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7 3徹くらい朝飯前

「……おはよ」

「貫徹3日目おはよ、とりあえずお風呂入っといでよ」

「ぅん」


 よくわからないやりとりをしていた会議から早々に帰って、途中コンビニで買いこんだ食糧から昼食を出してそれを食べてから絵を描き始めてからの記憶は絵を描いてた事ぐらいになってる。いつものごとくどっぷりのめり込んで必要時以外の時間全部使ってひたすらに絵を描いてたんだけど、一応1.2期生は描きあがったから残るは3期生のみ。

 ひとまず、貫徹3日の疲れを取るべくお風呂入ってこよ。



 お風呂に湯を張るのも面倒だったからシャワーでさくっとすませてリビングに行けばソファに寝転がってだらけてるフィーがいた。

 しっかし姉妹そろってだらけたブラトップに短パンってどうなのよ一体。


「3徹した成果は?」

「1、2期生は描きあがった。描き上げて構図気に食わないから描きなおしてたら結構かかっちゃった」

「……3期生のテイザーだよね?」

「ああ、どうするのかって言ってなかったけ。スライドショーっぽい感じで1、2期生流して黒抜きシルエットで3期生最後に流そうかなーって」

「あー、なるほど言いたいことはわかった。そのくらいならすぐできるよ」

「さっすが2期生のマジキチ枠」

「お姉ちゃんもスカウトされてるしマジキチなのは一緒でしょ」


 そこを言われると何も言えないし、そもそもが姉妹そろってマジキチだからなおさら何も言えない。


「あー、それとこの前会社行った時うちで働かないかって言われたから雇用契約してきた」

「フリーランス辞めるんだ」

「多少はメリットの方が勝ったからねー。それに3期生がらみの仕事が増えるとなると掛け持ちになるのはどうもね。できるっちゃできるけど、今までの案件とは毛色が違うし」

「1、2期生は一人ひとりにママがいるからね。なんか用意するとかなってもがっつり張り付く感じにはならないって聞くし、6人全員ともなればそうもなるよね」


 まあそれも本来なら半々で担当わける予定だったって聞かされたけどね。にしてもさ、3期生っていう自社の顔を新たに作ろうかってのに手を抜きすぎでしょ。やろうとした手段がブラック企業のそれだし。

 Vtuberってもの自体がここ最近注目を浴びるようになってそのへん緩くなってるんだろうけど、そのうち首が回らなくなってくるパターン入りそう……あれ、急にデメリットが勝ってきてるような。


「今日はどうするの? 3徹明けだけど」

「寝る、一旦頭リセットする」


 1、2期生の構図で頭の中埋まってるから寝て一旦リセットかけてから3期生の絵を描き起こそう……ん?


「どうかした?」

「Twitterの通知と朱音さんからの……ああ、そういえば発表したんだっけ」


 これ以上ここにいてもやることも進展もなさそうだし、ってことで早々に帰宅した私と違って本社で3D配信で3期生デビューの発表をしたらしい。

 朱音さんから飛んできたLINEによると、私のキャラデザ及び配信で使う2Dその他もろもろがそろい次第詳細日時を決めるとのこと。発表した内容としては3期生デビューの発表と担当絵師の発表、それに合わせてTwitterのアカウントの開設予告などを配信したらしい。

 Twitterアカウント作るのはいいけど、名前とかどうするんだろ。


「うん、結構同接もいたから周知もだいぶできたよ」

「どのくらいいたの?」

「10万は超えてたかな。配信した後はトレンド1位だったし、お姉ちゃんがママって言ったあたりからコメント加速して追えなくなったんだよね。ほら、この前私の立ち絵描いてたでしょ? それがあれこれ推測を呼んでって感じで」

「推測もなにもアーカイブ見て好みの絵柄だったから描いただけなんだけどね」


 どっちにしろそれがいい宣伝になってるならいい事だけど。


「アカウント作るって言ってたけど名前とかどうするの?」

「今週に初期案の絵があがるって言ってたからそれ見せて名前決めてもらおうかなーって話に」

「あー、私の絵待ちって事」


 今週って言ったけど早々に仕上げたほうがいい感じかな。納得いくまで調整したかったけどしょうがない。


「初期案でいいなら3日くらいで描けるよ」

「さっすが。ということはまた3徹?」

「だねー、まあ3徹程度で描けるなら安いものよ。予定なら7日かけて描くつもりだったし」

「うげ、お姉ちゃんが7日かけて描くとか恐ろしいんですけど」

「人を化け物みたいに言うけどフィーも同じでしょうに」


 フィーも興が乗ったとかでめっちゃ時間かけて作った動画がすぐに億再生いったじゃないの。


「それじゃあ、そろそろ3徹入る前準備で寝るわ」

「んー、おやすみ。また4日目の朝に」


 一旦寝て起きたら、大仕事だ。


*** *** ***


「……」

「おはよ、4日ぶり」

「ぉ、はよ」

「うわ、精魂尽き果ててる……とりあえずお風呂行こうねー」


 4日目の昼。6人分の立ち絵と各部詳細絵を描き終えてリビングに行くとなぜかフィーにお風呂に連行されて服を脱がされたと思えばシャワーを浴びせられて髪と体を洗われた。

 

「む……お姉ちゃん胸大きくなってない? 前揉んだ時より肉感増してるというか」

「これ以上胸いらないんだけど……」


 徐々に目が冴えてきて頭も回りだしたんだけど、お風呂場でフィーに体を洗われるついでに胸をこねくり回されてる状況。そのこねくり回してるフィーの胸も私のと大して変わらないように見えるんだけど、双子だからって体系そこまで似なくてもいいと思うんだけど。


「ブラのサイズないならどっかのブランドとコラボして規格作ればいいんじゃない?」

「そう都合よく仕事来ないって。そもそも今企業所属だし」

「あー……うちならどことコラボしてもおかしくないからわかんないよ」

「その時はその時でやるからいいけど」


 下も洗おうとするフィーの手を止めて自分で洗ってからお風呂場から出た。さすがに下は自分で洗うから、そんなしょげた顔されても自分で洗うから。

 美容院用のドライヤーで髪を手早く乾かして脱衣場に置いてあるバスローブを着てリビングに行けばフィーが冷蔵庫からサンドイッチを出してきた。なんか最近フィーの生活力上がってない? 


「冷食カップ麺生活してるって配信で言ったらまともなの食べろって言われたから」

「私らみたいな職種だったら普通の食生活だと思うんだけど、一般的じゃないのね」


 ちゃんと焼かれたパンで作られたサンドイッチを食べつつ、今日の予定を立てる。6人の絵はひとまず完成した。細かい修正も入れたいところだけどひとまずは名前決め用って事で。とりあえずこれ本社に持っていこう……あ、データ送ればいっか。


「とりあえず、全期生の絵は仕上がったから動画の方よろしく」

「んー、任せといて。華々しい動画にするから」


 動画用のデータをフィーに送って本社にもデータを送って……後は何しようか。


「そういえばお姉ちゃんTwitterのプロフ更新した?」

「してないかも。後でしとく」


 この3日ネット関連なにも開いてないからあれからどうなってるかさっぱりわからないんだよね。

 まあいいや、寝る前にさくっと更新しますか。


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