうそう。私も顔も知らない人にマフユタンとか言われても嫌悪感しかないけど、そういうのを顔に出さないようにってお姉達に言われてからは気にしない事にしてる。」
「配信コメントの方は露骨なセクハラとかは規制されるからまだマシかな? 妖精譚の頃もマフユタンハァハァくらいしかなかった気がする。」
「それも大概だけどね……。まあ掲示板なんて見ない方がいいよ。そこから得られるものなんて基本無いし、高原がエゴサついでにチェックしてるから何かあれば気付いてくれるから。」
「でも私も顔出ししちゃったからなぁー。ユズ×カンだけじゃなくてフユ×イヨもてぇてぇ! とか言われたら困っちゃうね。」
「ソウネー。」
流石に何年も妖精譚として動画を出してきていたマフユとイヨはこういうコメントに対する扱いを弁えているようだ。要は気にしないという事だが。
「カンナだってよくてぇてぇ! って書かれてたじゃない?」
「実はよく意味わかってなかったんだよね。なんか応援してくれてる感じかなって思ってたんだけど。」
「間違ってはいないのかな……。」
「ユズキは意味わかってるの?」
「ネットスラングだし雰囲気で理解してる部分はあるけどね。私もカンナが仲良くしているところを見てありがとーみたいな感じかしら。」
イヨは隣でうんうんと頷いた。
なんで私とユズキが仲良くすると視聴者が有り難がるんだろう? カンナは益々分からなくなったけれど、とりあえず悪い意味で使われている言葉ではなさそうなのでこれ以上気にしない事にした。
「そもそも最初にてぇてぇ言い出したのって伊予柑さんの中の人であるイヨの柚子缶探索切り抜き動画じゃない?」
「そこに気付くとは流石ユズキさん。」
ユズキが指摘すると、イヨはテヘッと舌を出してイタズラっぽくウインクした。イヨは美人なのでこういう仕草をすると絵になるなとユズキは感心した。自分がやってもこの仕方ないから許しちゃうって感じは醸し出せないだろう。
少し話が脱線していた事に気付きユズキはコホンと軽く咳払いをした。
「さてと。イヨがまとめてくれた資料からは新生柚子缶について概ね好評だったという事で、とりあえずは予定通り4人で探索して生配信または後日編集した動画をあげるというスタイルで続けていこうと思うわ。異論はないわね?」
はーいといい返事をする残りの3人。
「多少アンチが沸いたところで方針を変えるつもりも無かったしね。」
「前にイヨに指摘してもらった「新しい事をし続ける」についてはスキルが増えた事で暫くは大丈夫だと思う。だけどそれでもいつかはまたマンネリ化しちゃうから、その前に積極的にできる事を増やしていかないと。」
「要は今後も継続してスキルを増やすって事だよね。」
「ええ。だから独占されてないボスは積極的に狩っていきたいわね。といいつつ、リスク無く狩れるボスで企業に独占されてないところってそんなには無いんだけどね。これはぼちぼち探しながらやっていきましょう。」
「あとは私の『広域化』で武器スキルの習得、だね。」
「そっちは公に出来ないからなあ。とはいえ確実に強くなれるし、札幌支部に行ったときに何か成果が欲しいところね。」
「上手く来週からの北海道遠征に話を繋げたね。さすがリーダー。」
「高原、茶化さないの。ユズキちゃん困ってるでしょ。」
「……まぁそんな感じで、頑張りましょう。」
継続的にスキルを増やす。多くのパーティがやろうとしても出来ないそれを今後の方針に掲げている時点ですでに柚子缶は日本中でも屈指の実力を持つパーティと言っても過言では無いのだが、本人達にはまだその自覚は、無い。
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